現代のファーブルが語る自伝エッセイ 蝶の唆え

現代のファーブルが語る自伝エッセイ 蝶の唆え

1,782円 (税込)

8pt

5.0

大人のための児童文学。

終戦直後の大阪郊外。製粉工場を買い取り事業を始める父、そこで雇われたインテリの経理、シベリア帰りで共産思想の叔父さん、子連れで食べ物を乞う深夜の訪問者、進駐軍の横流し物資を持ってくる伊達者などなど、敗戦直後の個性的な大人に囲まれ、少年はトンボや鯉をつかまえ、全身で自然を満喫して育ちます。
しかし好事魔多し、当時は死病とされる結核菌に襲われます。ストレプトマイシンが効を奏し、一命はとりとめたものの、学校は長期休暇、毎日寝て過ごさなくてはなりません。
病床の楽しみはラジオや新聞の絵物語。とくに山川惣治や樺島勝一の絵に魅了されます。そんなある日、従兄弟のお兄さんが持って来たのが昆虫標本でした。少年は「木組みがほぞ穴にはまる」ような快い衝撃を受けます。病床であるが故につのる昆虫採集への憧れ。戦前の図鑑を見ながら、遠く台湾への想いを深くする日々。
ひと昔前の日本人と社会風俗、そして少年の心象風景とあいまって、のちに虫好きフランス文学者の少年期が鮮やかに描かれます。ギンヤンマ、絵物語、カウボーイ、進駐軍、ラジオ……、懐かしいものがいっぱい詰まった「大人のための児童文学」です。

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  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    小学館
  • ページ数
    240ページ
  • 電子版発売日
    2020年04月17日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    4MB

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
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現代のファーブルが語る自伝エッセイ 蝶の唆え のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    奥本先生は1944年生まれ。幼少期と少年時代を大阪府郊外の田園地帯で過ごした。その思い出を綴る。全部で21章。
    病弱で、肋膜炎や脊椎カリエスを患った。学校に行けず、病床三尺の生活。図鑑を眺め、雑誌や本を読む毎日。図鑑の昆虫や鳥や獣が空想のなかのよき友となった。
    よく聴いたラジオ番組(テレビはまだない

    0
    2025年05月09日

    Posted by ブクログ

    もう30年近く追っかけてる。
    高校時代は氏が埼玉大学で教鞭をとられていると知り、
    同じ県にいる事が嬉しくなり、
    最近は同じ区内にファーブル昆虫館を建てられた事を知り、ご自宅はこんな近くにあったのだなぁと感慨深く思い。
    一度ご紹介を受けてお会い出来たが、積年の情熱がほとばしり過ぎて、まともお顔を合わす

    0
    2020年06月18日

現代のファーブルが語る自伝エッセイ 蝶の唆え の詳細情報

  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    小学館
  • ページ数
    240ページ
  • 電子版発売日
    2020年04月17日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    4MB

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