角川文庫作品一覧

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  • 妖しき瑠璃色の魔術
    4.0
    元参議院議員の折笠修一郎が、新築した自宅で刺し殺された。死体のそばには、全身に返り血を浴び、右手に血まみれの包丁を握ったまま意識不明となった折笠夫人。状況から、妻が夫を殺し、その直後に睡眠薬入りのブランデーを飲み自殺を図ったのは確実とみられた。…だが、じつはそこには大胆奇抜な殺人方法が隠されていた。事件の捜査に烏丸ひろみ刑事が投入されるが、その前に現れたのが前作『哀しき檸檬色の密室』の犯人。烏丸ひろみに恋した殺人犯人は、彼女のために折笠事件の真犯人を追及するが…。『三色の悲劇』シリーズ最終作。
  • 西銀座殺人物語
    -
    西銀座のクラブ『莉花』の美人ママに惚れ込み、遠く熱海から新幹線で通ってくる中小企業のオーナー社長・牛田辰則。その熱意の甲斐あってか、ママから「したいの」と刺激的な一言。ところが、その言葉の裏に秘められていた世にも恐ろしい事情に気づいたときには、時すでに遅く、牛田は泥沼に片足を突っ込みかけていた…。文庫書き下ろしの表題作ほか、ピザとビザを間違えている社長へのご注進騒ぎ、勤続二十年の記念休暇をきっかけに大胆な変身をはかろうとした男の失敗、等々、作者十八番の笑いと恐怖のミステリー短編全六編を収録。
  • ガリバー旅行記
    3.9
    寝ている間に手足と体をしばられ、台車にのせられて小人国の都につれてこられたガリバー。小山のような人間に、都は大さわぎ! 左足を鎖でつながれたガリバーは、小さな皇帝と会うが……。
  • サブマージ 県警捜査一課・城取圭輔
    3.0
    長野県警・城取警部補は不正な寄付を受けた疑いの代議士の身辺調査を命じられた。更に彼の秘書2名は相次ぎダイビング中に事故死。やがて事件を結びつけるある人物の存在が明らかとなり、事態は思わぬ方向へ
  • GONIN サーガ
    -
    1巻704円 (税込)
    日本映画界を席巻した傑作「GONIN」の待望の続編。19年前の暴力団大越組襲撃事件の遺児たちの数奇な運命を描く、濃密なバイオレンス・エンタテインメント。鬼才・石井隆監督による原作。
  • 機密文書
    -
    臨時雇いの女性社員に、ふとしたきっかけでのめりこみ、あげくの果てに、会社憎さに機密文書を漏えいする中年ノンキャリアの屈折した心情を描く表題作ほか、薬害問題に悩む製薬会社の弱みにつけこみ、株のカラ売りで一儲けを企む男女の愛憎を描く「悪念の剣」、余命一年の胃癌だと思い込んだ真面目一方の銀行員が、サラリーマンの保身のための習性を崩し、新聞社に情報を流してまで正義をとおそうとするが皮肉な結果を招く「癌の斧」など、企業社会の様々な人間ドラマをリアルにとらえた傑作小説集。
  • 編集長連続殺人 -13日目の惨劇-
    3.0
    『週刊A』の編集長が就任十三日目に崖から車で落ちて事故死した。次の編集長も十三日目でサーカスを見学中、ライオンに喉を噛み切られ死亡。三番目の後任も衝撃から自殺――。いずれの現場にもなぜか道化師の姿が。そして、犯人から届いた怪文書。出版社社長自ら編集長を買って出たが、運命の十三日がまた近づいてきた……。精神分析医・氷室想介がたどり着いた衝撃の事実とは。
  • 天佑なり 上 高橋是清・百年前の日本国債
    4.0
    足軽の家に養子となった少年、のちの高橋是清は、英語を学び、渡米。奴隷として売られる体験もしつつ、帰国後は官・民を問わず様々な職に就く。生来の勉強家は、現場経験を積んだことで不世出の銀行家へと成長する。
  • 末席重役
    -
    生糸業界の名門企業で、取締役企画部長というお情けの重役ポストにある男が、任期切れ直前、色と欲の二股をかけた人生最後の勝負に賭ける。会社の含み資産に目をつけた香港の仕手筋の株買い占めに便乗して、自社株の思惑買いに出た。しかし最後に思わぬ皮肉な結末が待ちうけている――。表題作の株式がらみの企業小説をはじめ、企業に生きる人間が遭遇する重要な岐路をさまざまに描き、現代に生きる我々に示唆をあたえる傑作企業小説集。
  • 遠野物語拾遺retold
    3.8
    『遠野物語』が世に出てから二十余年の後――。柳田國男のもとには多くの説話が届けられた。明治から大正、昭和へ、近代化の波の狭間に集められた二百九十九の物語を京極夏彦がその感性を生かして語り直す。
  • 継ぐのは誰か?
    -
    人類は今や絶頂期にある。だが、「完全」ではない。技術文明の発展速度にくらべ、人間の叡智は常にそれに追いつくことができず、ますます制御不可能になっている。このままでは、人類の限界が必ずくる――。「チャーリイを殺す」。世界各地の大学で奇妙な予告があいつぎ、しかも現実のものとなっていた。このヴァージニア大学でも、優秀な学生であるチャーリイが、研究中に高圧電流に感電してしまった。予告通り、彼は殺されたのだ! これは、極度に巨大化・複雑化したコンピュータ社会を密かに狙う新人類の出現なのか? 文明の最先端をよりどころとし、彼らは人類にとってかわるのだろうか? 小松左京ライブラリによる詳細な解説を収録。
  • わが郷愁のマリアンヌ(上)
    3.0
    1~2巻704~748円 (税込)
    ロンドンに赴任した貿易会社常務・倉内優二は、取引きを始めた陶磁器メーカーの女性オーナー社長マリアンヌと運命的な出会いをした。優二は、青年時代から憧れていた『嵐が丘』のヒロイン、キャサリンを彼女に投影し、会う度ごとに思いを募らせていった。その頃、彼女の会社のマネージャーの死体が立木に囲まれた静かなホテルで発見された……。北イングランドの荒野に展開する華麗な愛のミステリー。
  • 遙かな坂(上)
    4.0
    大手スーパー〈マイウェイ〉の凍結庫で店長が凍死体になって発見された。東京四部長の逢坂常平は、早朝、警察からの電話で事件を報らされる。捜査は、自殺、他殺、事故死のいずれも決め手のないまま難航した。――逢坂の家庭では、妻千鶴を中心に、ひとり息子剛の東大合格だけを目標に生活を組みたてていた。少しでも入試に有利な条件を得るためのコネや情報、有能な家庭教師。だが、常平の九州への単身赴任、膨らむ教育費を補うための千鶴のアルバイト等により、家庭は大きな亀裂を生じていった……。家族全体を巻きこむ受験地獄と苛烈な流通戦争を描き、学歴社会を鋭く告発する社会派推理の力作長編。
  • 砂の殺意
    3.0
    五歳になる一人息子が、遊びに出かけたまま戻ってこない。子供を捜しにいった母親は、心あたりの工事現場で、心臓が止まりそうなショックを覚えた。ダンプカーから落とされた土砂で生き埋めにされ、死んでいた! 過失致死か? それでは一体誰が……。母親の執念の捜査がはじまる。息子を喪くした母親の怒りと憎悪が胸の中で激しく燃えたぎった。だが、その憎悪の果てに彼女を待ちうけていたものは……。平凡な日常生活のなかで誰もが遭遇しうる事件をテーマとし、女性心理を見事に描いた傑作短編集。表題作ほか七篇を収録。
  • 梟の裂く闇
    4.0
    十二年前、肥後の村で記憶を喪い、村人に助けられた谷五郎。妻女と子に恵まれ、平穏な一生を送る筈だった。だが、村に兵が押し寄せた時から、彼の運命が、大きく変わりはじめる──。書き下ろし時代長篇。
  • 十三番目の陪審員
    3.3
    1巻704円 (税込)
    殺人事件を捏造し、警察と報道がいかに冤罪を生み出すか暴こうと考えた男は、思いもよらぬ死体の出現で逮捕されてしまう。民主的司法をめざして復活した陪審制のもと、十二人の市民がこの事件に下す意外な評決とは。
  • 珍らしや蟾蜍、吐息す
    3.0
    暴力団組長・瀬田雄一は風貌が蟾蜍に似ていた。瀬田は、神浴温泉郷に旅館をもっていたが、ホテル王・小野田万作に追い詰められ、手放したのだった。小野田にひと泡ふかせる機会をうかがっていた瀬田は、茶吉尼の外法を使うというオババと手を組んだ。狙いは小野田が北極点に建設しようとしているレジャーホテルだった……。ユーモラスな大冒険活劇決定版。
  • 丸太の鷹
    4.5
    1巻704円 (税込)
    下北沢探偵公司の辰吉さんが、銀次と絵里ちゃんを従え、難解を通り越え不条理の域に達してしまった事件を追っかけて、白昼の団地へ夜の巷へ、はたまたインド、香港へ――。さらには、未収録の傑作短編を三つも加えて、生きててよかった二重丸の1冊です。
  • 不器用な愛
    4.0
    無骨で不器用だが、人生の情を知る愛すべき男たち。仲間を売る『卑しき道』を歩む監察官、悪党から鮮やかに金を奪う詐欺師、雨の酒場で一夜ブルースを奏でる見知らぬ男……故風間一輝の傑作ハードボイルド短篇集。
  • 漂泊者
    4.3
    殺人罪の時効は十五年。もうまもなく時効が成立する男が、いまお前たちの目の前にいる。俺だよ――私立探偵の室井。横浜の養護施設新設を計画したら、周辺の住民から反対運動が起こった。しかも牧師や信者にまで嫌がらせが始まったという。調査を依頼された室井はその背景を洗い出していくが……。池袋のさびれた裏通りにある古アパートの住人たちの人生を中心に据えた“風間ワールド”シリーズ。不器用だけれど、どこかいとおしい男たちを描いた傑作長編ハードボイルド。
  • たたかう天気予報
    4.3
    1巻704円 (税込)
    ついに出た!火浦功の腹を抱えてトコトン笑える小説集「たたかう天気予報」がコレだ。一度読み出した者は、最後の最後まで涙を流して笑い続けるという、恐怖笑説でもりだくさん。
  • 直訴
    3.5
    東邦事務器商事のセールスマン宮本は、一人の女性をめぐり、そして課長の椅子を狙って同期入社の五十嵐と熾烈な売上げ争いを繰り広げていた。ふとしたことから、五十嵐と上司の不正の証拠を掴んだ彼は、悩んだ末、社長に直訴状を書き送るが――。表題作「直訴」ほか傑作企業小説五篇を収録。
  • 去りなんいざ狂人の国を
    3.0
    ……く、苦しい……。突然数百もの人々が、激しいめまいと嘔吐に襲われ、折り重なって倒れた。それはまさに地獄絵の出現であった! ――関門トンネルで起きた青酸ガスによる無差別殺人。犯人は政府に五十億円を要求したが、政府はこれを拒否。そのために犯人は、青酸ガスで地下鉄を襲い、さらに、日本の全刑務所開放を要求してきた……。犯人を必死に追跡する特捜部の鳴海・神谷の両敏腕捜査員と、それを嘲笑うかのごとく大量虐殺を繰り返す残忍無類の犯人。スリリングに展開する、アクション・ハードボイルドの傑作。
  • 黒猫の眸のほめき
    -
    13人の編集者が取材旅行で東北自動車道を北上していた。待ち合わせた地点で先着しているはずの西村寿行の姿はなかった……。神隠しか?3ヶ月後の同時刻、編集者たちは、再びその集合地点に向かった。なんと、そこには失踪した時と同じ服装の2人がいた。作家の不思議な妄想の世界へと案内する、抱腹絶倒冒険譚!
  • 追われる男
    4.0
    プレハブ住宅の中国進出の賭けに出た住宅メーカー社長の挫折から、戦後日本経済の縮図を浮き彫りにした長編小説。
  • 鬼の跫
    4.0
    真昼の情事に溺れる妻を尾行し、その現場に踏み込んだ現職警部・越智数正は、許しを乞う妻を射殺し、相手の男・由布文人の膝頭を射ち抜いた。懲役10年6ケ月―刑は確定し、越智は千葉刑務所に収監された。そして服役中に唯一の心残りであった娘・珠樹が自殺したことを知る。妻が死に、娘が死んだ今、不義を働いた由布は、やはり死をもって償うべきだ。越智は受刑者を束ねる暴力団組長と共謀し脱獄を図り、復讐の鬼と化した。一方、越智逮補に失敗したかつての上司・瓜生も職を辞し、越智を追う旅を始める……。傑作ハード・ロマン。
  • 空蝉の街
    4.0
    警察を馘になった平泉と親友の宗村は、金もなく無為の日を送っていたが、ある日、大和化学工業の重役から機密文書をもったまま失踪した社員の捜索を頼まれる。会社の依頼が罠と知った二人は、反撃の牙を剥き敵と闘うが、事件の裏に某外国政府との秘密利権を嗅ぎつける。凌辱と怒りと殺戮の血みどろの追跡行! 痛烈ハードロマン!
  • 梓弓執りて
    -
    手術ミスを犯し、復讐鬼と化した患者に追われる外科医は、逃亡の果てに……。迷妄のハードロマン。
  • 臓器賭博
    -
    負けがこんだ男の代打ちを頼まれたギャンブラーの古賀。ゲームは現金の代わりに自分の臓器を賭けることができ、依頼主はすでに4つの臓器をとられていた。自分の臓器をカタに勝負に望む古賀。勝負の行方は?
  • 五木寛之自選文庫〈小説シリーズ〉 晴れた日には鏡をわすれて
    4.1
    淋しい冬の海。隠岐の民宿で働く牟田口アカネは、自分の醜い容貌に絶望し生きていた。彼女が待っていたものは、まさに「なしくずしの死」。そんな彼女を絶世の美女に変えようという、神への反抗ともいうべき試みを企てる男が現れる。草影真人――。彼と摩天崖の絶壁に立ったとき、アカネの命は奇妙な軋みを立て震えた。美醜の対立がもたらした鮮烈な愛と冒険の新ホラー・ロマン。
  • 五木寛之自選文庫〈エッセイシリーズ〉 ゴキブリの歌
    -
    雑文は、日々の生活の報告書にして、作家の内面を映す鏡。メロンパンを愛し、原稿の締切に追われ、トイレの大改造に取り組み、異邦人だった少年時代を想い……。軽妙な文章で描かれた、原寸大の五木寛之と、時代の素顔。達意のユーモアに頬をゆるめ、三枚目的な作家の言動に笑いながら、気がつけば耳の奥で時代の歌が鳴り響いている――。1970年代初頭の世相と自身を活写した、第2エッセイ。
  • 午後の自画像
    -
    五十嵐一、阿部薫、高橋和巳、立原正秋他――追想との「出逢い」。ガルシア・ロルカの死、カルパントラ以後――時代との「出逢い」。歴史の暮方、医と私と親鸞、音楽の風土――書物との「出逢い」。そして十四歳、三十四歳当時の日記との「出逢い」。時代と自己に深い眼をむけて、常に先駆的存在であり続けた三十年間の作家生活の中から、衝撃的「出逢い」の数々を収めた等身大のエッセイ集。
  • 五木寛之自選文庫〈エッセイシリーズ〉 風に吹かれて
    4.2
    「私はやはり基地を失ったジェット機でありたいと思う。港を持たぬヨット、故郷を失った根なし草でありたいと感じる」――時代の風のなかにこそ青春があり、暮らしがあり、夢がある。風に吹かれて漂いつづける日々を、ホロ苦さを隠し味にしたユーモアとペーソスあふれる文章で綴る第一エッセイ。刊行以来四半世紀、世代を越えて読み継がれる永遠のベストセラーが、いま、再び時代を撃つ。
  • 流氷の夜会
    -
    十歳ちがいの会社経営者・神保公司と結婚した智美。しかし平穏な結婚生活は半年も続かなかった。公司の会社が傾くと、柄の悪い一味が我が物顔で社内を出入りはじめ、自宅には不気味な航空写真が届くようになった。写真に怯える公司は失踪。夫の行方を追う智美は、忌まわしい過去の事件へと足を踏み入れていく―――。複雑に絡み合う人間関係が生み出す犯罪を、著者渾身の力で描く、傑作長編推理!
  • 捜査線上のアリア
    3.0
    銀行員の津村豊和は雑誌の懸賞小説に応募、幸運にも新人賞に入選した。入選後は会社も辞め、取材の依頼や講演が殺到し「時の人」となった。だが、それも一時期だけで、原稿依頼もとだえ、妻の則子は温泉街の芸者になり生活を支えることに。ある日、津村は泊まっていたホテルで殺人事件に巻き込まれ、“容疑者”として取調べられた。皮肉な事にこれをきっかけに津村の小説は急に売れ出した。一方、捜査線上には、意外にも流行作家のMが浮かんだが、Mには鉄壁のアリバイが―――。文壇の内幕を抉る、社会派ミステリー!!
  • 一身上の都合により、殺人
    3.5
    ◎駅のゴミ箱をあさってエッチな本を拾い上げる上司を見た! ◎モテない部下が可愛い女の子と結婚することになり猛嫉妬! ◎社宅に越してきた部長の若奥さんが生意気でアタマにきた! ◎家族そろってのハワイ旅行が仕事のせいで出発当日中止に! ◎大枚をはたいてグリーン車に乗ったらクソガキがバカ騒ぎ! ◎冷たい会社に腹を立てて辞表にグチを思いきり書き連ねた! 誰もが経験しそうな状況から意外だらけの殺人が勃発する。大人の世界の笑える恐怖──テレビドラマ化もされた、そのとっても歪んだ世界をあなたにお届けするミステリー短編集。
  • 牢獄の花嫁
    3.0
    息子の郁次郎と許嫁の花世とともに、余生を送るのを楽しみにしていた元名与力・塙江漢。増上寺で見つかった女の死骸の犯人に、郁次郎が犯人にされてしまう。息子の無実を暴くため、江漢が黒幕に立ち向かう。
  • シャッター・マウンテン
    3.7
    北アルプス、“瞑りの楽園”に突如起こった地滑り。山小屋の経営者久作らは、山のいつもとは違う不吉な気配に戦いた。蝙蝠や蜻蛉の大量発生、幽霊の目撃談。次々と起こる不可解な出来事、ついに死者が--。
  • 超高層ホテル殺人事件 書き下ろし短編付き
    -
    クリスマスイブの夜、オープンを控えた地上62階の高層ホテルのセレモニー中に、ホテルの総支配人が転落死した。鍵のかかった部屋からの転落死事件の捜査が進むが、最有力の容疑者も殺されてしまい!?
  • 殺意の漂流 異型の曠野
    -
    二流のサラリーマン問題評論家・河合清重は、講演にでかけた先のホテルで、『コルト45口径』という一挺拳銃を見つけた。拳銃に魅せられた河合は、密かに銃を持ち帰るが、その日を境に仕事の依頼が急増していく。人生を狂わす悪魔の銃は、さまざまな人間たちの人生を変えていくが!? 悪魔の銃に魅せられた人間たちを描く、連作傑作集!
  • エンプティスター
    3.3
    恋人の七海と別れ、山崎隆二は途方に暮れていた。成人雑誌の編集部も辞め、校正者として無為に過ごす毎日。そんななか、七海の友人で行方不明になっていた風俗嬢の可奈を見たという噂を聞き、山崎は鶯谷へ向かう。彼女には会えなかったが、やがて「助けに来て」とすがりつく電話がかかってきた。山崎は囚われの身となっている可奈を救うため、海を渡った……。透明感あふれる文体で感情の揺れを繊細に綴った、至高の恋愛小説。
  • 西の善き魔女1 セラフィールドの少女
    4.1
    北の高地で暮らすフィリエルは、舞踏会の日、母の形見の首飾りを渡される。この日から少女の運命は大きく動きだす。出生の謎、父の消失、女王の後継争い。RDGシリーズ荻原規子の新世界ファンタジー開幕!
  • 夕映えの殺意
    3.0
    “家出人捜し屋”の片山は、旧知の米国人実業家・ハサウェイから、「かつて戦時中に命を救ってくれた5人の男を捜して欲しい」と依頼される。さっそく人捜しを開始するが、すでに3人が不可解な死を遂げていた。さらに調査を進めていくうちに、片山は満州で全滅した日本人村で起こった、おそろしい虐殺の全貌に近づいていく……。
  • 星のふる里
    4.0
    夫・浩一が失踪した。安定した日常に身を任せつつも「夫に女がいるのではないか」と疑いはじめた矢先の出来事だった。事故か、計画的な蒸発か? 妻・耀子がわずかな痕跡を追うと、愛人・眉村理枝の存在にたどりつく。愛人の存在にショックをうける耀子だったが、女同士の奇妙な連帯感が生まれ、浩一を探して理枝はギリシア、トルコへと飛んだ。女性心理の機微と夫婦関係の脆さを赤裸々に描き、ミステリー・ロマンの新しい方向を示した意欲作。
  • 虹への旅券
    4.0
    失恋の痛手を癒すため、商事会社のOL・穂積裕希子はヨーロッパ周遊ツアーに参加する。イスタンブール、アテネ、ローマへ旅を楽しむが、機中での洋酒びんの落下、トプカピ宮殿での落石事故など、裕希子の回りで不可解な出来事が頻発する。同じころ、東京で起きた殺人事件の容疑者として裕希子の名が浮かび、警察は彼女の行方を追っていて!? 森村誠一が贈る、旅×サスペンスの傑作推理!
  • 凶水系
    -
    これが捜査陣を、翻弄する怪事件の始まりであった――。熊谷の荒川で子供達が悲鳴を上げた。発見された溺死体の男は八高線鉄橋から落とされたのか? 次いで完全な密室状態であった高崎のマンションから男が墜落。身辺から八高線の切符が現れた……。一見何の関連もない二つの事件に隠された、意外な接点とは!?
  • 企業特訓殺人事件
    -
    「一人や二人の新人が死んでも、会社の存続にとって物の数ではない!」業界屈指の発展ぶりで注目される化粧品会社粧美堂の営業課長大津は、研修会の席上で冷然と言い放った。二年前、会社の新人養成特訓中、病弱な兄をしごき抜き、遂に死に至らしめた男が今、速水正吾の目の前にいる。兄の死の真相を探るため、敢えて粧美堂へ入社した正吾は、仇の正体をはっきり認識すると、爆発しそうな怒りを必死に抑え、大津に対する復讐の計画を秘かに練りはじめるのだった……。
  • エスパイ
    4.0
    人の心を読み、遠くの出来事を察知する遠感(テレパシイ)や透視能力、意志の力で物体を動かす念動力(サイコキネシス)を持つ超能力者たちの諜報集団「エスパイ」。その一員であるタムラに、ソ連首相暗殺計画を未然に防げという緊急指令が下った。しかし、その任務はすでに何者かに嗅ぎつけられ、彼の乗ったジェット機には時限爆弾が仕掛けられていた。いったい「敵」は何者なのか!? 痛快SFスパイ長編!
  • 切り裂きジャックの告白 刑事犬養隼人
    4.1
    東京都内の公園で臓器をすべてくり抜かれた若い女性の死体が発見された。やがてテレビ局に“ジャック”と名乗る犯人から声明文が送りつけられる。その直後、今度は川越で会社帰りのOLが同じ手口で殺害された。被害者2人に接点は見当たらない。怨恨か、無差別殺人か。捜査一課のエース犬養刑事が捜査を進めると、被害者の共通点としてある人物の名前が浮上した――。ジャックと警察の息もつかせぬ熾烈な攻防がはじまる! ※本書は二〇一三年四月に小社より刊行された単行本『切り裂きジャックの告白』を改題し、文庫化したものが底本です。
  • 夜の海に瞑れ
    3.7
    癌に冒された老ヤクザを故郷の淡路島まで運べ。舞いこんだ依頼はたやすいはずだった。だが、謎の追手の襲撃によって、老人と親友が拉致される。しかも、その老人は、五十年以上前にシベリアの捕虜収容所で、凍土に葬られたはずの男だった。組織を裏切った老ヤクザの本当の狙いは何か。殺し屋、ロシアンマフィア、そして日本の闇権力の陰謀と裏切りが交錯しあう中で、探偵碇田が執念の追跡の果てに見たものは……? 過去の傷痕に引きずられ、闇に蠢く男たちの吐息。信義なき世界でぎりぎりの誇りを全うする孤独な闘いを、壮大なスケールで描き切る、冒険小説!
  • 鹿鳴館盗撮 剣豪写真師・志村悠之介
    4.3
    写真師で元幕臣の志村悠之介は、幼なじみの百合子と再会する。彼女は子爵の未人となり鹿鳴館の華といわれていた。逢瀬を重ねる二人は鹿鳴館と外交にまつわる陰謀に巻き込まれ……。大好評"盗撮"シリーズ!
  • 迷走女刑事
    3.0
    相変わらず度々妄想の世界に旅立ってしまう、警視庁捜査一課所属、宮藤希美。“おやじ好き”のイケメンと甲賀忍者の末裔、新たに加わった個性派な同僚たちと共に、“3”ずくめの奇怪な事件も華麗に解決する(はず)!
  • 蒼穹の射手
    3.5
    1巻704円 (税込)
    日本がカンボジアでのPKO活動に踏み出した頃、航空自衛隊千歳基地に一人の男が着任した。真田二等空尉、戦闘機パイロットである。彼が搭乗を命ぜられたのは、コクピットの装備がこれまでとまったく異なるF15イーグル。一部の政治家、防衛産業、空自OBらによって極秘に開発されたこの機体には、夜間低高度侵攻能力と核装備能力が与えられていた……。大空に憑かれた男たちの過酷な任務と運命を描く航空冒険小説。
  • 幻双城事件 仮面の王子と移動密室
    3.6
    奇妙な城がたたずむ離島に招かれた10人の男女。性別も年齢もばらばらだが、唯一共通しているのは「美術家の子どもたち」ということ。果たして見えない犯人による、新たな連続殺人の夜が始まる!? 果菜、黒彦の推理は!?
  • 紅に輝く河
    2.7
    神託が全てを決定する宗教国家、ファスール王国。正妃の娘に生まれた赤子・アスタナは、「国に仇なす」「国を救う」という二つの異なる神託により、三日違いで生まれた第二婦人の娘と密かに入れ替えられることになる。波瀾の王女の青春を描く、ドラマチック・ファンタジー!
  • 確信犯
    3.3
    かつて広島で起きた殺人事件の裁判で、被告人は真犯人であったにもかかわらず、無罪を勝ち取った。13年後、当時の裁判長が殺害され、事態は再び動き出す。事件の関係者たちが辿りつく衝撃の真実とは!?
  • 妄想女刑事
    2.8
    警視庁捜査一課所属・宮藤希美には奇癖があった。スイッチが入ると、ところかまわず妄想の世界に没入してしまうのだ。だが、これが謎のバーテンダー・御園生独にかかると、なぜか辻褄のあった推理に翻訳され…? 電車の網棚に置き去りにされた人間の手首、ナース服を着たベルギー人の死体……不可解な事件もモーソー推理でズバッと解決(するかも?)!
  • レトロ・ロマンサー 壱 はつこい写楽
    3.0
    テレビ局のカメラマン助手・桃井初音が撮影素材の浮世絵に触れた途端、彼女の魂だけが江戸時代に飛ばされてしまう。気づけば初音の心は町娘・はつの体の中。「ふたり」はそこでしあの写楽に出会うが……。 ※本書は二〇一二年九月に小社より単行本として刊行された『はつこひ写楽』を加筆・修正・改題の上、文庫化したものが底本です。
  • さあ、地獄へ堕ちよう
    4.1
    SMバーでM嬢として働くミチは、偶然再会した幼なじみから《地獄へ堕ちよう》というWebサイトの存在を教えられる。そのサイトに登録し、指定された相手を殺害すると報酬が与えられるというのだが……。
  • 嗤う伊右衛門
    4.2
    鶴屋南北「東海道四谷怪談」と実録小説「四谷雑談集」を下敷きに、伊右衛門とお岩夫婦の物語を怪しく美しく、新たによみがえらせる。愛憎、美と醜、正気と狂気……全ての境界をゆるがせる著者渾身の傑作怪談。
  • 竹人形殺人事件
    3.7
    刑事局長である浅見の兄は昔、父が馴染みの女性に贈った竹人形を前に越前大観音の不正を揉み消すよう圧力をかけられる。そんな窮地を救うため北陸へ旅立った弟の光彦に竹細工師殺害事件の容疑がかけられ……。
  • 罪人の嘘
    4.5
    大企業の訴訟を専門に扱い年収一億円以上を稼ぐ高級弁護士が巨大な権力と出会う時、運命の歯車が回り始める。人が人を裁く時、真実はどこにあるのか。その意味を問う本格リーガルサスペンス! 構成・天沢彰
  • ぼくらの七日間戦争
    4.1
    1巻704円 (税込)
    1年2組の男子生徒が全員、姿を消した。河川敷にある工場跡に立てこもり、体面ばかりを気にする教師や親、大人たちへ“叛乱”を起こす! 何世代にもわたり読み継がれてきた不朽のシリーズ最高傑作。
  • 11枚のとらんぷ
    3.8
    真敷市公民館で開かれた奇術ショウ。演目の直後、水田志摩子が姿を消した。自宅で発見された彼女の屍体の周囲には、奇妙な品物の数々が。奇術小説「11枚のとらんぷ」に対応しているという。傑作奇術ミステリ!
  • 殺人鬼 ――逆襲篇
    3.7
    伝説の『殺人鬼』ふたたび! ……蘇った殺戮の化身は山を降り、麓の街へ。いっそう凄惨さを増した地獄の饗宴にただ一人立ち向かうのは、ある「能力」を持った少年・真実哉! ……はたして対決の行方は?!
  • 留守居役日々暦
    4.0
    武家に生まれながら、商家に養子に出された高田兵衛は、幸せな日々を送っていた。だが、兄が病死し、兵衛は高田家を継ぐことに。商人として育てられた留守居役が、優しき心と秘めた剣才で難事を解きほぐす。
  • ナナブンノイチ
    3.4
    伝説の詐欺師・津田は、かつて自分を裏切った犬島に復讐すべく、若手詐欺師・ブーが持ちかけた詐欺計画に協力することに。だがブーが集めたメンバー5人は曲者揃い。果たして7人は、犬島を騙せるか!?
  • 本日は大安なり
    4.3
    企みを胸に秘めた美人双子新婦、プランナーを困らせるクレーマー夫妻、新婦に重大な事実を告げられないまま、結婚式当日を迎えた新郎……。人気結婚式場の一日を舞台に人生の悲喜こもごもをすくい取る。
  • 通りゃんせ
    3.6
    25歳のサラリーマン・大森連は小仏峠の滝で気を失い、天明6年の武蔵国青畑村にタイムスリップ。驚きつつも懸命に生き抜こうとする連と村人たちを飢饉が襲い……時代を超えた感動の歴史長編!
  • 万能鑑定士Qの探偵譚
    4.0
    『わたしは横領着服などしていません……』無実を主張し、波照間島から去った謎の女性。樫栗芽依と名乗った彼女は、未使用の偽札を残して姿を消した。 鑑定家に徹しきれない自分を恐れ、事件に関わることを避ける凜田莉子。だが、小笠原悠斗には島からの撤退命令が出ていた……。悠斗への想いと自らの道を確かめるため、莉子は再び「万能鑑定士Q」として、羽ばたけるのか? ヒロイン・コージーミステリの原点、最高傑作!
  • サッカーボーイズ 13歳 雨上がりのグラウンド
    3.9
    元桜ヶ丘FCのチームメイトは、それぞれの道を歩み始めた。地元の中学校サッカー部に入部した武井遼介は早くも公式戦に抜擢される。同じ学校に通いながらJリーグのジュニアユースチームに入った星川良は新しい環境に馴染めずにいた。サッカーから離れていく友は「なぜサッカーを続けるのか」と遼介に問いかける。競技スポーツの入り口に立った13歳の少年たち。多くの熱い支持を集める、感動の青春スポーツ小説、第2弾!
  • 過熟の実
    3.7
    希代子は28歳の雑誌編集者。契約社員ながら、編集長さえやりこめてしまうほどの元気が取り柄。今は特定の恋人はなく、仕事に明け暮れる毎日を送っている。仕事仲間のフリーライター、突然現れた昔の恋人……心を動かされる男性は何人かいるものの、自分のことよりも、周りの恋愛に振り回されてしまうことが多い今日このごろ。しかしある日、7つ年下の大学生・水浜に出会った時から、希代子自身の恋が動きはじめた……。恋する人々のひたむきな姿を描く、長編恋愛小説。
  • 悲歌(エレジー)
    4.7
    父の自殺により、ひとりぼっちになってしまった16歳の少女晃子。彼女が唯一心を許せる相手は、鏡の中の少年“アキラ”だけだった。父・孝志は愛人を巡って殺人を犯してしまった……ということだったが、殺した男が会社から20億円を横領していた事実が発覚。そして晃子の身にも危険が迫ってきた。消えた20億円はどこに行ったのか? 父は本当に自殺したのか? 晃子の子供時代に隠された、悲しい心の傷とは? 少女の微妙な心理描写を中心に、家族の愛を問う長編ミステリー。
  • 火の杯
    値引きあり
    -
    日本屈指の財閥・御池家の御曹司に生まれた康彦は、出生に関する秘密を抱え、不遇な青春時代を過ごしていた。敗戦後、GHQの財閥解体によって、御池家は存続の危機を迎える。時を同じくして、お抱え運転手の娘・夏子のもとには、怪しげな男が現れるようになっていた。彼女は康彦の亡父が遺した莫大な遺産に関する重要な情報を握っているというが……。没落の際に立つ上流階級たちの欺きあいを描いた、戦後サスペンス。
  • 遺跡発掘師は笑わない あの時代に続く空
    4.1
    奥多摩キャンプ場の傍の「森の縄文博物館」を訪れたカメケン一行。所蔵品の素晴らしさに驚嘆するが、若い館長から経営が困難で品を手放さねばならないと相談され――忍が考えた起死回生の一手とは!?
  • 子の無い人生
    3.9
    『負け犬の遠吠え』刊行後、40代になり著者が悟った、人生を左右するのは「結婚しているか、いないか」ではなく「子供がいるか、いないか」ということ。子がないことで生じるあれこれに真っ向から斬りこむ
  • 颶風の王
    4.3
    明治期、東北。許されぬ仲の妊婦ミネと吉治。吉治は殺されミネは逃げる途中、牡馬アオと雪洞に閉じ込められる。正気を失ったミネは、アオを食べ命をつなぎ、春、臨月のミネは奇跡的に救出された。  生まれた捨造は出生の秘密を知らぬまま、座敷牢で常軌を逸しているミネを見舞い暮らす。アオの孫にあたる馬と北海道に渡ることを決心した捨造は、一瞬正気になった母から一切の経緯が書かれた手紙を渡され、今生の別れをする。  昭和、戦後。根室で半農半漁で暮らす捨造家族。捨造は孫の和子に、アオの血を引く馬ワカの飼育をまかす。ある台風の日、無人島に昆布漁に駆り出されたワカとほかの馬たちは島に取り残される。捨造と和子はなすすべもない。  平成。和子の孫ひかりは、和子に島の馬の話を聞かされていた。ひかりは病床の和子のために島にいる馬を解放することを思い立ち、大学の馬研究会の力を借りて、野生馬として生き残った最後の一頭と対峙するが……。
  • 十津川警部 湖北の幻想
    5.0
    時代小説作家の広沢の妻には愛人がおり、その彼がダイイングメッセージを残して殺された。また紫田勝家が秀吉に勝っていたら、という広沢の小説は事件にどう絡むのか。十津川が辿り着いた真相は。
  • 肉小説集
    3.7
    1巻693円 (税込)
    凡庸を嫌い「上品」を好むデザイナーの僕。何もかも自分と正反対な婚約者には、さらに強烈な父親がいて――。(「アメリカ人の王様」)サークルで憧れの先輩と部屋で2人きり。「やりたいなら面白い話をして」と言われた俺は、祖父直伝のホラ話の数々を必死で始めるが……。(「魚のヒレ」)不器用でままならない人生の瞬間を、肉の部位とそれぞれの料理で彩った、妙味あふれる傑作短編集。解説・近藤史恵
  • 遺跡発掘師は笑わない 元寇船の紡ぐ夢
    3.8
    天才発掘師・西原無量は鷹島沖の海底遺跡で黄金の剣を発見するが、何者かに奪われてしまう。 同じ調査チームのダイバー・黒木と共に犯人捜しをはじめるが、犯人とおぼしき男は死亡。 その背後には、国際窃盗団コルドとその幹部バロン・モールの暗躍があるらしい。 この剣は高麗の「忠烈王の剣」か、あるいは黒木家に伝わる家宝「アキバツの剣」か?  歴史に秘められた真実がまた一つ明らかになる! 文庫書き下ろし、シリーズ第7弾! 【目次】 第一章 真実は海の底に 第二章 太祖が愛した勇者  第三章 広大の秘密  第四章 交渉人・相良忍   第五章 刀剣の眠る海   第六章 バッカスの宴  終  章
  • 打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?
    3.7
    「打ち上げ花火は横から見たら丸いのか、平べったいのか?」 夏の花火大会の日、港町で暮らす典道は幼なじみと灯台に登って花火を横から見る約束をする。その日の夕方、密かに想いを寄せる同級生のなずなから突然「かけおち」に誘われる。なずなが母親に連れ戻されて「かけおち」は失敗し、二人は離れ離れに。彼女をとり戻すため、典道はもう一度同じ日をやり直すことを願うが――。繰り返す1日の果てに起こる、恋の奇跡の物語。
  • ひとり吹奏楽部 ハルチカ番外篇
    3.9
    1巻693円 (税込)
    〈ハルチカ〉シリーズ番外篇が文庫書き下ろしで登場! 捨て犬をめぐり後藤朱里とカイユが奮闘する「ポチ犯科帳」。芹澤直子と片桐が駄菓子屋でお婆さんの消失に遭遇する「風変わりな再会の集い」。謎のアルバイトをしている名越をマレンが危惧する「巡るピクトグラム」。そして副部長になった成島美代子がかつての吹奏楽部の活動日誌に思いを馳せる「ひとり吹奏楽部」。運命的に集まった、個性豊かな吹奏楽部メンバーたちの知られざる青春と謎を描く、贅沢な番外篇!
  • にぎやかな未来
    3.6
    「超能力」「星は生きている」「最終兵器の漂流」「怪物たちの夜」「007入社す」「コドモのカミサマ」「無人警察」「にぎやかな未来」など、41篇の名ショートショートを収録。
  • Mの秘密 東京・京都五一三.六キロの間
    3.0
    作家の吉田は武蔵野の古い洋館を購入した。売り主の母が終戦後、吉田茂がマッカーサーの元に送り込んだスパイだったという噂を聞く。そして不動産会社の社員が殺害され…。十津川が辿り着いた真相とは?
  • ゴシック&ロリータ幻想劇場
    4.2
    怪奇、不条理、愛、夢、残酷、妖精、ロック……奇才・大槻ケンヂが、可愛くって気高い女の子たちのために、ロマンティックで可笑しくって悲しい物語を紡ぎ出しました。単行本未収録作品を加えた完全版。 ※本書は、二〇〇五年十二月にインデックス・コミュニケーションズから刊行された『大槻ケンヂ短篇集 ゴスロリ幻想劇場』に、単行本未収録作品を加え改題のうえ、文庫化したものが底本です。
  • ひとりガサゴソ飲む夜は・・・・・・
    4.0
    旅先で出会った極上の酒とオツマミ。痛恨の二日酔い体験。禁酒地帯での秘密ビール――世界各地、どこにいても酒を飲まない夜はない! 酒飲みのヨロコビと悲しみがぎっしり詰まった絶品エッセイ!
  • 朧月市役所妖怪課 河童コロッケ
    3.5
    希望を胸に自治体アシスタントとなった宵原秀也は、赴任先の朧月市役所で、怪しい部署に配属となった。妖怪課――町に跋扈する妖怪と市民とのトラブル処理が仕事らしいが!? 汗と涙の青春妖怪お仕事エンタ、開幕!
  • 妖精が舞い下りる夜
    3.7
    人が生まれながらに持つ純粋な哀しみ、存在していることの孤独を心の奥から引き出すことが小説の役割ではないだろうか。小説を書きたいと強く願った少女は成長しやがて母になり、芥川賞を受賞――。少女・青春期の思い、家族や本のこと、心を締めつける記憶の風景を率直に丁寧に綴り作家小川洋子の原点を明らかにしていく、珠玉の一冊。繊細な強さと静かなる情熱を併せ持つ著者の全貌がみえる初めてのエッセイ集。
  • 桜姫
    3.5
    15年前、大物歌舞伎役者の跡取り息子として将来を期待されていた少年・音也が死亡した。それ以降、音也の妹・笙子は、自らの手で兄を絞め殺す悪夢を見るようになる。自分が兄を殺したのではないだろうか? 誰にも言えない疑惑を抱えて成長した笙子の前に、音也の親友だったという若手歌舞伎役者・中村銀京が現れた。2人は音也の死の真相を探ろうと決意するが――。封印された過去の記憶をめぐる、痛切な恋愛ミステリ。
  • 無印結婚物語
    3.6
    母親との結束が異様に強い夫、老後の面倒をみるからと実家に甘える妻、フリフリの洋服を押しつける勘違いの義母etc……。有利なチャンスをつかもうと挑んだお見合い結婚、“愛の力”を信じて決断した恋愛結婚――それぞれの夢を欲をふくらませた結婚生活が、「こんなもんか」と思えるまでの、12のドラマチック・ストーリー。大ベスト・大ロングセラーを更新する超人気本!
  • 神谷美恵子日記
    4.6
    人は何のために生きるのか。苦しみと悲しみの極にあるとき、人はどのように生きる意味を見出せばよいのか。人間の「生きがい」について深いまなざしを注いだ精神科医・神谷美恵子。彼女自身も様々な苦悩や葛藤のなか、生涯をかけて自らの生きがいを懸命に追い続けていた。その日記にはときに自分らしい生への熱く激しい渇望が、ときに日常にひそむ人生の静かな喜びが、いきいきと語られている。人が本当に生きるとはどういうことなのか、読む者の心に深く問いかける真摯な魂の記録。
  • 花伽藍
    4.1
    夏祭りの夜の出会いから別れまでの濃密な恋の顛末を描いた「鶴」、失恋したばかりの一夜の出来事「七夕」、離婚した夫が転がり込んできたことから始まる再生の物語「花伽藍」、恋人とともに飼い猫にまで去られてしまった「偽アマント」、未来への祈りを託した「燦雨」。結婚という制度から除外された恋愛の自由と歓び、それにともなう孤独を鮮烈に描いた、彩り豊かな短篇集。
  • アバター
    3.5
    クラスで一番地味な阿武隈川道子は高校2年生で初めて携帯電話を手に入れる。クラスを仕切っている女王様からSNSサイト“アバQ”へ強制的に登録させられた道子だったが、その日から日常が一変。地味な自分に代わって分身である“アバター”を着飾ることにハマっていく。やがて超レアアイテムを手に入れた道子は学校の女王として君臨し、自らサークルを立ち上げてアバターで日本を支配しようとし始めるが――!?
  • 悲歌
    4.3
    先生、あなたはなんという呪いをかけられたのですか? あなたの大切な者すべてを三角形の綴じ糸でほどけぬように縫い付けて、それぞれの愛を禁じるおそろしい呪いをかけたのは、一体何のためですか? ――音楽家の忘れ形見と愛弟子の報われぬ恋「蝉丸」。隅田川心中した少女とその父の後日譚「隅田川」。変死した作家の凄絶な愛の姿「定家」。能に材を採り、狂おしく痛切な愛のかたちを浮かび上がらせる、中山可穂版・現代能楽集。
  • 千姫様
    3.9
    江戸幕府の始祖・徳川家康の継嗣・秀忠と浅井長政の娘・江与の間に生まれた千姫は、政略により幼くして豊臣秀頼に嫁いだ。しかし十八の春、ついに家康は大坂城に総攻撃をかけ、千姫は速水甲斐守の娘・三帆とともに逃れた。千姫の第二の人生の始まりであった――。動乱の戦国時代に生を享け、数奇な運命に翻弄されながらも、徳川揺籃期の後見として天寿を全うした千姫の情熱にあふれる生涯を描く、長編時代小説。
  • 江戸の娘 新装版
    3.4
    花の季節、花見客で賑わう乗合船で起こった強盗騒ぎで、若い娘が機転を利かせ、強盗を川に投げ込んだ。人々がはやし立てる中、「女のくせに見苦しい」と嘲笑した侍に腹を立てた娘。だが、旗本の次男坊と料亭の蔵前小町はやがて恋に落ちた。時は幕末、時代の波が2人を飲み込んでいく…。「御宿かわせみ」シリーズの原点ともいうべき表題作をはじめ、平岩文学の原型を凝縮した7編を収録する短編集。
  • 初恋ソムリエ
    3.9
    廃部寸前の弱小吹奏楽部を立て直し、普門館を目指す高校2年生の穂村チカと上条ハルタ。吹奏楽経験者たちに起きた謎を解決し入部させることに成功していた2人だったが、音楽エリートの芹澤直子には断られ続けていた。ある時、芹澤の伯母が高校にやって来た。「初恋研究会」なる部に招待されたのだという。やがて伯母の初恋に秘められた、40年前のある事件が浮かび上がり……。(表題作より)“ハルチカ”シリーズ第2弾!
  • パイロットフィッシュ
    4.1
    人は、一度巡りあった人と二度と別れることはできない――。午前二時、アダルト雑誌の編集部に勤める山崎のもとにかかってきた一本の電話。受話器の向こうから聞こえてきたのは、十九年ぶりに聞く由希子の声だった……。記憶の湖の底から浮かび上がる彼女との日々、世話になったバーのマスターやかつての上司だった編集長の沢井、同僚らの印象的な姿、言葉。透明感あふれる文体で綴る至高のロングセラー青春小説。吉川英治文学新人賞受賞作。
  • 十九歳のジェイコブ
    3.8
    〈この世界が腹立たしくってしょうがない。人生の真実なんて、たかが知れている。〉ジェイコブ、十九歳。肌にひりつくセックスへの衝動。クスリで濁った頭。身体に染みついたジャズのリズム。この感覚だけが、ジェイコブの真実だ。路上にさまよい暮らすうちに膨れあがった愛と憎しみは、次第に殺意へと転化してゆく――。抑圧に咆哮する魂の遍歴、読む者を灼き尽くす鮮烈な青春文学!
  • 結界師の一輪華
    4.5
    1~6巻682~748円 (税込)
    「俺の嫁になれ」 見捨てられた落ちこぼれ術者は、傲岸不遜な若き当主に愛される。 契約結婚から始まる、大逆転劇。 遥か昔から、5つの柱石により外敵から護られてきた日本。 18歳の一瀬華(いちせ・はな)は、柱石を護る術者の分家に生まれたが、幼いころから優秀な双子の姉・葉月(はづき)と比べられ、虐げられ続けてきた。 ある日突然、強大な力に目覚めるも、華は静かな暮らしを望んで力を隠し、自らが作り出した式神たちと平和な高校生活を送っていた。 だが新たに本家の当主となった、傲岸不遜だが術者として強い力を持つ男・一ノ宮朔(いちのみや・さく)に見初められ、強引に結婚を迫られてしまう。 期限付きの契約嫁となった華は、様々な試練に見舞われながらも、朔の庇護下で本当の自分の姿を解放し始めて――? 「お前が幸せであるよう夫としてできるだけのことをする。だから俺のそばにいろ」 大ヒット『鬼の花嫁』のクレハが贈る、新たな和風恋愛ファンタジー!

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