奥本大三郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
奥本先生は1944年生まれ。幼少期と少年時代を大阪府郊外の田園地帯で過ごした。その思い出を綴る。全部で21章。
病弱で、肋膜炎や脊椎カリエスを患った。学校に行けず、病床三尺の生活。図鑑を眺め、雑誌や本を読む毎日。図鑑の昆虫や鳥や獣が空想のなかのよき友となった。
よく聴いたラジオ番組(テレビはまだない)、胸躍らせた絵物語や漫画、夢見た食べ物や果物、当時見た映画、歳末の街角の風景などなど、昭和20年代後半から30年代にかけての思い出や風物が並ぶ。各章の扉を飾るイラストも、どこか谷内六郎風で、昭和30年代を思わせる。
蝶がらみで、ポール・ジャクレー(1896-1960)のことも出てくる。彼は浮世絵の -
Posted by ブクログ
もう30年近く追っかけてる。
高校時代は氏が埼玉大学で教鞭をとられていると知り、
同じ県にいる事が嬉しくなり、
最近は同じ区内にファーブル昆虫館を建てられた事を知り、ご自宅はこんな近くにあったのだなぁと感慨深く思い。
一度ご紹介を受けてお会い出来たが、積年の情熱がほとばしり過ぎて、まともお顔を合わす事はおろか、会話すら一言も出来なかった。
きっとおかしなヤツだと思われたに違い無いが、
図鑑でしか見た事の無かった、憧れの蝶々と30年目にして初めて目の前に本物と対峙出来た、と、
そんなシーンを思い浮かべていただけるなら多少の酌量の余地はあるかもしれず、
いつか冷静に虫について話をしてみたい。
前 -
-
-
-
Posted by ブクログ
十人十色の「孤独論」とあるが、実際に20人近くの知識人、著名人による寄稿の寄せ集めなので、ダイジェストとしての読み応えはあるが、全てが皮層的で浅い。なんだか格言や至言を探し出したり、その言葉の周辺を少しだけ肉付けしたような文章。それでも思考のきっかけを得たり、脳内に連鎖して考えさせられるのだから、読書は面白い。複数人分を読んで、余韻で考えるのが、私自身のオリジナルな「孤独論」というわけだ。
人は、社会的分業をしているために完全な自給自足にはなり得ない。また、直接会話をする相手がいなくても、本や看板など、目に入る日本語は、その集団に帰属している証拠。ゆえに言葉が分からぬ海外での孤独感は一層強ま