作品一覧

  • 孤独のレッスン(インターナショナル新書)
    3.5
    少子高齢化や核家族化の進行、そして、2020年から猛威をふるう新型コロナウイルス。まさにいま日本社会においても孤独は「対処すべき問題」として注目されています。本書では孤独に向き合った作家の評論や、冒険、山小屋生活などで得た独自の孤独論など、総勢17名の著者が様々な孤独を語ります。何気ない日常の、騒がしい街中で不意に襲ってくるあの「孤独感」はなんなのか? 決してネガティブなだけではない孤独の持つ「孤高のしたたかな世界」に浸れる一冊です!
  • 私たちはAIを信頼できるか
    3.8
    ゲーム、言語、哲学の最新知見から、最先端の5人が集まりました。 「信頼」をテーマに、2022年の「AIと人類」の現在地に迫ります。 AIは世界を再構築できるか。「意味がわかる」とは何か。 人間の無意識は、AIに奪われているのか。 もっともわかりやすく、もっとも刺激的な、2022年のAI論! 〈目次〉 はじめに 生活と社会のなかの人工知能 山本貴光 TALK1 三宅陽一郎「世界と知能を再構築する」 エッセイ 人と人工知能の拡張――メタバースとスマートシティ、リアルと仮想を越えて TALK2 川添愛「意味がわかるとは何か」 エッセイ “信頼できるAI”に向けての課題 TALK3 大澤真幸「無意識が奪われている」 エッセイ 〈無為〉という能力 TALK4 座談会「私たちはAIを信頼できるか」 大澤真幸、川添愛、三宅陽一郎、山本貴光、吉川浩満 BOOKS AIと人類の36冊 山本貴光&吉川浩満 おわりに 吉川浩満
  • 自由に生きるための知性とはなにか
    4.0
    【出口治明さん推薦!】「唯一無二のわたしだけの「からだ」とわたしだけの「物語」、この2つを探求する旅は果てしなく広く深い」 差別ってなんだろう? 自分の“好き”を見つけるには? 経済乱世をどう生きる? ――自分のモヤモヤを問いに変え、他者とともに考えはじめたとき、自由な未来への扉がひらく。第一線で活躍する専門家が集結、学問領域を越えて、自由に生きるための知性を語り尽くす。本書を読んだ一人ひとりに扉がひらかれることを願って――。
  • ネオ・サピエンス誕生(インターナショナル新書)
    -
    1巻891円 (税込)
    SFの中にしかなかった世界が今日、現実になる。明日はさらに人間の身体能力、コミュニケーション能力が「拡張」され、人間存在と社会の意味を変えるだろう。そこに現れるのはネオ・サピエンス、そしてユートピアなのか? ロボットや脳、情報科学の研究者、ジャーナリスト、ミュージシャン、アスリートらが、来るべき「人間拡張」の未来を考える。2021年9月刊の『kotoba』(集英社)の特集「人間拡張はネオ・ヒューマンを生むか?」を新書化。
  • 理不尽な進化 増補新版 ――遺伝子と運のあいだ
    4.4
    1巻1,100円 (税込)
    生物種の99.9パーセントが絶滅する。生物の歴史はずいぶんと「理不尽」な遍歴をたどってきた。本書は、絶滅という観点から生物の歴史を眺め、俗説が人びとを魅了する構造を理解することで、進化論の本当のおもしろさを読者に差し出す。アートとサイエンスを全方位的に見渡し、かつ両者をあざやかにむすぶ、現代の名著がついに文庫化。
  • 脳がわかれば心がわかるか──脳科学リテラシー養成講座
    3.5
    1巻2,640円 (税込)
    はんらんする脳科学・脳情報に振り回されず、「脳の時代」を生き抜くための処方箋を示した、平易かつ本質的なマップ(『心脳問題』2004年、朝日出版社刊)から12年を隔てた増補改訂版。改訂にあたって改題しました。 【著書から|増補改訂版に寄せて】 「旧版刊行から約10年、じつにたくさんのことがありました。本書のテーマである心脳問題をめぐる状況も大きく動いています。  たとえば、脳科学における知見の蓄積、神経美学や神経経済学といった新分野の興隆、あるいは脳波によってコンピュータを操作するブレイン=マシン・インターフェイスのような技術の発展は、旧版で論じた問題をさらに先鋭化させています。これまで技術的な限界もあってウヤムヤのままにしてきた諸問題に、私たちはいよいよ直面しつつあるのです。  それだけではありません。私たちの無意識のバイアス(認知の偏り)を暴きだす行動経済学の知見や、数度目のブレイクスルーを果たしつつある人工知能研究は、脳科学とは別の角度で、私たちの自己認識と社会のあり方を根底から変えつつあります。いまや心脳問題自体が些細な問題となりつつあるのではないかとすら思えるほどです。  しかし、それは心脳問題の解決を意味しません。本文で確認するとおり、心脳問題は私たちの心と身体をめぐるもっとも根本的な哲学問題であり、これからも何度でも回帰してくるでしょう。見ぬふりを決め込むのでもなければ、このような厄介な問題に対処する方法は多くありません。ひとついつでも有効な手は、問題そのものの性質や条件を、一度は真正面から考え抜いてみることです。たとえ解決はできなくても、理解することが力になります。諸科学の知識と技術によって人間の定義そのものが揺らぎつつある現在、あらためて何が問題であるかを示す里程標として、この増補改訂版を提示する次第です。」 (「増補改訂版へのまえがき」より)

ユーザーレビュー

  • 理不尽な進化 増補新版 ――遺伝子と運のあいだ

    Posted by ブクログ

    吉川浩満著「理不尽な進化——遺伝子と運のあいだ」を読んだ。本書は進化論の本来の意義や面白さを改めて確認し、その上に進化論が含む矛盾とすら思える理不尽さ、そして一筋縄ではいかない生命、あるいは種の原理について冷静に指摘している。進化論の解説としてはもちろん、思想史、さらには哲学書としての役割すら果たす出来である。俺は進化論というある種中空的で、いかなる問題も巧みに包含してしまう学説について、とても不思議に、あるいは奇妙にすら思っていた。進化論の汎用性を理解したのは新型コロナウイルス感染症のワクチン接種の際、即製のワクチンを危険だと忌み嫌い、その間にも感染症を発症し倒れていく過激派たちを目撃した時

    0
    2024年11月27日
  • 理不尽な進化 増補新版 ――遺伝子と運のあいだ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    説明と理解、方法と真理、サイエンスとアートの両面および狭間から進化論を論じた本。進化論についての概要や議論はもちろん、社会での進化論の扱いやダーウィニズムの哲学思想への影響まで、多くの視点をもらえる本だった。

    適応主義は、副次的な効果に過ぎない機能を目的に最適化された結果だとこじつけてなぜなぜ物語を作り出してしまいがちである。この線形的で短絡的な判断は、現在存在しているものが最適化されていて最善の状態だと結論づけてしまう。これは社会に現存する不条理から目を背ける思想たりうる。
    グールドは以上の考えから、自然淘汰による適応のみではなくその最適化を妨げる制約にも目を向ける多元主義的なアプローチを

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    2024年10月30日
  • 理不尽な進化 増補新版 ――遺伝子と運のあいだ

    Posted by ブクログ

    これを読んだあとは、日常に蔓延する進化論的コピーが気になってしまう。

    社会でも、会社でも、個人でも、強いから/能力があるから生き残っていると思い込むのは間違った認識。実力勝負は確かに存在するが、実力勝負にいたる舞台の設定は運でしかない。たしかに。

    適者生存というスローガンが指すのは、生存したものが結果的に環境に適応したに過ぎないということだけ。いま生き残っているのが優れていることを証明するわけではない。誤解して使い過ぎている。
    言葉のお守り的用法、周りにたくさんありそう。

    好きな言葉、
    現実はもっと理不尽寄り。

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    2023年04月04日
  • 自由に生きるための知性とはなにか

    Posted by ブクログ

    自由に生きるための知性
     これはいってしまえば=教養なのかなと思った

    第一部が特に心に残った
    教養を学ぶ意義
    教養と社会の関係について整理できた

     いま、教養が大事だと改めていわれている理由
     →教養から専門知に傾いて
      専門家と一般人のコミュニケーション
      が上手くいかず、さらには
      非対称な垂直な関係になり
      専門家と一般人の間の信頼が崩れた
     →終身雇用制度が崩壊しており
      学び続ける力が必要になってきている
       =エンプロイアビリティ

     一方で、教養・リベラルアーツとは、
     それがある人とない人を隔てる垣根であり
     いま社会から求められている教養との間に
     ジレンマが

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    2023年03月26日
  • 理不尽な進化 増補新版 ――遺伝子と運のあいだ

    Posted by ブクログ

    科学史としての進化論も本書の視点で扱いつつ、でも進化論自体の本ではなく、進化論と非科学者である私たちの「進化論の理解」との関係を、進化論自体の本質的な面白さと絡めて語り尽くす。圧倒的に面白い。もともと進化論自体にそこまでの興味があった訳ではなかったはずなのに読む程にぐいぐいと引き込まれて進化論がいかに現代人の価値観に染みついて便利に使っているのか、しかもそれでいて実はそれは進化論自体ではないのでは、と。アート&サイエンスってビジネス書の流行りワードの一つみたいに使われること多いけど本来こうあるべきなのではと強く感じる楽しい読書でした

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    2022年12月04日

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