【感想・ネタバレ】孤独のレッスン(インターナショナル新書)のレビュー

あらすじ

少子高齢化や核家族化の進行、そして、2020年から猛威をふるう新型コロナウイルス。まさにいま日本社会においても孤独は「対処すべき問題」として注目されています。本書では孤独に向き合った作家の評論や、冒険、山小屋生活などで得た独自の孤独論など、総勢17名の著者が様々な孤独を語ります。何気ない日常の、騒がしい街中で不意に襲ってくるあの「孤独感」はなんなのか? 決してネガティブなだけではない孤独の持つ「孤高のしたたかな世界」に浸れる一冊です!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

人それぞれの孤独

17名の著者による孤独論。
特に興味を惹かれたもの↓

中条省平(フランス文学者)/孤独と追放――アルベール・カミュ最後の10年
『異邦人』『ペスト』の作家という程度でしかカミュを知らなかったので…作家にここまでの重圧というのは現代では存在しないのではないかな

奥本大三郎(フランス文学者)/永井荷風――独身者の悦びと不安
気ままな一人暮らしが印象的でした。

新元良一(作家)/ソロー『森の生活』が語りかける声
この孤独、場所だけなら我が家の近所でも実践できそう。僻地じゃなかったんですね。

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2025年04月29日

Posted by ブクログ

感想
どれだけの才を持ち合わせても、どれだけの美貌を手に入れても。孤独は人間に付きまとう。耐えるという態度を捨てた楽しむという付き合い方。

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2023年04月26日

Posted by ブクログ

寂しさや不安から来る孤独や一人ぼっちの孤独なら分かる気がする。17人の作家陣の考える孤独と孤独へのアプローチが様々で、孤独って奥が深いんだなと思った。想像力や創造力を生み出す有意義な孤独を味わいたいと思った。

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2024年09月14日

Posted by ブクログ

十人十色の「孤独論」とあるが、実際に20人近くの知識人、著名人による寄稿の寄せ集めなので、ダイジェストとしての読み応えはあるが、全てが皮層的で浅い。なんだか格言や至言を探し出したり、その言葉の周辺を少しだけ肉付けしたような文章。それでも思考のきっかけを得たり、脳内に連鎖して考えさせられるのだから、読書は面白い。複数人分を読んで、余韻で考えるのが、私自身のオリジナルな「孤独論」というわけだ。

人は、社会的分業をしているために完全な自給自足にはなり得ない。また、直接会話をする相手がいなくても、本や看板など、目に入る日本語は、その集団に帰属している証拠。ゆえに言葉が分からぬ海外での孤独感は一層強まる。しかし、海外ですら人目を気にして着飾る。超音波で自らの位置関係を測るイルカのように、他者の価値観を確認しながら、自らの存在を定める。つまり、物理的には、人の孤独というのは、成立しない。精神的かつ瞬間的な「孤独感」というのはあるのだろうが、それすら意識を変えれば、「帰属感」を取り戻せる。着ている服を見て、ああ、誰かと繋がっているのだと。いや、手のひらを見て、遺伝子の繋がりを感じれば十分なのかも知れない。

しかし、時に、「孤独感」から復帰出来なくなる。

この「孤独感」は相対的なもので、群れからの排除が肉体的危機感をもって襲いくる、極めてプリミティブな本能だ。クラスに一人。会社でポツン。例えば、一人野外で寝ていると、襲撃された場合に気付かないリスクがあるから身体は常に緊張状態にあり、ストレス値が上がる。家族や集団と生活をすれば、そのストレス値は下がる。信頼できない集団は逆作用だが、しかし故に、孤独感は基本的に身体に悪いものだ。

ー 高村友也 吝嗇こそが孤独になるための条件

自分が大事!と、お財布や時間、健康と言った自らのパラメータ保持にセコい人は、酒付き合いが悪くなって、孤立するよみたいな話だ。噴飯しそうになる。だって、孤独の回避さえ、人間関係資本というパラメータの追求なのだから。吝嗇だから人付き合いをするし、吝嗇だから、飲み会を断る事もある。これは、欲望を追求するプログラムにおいて、どのパラメータを重視するのが最適か、という優先順位の話でしかない。

孤独論は、人それぞれ。人それぞれ、という表現もまた価値観の重層を許す他者の容認であり、それを言い出せば、言葉そのものが孤独と対立する概念である事に気付き、観念遊びに自嘲する。

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2024年05月25日

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