よろこびのうた
  • 完結

よろこびのうた

少年・青年マンガ
968円 (税込)

4pt

北陸の勝野市、田園地帯の集落で火葬場から老夫婦の焼死体が見つかる。警察は老老介護の末の心中と結論付ける。事件から半年後、東京で週刊誌記者をしている伊能は取材ため勝野市を訪れる。近隣住民の口は重く難航する取材のなか伊能は、地域の雑貨屋の駐車場に残る濃いタイヤ痕、焼死した夫婦が事件の半年前に車を買い替えたこと、挙動不審な小学生という三つの『不自然』に気付く。それは事件の深淵へ至る第一歩であった。

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よろこびのうた のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    購入済み

    最後の迎え方くらい選ばせてくれ

    広告などでご覧になられているように、絵は決して上手なほうではありません。
    しかしテーマや、老夫婦のいきさつを綴るのに軽すぎず、重すぎずちょうど良い絵でした。あまり写実的な作家さんが描いたら重たすぎて社会に絶望感を抱いていまっていたかも知れません。
    認知賞をわずらっていた奥さんや旦那さんや行き着けのコンビニ店主など・・・登場人物全員が悪くないのに、罪悪感を感じる・・・という描写が巧みでした。(悪くない、というのは私の個人的な意見ですが)

    若干、突っ込みを入れるとするなら虐待父の描写が浅い・・・というのがありますがそれはこの作品の「刺身のタンポポ」程度の要素なので放っておきましょう。
    虐待部分で残酷要素を強くしてキャッチーにする手法もとれたのでしょうが、ぶれることなく目的のテーマを貫き通した作家さんを賞賛します。

    猫の描写が上手だと思ったら巻末で猫飼ってると言われてて納得でした。
    以上、余談。

    3
    2017年02月12日

    購入済み

    人生について考えさせられる

    良作。DV、村、認知症、介護、現代社会において誰しもが人事でない事柄をうまくまとめている。最初の頃に単調な絵だなあと思う印象も、嬉しいことに後半ちゃんと裏切られる。1巻で読めてしまうコンパクトさが嬉しい。漫画というとどうしてもキャラが先に来てしまうことが多いが、ストーリーで読ませるこういう漫画が増えることをもっと期待したい。偶然にもこの作品に会えたことを感謝したい。

    2
    2016年09月10日

    匿名

    購入済み

    とても読みやすくて個人的に好みの作品でした。ハッピーエンドかバッドエンドかは読み手によると思いますが、私はハッピーエンドだったと思います。

    #泣ける #切ない #怖い

    0
    2025年07月29日

    Posted by ブクログ

    老老介護に疲れた夫婦の無理心中で処理された事件を取材するため、限界集落にとんだ記者が見たものとは。

    誰かが言っているが、たしかにファンタジーでありフィクションである。本人、または身近に介護者や被介護者がいる者が汚い面を全く描いてない、美化していると憤慨するのも理解はできるが、この作者と作品に関しては描きたいテーマにふさわしい見せ方を選択したのだと感じた。
    書きたいテーマとは何かだが、個人的には「イノセントな夫婦愛」だと感じた。
    救い難く悲惨な現実、陰惨で猟奇的な事件など、いくらでも露悪的にグロテスクに描けるし、現にその手のフィクションは巷にあふれている。
    辛い現実に必ず救済が用意されてる訳ではないと、むしろそんなのは一握りの幸運な特例だと、テレビやインターネットの連日の報道で私たちはもう知っている。この作品は、ただ光をあてる場所が違うだけだ。
    どんなに惨い結末をむかえたとしても、そこに至るまでの道のり全てが哀しみや苦しみだけで埋め尽くされていたとは思わない。

    表紙には手を握り合い幸せそうに目を閉じた老夫婦。
    死んでいるのか眠っているのか、その表情は満ち足りて安らかだ。
    だがこれは火葬場の中で、夫婦は今から生きながら燃やされようとしている。

    フィクションだ。あたりまえだ。ファンタジーだ。それはそうだ。でも誰も何も悪くない。

    赤星のみ例外だが、本書の登場人物が誰かが誰かの為に行動した。
    誰かを守り庇い助ける為の行為が必ずしもハッピーエンドに繋がる訳ではなく、回り回って人を呵責し、死に至らしめる事もある。

    老老介護、過疎化した限界集落、DV、虐待、終活。
    キーワードだけ並べるとなんとも殺伐とした印象を受けるが、実際の描写はシンプルな絵柄も相まって淡々としている。
    夫婦が選択した終わり方は過激だが、私には二人が不幸だとは思えなかった。
    火葬場の中で交わされた最期の会話、「神様!」という妻の心の叫びは、空の上の神様に向けたのではなく、彼女にとっての神様……最期の最期まで彼女を愛し包み労り思いやり、共に添い遂げんとした最愛の夫に向けたものだと私は思った。

    個人的に物足りない点を挙げれば、よそ者の傍観者に徹した記者の存在感。
    集落の内側の話を書く為には仕方ない役どころだったのかもしれないが、彼が地道な取材を重ね関係者を洗い、断片を再構成して真相へと至るミステリー的な構成を思い浮かべていたので、受動的・一方的に語り聞かせられる立場に終わってしまったのが少し残念だった。

    1
    2019年12月16日

    購入済み

    深い愛

    読み終わって、考えこんでしまいました。私に同じ事が起きたらこのご夫婦の様に出切るのかな?と…。

    0
    2016年11月03日

    Posted by ブクログ

    老老介護の末の覚悟の焼身自殺・・・という事件を取材に限界集落を訪れた若い記者は、その背後に隠された真実を知ることになる。一種のミステリー。小説ならば長編ではなく短編になるだろう。介護の現場、虐待、そして良くも悪くもそれに対応するムラ意識などが描かれる。丁寧なつくりの佳作であるが、自死のありかたがテーマなので、次の世代へのメッセージよりも、静かな終末観に覆われているように思われる作品。

    0
    2016年07月30日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ネット広告が気になって電子書籍で珍しく購入。

    夫婦が火葬場で音楽を流しながら心中していたという実際に起きた事件をもとに、筆者がバックストーリーを膨らませていったという作品。
    夫婦が心中へと向かっていく過程が丁寧に描かれている。独特のコントラストの濃いイラスト、夫婦の優しい表情などの描かれ方が温かい。

    子供を守るためとは言え、人を殺してしまった妻の、「私のせいでこの人を地獄に道連れにしてしまう」という思いと、妻が一人で罪を背負って苦しんでいるのを放っておけず、「一緒に死んで、代々受け継がれてきた田に帰ろう」と思う夫。お互いがひたすらに相手を思い合っていて、悲劇的なのに温かい。切ないのに、羨ましい。苦しくて優しい。

    私には結婚の予定なんて当分ないのだけれど、するかどうかもわからないけれど、お互いにここまで思い合える夫婦に少し憧れてしまう。

    1
    2016年10月16日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    老夫婦が焼身自殺をする話なんだが、夫婦がずっと穏やかに思い合って、死ぬ瞬間まで、互いを思いやっているのが深い。これはこれで幸せな最期だった、と真相を追いかける記者が呟くが、確かにそう。
     老老介護の果てに、と世間は言うのだが、繰り広げられる光景に、奥さんは確かに認知症と糖尿病と、足が悪くなって歩けない三重苦で、旦那は高血圧でそれでも家事一切やりながら奥さんのことも面倒見ていて、限界集落で若い人も少ないから町内会の集まりとかも中心人物的に参加しなきゃならないのだが(この夫婦には子供がいない)、旦那さんはそんなに苦しそうではない。もともと働き者で「家事が少しきつくなった」というのだけれど、奥さんに当たるでもなく、奥さんも病気で心がすさむわけでもなく、ただただ、穏やかな日が前半、繰り広げられる。。

    1
    2016年07月30日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    アイディアは悪くないけれど、結局人を殺めた罪悪感の果てに、ふたりだけの世界に閉じこもって自死を選ぶ、という感じがちょっと好きじゃないな、と思った。裁かれていないんですよね。善人と悪人、という恣意的な概念がある物語だと思う。地獄の業火をモチーフにしているのは、その中でいえば、すこし救いだ。/なので満足度も低いしちょっとこういう倫理観キライだな、とも思ったのですが、中盤の展開がやはり面白かったのと、こういう手触りの作品は少ないと思うので、おまけで星を上げておきます。宇仁田ゆみ的な絵も物語によく合っていた。

    1
    2017年07月19日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     ある村で夫婦が自死を選んだらしい。老々介護の果て、焼身自殺、などなどニュースでバッと放映され、世間的には焼身自殺と言うことで話題にはなれど、それらはすぐに風化する。
     しかしある一人の記者が、上司の命令ということもあるけれどその自死について踏み込まなければならなくなった。
     そこでその自死について奇妙な点があらわになり、一歩また一歩と記者はある事実に近づいていく。
     誰が正しいと言うわけでも、誰が正しくないと言うわけでもない。
     ただ哀しく、ただ良くないことが重なった、とも言えるし、死んで当たり前の父といえるくらい虐待なんぞする父親とは言えども、そこに至るバックグラウンドが少し弱めなのと、周りがもっと気にかけていれば、一歩間違えれば『誰も知らない』みたいた哀しい結末になっていた可能性もある。
     今回はたまたまアクセル踏んで殺したわけだが、それまでは心配だねえ、で放置していたわけで。近所付き合いもあるないとかあったわけだけど、年配同士はよく話やらしてたみたいだしなあ。

     あるニュース報道を元に膨らませた物語(結果のみ利用させて頂き過程はまったく別)とのことで、絵は物凄く上手、とは言わないけれど安定はしており、老老介護、死ぬと言うこと、生きると言うことをじんわり考えさせられる作品。
     マイナーな内容でもあるので是非とも。

    0
    2017年04月25日

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