もう30年近く追っかけてる。
高校時代は氏が埼玉大学で教鞭をとられていると知り、
同じ県にいる事が嬉しくなり、
最近は同じ区内にファーブル昆虫館を建てられた事を知り、ご自宅はこんな近くにあったのだなぁと感慨深く思い。
一度ご紹介を受けてお会い出来たが、積年の情熱がほとばしり過ぎて、まともお顔を合わす
...続きを読む事はおろか、会話すら一言も出来なかった。
きっとおかしなヤツだと思われたに違い無いが、
図鑑でしか見た事の無かった、憧れの蝶々と30年目にして初めて目の前に本物と対峙出来た、と、
そんなシーンを思い浮かべていただけるなら多少の酌量の余地はあるかもしれず、
いつか冷静に虫について話をしてみたい。
前置きが長くなったが、
こちらの本は「ほぼ日の学校 オンラインクラス」にて、
池澤夏樹氏との対談を聴いた際に、ランボーについて「kotoba」誌にエッセイを連載しており、それが本になるとおっしゃっていたので、もしやと思い、探してみたら見つけた一冊。
氏の自伝である。
今までにも時折幼少期の話は書かれていらしたが、
詳しく記述くださっているのは大変興味深い。
当時流行っていた、または聴いていた音楽の話、
文学だけでなく、氏の世界は様々な分野に及ぶ。
お父上の工場で働く工員さんや女中さんや猫やご家族の逸話の数々。
「銀の匙」やら「しろばんば」のような、自伝的名作文学には今の時代ではならないのかもしれないが、
学校の教科書くらいには何十年と掲載していただきたくなるくらい、滋味深い話の数々である。
これからも不死身かっ、というくらい、
長く長く虫と文学を愛で、
執筆を続けていただきたい。
*最近引越しをせねばならなくなり、
今の氏がお住まいになられているであろうマンション近くの物件をたまたま紹介された。
結果的にはそこには住まなかったが、
決まった新居はファーブル昆虫館の徒歩圏内であった。
氏の事が無くても、虫の生態には興味が尽きず、
時にフィールドワークにも出かける。
いつか、こちらの虫観察会にも参加してみたいものである。