吉川浩満のレビュー一覧

  • 理不尽な進化 増補新版 ――遺伝子と運のあいだ
    とても面白い。
    最初の話を読んだら諦観しそうだが、そうはならないので知的なジェットコースターのような感覚でもあった。
    生きる上での一つの軸になりそう。
  • 理不尽な進化 増補新版 ――遺伝子と運のあいだ
    これを読んだあとは、日常に蔓延する進化論的コピーが気になってしまう。

    社会でも、会社でも、個人でも、強いから/能力があるから生き残っていると思い込むのは間違った認識。実力勝負は確かに存在するが、実力勝負にいたる舞台の設定は運でしかない。たしかに。

    適者生存というスローガンが指すのは、生存したもの...続きを読む
  • 自由に生きるための知性とはなにか
    自由に生きるための知性
     これはいってしまえば=教養なのかなと思った

    第一部が特に心に残った
    教養を学ぶ意義
    教養と社会の関係について整理できた

     いま、教養が大事だと改めていわれている理由
     →教養から専門知に傾いて
      専門家と一般人のコミュニケーション
      が上手くいかず、さらには
      非...続きを読む
  • 理不尽な進化 増補新版 ――遺伝子と運のあいだ
    科学史としての進化論も本書の視点で扱いつつ、でも進化論自体の本ではなく、進化論と非科学者である私たちの「進化論の理解」との関係を、進化論自体の本質的な面白さと絡めて語り尽くす。圧倒的に面白い。もともと進化論自体にそこまでの興味があった訳ではなかったはずなのに読む程にぐいぐいと引き込まれて進化論がいか...続きを読む
  • 理不尽な進化 増補新版 ――遺伝子と運のあいだ
    くどい文章ではあるが面白い視点をたくさん提供してくれる。なるほど絶滅に視点を置くとそうなるか、お守りとしての進化論、そして説明と理解の議論。経営学の世界でも進化論的な物言いを目にするし、現在の経営学は実証主義の説明の世界が主流ながらそれでいいのかという疑問があった。その解答を得たわけではないがさまざ...続きを読む
  • 理不尽な進化 増補新版 ――遺伝子と運のあいだ
    ウィトゲンシュタインの壁。
    生の問題(不条理性)から逃げないこと。

    自分を棚に上げて科学を礼賛しないこと。

    不条理にこそ価値がある。
  • 理不尽な進化 増補新版 ――遺伝子と運のあいだ
     文庫本オビの名だたる評者のコメントに魅せられて手に取ってしまった一冊。  

     本書は科学としての進化論について論ずるものではないし、一般読者にも理解できるよう丁寧に論述されているが、内容を一言で説明することは難しいので、気になったところを、以下書き留めておく。

     「私たちは進化論が大好きである...続きを読む
  • 理不尽な進化 増補新版 ――遺伝子と運のあいだ
    「理不尽」という言葉がこんなにも進化論(ネオダーウィズム)を表現するのにピタッと合致するとは思わなかった。
    ドーキンスとグールドの論争、そして実社会で言葉のお守りとして俗用(悪用⁉︎)される進化論について丁寧に解説されており、仕事も含めて今後の人生にプラスになる書籍であり、おすすめできる。
    ただし、...続きを読む
  • 理不尽な進化 増補新版 ――遺伝子と運のあいだ
    <あとがき>
    私は自分で掘った穴を自分で埋めるようなやり方で本を書く。 はじめに躓きがある。原因を探るために地面を掘り返すが、掘り返したところで見つかるわけではない。躓いたのは地表においてなのだから。 今度は掘り返した土を埋め戻すことになる。 新たな目標は、もはや躓く余地がないほど地面を平坦にするこ...続きを読む
  • 孤独のレッスン(インターナショナル新書)
    感想
    どれだけの才を持ち合わせても、どれだけの美貌を手に入れても。孤独は人間に付きまとう。耐えるという態度を捨てた楽しむという付き合い方。
  • 私たちはAIを信頼できるか
    GPT3についても言及されている(多分この本が出た時はまだネットニュースとかに掲載されていなかったと思う)。ゲームでは味方のAIにユーザーは厳しいとか各界からの意見が面白い。
    インタビュー中も様々な本が出てくるが巻末でも要約した感じでお勧め本が紹介されているのはありがたい。
    人工知能におけるフレーム...続きを読む
  • 私たちはAIを信頼できるか
    あとがきにあるとおり、「信頼」という概念を軸として、「AIを作る」「AIを使う」「AIと生きる」という観点からAIと人間社会の未来を考察した本。根本に立ち返った議論が多く、AIの何が問題なのか、頭の整理ができる。また、36冊の読書ガイドがついており、さらに学びたいときの道しるべにもなってくれる。中で...続きを読む
  • 私たちはAIを信頼できるか
    専門分野も立場も異なる方々が、それぞれの観点でAIについて考える。
    AIについて考えることは人間について考えることであり、人類の未来について考えることでもある。
    かなり易しく書かれているので、AI・神・人間・信頼といった単語にビビッと来た方は読んでもらいたい。

    巻末におすすめの本が紹介されており、...続きを読む
  • 自由に生きるための知性とはなにか
    感想
    自由を獲得するための努力。自由とは上から与えられるものではなく、自ら勝ち取るもの。現代社会では知性を磨くことが自由を勝ち取るための戦い。
  • 理不尽な進化 増補新版 ――遺伝子と運のあいだ
    はじめて進化論がらみの本を読んだのがグールドの『ワンダフル・ライフ』だったと思う。20年以上まえ、グールドが亡くなる少し前のこと、たまたま本屋で平積みになっていたのを手に取った。読んでみていたく感心して、ほんの数冊だが他の著作も読んだ。その後、グールドが非主流派というかキワモノ的な立ち位置でドーキン...続きを読む
  • 脳がわかれば心がわかるか──脳科学リテラシー養成講座
    おばあちゃんが亡くなったときの悲しみは、ただシナプスの反応に過ぎないのか・・・まぁ、そんなことを言われたらムカっとくるだろう。でも、脳科学で進めばそうなるんだよ、という人はたしかにいるのかもしれない。その感覚的にはなんかヘンだなぁということを、さまざまな文献を広げつつ話してくれるのが本書の楽しさだ。...続きを読む
  • 私たちはAIを信頼できるか
    AIとは、人間には不可能な全知に近い領域から、その対象にとって最も合理的な最適解を導く事の出来るツールと言える。桁数の多い暗算は人間には難しいが、計算機は即答だ。同様に、数字による規則性ではなく、言語による記号接地、つまり現物と言葉を対にして紐付け、概念にも言葉を当てはめ、自然言語をマスターした上で...続きを読む
  • 自由に生きるための知性とはなにか
    印象的な章
    なぜ人はあいまいさを嫌うのか
    人間関係のデモクラシー

    本が答える人生相談では読んでみたい本が何冊か発掘できてありがたかった。
    分厚い本だったけど小難しくなくすぐ読めてしまった。

    章の最後に もっと考えてみよう。の問いがあったのがさらに良かった。

    いろんな気づきや考えるきっかけになり...続きを読む
  • 理不尽な進化 増補新版 ――遺伝子と運のあいだ
    第一章:理不尽な絶滅(ゲームのルール変更による絶滅)が絶滅理由のほとんど。
    第二章:現代人はラマルク・スペンサー的進化(進化=進歩、改善)を進化としているが、ダーウィン的進化(生存者=適応者)は別物。
    第三章:適応した機能は全て最善の機能であるため、なぜその機能を持っているのかを推測することには意味...続きを読む
  • 理不尽な進化 増補新版 ――遺伝子と運のあいだ
    理不尽な絶滅
    運で決まるルール、
    適応したもの、たまたま適応していたものが生き残る


    これは理不尽な絶滅と同じなのかもな、と思うことがたびたびある。