文春新書作品一覧

  • 脳内汚染からの脱出
    3.9
    どうすれば、わが子をゲーム、ネット中毒から救えるのか。 ゲームやインターネットの中毒性を指摘した『脳内汚染』で一大センセーションを巻き起こした著者が、いじめやADHDとの関連性を示す研究成果を追加で盛り込み、問題の本質をより理解しやすく提示。 また、依存を予防しながら、ゲームやネットなどの情報機器と上手に付き合う方法や、依存に陥った子どもの克服事例、家族がとるべき対処法など、実践的な対策法にも重きを置いている。 情報化社会に生きる現代人の必読書。
  • 血管年齢
    NEW
    -
    がんよりも血管の病気で死ぬ人のほうが多い! 脳梗塞、脳出血、心筋梗塞、大動脈瘤……日本人の四分の一は血管の病気で死ぬ。血管を若々しく保って健康寿命を延ばす秘訣とは。 序 章 日本人の四分の一は血管の病気で死ぬ 第1章 自分の血管年齢を知っていますか 第2章 血管――性差と個人差の科学 第3章 見逃されがちな血管の敵――最新の知見から 第4章 リスク因子と代表的な疾患 第5章 血管年齢チェックシート――小林式スコアリング・システム 第6章 歯周病と血管の深い関係――口腔ケアが全身を守る 第7章 血管を元気に保つ食事 第8章 運動・ストレスと血管年齢 第9章 血管の健康に理想の暮らし
  • 戦争犯罪と闘う 国際刑事裁判所は屈しない
    4.3
    二つの戦争、そして戦後国際秩序の行方は ロシアによるウクライナ侵攻とイスラエルによるパレスチナへの非人道的な攻撃。目まぐるしく国際情勢が変化するなか、この二つの戦争に向き合い、プーチンとネタニヤフに逮捕状を出した国際刑事裁判所(ICC)。日本人として初めてそのトップに就任した著者は、ほどなくしてプーチンから逆指名手配を受けることにもなった。さらにはトランプ大統領の大統領令による経済制裁の脅威にさらされるなど、世界規模の戦争犯罪に向き合ってきた国際刑事裁判所はいま、存続の危機にある。 第二次世界大戦後にホロコーストに向き合ったニュルンベルク裁判、日本の戦争責任を裁いた東京裁判。二つの軍事法廷裁判にルーツをもち、国際平和秩序を守ろうと奮闘してきた国際刑事裁判所とはいかなる機関か。二つの戦争という異例の事態にどう向き合ったのか。「世界の警察」アメリカが過去のものになりつつある戦後国際秩序の行方とは――。 「世界で起きていることが日本では起きないとは限らない」。「力による支配」がむき出しになりつつある今こそ「法の支配」による安全保障が必要だ。 「ウクライナ戦争の勃発で完全に覚醒した」と語る赤根さんが、その奮闘を通じて未来への責任を語りかける。  ※本書電子書籍版は刊行後の国際情勢の変化を鑑み、2025年10月に記述の一部を更新しました。
  • 徳川将軍の側近たち
    -
    徳川幕府の生々しい権力構造がわかる! 約260年続いた江戸時代、将軍、老中などの幕閣、そして側近がいかなる力関係にあったか。代々の側近を通して見えてくる幕府政治。
  • 大相撲 名伯楽の極意
    3.0
    角界の名伯楽たり得た秘密を語る! 二横綱をはじめ関取十二人を育て上げ、角界最大最強部屋となった伊勢ヶ濱部屋。関取に引き上げる確かな指導、逸材を全国に求めるスカウティング、相次ぐ合併にも部屋を“チーム”に纏め上げ、「応援してもらえる」工夫。そして照ノ富士を再起させた逸話など。元横綱旭富士が自らの半生とマネジメントの極意を語る。 【目次】 まえがき 序 章 愛弟子・照ノ富士の引退 第 1 章 ルーツ・青森 悪ガキ正也から近大まで 第 2 章 漁師時代から“騙されて”入門まで 第 3 章 横綱挑戦から現役引退まで 第 4 章 新米親方として奮闘 第 5 章 相撲部屋の経営術 初地方場所は大赤字 第 6 章 部屋の土台作り スカウト 第 7 章 吸収合併 宮城野部屋も 第 8 章 チーム伊勢ヶ濱 コミュニケーションが大事 第 9 章 新弟子が逃げた! 危機管理 第 10 章 親方流の稽古指導 第 11 章 日馬富士発掘から引退まで 第 12 章 照ノ富士を説得した親方の経験談 第 13 章 尊富士の初優勝 青森の地縁 第 14 章 自分の夢 今の相撲界 終 章 おかみ・淳子さんが見て来た風景
  • 子どもの体験 学びと格差 負の連鎖を断ち切るために
    4.4
    子どもにとって本当に必要な体験とは何か? 「体験格差」という言葉の響きがもつ薄気味悪さを手がかりに、 大人たちを「体験の詰め込み教育」に駆り立てる「呪い」の正体に迫る! 大学入試の変化や非認知能力ブームで、子どもの体験までもが課金ゲーム化している。親たちは体験の詰め込み教育に駆り立てられ、子どもたちは格差意識を刷り込まれる。まるで「体験消費社会」だ。 体験をたくさんしたほうがいいと煽られた結果、お金のある家庭の子どもたちはたくさんの習い事をさせられ、かたやお金のない家庭の子どもたちは遊ぶ相手すらいない状態で地域に残される……。そんな、小学生たちの放課後の分断が、あるNPOの調査結果から浮かび上がってきた。 著者は、100年以上の伝統があるキャンプから、プレーパーク、無料塾、駄菓子屋さんまで、体験を通した子どもたちの学びの現場を訪ねる。現場からは、「体験格差」という概念そのものに対する疑念や困惑や批判の声が相次いだ。 本書は最後に、体験消費社会に対して3つの警告を発する。著者が発する3つの警告について、体験格差解消を掲げて活動する複数の団体からの回答もそのまま収録されている。
  • 韓国大乱
    4.7
    逮捕、自殺…大統領が悲惨な末路を辿る韓国 戒厳令、弾劾、逮捕…… 暴走する大統領か、反日左派か? 韓国社会の闇に朝日新聞元ソウル支局長が迫る! 第1章  非常戒厳、何が起きたのか  第2章  権力者の軍隊から国民の軍隊へ  第3章  歴代大統領の栄光と末路  第4章  韓国の民主主義は本物か 第5章  北朝鮮と周辺国 韓国はこれからどうするのか
  • ナゾの終着駅
    3.0
    終点の先に見えた「この国のかたち」 「名前はよく聞くけど降りたことはない」 そんな通勤路線の終着駅には何がある? 文春オンラインの誕生から続く人気鉄道・紀行連載で、 250駅以上訪ねてきた著者の「いま絶対に読みたい30駅」。 どの駅も小1時間ほど歩いていれば、それぞれの角度で 「埋もれていた日本」が見えてくる――。 いつも乗っているその電車、終点まで行ったことはありますか? 定期代+数百円ではじまる、日常の半歩先の小旅行。いつもの駅を通り過ぎたら出発です。 ◆◆◆ 【登場駅例】 自衛隊が出動して焼き払った「新木場」 初代天皇の母は“日本初のサーファー”?「上総一ノ宮」 万博を支えた「千里中央」に佇む廃墟 「雲雀丘花屋敷」の知られざる駅統合“運命のジャンケン決戦” のぞみに通過される駅「三河安城」は“日本のデンマーク”? きっぷ1枚でヨーロッパまでつながった100年前の「敦賀」 鉄道のない最大の町「鹿屋」に鉄道があった頃 戦火に揺れた小さな列車「那覇」のケービン……
  • 近代日本の地下水脈 Ⅰ 哲学なき軍事国家の悲劇
    4.0
    1~2巻1,001円 (税込)
    近代日本の失敗は「地下水脈」で読み解ける! なぜ日本は太平洋戦争を始め、敗戦に至ったのか。なぜ「玉砕」「特攻」といった無謀な作戦で多くの人命を失ってしまったのか?―― 著者が昭和史の研究に携わるようになったのは、こうした謎を解明したいとの強い動機からであった。今まで5000人近くの昭和史関係者にインタビューを重ねてきたのは、それはこの根源的な問いに対する答えを探す旅でもあった。そして、敗戦に至る道筋を調べれば調べるほど、昭和だけでなく、明治維新以降の歴史をもう一度つぶさに検証しなおす作業に迫られることになった。 その結果、著者は「地下水脈」という歴史観にたどり着く。 大日本帝国憲法ができるまでのほぼ20年間、「日本という国をこれからどのように作り変えていくか?」をめぐって、さまざまな勢力の“主導権争い”がおこなわれた。 実際の歴史では、日本は「欧米列強にならう帝国主義国家」の道を歩み、すべてが軍事に収斂していくことになる。その結末が、昭和の悲惨な敗戦であった。 では、残る国家像は、そのまま消えてしまったのか? そうではない。4つのそれぞれの思想やビジョンは、いったん日本社会の地下に潜りながら、いまも脈々と流れ続けている。そして歴史の重要なターニングポイントを迎えるたびに、噴出してくるのである。 「地下水脈」という歴史観でとらえれば、現在の日本の窮状――経済の迷走も、終身雇用サラリーマン社会が変わらないのも、政治がダメなのも、エリート教育がダメなのも、150年以上繰り返されてきたことがわかってくる。 本書は、「地下水脈」をあらためて見つめることで、日本の近現代史を再検証する。
  • 末期がん「おひとりさま」でも大丈夫
    5.0
    「がん闘病」のホンネとヒントが満載 意外となかった! 「おひとりさま」による 「おひとりさま」のための 新しい時代の「がん闘病記」 59歳、独身、末期がんの医療ジャーナリスト。 家事は全て自分でこなし、仕事を変わらず続け、趣味や海外旅行も楽しんでいる。 いつかはやって来る最期の瞬間まで、自分のことは全て自分で決めたい。 悲愴感ゼロ、前向きな気持ちになれる、新しい時代の「がん闘病記」。 ●本書より おひとりさまの末期がん患者である僕は、身の回りのことを自分でしなければならない。 これは一見面倒に見えるが、じつはありがたいことだと思っている。 家族がいて、周囲に甘えられる環境だと、自分ですることが減って時間が余るので、その時間を利用してメソメソするようになるだろう。 周囲もそんな患者に同情してメソメソするので、患者の周辺はメソメソで充満することになる。 おひとりさまは、最期の瞬間まで自分で決断していかなければならないので、忙しくてメソメソしている余裕がない。落ち込んでいるヒマはないのだ。 ●目次 この1冊で「がん闘病」の流れが全てわかる 第1章 検査がこわい 第2章 後悔しない医師選び 第3章 手術をためらう 第4章 心身と生活の変化 第5章 治療にかかるお金の真実 第6章 最新医療との付き合い方 第7章 抗がん剤がこわい 第8章 終活がはじまる 第9章 おひとりさまの死に場所選び
  • うつを生きる 精神科医と患者の対話
    4.2
    アベノミクスの裏側で――精神科医と患者の対話 アベノミクスのブレーンとして知られる経済学者の浜田宏一氏。その活躍の裏側で長らく躁うつ病に苦しんできた。さらに回復の途上、実の息子を自死で亡くす。人生とは何か。ともにアメリカで活躍する小児精神科医の内田舞氏を聞き手に波乱に満ちた半生を語る。 ◎著者プロフィール 内田舞(うちだ・まい) 小児精神科医、ハーバード大学医学部准教授、マサチューセッツ総合病院小児うつ病センター長、3児の母。2007年北海道大学医学部卒、2011年イェール大学精神科研修修了、2013年ハーバード大学・マサチューセッツ総合病院小児精神科研修修了。日本の医学部卒業者として史上最年少の米国臨床医。著書に『ソーシャルジャスティス 小児精神科医、社会を診る 』(文春新書)、『REAPPRAISAL 最先端脳科学が導く不安や恐怖を和らげる方法』(実業之日本社)、『まいにちメンタル危機の処方箋』(大和書房)。 浜田宏一(はまだ・こういち) 1936年生まれ。アベノミクスのブレーン。元内閣官房参与、イェール大学タンテックス名誉教授、東京大学名誉教授。専攻は国際金融論、ゲーム理論。主な著作に『金融政策と銀行行動』(共著、東洋経済新報社)、『国際金融の政治経済学』(創文社)、『エール大学の書斎から』(NTT出版)、『アメリカは日本経済の復活を知っている』『21世紀の経済政策』(ともに講談社)。
  • 脳は眠りで大進化する
    3.4
    日本が世界をリードする――睡眠と覚醒の謎に迫る! 人間のリズムを解明する概日時計の研究、睡眠の研究で世界的に注目を集め、『情熱大陸』(2009)、NHK『プロフェッショナル仕事の流儀』(2010)など20代の若さで研究チームを率いる”天才”としてメディアにも取り上げられた上田泰己さんだが、「生命の謎の解明に1秒でも時間を投入したい」と日夜研究に励む道を選んだという。 それから十数年――。 ひとはなぜ眠り、覚醒するのか? 睡眠中に脳内では何が起きているのか? 生命の根幹でもある睡眠覚醒のメカニズムを解明する数々のブレイクスルーが、著者が率いる研究チームによってもたらされている。生命科学の研究手法の刷新とともに、「今なら科学的なボキャブラリーによって、その謎を語ることができる」。 ・ヒトは睡眠で、日々「新しい自分」に生まれ変わっている ・睡眠は覚醒よりもアクティブである ・覚醒の意義は「探索」にこそある ・睡眠と覚醒の機構はメモ帳と鉛筆で説明できる ・私たちの体の中には眠気を数える機構がある ・「脳は第二の心臓」かもしれない ・睡眠の解明は知性の解明にもつながる 「生命を作って理解する」システム生物学の時代を牽引する著者が、 睡眠研究の全貌と解の道筋を明らかにする。睡眠と覚醒の新事実!
  • 実録ルポ 介護の裏
    4.2
    あなたの老後も真っ暗かも? 「うちはまだまだ大丈夫」「いざとなれば何とかなる」 現実から目をそらし続けてきた筆者のもとに、突如降りかかってきた母親の介護問題。 なぜ介護の仕組みはこれほど複雑なのか? なぜこんなにお金がかかるのか? 一体誰が得をしているのか? 制度について一から調べ、全国の現場を訪ね歩いてみると、深くて暗い業界の「裏側」が見えてきた―― 知らないままでは損をする、誰も教えてくれない「介護のリアル」を徹底ルポ。 【介護の世界は矛盾とナゾだらけ】 ●「ケアマネ」選びが全てを左右する ●介護保険でできること、できないこと ●老人ホームは入居金だけで数千万という現実 ●「老人は歩くダイヤモンド」。介護ビジネスはなぜ儲かるのか? ●こんな施設は要注意! 施設職員が語る3つのチェックポイント ●「介護離職」は年間で10万6千人にも ●2025年度には介護職が32万人不足……崩壊はすでに始まっている
  • 特殊詐欺と連続強盗 変異する組織と手口
    3.7
    ワルとカネのクロニクル ネット上で実行部隊を集め、海外の拠点からITを使って 詐欺や強盗を行なわせる―― こうした犯罪グループは、突然、出現したわけではない。 地上げ、ヤミ金融から最新の匿名犯罪まで、 長年、アウトローと経済事件の取材を重ねてきた著者が、 変異し続けるワルとカネの実態を暴く! 【目次】 序章 「デフレ型犯罪」としての特殊詐欺と連続強盗 第1章 ルーツとしての五菱会事件 第2章 バブルと地上げ 第3章 総会屋から企業テロまで 第4章 ヤクザマネー包囲網とITバブル 第5章 関東連合の六本木進出と半グレの準暴力団化 終章  特殊詐欺はどこへ向かうのか
  • 世界最強の地政学
    4.1
    リーダーたちの頭の中の地図を読む! 戦略を考える人たちが頭の中に持っている世界地図。それを読み解くのが地政学だ。六つのキーワードで戦略的発想を分かりやすく解説。
  • 池田大作と創価学会 カリスマ亡き後の巨大宗教のゆくえ
    4.0
    平和の使者か、俗物か? 誰よりも人の心をつかんだ男の魅力に迫る 日本最大の新宗教、創価学会の池田大作名誉会長が2023年11月15日に95歳で死去した。 創価学会内で「永遠の師匠」とされる池田は、さまざまな毀誉褒貶に彩られた人物だった。 「貧乏の横綱」と自嘲するほど赤貧の出身ではあったが、1960年に32歳の若さで第3代創価学会会長に就任。以降、親しみやすい人柄と巧みな弁舌を武器に組織拡大に邁進し、会員世帯数827万(公称)もの信者を獲得するに至る。さらには公明党を創設し、念願の政界進出を果たした。 一方で、強引な折伏によって各地でトラブルが発生した。また、政教一致と受け取られかねない創価学会の主張は世論の大きな反発を招いた。ついには政教一致路線を公式に撤回せざるを得なくなる。以降、創価学会は「世界平和」を掲げ、池田は「平和の使者」としての顔を前面に打ち出すようになった。 組織内の権力闘争も波紋を呼んだ。創価学会はもともと日蓮正宗の信徒団体から生まれたにもかかわらず、日蓮正宗とは泥沼の争いを繰り広げ、最終的に創価学会は破門されてしまう。 それでも創価学会は、池田のカリスマ性によって求心力を保ち、創価学会は次第に「池田ファンクラブ」の様相を呈して行く。 しかし2010年以降、高齢の池田は表舞台から姿を消し、創価学会は「集団指導体制」に移行。池田の直接指導なしでも運営できる態勢になった。 池田を軽んじ醒めた目で創価学会を見る宗教2世3世の増加、選挙活動における集票力の低下、さらには会員の高齢化……池田大作とはいったい何だったのか? そして、ポスト池田の創価学会はどうなるのか――?
  • 戦狼中国の対日工作
    3.7
    中国の魔手は、もうそこまで忍び寄っている! 習近平体制が確立して以降、中国は「戦狼外交」と呼ばれる超攻撃的な外交を繰り広げてきた。アメリカをはじめとする西側国家を舌鋒鋭く批判し、日本などの周辺諸国に対しては軍事力をちらつかせながら恫喝する……。こうした中国の外交姿勢は、当初、「口先だけ」と思われていた。 しかし、これはけっしてハッタリではなかった。いつの間にか、中国政府の魔手は私たちの周辺に張り巡らされていたのである。 ウィーン条約を無視して、大使館以外の在外拠点を勝手に日本に開設。その中には秘密警察の「派出所」として機能している拠点もある。そこでは、大陸を逃れてきた反体制派中国人の監視や脅迫、留学生からの情報収集、さらにはスパイ行為などがおこなわれているのである。 著者は日本国内に開設された中国秘密警察の拠点を特定。体当たり取材を試みた。さらに、日本に逃亡中の反体制活動家にインタビューすることにも成功。 また、SNSを駆使して日本で公然とフェイクニュースを拡散し、「認知戦」を繰り広げる大阪総領事・薛剣にもインタビュー。中国共産党が日本においてどのような宣伝工作を繰り広げているのかを、緻密な取材で解き明かす。 地を這う取材に徹してきた筆者。その取材で明らかになってきたのは、「中国はマジで危険な国家になった。それは長年中国ウォッチャーをしてきた自分の想像をはるかに超えている」(筆者の言葉)である。 観念論先行の中国批判本とは一線を画する作品である。
  • ウクライナ戦争はなぜ終わらないのか デジタル時代の総力戦
    4.5
    米中の覇権争いでは終わらない。世界は戦争の世紀に突入した―― 最前線! リアルタイムの戦争研究  グローバリゼーションが進んだ世紀におけるウクライナ戦争の開始は、 「終わらない戦争」の始まりを告げる出来事となった。 見えない情報の行き交うサイバー戦、イーロン・マスクのスターリンクに 代表される民間による宇宙利用もが戦争の命運を握る。 ウクライナ戦争以後、戦争はどう変わったのか? 米中の覇権争いでは終わらない新たな問題群を前に、 台湾有事を抑止することは可能なのか? ロシア・ウクライナ戦争をケーススタディに、 「大国間競争」に埋め込まれた「終わらない戦争」について考える。 目次 第1章 ロシア・ウクライナ戦争はなぜ始まったのか 高橋杉雄 第2章 ロシア・ウクライナ戦争――その抑止破綻から台湾海峡有事に何を学べるか 福田潤一 第3章 宇宙領域からみたロシア・ウクライナ戦争 福島康仁 第4章 新領域における戦い方の将来像――ロシア・ウクライナ戦争から見るハイブリッド戦争の新局面 大澤淳 第5章 ロシア・ウクライナ戦争の終わらせ方 高橋杉雄 終章 日本人が考えるべきこと 高橋杉雄
  • 70歳からの人生相談
    4.3
    迷ったら、マムシに聞け! 年を取ってもハッピーに生きていくためにはどうするべきか? 高齢者の「ご意見番的存在」毒蝮三太夫さんが贈るアドバイスの数々。 まえがき 第一章 高齢者だって悩んでいる 第二章 親に悩まされている子供たち 第三章 介護で苦しまないための心得 第四章 高齢の親との上手な付き合い方 第五章 やがて訪れる「死」とどう向き合うか 第六章 マムシ流 愛される年寄りになる12の極意 あとがき
  • 半導体有事
    4.2
    経済安全保障の最前線! アメリカが中国に突きつけた異次元の半導体規制。このままだと中国の半導体工場はやがて稼働できなくなる。追い詰められた中国が狙うのは、世界のトップ企業、台湾のTSMC――。世界中が半導体製造能力をめぐる競争に駆り立てられているなか、日本は再び失敗を繰り返すのか? 新会社ラピダスのいう、「2027年までに2ナノの最先端半導体をつくる」なんてできっこない!
  • 負動産地獄 その相続は重荷です
    4.3
    資産を巡るバトルでも相続税対策でもない。 親が遺した「いらない不動産」に悩まされる新・相続問題が多発! 戦後三世代が経過していく中、不動産に対する価値観が激変。 これまでは相続財産の中でも価値が高いはずだった不動産が、 誰も住む予定がなく、借り手も買い手も現れない「負動産」に。 団塊世代が後期高齢者に突入した今、「いらない相続」は他人事ではないのです。 戸建て住宅やマンション、別荘、都市農地、山林など、 不動産のプロが、「負の相続」にならないための解決策を提言! 【目次】 まえがき 「いらない相続」はあなたにも降りかかる 第1章 激増する「いらない相続」 「老老相続」~偏在する高齢者財産と受け取れない子供/相続登記義務化がもたらす悪夢/都市農地の相続で路頭に迷う深刻な事情 ほか 第2章 相続対策が不動産問題を生む 少子高齢化の日本で貸家が増える不思議/需要のなくなる相続後のアパートを待つ未来/相続後に襲いかかるローン返済地獄 ほか 第3章 いらない不動産 どうにもならない地方の実家/郊外ニュータウン一戸建て住宅相続/老朽化マンションという置き土産 ほか 第4章 おひとりさまの相続 おひとりさまの相続人は誰?/おひとりさま資産をめぐるトラブル/おひとりさま相続対策 ほか 第5章 「負の相続」にならないために 絶対にやるべき親子会議/知っておきたい空き家売却の基礎知識/いらない土地は国庫に帰属させられるようになる? ほか 第6章 相続をどうすればよいのか 世界最高水準のニッポンの相続税/財産移転の早期化が日本を活性化する/国土の絵図を描きなおそう ほか
  • アントニオ猪木 闘魂の遺伝子
    3.0
    【*本書は2012年12月刊『新日本プロレス12人の怪人』(文春新書)をもとに新章を加え、再編集した決定版です。】 アントニオ猪木がついに亡くなった――。この不世出のプロレスラーが50年前に旗揚げした新日本プロレスは、キラ星のごとくスーパースターを輩出してきた。藤波辰爾、長州力、前田日明、藤原喜明、タイガーマスク、アンドレ・ザ・ジャイアント、タイガー・ジェット・シン、橋本真也、棚橋弘至……。プロレス取材60年の著者が秘話で綴る「闘魂伝承」。『新日本プロレス 12人の怪人』の増補改訂版。 第1章 アントニオ猪木 プロレスの妖怪 第2章 藤波辰爾 巨大な壁に挑んだ一番弟子 第3章 山本小鉄 道場と酒を愛した鬼軍曹 第4章 長州力 「猪木超え」を果たした反骨心 第5章 前田日明 3人の鬼が生んだ格闘王 第6章 藤原喜明 ガンになっても戦う関節技の鬼 第7章 タイガーマスク 二度と現れない天才 第8章 キラー・カーン 米国マット界を席巻した大型ヒール 第9章 アンドレ・ザ・ジャイアント ド迫力の人間山脈 第10章 タイガー・ジェット・シン 悪を商売にしたインドの狂虎 第11章 橋本真也 太く短く生きた破壊王 第12章 棚橋弘至 ビジュアルな異能派レスラー
  • 誰が国家を殺すのか 日本人へⅤ
    4.2
    資源のない日本は「人材」こそ「資源」とせよ! 古代ギリシア人やローマ人は「危機」という言葉に「甦生」の意味も合わせ持たせた――「知恵」を働かせる以外に日本の未来はない。 「長く歴史に親しんでつくづく考えるのは、民族は、興隆した後に必ず衰退を迎えるものであること。興隆と衰退の間に長い安定期を享受できた民族は、実にまれにしか存在しなかった」――古代ギリシア、古代ローマ、中世ルネサンスから日本を思う。 月刊「文藝春秋」の好評連載「日本人へ」第5弾。
  • 極秘資料は語る 皇室財産
    4.3
    天皇家の極秘資料を発掘! 「こんな資料は、これまで表に出たことはありません。いや、今後も絶対に出ないでしょう」。資料を目にした宮内庁関係者はこう呟いた。皇室費の中でも、天皇の私的な「財布」である内廷費の内訳は”聖域中の聖域”だ。今回、戦前戦後で大きく変貌を遂げた皇室財産の全容が初めて明らかに。特に驚かされるのは、昭和天皇の真実の暮らしぶりだった。 はじめに 等身大の昭和天皇を伝える二つの極秘文書 第一章 門外不出の資料が明かす戦前の皇室財産 第二章 天皇家の「家計簿」から見た戦後皇室の”聖域” あとがき 超一級史料を残した「ある宮内庁OB」の生涯
  • 日中百年戦争
    4.0
    「中国」という日本にとっての最大の問題 戦中は拡大派と不拡大派が、戦後は北京派と台湾派が、現在は対中強硬派と経済優先派が激突。日本は「中国」とどう向き合ってきたか。
  • AI新世 人工知能と人類の行方
    3.9
    AIは人間社会をどこまで変えるのか? 驚異的な速度でAIが発展し、社会に決定的な影響を及ぼす時代、「AI新世」。いまAIに何ができるかを網羅、人類の展望を示す。 はじめに 第1部 AIにできること 第1章 画像認識 第2章 画像生成 第3章 音声認識 第4章 音声生成 第5章 文章認識 第6章 文章生成 第7章 その他ありとあらゆる応用 第8章 未来のAIにできるかもしれないこと 第2部 AIは社会をどう変えるか 第1章 第一次産業はどうなるのか 第2章 第二次産業はどうなるのか 第3章 第三次産業はどうなるのか 第4章 AI技術との付き合い方 第3部 AIの歴史と未来 第1章 AIの歴史 第2章 深層学習の誕生 座談会 AIは人間にとって代わるのか おわりに
  • 世界珍食紀行
    3.6
    日本では誰も味わったことのない現地の味覚! 世界の各地で調査を重ねる研究員たちが食した美味・珍味、そして時に悶絶するほどのゲテモノ食などを綴った人気連載をまとめた一冊。
  • 小さな家の思想 方丈記を建築で読み解く
    -
    戦乱の世、方丈庵に込められた思想とは? 一辺約3メートル、組み立て式のモバイル住宅「方丈庵」は鴨長明の集大成だった。誰もが知る古典を建築として読み解く新たな試み。
  • フェミニズムってなんですか?
    4.4
    性差別のない21世紀を実現するために。 フェミニズムを様々なトピックで学ぶ必携の一冊!    * * * 女性たちが日以上生活の中で、「あれ?」と疑問に思うこと、 何気ない言葉や行為に抵抗を覚えること。 それはフェミニズムのきっかけになります。 「私が我慢すれば」と抑えこんでいた怒りや不満を、 いつかどこかにぶつけたくなるかもしれません。 でも、誰に、どうやってぶつけたらいいのか? それを考えるためのヒントをくれるのが、フェミニズムです。 エッセンシャルワーカーとケア オリンピックとセクシズム インターセクショナリティ Black Lives Matter 性と身体 中絶と性暴力 LGBTQ+ #MeToo フェミニズムの視点を身に着ければ、世界の見え方が変わる! フェミニズムの歴史を読み解き、 物事を一歩引いて眺める視点を与えてくれる一冊 ――芥川賞作家・李琴峰推薦  * * *
  • 東大女子という生き方
    3.6
    東大女子は「未来の働き方」の開拓者だった 東京大学に初めて女性が入学して75年。今なお女性比率は二割に満たない。「東大女子」を通して、日本社会の影と未来をあぶり出す。
  • ゲノムに聞け 最先端のウイルスとワクチンの科学
    4.0
    いまだ世界的な感染収束が見通せない新型コロナウイルス感染症。変異を繰り返して感染力を増すウイルスと戦うためには何が必要なのか。生物やウイルスの設計図である「ゲノム」の視点から、ウイルスとワクチンに関する最先端の知見をわかりやすく解説する。 目次 はじめに 第一章 すべてはゲノムが教えてくれる 第二章 新型コロナウィルスのすべて 第三章 検証・科学なき国の感染対策 何が間違ってどこがおかしかったのか 第四章 ウイルス 宿主に寄生し増殖する「無生物」 第五章 ウイルスvs人体 戦う細胞・免疫 第六章 ワクチン 感染症から人類を守る救世主 第七章 「万能型」新型コロナウイルスワクチンの可能性 おわりに
  • 韓国エンタメはなぜ世界で成功したのか
    4.4
    近年、韓国発のエンターテインメントの世界的な活躍のニュースは毎日のように目に入ってきます。7人組ボーイズグループBTSの国連でのスピーチやパフォーマンス、Netflixドラマ『イカゲーム』や『愛の不時着』の世界的ヒット。髪型やファッションをK-POPアーティストに寄せることも今では珍しくありません。その韓国エンタメ産業の躍進は、実は韓国社会の変化と大きく結びついています。 ◎1980年代の民主化運動による「表現の自由」の拡大 ◎1997年アジア通貨危機、IMFショックによる韓国産業界の変化(輸出強化とIT化)。そして2010年以降顕著になった世界のデジタル社会化。こうした社会の変化が韓国のエンタメ産業にどのような影響を及ぼしたのか、本書前半ではBTSをプロデュースしたパン・シヒョク氏や、韓国エンタメ産業界の巨人・CJグループのイ・ミギョン氏など立役者たちのプロフィールを交えつつ具体的に描かれます。一方、本書の後半では韓国エンタメ界に残る負の面に目を向けます。韓流スターの性接待や、オーディション番組における不正操作。相次ぐ女性スターの自死。こうした問題もまた、韓国社会の変化のなかで、取り上げられ方が変化してきました。とりわけフェミニズムの広がりによる女性の権利意識の高まりは大きなポイントになっています。その他兵役や韓流スターたちと政治との関りなど、韓国のエンタメ界と韓国社会との密接なつながりへの理解が本書によって深まります。 また最終章では日本のエンタメコンテンツが韓国でどのように受容されているかがレポートされます。厳しい現状から、いま日本に求められているものは何かが見えてきます。
  • 危機の神学 「無関心というパンデミック」を超えて
    4.0
    埋まらない社会の分断、無関心という病、かつてない気候変動の危機。 コロナ禍で顕在化した危機にどう立ち向かえばいいのか。 時代の危機に、キリスト教はどう答えてきたのか? 教皇フランシスコ、トマス・アクィナス、アウグスティヌスから カール・バルト、西田幾多郎まで。 未来を照らす光を過去の叡智に探る神学対談。
  • グリーン・ジャイアント 脱炭素ビジネスが世界経済を動かす
    4.2
    時代の転換点は、すでに静かにやってきている――。 ESG投資、電気自動車、次世代原発、代替肉、植物性ミルク、洋上風力発電、太陽光発電……。 日本人の知らない気候変動経済のすべてがわかる、全ビジネスパーソン必読の決定版! 2020年10月7日、かつて全世界の企業でもトップを誇ってきた石油資本エクソン・モービルの時価総額が抜き去られた。 王座から追い落とした企業の名はネクステラ。フロリダの地方電力会社だ。 だが彼らは風力発電、太陽光発電のシェアで全米をひそかに席巻し、株価は10年で5倍に! もはや再生エネルギーはファッションではなく、21世紀のビジネスの主戦場となったのである。 新時代の再エネの巨人「グリーン・ジャイアント」たちは、すでにカーボンニュートラルの世界での覇権をめぐって激しく争っている。 ネクステラ、エネル(伊)、イベルドローラ(西)といった知られざるグリーン・ジャイアントたちの成長戦略とは。 炭素税導入で先を争う欧州各国。 世界最大のCO2排出国ながら、風力・太陽光にも巨大投資を行う中国。 デンマークの洋上に林立する巨大風力発電の風車。 CO2排出案件からの撤退「ダイベストメント」を叫ぶ投資家たち。 GAFAMもカーボンニュートラルを宣言。 「植物肉」で牛肉を減らし、「牛のゲップの温室効果」を止める。 ビル・ゲイツが建設する次世代原発「ナトリウム原発」とは。 グリーン・ジャイアントに支配される新世界で、エネルギーと、そして原発とどう向き合えばいいのか!? ここまでトータルに現在の世界のエネルギーを論じた本はかつてなかった。気鋭の記者が渾身で書き下ろす警世の書!
  • インパールの戦い ほんとうに「愚戦」だったのか
    3.7
    欧米で「東のスターリングラード」と称される死闘―― 「白骨街道」「無謀な作戦」「日本型組織の最大の失敗例」としていまだに語り継がれる太平洋戦争時に行われたインパール作戦。指揮官の無理な命令、補給の軽視など、ともすれば、日本軍の自滅としてのみとらえられがちである。本書ではこの視点を踏まえつつ、イギリス、インドの資料や現地取材を駆使し再検証する。 香港、シンガポール、ビルマと各戦線で連戦連敗のイギリス軍と、圧倒的な兵力と勇猛果敢さで、無敵を誇った日本軍。両者の明暗はどこで別れたのか――
  • 実録 脱税の手口
    3.8
    芸能人や会社経営者の脱税や所得隠しが大きなニュースになっても、その手口の詳細について報じるメディアは少ない。 税金事件の取材を長年続けているベテラン国税記者が、実際に使われた「脱税の手口」の数々を隅々まで解説する! 【本書で描かれる脱税事件】 国税庁批判の末に逮捕された青汁王子 納税意識ゼロだったチュートリアル徳井の所得隠し 3億円稼ぐも確定申告を知らなかった人気AV女優 マルサが手掛けた日本初のFX取引脱税事件 トランクルームに10億円隠した元ヤンキー経営者 国税当局を挑発し続けた“ネオン街の大家”丸源の敗北 脱税資金で顧客に損失補填した元巨人軍投手 脱税と詐欺を繰り返したペジーコンピューティング社長 ほか
  • 金正恩と金与正
    4.0
    佐藤優氏絶賛!「金与正の謎が初めて解き明かされる」 韓国を「クズ」と罵倒し、連絡事務所を爆破。 「知的で聡明」な妹は金正恩の後継者なのか? 兄妹を支える「赤い貴族」の実態とは?
  • 超空気支配社会
    4.7
    SNS、コロナ、オリンピック……「空気」の圧力が覆う現代日本を読み解く令和版「空気の研究」。 自由気ままにものを書いて発言する時代は終わったのか? 日本を動かす「空気」の本質を衝く。 気鋭の論者による初の評論集。
  • 三国志入門
    3.9
    中国歴史小説の第一人者が書き下ろし! 中国を代表する歴史物語『三国志』をこれから読みたい人を、雄大な世界に誘う入門書。 英雄たちの足跡を物語、戦い、故事成語などにわけて易しく紹介する。 ・三国時代と三国志の時代の違いとは ・外戚と宦官の争いが後漢王朝を衰弱させた ・ことばの力によって大国・魏を創った曹操 ・薄情な劉備がなぜ蜀の皇帝になれたのか ・若さに満ちた政権を率いた呉の孫権 ・「水魚の交わり」「泣いて馬謖を斬る」……物語を彩る名言 ・英雄たちの亡き後の三国志の世界
  • 小林秀雄の政治学
    3.5
    1巻1,001円 (税込)
    「文芸批評の巨人」像が一新される! 「政治嫌いの文学者」というイメージが強い小林秀雄。だが著作を丹念に読むと、政治、戦争への深い関心と洞察が。 新しい小林像。
  • あなたもきっと依存症 「快と不安」の病
    3.9
    「依存症」といえば、アルコール、タバコ(ニコチン)、麻薬などを、普通では得られない「快楽」を求めて、 身の危険を顧みずにのめり込んで消費している人のイメージが私たちにはあります。 しかし実は、依存症の落とし穴はとても身近なものです。ご飯を食べるのを止められない、オンラインゲームで部屋にとじこもる。 次から次へと恋愛関係に身をやつす。こういったことも十分に依存症でありえます。 最新の国際的な定義では、これまでのアルコールや薬物といった、物質的な依存症だけでなく、 ギャンブルやオンラインゲームといった「行動に関する依存症」も含まれるようになりました。 まるで脳が乗っ取られたように、止めたいと思っても、止められなくなる、そこにはもはや「快楽」はなく、 ただ「脳の渇望」があるだけの世界、そうした状況に依存症の人たちは苦しんでいます。 本書では、〇アルコール、〇ニコチン、〇薬物といった古典的な依存症から、〇ギャンブル、〇オンラインという新たに依存症に含まれたもの。 さらに〇糖質依存、〇性的依存といった、まだ研究途上で公的な定義には含まれてはいないものの、十分に依存症的な症状があるものまで紹介します。 最新の依存症の研究と治療について、筑波大学教授の原田隆之先生が、身近な事例を用いながら、わかりやすく紹介します。
  • 日本企業の復活力 コロナショックを超えて
    3.3
    危機で浮き彫りになった日本の底力 日本はポストコロナ時代において国際的にさらに強くなっていく可能性がある。 その理由と将来的な課題を産業の様々な面から論証する。 もくじ プロローグ コロナショックは日本企業の分水嶺 第1章 「不思議の国」日本の底力 第2章 テレワークがあぶり出した日本の組織 第3章 デジタル化に大わらわ 第4章 逆張りのグローバリゼーション加速 第5章 コロナショックが日本の産業を強くする 第6章 雇用と人事、改革待ったなし 第7章 成長への心理的エネルギーが最大の鍵 エピローグ 国際大学学長室から見える世界と日本
  • 人声天語
    3.3
    1~3巻1,001~1,018円 (税込)
    「天声」にはパブリックなイメージがあり、ある種の客観をよそおっている。それに対して「人声」はプライベートであり、あくまで個人的な声。だから「人声天語」とは、要するに、反射神経による思考(発言)のことである。  2003(平成15)年から、2008(平成20)年にかけて起きた様々な事象の、おかしさ、うさんくささ、不思議さを、紋切り型ではない「人声」でとらえた世相コラム集。 収録された主な出来事は―― ネット心中/自衛隊イラク派遣議論/「週刊文春」出版差し止め問題/イラク日本人人質事件/国民年金未払い問題/佐世保小六女子殺人事件/ギリシア五輪/プロ野球リーグ再編問題/靖国問題/ライブドア事件/秋田小学生殺害事件/昭和天皇「富田メモ」報道/ハンカチ王子ブーム/朝青龍問題/安倍総理辞任/時津風部屋暴行死事件/「大阪名物くいだおれ」閉店/秋葉原通り魔事件/地下鉄副都心線開通 など
  • 信長 空白の百三十日
    4.4
    信長はまだまだ謎だらけ――。 戦国を嵐のように駆け抜けた織田信長。その生涯には知られざる空白期間があった! 信長の性格から、本能寺の変の真相まで、 気鋭の歴史小説家が、織田信長に関する一級資料『信長公記』の空白期間をヒントに、信長の生涯とその人となりを大胆に読み解いていく。 多くの人からいまなお人気を集める、織田信長とはどのような人物だったのか?
  • 昭和史がわかるブックガイド
    4.0
    この本を読めば、昭和史がわかる! 膨大な本が出版されているジャンルのひとつ“昭和史”。 保阪正康、山内昌之、佐藤優、中島岳志ら21人の識者が「陸軍」「海軍」「昭和天皇」「エリート」「零戦と大和」など、昭和の重要テーマ別に10冊ずつ入門書を指南。 入門書の紹介とともに、昭和史の概要が学べます。 はじめて昭和史に触れる人も、より専門的に学びたい人にも、ぜひ読んでほしい、最高のブックガイドがここに。
  • 古関裕而の昭和史 国民を背負った作曲家
    4.1
    軍歌から「六甲おろし」「オリンピック・マーチ」まで、日本人の欲望に答え続けたヒットメーカー。 連続テレビ小説「エール」のモデルになった80年の生涯。 軍歌「露営の歌」、早稲田大学の応援歌「紺碧の空」、夏の甲子園のテーマ「栄冠は君に輝く」、「とんがり帽子」「長崎の鐘」 ……。昭和という時代に日本人が求めた曲を作り続けた作曲家・古関裕而。 クラシックの作曲家を目指すも挫折し、 戦時中は軍歌でヒット曲を連発。 軍歌の帝王と称された前半生。 終戦後は一転してドラマや映画音楽から 社歌や自衛隊の歌まで作曲するなど 常に大衆音楽の担い手であった。 NHK朝の連続テレビ小説「エール」のモデルとなった 日本を代表する作曲家の80年の生涯を 新しい資料と丹念な取材で読み解いた一冊。
  • 知の旅は終わらない 僕が3万冊を読み100冊を書いて考えてきたこと
    4.2
    1巻1,001円 (税込)
    立花隆を要約するのは非常に困難である。まさに万夫不当にして前人未踏の仕事の山だからだ。時の最高権力者を退陣に追い込んだ74年の「田中角栄研究ーその金脈と人脈」は氏の業績の筆頭として常に語られるが、ほぼ同時進行していた『日本共産党の研究』で左翼陣営に与えた激震はそれ以上のものがある。 『宇宙からの帰還』にはじまるサイエンスものでは、『サル学の現在』でサルと人間に細かく分け入り、『精神と物質 分子生物学はどこまで生命の謎を解けるか』でノーベル賞科学者の利根川進に綿密な取材を施し、『脳死』では安易な脳死判定基準に鋭く切り込んだ。科学を立花ほど非科学者の下に届けてくれた書き手はいない。浩瀚な書物である『ロッキード裁判とその時代』『巨悪vs言論』『天皇と東大』『武満徹・音楽創造への旅』は余人の及ばない仕事であり、また旅を語っても、哲学、キリスト教、書物を論じても冠絶しておもしろい。 立花隆はどのようにして出来上がったのか、そして何をしてきたのかーー。それに迫るべくして、彼の記憶の原初の北京時代から、悩み多き青春期、中東や地中海の旅に明け暮れた青年期、膀胱がんを罹患し、死がこわくなくなった現在までを縦横無尽に語りつくしたのが本書である。彼が成し遂げた広範な仕事の足跡をたどることは、同時代人として必須なのではないだろうか。
  • 西郷隆盛の首を発見した男
    5.0
    明治10年9月24日、鹿児島。西南戦争において薩軍の総指揮を執っていた西郷隆盛は進退極まり、城山にて自らの腹に刃を立てた。腹心により介錯された西郷の首級は、官軍歩兵第7連隊の千田登文中尉が発見、山県有朋によって首実検された――。 本書の主人公は、西郷の首を発見した千田登文その人です。現在、金沢市長町の千田家には、表紙に「履歴書」と大書された和紙100ページほどの文書が保管されています。これこそ登文が生前自らしたためた、いわば自叙伝。産経新聞編集委員で歴史にまつわる著作も多い大野敏明さんが、癖のある墨文字で書かれたこの履歴書を丹念に読み解きます。戊辰戦争の生々しい戦いの様子、西南戦争における薩軍の最期、そして日清・日露戦争。この第一級の史料をもとにして西郷の最期に迫り、また軍人として生きた千田登文の生涯を描きます。千田の竹馬の友が後に西郷の盟友・大久保利通を暗殺するという運命の皮肉にも驚かされます。
  • 食の戦争 米国の罠に落ちる日本
    4.2
    食のグローバル化で、食の世界地図はどう書き換えられるのか――。戦略なき日本の危機を見つめ、あるべき未来を徹底的に考える警告の書。TPP参加の先には“第二の原発”と呼ばれる遺伝子組み換え作物問題が待ち受けている。種子をめぐる世界の食戦略と、水面下で起きつつある変化。食卓レベルでどういう変化が起きるのか? 日本のとるべき道は? 消費者が知らない食の問題をグローバルな観点から読み解きます。
  • 寝ながら学べる構造主義
    4.4
    構造主義という思想がどれほど難解とはいえ、それを構築した思想家たちだって「人間はどういうふうにものを考え、感じ、行動するのか」という問いに答えようとしていることに変わりはありません。ただ、その問いへの踏み込み方が、常人より強く、深い、というだけのことです。ですから、じっくり耳を傾ければ、「ああ、なるほどなるほど、そういうことって、たしかにあるよね」と得心がゆくはずなのです。(「まえがき」より)
  • 男性中心企業の終焉
    4.1
    政府は2003年から、政治家や企業の経営層・管理職など 指導的立場における女性の比率を30%にする 「202030(にーまるにーまるさんまる)」という目標を掲げていたが、 2020年になってもその目標は一向に達成されず、あっさりと達成時期は 「2020年代のできるだけ早い時期に」と延期された。 ジェンダーギャップが解消するどころか、 日本企業に根強く残るのはなぜか? なぜ他国と比較して日本の女性登用はこれほどに進まないのか。 グローバル企業を目指す中で、業界の中での生き残りをかけて、 そしてコロナ禍でのリモートワーク普及の追い風を受けて―― 本気で変わり始めた日本型企業。 メルカリ、NTTコミュニケーションズ、富士通、丸紅、キリン、城崎温泉の豊岡市――。 「失われたジェンダー30年」を取り戻そうとする 奮闘と変化の過程を、自身の取材を交え、豊富な取材で描き出す。
  • チャーチルの亡霊 ──危機のEU
    4.5
    現在、危機に陥っているEU。その成立前史となる欧州統合運動に、じつはチャーチルが関わっていた。大英帝国の復権を野望する彼は、終戦後の米、露、欧州各国の覇権争いを見据えて、“欧州統合の父”と呼ばれた活動家クーデンホーフに目をつける。その清冽な志を利用すべく、老獪な政治家チャーチルは謀略を巡らせる。ふたりの奇妙な協力関係を物語る貴重な往復書簡を読み解きながら、欧州統合前夜の鼓動を描いた歴史ノンフィクション。
  • 玉三郎 勘三郎 海老蔵 平成歌舞伎三十年史
    3.3
    玉三郎、勘三郎、海老蔵を通して描く歌舞伎現代史。 昭和の名優たちの「神々の黄昏」として始まった平成歌舞伎。歌右衛門が選んだ後継者は玉三郎だった。その玉三郎が、次の阿古屋を発見するまでの物語と並走する、勘三郎の歌舞伎の可能性への奮闘と、その断ち切られた未来。そして、悲劇を乗り越えて團十郎へと向かう海老蔵。 歌舞伎座では舞台に一緒に立つ機会がごくわずかしかなかった三人を、本の上で共演させた、ここにしかない、平成歌舞伎。 【目次】  第一話 神々の黄昏 第二話 二人阿古屋──歌右衛門から玉三郎 第三話 勘九郎の国盗り物語 第四話 若き獅子たち──海老蔵と勘三郎 第五話 歌舞伎座さよなら公演の向こう側 第六話 澤瀉屋の「恩讐の彼方」 第七話 三つの悲劇
  • 消費税が国を滅ぼす
    3.3
    いま必要なのは消費税の減税だ! 『税金を払わない巨大企業』の著者が断言。「大企業がまともに納税すれば税収は増える!」 消費税は、多く稼いだ者が多く支払う税の大原則に反し、稼ぎの少ない者の負担が増す「悪魔の仕組み」だ。税制研究の泰斗は、「大企業が優遇されている法人税制の欠陥を正せば、消費税増税なしに日本経済の再建は可能である」と断言する。税制面から日本復活の方策を提言。 【目次】 はじめに──安倍晋三首相への緊急提言 第1章 消費税が日本の経済を破壊する 第2章 本当は高くない日本の法人税の真相 第3章 なぜ大企業の税負担は軽いのか 第4章 タックス・ヘイブンの正体 第5章 不公平税制を是正して日本を活性化せよ
  • 令和を生きるための昭和史入門
    3.8
    権力中枢を狙った2・26事件、無謀と言われたアメリカとの戦争、世界史に類を見ない高度経済成長……令和になった今だからこそ、昭和史を見直す意味がある。首相から皇族、軍部の指導者、いち兵士まで4000人以上に取材した第一人者が著した昭和史入門の決定版。 【常識を覆す昭和史の新しい読み方】 ◎2・26事件で政治構造が変わった ◎無思想だった東條英機と軍幹部 ◎対米開戦直後に生まれた「幻の世界分割計画」 ◎真珠湾攻撃直後に株価は10%の急騰 ◎戦後の歴代総理たちは8月15日に何をしていたか ◎昭和天皇が挑んだマッカーサーとの駆け引き ◎日本人の欲望の象徴だった田中角栄 ◎「歴史修正主義者」の主張の背後にあるものは ※本書は、2007年に文春新書から刊行された『昭和史入門』の増補新版です。
  • ペリリュー玉砕 南洋のサムライ・中川州男の戦い
    -
    戦死者10222名。最後に残ったのは34名。 玉砕から75年、いま明かされるペリリュー戦の全貌。 フィリピンの東、小笠原諸島の南西に浮かぶ島国パラオ共和国。 戦後70年の節目となる2015年4月8日、天皇皇后両陛下(現在の上皇上皇后両陛下)は、この国の南部に位置するペリリュー島を訪問され、日米それぞれの慰霊碑に献花された。 宿泊されたのは巡視船内、移動は大型ヘリという強行軍であった。 そうまでして両陛下が慰霊のために訪問されたのはなぜか。 この島こそ、太平洋戦争でも有数の激戦地でありながら、人々の記憶から消えようとしているからではなかったか。 ペリリュー島にあった大型空港の確保を狙う米軍の総兵力は約4万2000人。 主力は米軍最強ともうたわれた第一海兵師団であった。 いっぽう日本の守備隊は約1万人。寡黙な九州男児である中川州男大佐に率いられた「陸軍最強の精鋭部隊」との声もある水戸の歩兵第二連隊が中心である。 自滅覚悟の「バンザイ突撃」を禁止し、太平洋の防波堤たらんと、守備隊は島じゅうに張りめぐらせた地下壕を駆使して、74日間にもおよぶ徹底抗戦を試みる。 昭和天皇から発せられた「お褒めのお言葉」(御嘉尚)は異例の11回。 米第一海兵師団は史上最悪ともいわれる損害をこうむった。 中川大佐の人生、満洲から転戦した歩兵第二連隊の記録を追いつつ、ペリリューでの壮絶な戦闘を、帰還兵の貴重な証言や現地取材などを通じて描き出すノンフィクション。
  • 昭和天皇 最後の侍従日記
    4.0
    戦争責任言われ「つらい」――崩御の2年前、昭和天皇はそう侍従に漏らしていた。 2018年8月に共同通信が故小林歩侍従の日記の存在をスクープして話題になった。昭和天皇を身近で支え、平成への代替わりも見届けた小林氏の日記は、昭和49年から平成12年まで27年間の宮中生活が綴られており、昭和天皇が晩年まで戦争の影を引きずり苦悩する姿や、昭和の終焉に至る状況、宮中から見た代替わりの儀式の様子が詳しく記されていた。 『昭和天皇実録』刊行後に見つかった日記の全容を初めて公開する。巻末に半藤一利氏と保阪正康氏による解説対談を収録。 【目次】 第1章 昭和49年~51年 昭和天皇の涙 第2章 昭和52年~56年 皇后の体調不安 第3章 昭和57年~60年 寛仁親王皇籍離脱騒動 第4章 昭和61年~63年 戦争責任への言及 第5章 昭和64年~平成12年 昭和の終焉、平成へ 解説対談 小林忍日記を読む 半藤一利、保阪正康
  • 世界史の新常識
    4.0
    ローマ帝国を滅ぼしたのは難民と格差だった、イスラームはなぜ台頭できたのか、明朝を揺るがした日本の火縄銃、イギリス料理がまずい理由とは──知っているようで知らない世界史のエッセンスを凝縮した一冊。激動の時代を生き抜くには、歴史を学び直す必要がある。世界史の教養をこの新書一冊で身につけることができる!  日本を代表する23人の論者による世界史入門。テーマ別ブックガイドも収録。 カエサル暗殺の理由とは 佐々木毅 なぜ釈迦は仏教を開いたのか 呉智英 ムハマンドのリーダーシップ 山内昌之 モンゴル帝国支配力の秘密 杉山正明 イギリスで産業革命が始まったわけ 中野剛志 ルネサンス期は魔術の最盛期だった 樺山紘一 史上「最も幸せな国」はどこ? 出口治明 世界史から何を学ぶか 野田宣雄 ほか
  • なぜ必敗の戦争を始めたのか 陸軍エリート将校反省会議
    4.1
    陸軍将校による幻の座談会が蘇る。和平か開戦か。太平洋戦争開戦直前に陸軍は何を考えていたのか。中堅将校たちが明かした本音とは。雑誌『偕行』に掲載された「大東亜戦争の開戦の経緯」が初の書籍化。なぜ無謀といわれるアメリカとの戦争に突入したのか、陸軍中枢にいたエリートが真実を語り尽くす。昭和史の第一人者、半藤一利氏による書き下ろし解説付き。 【戦争の導火線に火をつけたのは陸軍か海軍か? 本書で議論される7つのテーマ】 ●ヒトラーと手を組みたがったのは誰か ●陸海軍の戦略観の違い ●想像を超えたアメリカの厳しい経済制裁 ●日本の国力のピークは昭和13年だった ●陸軍より強硬だった海軍の将校たち ●東条首相誕生の意味 ●アメリカとの戦争をどう終わらせようと考えていたか
  • 会社員が消える 働き方の未来図
    3.8
    第4次産業革命で長期雇用が激減、大企業も姿を消すかもしれない。自分で自分の仕事を守る時代になる。雇用が減り、フリー型が増加する未来は悪夢なのか? それとも企業の拘束から解放される望ましい社会なのか? 労働法の第一人者が描き出す、未来の働き方と私たちの課題。 ●社会が変われば、会社も変わる。現実空間の情報がサイバー空間に集積され、そのビッグデータをAIが分析。その結果が現実空間にフィードバックされ、フィンテックや自動運転といった革新的な製品・サービスが生まれる。これが第4次産業革命だ。 ●会社が変わると、仕事も変わる。技術革新はビジネスモデルを変えるとともに、仕事も変える。会社員の「たな卸し」が始まり、定型作業はAIにとって代わられる。人間に残された仕事は創造的で独創的なものとなり、そうしたスキルを持つ人材が求められる。 ●大打撃を受ける日本型雇用。長期の雇用を前提とした「日本型雇用」では、目まぐるしく変わるビジネスモデルに対応できなくなり、日本企業も、そのとき必要なスキルをもつスペシャリストを雇う欧米型に変化していく。 ●雇用型から独立型へ。企業が雇用を減らす上に、スペシャリスト型のニーズが増えることによって、企業に所属せず、専門的スキルを提供するフリー型の働き方が主流になってくる。デジタル技術の発展により、企業と働き手のマッチングも簡単になることも、その流れを支える。 ●働く環境が変わる。デジタル技術の発展は職場も大きく変える。ICTの発達で、会社に集まる必要性が薄くなり、勤務地や勤務時間帯にしばられない働き方が可能になる。これもフリー型の増加を促す。
  • なぜ日本の会社は生産性が低いのか?
    3.9
    人気エコノミストが徹底解説! 長時間労働、ワンオペ地獄、人材に投資しない……だから給料が上がらない 「働き方」の不条理を解決するツボが丸わかり! 「生産性を高めよう」が合言葉になっている。きっかけは安倍政権が「働き方改革」を提唱したことだ。 実際、日本企業の生産性はスペインやイタリアにも劣り、先進国で最低レベルまで落ち込んでいる。たくさん働いているのに、稼げなくなっているのだ。 いったいなぜ、日本は生産性が低くなってしまったのか? じつは日本企業は、旧日本軍と同じ失敗をしている。 たとえば近年、日本企業はどこも「ワンオペ」が増えている。社員1人で膨大な作業量を何でもこなすシステムだ。しかし、各個人が孤立して仕事をしているため、組織全体の効率は追究できない。また、ノウハウを組織でシェアできないという致命的な欠陥がある。チームで効率よく仕事をやるほうが、圧倒的に強いのだ。 これは特攻と何ら変わらない。大局的な戦略をもたず、現場の個人に「がんばれ!」「なんとかしろ!」と精神論で負荷をかけ、一発逆転の局面打開を期待する……これでは勝利は望めない。 本書は、日本企業のどんなところが低生産性を招いているのかを具体的に指摘したうえで、「では生産性をあげるために何をすべきか?」を具体的に提言する。 本当の「働き方改革」はここにあり!
  • 日本プラモデル六〇年史
    4.0
    日本でプラモデルが誕生してから、今年(2018年)でちょうど60年。プラモデルも還暦を迎えたことになります。 ということは、ほとんどすべての日本男子は、プラモデルの影響下で育ったことになるのです。 50代なら、喫水線のところまでしかない「ウォーターライン」シリーズを夢中で作ったでしょうし、少し下の世代なら、ガンプラ(ガンダムのプラモデル)にはまった人も多いでしょう。さらに下なら、ガレキ(ガレージキット)という言葉もご存知かもしれません。 この素晴しきプラモデルの誕生から現在までを、産業史、文化史の側面から編年体で丁寧に解説したのが本書です。 登場するプラモデルはすべて代表的な写真を掲載。「あ~! これ作ったことがある!」という叫びがあちこちであがること請け合い。 プラモデル界のレジェンド、タミヤの田宮俊作会長の特別ロング・インタビューも付いています。 ちなみに、「ウォーターライン」シリーズはどこのメーカーの商品か知っていますか? 周囲に聞くと、「タミヤでしょ?」「いや、アオシマでしょ?」と答えがまちまち。じつは、このシリーズは静岡に本社を置く、プラモデルメーカー4社が合同で発売したシリーズ。もともと、連合艦隊をプラモデルで再現して、並べて楽しむという目的で作られたのですが、数百隻ある連合艦隊を1社で金型から作るのは企業体力からして無理。そこで4社がそれぞれ人気艦艇を分け合って、同じ縮尺で作って発売したのです。この協業の精神が、今日まで続く息の長いシリーズを生みました。 プラモデルのすべてが詰まったおもちゃ箱をお楽しみください。
  • 仏教抹殺 なぜ明治維新は寺院を破壊したのか
    4.2
    明治百五十年でも語られない闇の部分、それが廃仏毀釈だ。実は、興福寺阿修羅像、五重塔も消滅の危機にあったのだ。神社と寺院を分離する政策が、なぜ史上稀な宗教攻撃、文化財破壊にエスカレートしたのか? 鹿児島、松本、伊勢、東京、奈良、京都など日本各地に足を運び、埋もれた歴史を掘り起こす近代史ルポルタージュ。 【目次】 はじめに 第1章 廃仏毀釈のはじまり ──比叡山、水戸 第2章 維新リーダー藩の明暗 ──薩摩、長州 第3章 忖度による廃仏 ──宮崎 第4章 新政府への必死のアピール ──松本、苗木 第5章 閉鎖された島での狂乱 ──隠岐、佐渡 第6章 伊勢神宮と仏教の関係 ──伊勢 第7章 新首都の神仏分離 ──東京 第8章 破壊された古都 ──奈良、京都 結びにかえて
  • 箱根駅伝 強豪校の勝ち方
    4.0
    お正月の風物詩である「箱根駅伝」。選手、指導者、テレビ解説者として60年もの間、箱根駅伝にかかわってきた「生き字引」が語る、箱根駅伝のすべて。 往路1~5区、復路7~10区、計217.1kmのコースを、プロの眼で徹底解説。中大6連覇の栄光、早大・中村監督と瀬古利彦の時代、山梨学院大とケニア留学生、駒沢大、東洋大、青学大の台頭など、強豪校の変遷史もたっぷり。スカウト合戦、合宿事情、伴走車のいま昔などテレビではわからない裏話も大サービス。箱根駅伝ファンにはたまらない、垂涎の一冊。 【目次】 第1章 箱根駅伝 10区間攻略法 第2章 箱根駅伝 強豪校の系譜 第3章 箱根駅伝が判る13の視点 第4章 箱根駅伝の心──ある江戸っ子のランニング人生
  • 週刊文春「シネマチャート」全記録
    3.7
    この40年で最高の映画はどれだ! 「週刊文春」の名物企画を初めて再編集。洋画207作品、邦画53作品の情報と評価を一挙公開。日本人が最も愛した映画がわかる! ■週刊文春シネマチャートとは 1977(昭和52)年6月23日号にスタートした「週刊文春」の名物映画評。40年間で4000本を超える映画に、これまで29名の評者が☆を付けてきました。 その☆を初めて集計し、洋画ベスト200、邦画ベスト50を選出。「我らの時代の映画」ガイドの決定版です! ■内容 発表! 洋画のベスト200はこれだ! 発表! 邦画のベスト50はこれだ! 【座談会】この40年の映画を振り返る(中野翠/芝山幹郎/植草信和) 【内容紹介編】 解説・洋画ベスト200 解説・邦画ベスト50 【資料編】 惜しくも選外となった作品一覧 洋画編/邦画編 年度順作品リスト
  • 王室と不敬罪 プミポン国王とタイの混迷
    4.5
    穏やかな国民性で日本人に人気のタイ。だが、そんな明るいイメージの裏に、想像を絶するタブーがある。それは「王室」だ。 ごく一般の人が、SNSに投稿した何気ないひと言によって「不敬罪」に問われ、30年近い懲役を科せられることもある。 現在のタイの発展の最大の功労者は、2016年に死去したプミポン国王である。プミポン国王は第二次大戦後、王制の下でのタイ式民主主義を推し進め、数々の政治危機から国を救った。タイを繁栄と安定に導いた王室は、次第に絶対的な存在と目されるようになった。 だが、1990年代以降、そんな王室に“対抗”する勢力が台頭してきた。タクシン元首相である。タクシンは地方農村への援助や公共投資によって貧しい人々の心を掴んだ。王室周辺は、そんなタクシンに警戒感を強めてゆく。結局、2006年にクーデターによってタクシンは国を追われた。 しかしタクシン追放後、王室の権威はますます権力闘争に利用されるようになった。 政治家、軍部、司法の重鎮たちが、政敵を追い落とすために「反王室」のレッテル貼り争いに興じる。経済格差が進行し、国民も分断の度合いを深めている。 だが、不敬罪は海外メディアにも適用されるため、そんなタイの情勢は抑制的にしか伝えられてこなかった。タイに関する報道は核心に触れられず、読者に理解しづらいものだった。 本書は、不敬罪で投獄された人の肉声やクーデターを実行した軍部関係者のインタビューなど、深い取材によって得られた貴重な情報が豊富に盛り込まれている。 タイにおける王室とは何なのか? このテーマは、皇室を戴く日本人にとっても無関心ではありえない。
  • トランプ ロシアゲートの虚実
    -
    「ポスト真実」時代の情報戦の勝者は? 連日、けたたましく世界を騒がすトランプ大統領。 あまりにもめまぐるしい“トランプ劇場”だが、 その底には「ロシアゲート」疑惑の暗い河が流れ続けている――。 読売新聞アメリカ総局長が、気鋭のロシア研究者とともに、 稀代の大統領スキャンダルの実態に切り込む。 トランプ周辺とロシアマネーとの深い関わり、 反トランプ陣営の抱える問題、 さらにはロシアの対米情報工作の実態がついに浮き彫りとなる! 日本のメディアでは見えてこない「疑惑」の実態 〇大統領VS.諜報機関の熾烈なバトル 〇トランプの弾劾はあるか? 焦点は「司法妨害」 〇信ぴょう性が疑われる「トランプ・ファイル」 〇反トランプ陣営も抱える「疑惑」 〇何が「真実」か? 米ロサイバー情報戦の最前線 〇「ピザゲート事件」 現実を侵食するフェイク 〇「2020年トランプ再選」の可能性は?
  • 邪馬台国は「朱の王国」だった
    3.5
    古代日本は朱の輸出で繁栄した「朱の王国」だった。 「朱」という視点で日本の神話と古代史を読みなおすと、目からウロコが! 長年、続く邪馬台国論争に一石を投じる画期的な論考の誕生。 日の丸、神社の鳥居や社殿、漆器、朱肉……と日本には朱色があふれており、この国のシンボルカラーといってもいいだろう。 朱の成分は火山地帯で産出される硫化水銀。火山国の日本では赤みをおびた石や砂として全国のいたるところで採掘できた。 朱は顔料・塗料として、防腐剤・防虫剤として、さらには不老不死をねがう薬品に欠かせない水銀の原料として、大変な価値をもっており、古代日本の重要な輸出品だった。 朱の産地が集積しているのは九州・奈良・伊勢。 そして神話、古代史には、これらの地が、いくどとなく登場する。 ・なぜ神武天皇は九州南部から近畿(奈良)へ向かったのか。 ・なぜ世界的にも巨大な墳墓(古墳)が奈良周辺で多く造られたのか。 ・邪馬台国の候補地は、なぜ奈良と九州が有力なのか。 ・なぜ八幡宮の総本社は大分県宇佐市にあるのか。 ・なぜ伊勢に国家的な神社が鎮座しているのか。 ・なぜ奈良・東大寺の「お水取り」は火祭りなのか。 こうした疑問も「朱」を補助線にすると、定説とは異なる解が浮かび上がる。 半世紀もの間、埋もれていた仮説を手がかりに、日本の古代を探る。
  • 人に話したくなる世界史
    3.5
    ちょっと気になる面白エピソードから、世界史を理解する入口がみつかる! メソポタミア-インダスの貿易ルートがなければ、アレクサンドロス大王の大帝国はなかった? ペルシア戦争は“元寇”だった? コロンブスよりはるか前に“新大陸”に渡っていたのは? 大航海時代の始まりはアフリカの金が目当てだった? ヨーロッパ商業がグローバル・スタンダードのなったのはグーテンベルグのおかげ? “航海王子”は船酔いに弱かった? 『母をたずねて三千里』のマルコはなぜイタリアからアルゼンチンへ渡ったのか? 経済歴史学、情報、ソフトウェアの重視など先端の歴史研究の成果を生かした、 教科書には載っていない世界史のツボ。明日、誰かに話したくなること必至! 【目次】 1 アレクサンドロス大王はなぜインダス川を越えられなかったのか? 2 ヴァイキングはイスラーム商人と商売していた 3 大航海時代の始まりはアフリカの黄金目当て? 4 織田信長「天下取り」を支えた東南アジア貿易圏 5 グーテンベルグのもうひとつの「革命」 6 本当はしぶとかったポルトガルとスペイン 7 大数学者フェルマーが保険の基礎をつくった 8 大英帝国は借金上手? 9 綿が語る「アジアvs.ヨーロッパ」の大逆転 10 「中立」がアメリカを大国にした 11 蒸気船の世界史――マルコはなぜブエノスアイレスへ? 12 「手数料」を制する者、世界を制す 13 中国がヘゲモニー国家になれない理由
  • 劉備と諸葛亮 カネ勘定の『三国志』
    4.0
    三国志の英雄は全員悪人!? 気鋭の歴史学者が歴史学の知見をふまえて、これまでの常識をくつがえす! 小説、映画、マンガ、ゲームを通じて幅広い世代に受け入れられている三国志。 多くの場合、主人公は劉備で、きまって「つねに民を思いやる仁君」として描かれる。 その脇には彼を支え続けた天才的軍師、諸葛孔明がひかえている。 ところが歴史学の手法を駆使すると、まったく違う姿が浮かびあがる。 本書で示される驚愕の事実とは・・・ ・劉備は競馬好き、学歴詐称で、親不孝なボンボン。 ・劉備はヒゲがないことがコンプレックスだった。 ・諸葛亮は軍略をたてるのが苦手。 ・関羽・張飛は劉備にカネでスカウトされた。 物語では美化されてきた二人だが、彼らの家柄や「財布の中身」に着目すると、本当の姿が見えてくる。 また本書では他の群雄にもスポットをあてている。 ・呂布の赤兎馬はポニーなみに小さかった ・三国志の英雄たちはいつも資金繰りに悩んでいた ・董卓は暴君だったのか? ・袁術、袁紹の「二袁児」は声望を集めながら、滅びたのはなぜか? ・曹操はどのようにして財源を確保したのか? あなたの知らない「三国志」がここにある!
  • 新貿易立国論
    4.0
    もはや日本は「輸出大国」ではない。 グローバルな視点で現実を直視し、日本経済復活のための新たなモデルを示す! 「資源のないわが国が生き残るには貿易しかない」 --戦後、日本は「貿易立国」を合言葉に、経済発展という坂道を駆け上り、ついにはアジアで真っ先に先進国入りを果たしました。 ところが発展の原動力となった輸出が不振です。これまでリードしてきた工業製品の優位性が揺らぎ、かつては世界の10%ちかくを占めてきた日本の貿易シェアは低下する一方。 「貿易立国」という、この国のかたちが危機に瀕しています。 なぜか。経済のグローバル化、技術のデジタル化という、かつてとは大きく異なる環境を背景に、新興国・途上国が台頭。日本をふくめた先進国の地位が低下しているからなのです。 では、日本が復活するためにはどうすればいいのか。 アジア各国のビジネスを30年ちかくリサーチしてきた著者は、成長トレンドにあって、日本国内の工業地帯に匹敵するほど大きな、日本企業の集積地があるASEANとの連携を提唱。 その上で、国内で開発・生産する「メイド・イン・ジャパン」戦略と、新興国・途上国へ生産拠点を移す「メイド・バイ・ジャパン」戦略の使い分けを説きます。 脅威論でも、悲観論でも、空理空論ではない、グローバル経済の時代に対応したリアルな「貿易立国論」の誕生です。
  • がんはもう痛くない
    4.0
    がんの痛みはもうがまんしない! まだあまり知られていないがんと診断されたときからの緩和ケアについて、国立がん研究センターが進めている最先端のトータルケアを紹介する。 2016年12月に成立したがん対策基本法改正法を受けて、厚労省ではがん対策推進基本計画の見直しを進めている。「がん予防・がん医療の充実・がんとの共生」を柱とする新がん対策推進基本計画の素案には「がんと診断された時からの緩和ケアの推進、心のケアの充実」と明記され、積極的な緩和ケアが今後のがん治療における最重要課題になると注目されている。 最大のポイントは、 1.治療中に生ずる痛みや吐き気などの苦痛をやわらげる「支持療法」 2.積極的な治療を目的とした「体の緩和ケア」 3.患者の病状や体調、環境にあわせたきめ細かな「心のケア」 4.家族や仕事、お金、生活などを支援する「社会的ケア」 などが加わり、がんによる苦痛とQOLの低下を総合的にケアする「トータルケア」の推進、としたところだ。これからのがん治療は、個々に合わせた「オーダーメード治療」になると予測され、患者自身による意思決定と選択はますます重要になる。 そこで本書では、最新情報をもとにあらゆる角度から取り上げ、がんと診断されたときからの心と身体の苦痛によりそう「トータルケア」「緩和ケア」についての正しい知識、考え方、役立つ情報などを提供する。 【目次】 序章(国立がん研究センター中央病院支持療法開発センター・部門長 内富庸介) 第1部 身体の苦痛をとる 第1章 患者の痛みに向き合う (国立がん研究センター中央病院緩和医療科長 里見絵理子) 第2章 放射線治療による緩和ケア (国立がん研究センター東病院東病院放射線科 全田貞幹) 【コラム】がん治療全体を支える“支持療法”について(全田貞幹) 第3章 薬で痛みを取る (国立がん研究センター中央病院がん患者病態生理研究分野分野長 上園保仁) 第2部 心の苦痛をとる 第1章 患者の悩みによりそう (国立がん研究センター中央病院精神腫瘍科長 清水研) 第2章 家族の悩みによりそう (国立がん研究センター中央病院精神腫瘍科 心理療法士 二宮ひとみ) 【コラム】悩みがあるときの心の健康度チェック 第3章 子どものサポート (国立がん研究センター中央病院緩和医療科ホスピタルプレイスタッフ 小嶋リベカ) 第4章 生活の悩みによりそう (国立がん研究センター中央病院相談支援センター社会福祉士 宮田佳代子) 第3部 高齢者と小児の苦痛をとる 第1章 高齢者の緩和ケア (国立がん研究センター東病院精神腫瘍科 小川朝生) 第2章 小児がんの緩和ケア (国立がん研究センター中央病院小児腫瘍科長 小川千登世) 第3章 小児がんの心のケア (国立がん研究センター中央病院精神腫瘍科心理療法士 柳井優子) あとがき (内富庸介)
  • 最強のスポーツビジネス Number Sports Business College 講義録
    3.5
    2019年のラグビーW杯、2020年の東京五輪と国家的スポーツイベントを控える日本。これらのイベントを成功させることはもちろん、2020年以降もスポーツを文化として根付かせ、産業として発展させるには何が必要なのか。プロ野球、横浜DeNAベイスターズの球団社長を5年務め、その間に赤字24億円を解消し、黒字化を達成した実績を持つ筆者が、各競技団体やスポーツ産業のトップをゲストに迎え開講した「スポーツビジネス・カレッジ」での講義が一冊に!  本書は「ナンバー・スポーツビジネス・カレッジ」第一期で行われた講義を抜粋、再構成したものです。  【目次】  鈴木大地(スポーツ庁長官)「スポーツ基本計画が示す日本の未来」/為末大(世界陸上男子400Mハードル銅メダリスト)「アスリートのキャリアとスポーツベンチャー」/大河正明(Bリーグ チェアマン)「バスケットボールとアリーナの可能性」/堀江貴文(実業家)「スポーツはビジネスチャンスにあふれている」/ジム・スモール(MLB JAPAN ヴァイスプレジデント アジアパシフィック)「MLBのアジア戦略とWBC」/池田純(ジャパンエスアール チーフ・ブランディング・オフィサー)「青山ラグビーパーク化構想と、サンウルブズ活性化計画」ほか
  • 野球バカは死なず
    4.0
    毒舌全開、乱闘必至! エモやん最後のワイルドピッチ! ダンディーな佇まいと爽やかな語り口で人気を博す一方、歯に衣着せぬ率直さで物議をかもしてきたエモやん。 「自分の人生はラッキーだった」と振り返るが、その70年はまさに波乱万丈。 猛烈なシゴキやケツバットの嵐に耐え、甲子園出場を掴んだものの、部員の不祥事であえなく出場辞退となった高校時代。監督との軋轢に悩んで寮を脱走したこともあった大学時代。プロ球団からは声がかからず、折れそうになる気持ちをひたすら鼓舞し続けた社会人野球時代……。 そして偶然が重なってドラフト外でプロ入り後、エモやんを待ち受けていたのは、規格外のドデカいプロ野球選手たちだった。 張本勲は、フリーバッティングで対面した投手を最高の状態に引き上げてくれる不思議なパワーを持っていた。 野村克也監督は、「わしはお前をずっと見てたんや」の一言で選手のハートをわしづかみにし、たちまち大活躍させてしまう人心収攬術の持ち主だった。 長嶋茂雄がバットをスイングすると、その瞬間、フラッシュのような光がバットから放たれた。 「悲劇のエース」小林繁がスパイクの刃を研いで殴り込みに行った相手とは? ほかにも、吉本の芸人たちがわざわざ球場に勉強しにくるほどのヤジの達人たち、女遊びの名人(?)など、爆笑エピソードが満載。 「ベンチがアホやから野球がでけへん」騒動で引退後は、ドラマや映画に出演し、さらには政界にも進出。 各界の大物たちとの交流のなかでエモやんが学んだ「一流」と「超一流」の差とは? そして古希を迎えた2017年、突然のがん宣告。 がんになって初めてわかったこと、がんが教えてくれたこととは?…… どんな世界にも共通する教訓が散りばめられ、人生の意味を考えさせられるエピソードも満載。 まさに直球勝負で人生を駆け抜けた男の、爽快かつ滋味溢れる一代記だ。
  • 皇位継承 増補改訂版
    4.0
    2019年5月1日、日本の歴史が変わります。 「高齢譲位」(政府は「生前退位」と称しますが、内容は「高齢」を理由とした「譲位」にほかなりません)によって、皇位継承が行われた先例はありません。 2月末に、退位と即位に伴う儀式の概要が発表されましたが、それは正統的なものになっているのでしょうか? さらに、今上陛下のご譲位によって、いよいよ皇位継承者は皇太子殿下、秋篠宮殿下(皇太子殿下の即位後は「皇嗣」殿下となられる)、そして悠仁親王殿下のお三方になってしまわれます。皇位継承権利のある成年皇族しか参列できないとされてきた即位の礼は、まことにさびしいことになってしまうのではないでしょうか? 皇位継承の歴史と未来、そして、今直面する危機についての決定版が本書です。 本書は1998年、文春新書創刊の第一号として世に出たものです。以来、ベストセラーとして版を重ねてきました。 そこに、最新の情勢を踏まえて大幅に加筆。増補改訂版として生まれ変わりました。 代替わりのすべてが、本書でわかります。
  • 知的ヒントの見つけ方
    3.7
    毎日の生活の中には知的好奇心を刺激する素材があふれている。 テロのニュースを聞き、その背後によこたわる歴史を考える。 自然災害の報をうけて、火山国、地震国という日本の宿命を改めて問い直す。 オリンピックをみながら、あの戦争を思い起こす。 横綱誕生のニュースから、トランプ大統領の今後を想像する。 バーの店主だった時代を回想し、いまのジャーナリズムに檄を飛ばす。 そして、みずからの病から、人間の生と死へ思いをはせる。 日々、接するニュースや、足を運んだ展覧会、取材であった科学者の言葉などから、思考の材料を取り出す。そんな「知の巨人」のあざやかな手腕が味わえるエッセイ集。 〈目次〉 第1章 生と死に学ぶ 第2章 歴史と語らう 第3章 科学を究める 第4章 戦争から考える 第5章 政治と対峙する ●特別講義● ・最先端技術と10年後の「日本」 ・ノーベル賞興国論
  • 「中国」という神話 習近平「偉大なる中華民族」のウソ
    3.0
    日本人の知らなかった中国がここにある! 一帯一路に邁進する習近平。しかし内陸アジアこそ中国最大の「アキレス腱」だ。 もともと「中国」に属さない内陸アジアを、あの手この手で自国の一部と主張することで、中国は自らを「偉大な強国」に仕立ててきた。 歴史の改変、暴力、洗脳――偽造された「民族神話」を剥ぐ! はじめに 内陸アジアから中国を見る 第一の手法 妻を送って、国を奪う 第二の手法 絵本で子どもを洗脳する 第三の手法 「英雄」の歴史を書き換える チンギス・ハーンは「中華民族」 第四の手法 地名と文字によるイメージ操作 第五の手法 抵抗する者は殺戮する 内陸アジアの文化大革命 第六の手法 人海戦術で植民地化する ウイグル「自爆テロ」の背景 おわりに 神話作りは続く
  • オッペケペー節と明治
    -
    明治24年6月、東京・浅草で歌われた「オッペケペー節」は、「権利幸福嫌いな人に、自由湯をば飲ましたい」と訴え、たちまち当時の流行歌となった。歌ったのは後ろ鉢巻、陣羽織に軍扇と現在の「コスプレ」の先駆けるともいえる扮装をした川上音二郎。日本のラップの元祖ともいうべきこの歌は、なぜ民衆の心を捉えたのか。その過程を追いながら、大日本帝国憲法の発布、最初の総選挙、東海道線の新橋―神戸間が開通、新聞、雑誌の創刊と政治、インフラ、文化の多方面で近代化が始まった明治の日本を旅する!
  • 1918年最強ドイツ軍はなぜ敗れたのか ドイツ・システムの強さと脆さ
    4.2
    第一次世界大戦100年目の真実。第一次世界大戦末期、1918年の「春季大攻勢」でドイツ軍は連合国軍の塹壕線を突破、戦術的な「大成功」を収めた。しかし、それからわずか半年後には降伏することとなったのはなぜなのか。ドイツ国内での革命や裏切りのために敗れたという歴史観もあるがそれは真実なのか。ドイツ軍の頂点に立ち、その強さの象徴であった参謀本部とそのリーダーたちは対処したのか。容赦なく勝つことはできても、上手に負けることができないドイツというシステムを徹底検証。19世紀から今日にまで続くドイツ・システムの強さの要因とともに、その危険性について探った!
  • 小泉進次郎と福田達夫
    4.1
    「小泉家って親子の会話もワンフレーズなんですか?」(福田) 「そりゃね、ワンフレーズじゃ済まないよね」(小泉) 自民党若手政治家の中でもっとも期待される2人、小泉進次郎氏と福田達夫氏の対談本が実現しました。総理だった父のこと、世襲政治家の家のこと、そして自分の夢のすべてを、初めて語り合った衝撃的な1冊です。 2人は2017年の農政(全農)改革で、自民党の農林部会長と部会長代理という立場で、初めてタッグを組み、大仕事を成し遂げました。その過程で、お互いを知り、認め合い、まるで昔からの親友のような関係になったのです。 「うちの親父(小泉純一郎元首相)は、政治家になると友だちなんかできないと言ってた。それが政治の世界だと」(小泉) 「確かに友だちはいなかったかもしれなかったけど、お父様には仲間がいた。うちの親父(福田康夫元首相)とか森喜朗首相は兄弟だった」(福田) 2人は驚くほど素直に意見をぶつけ合います。農政改革の現場では、敵陣に真っ先に攻め込んで暴れまわる騎兵隊長が小泉氏なら、そのあとを粛々と占領していく歩兵隊長が福田氏。個性は違うけれどもぴったりと息のあったコンビは、小泉純一郎総理―福田康夫官房長官時代を彷彿とさせます。 司会はテレビの政治解説でもおなじみの、時事通信特別解説委員の田崎史郎さん。2人の本音をどんどん引き出していきます。 日本の未来を担う2人の本当の姿が見えてきます。
  • 逆襲される文明 日本人へIV
    3.9
    騒然とした日々の出来事から、普遍の教訓を抜き出す珠玉のエッセイ集。 「イスラム国」が引き起こした戦争とテロが世界を震撼させる一方で、EUは揺らぎつづけ、ついにイギリスが離脱。その間も難民の流入は止まることがない。アメリカではトランプ大統領が誕生し、その発言が物議をかもす。そして日本はいまだ不況から抜け出せず……まるでローマ帝国の滅亡を思わせる激動の時代に、私たちは生きている。 古代ギリシア、ローマ帝国、ルネサンス時代の歴史との対話を、およそ半世紀にわたってつづけてきた著者は、移りゆく日々の情勢を扱いながら、そこから歴史の教訓を抜き出す。 「宗教は、人間が自信を失った時代に肥大化する」 「民主政が危機に陥るのは、独裁者が台頭してきたからではない。民主主義そのものに内包されていた欠陥が、表面に出てきたときなのである」 「歴史を経ることで人間は進歩するとは思っていない」 世界情勢だけではなく、祖国日本への愛にあふれた提言や、先達として後輩女性への率直なアドバイスもつづられる。 月刊「文藝春秋」で好評連載中の「日本人へ」をまとめた第4弾!
  • ストラディヴァリとグァルネリ ヴァイオリン千年の夢
    4.4
    音楽に疎い人でも、ストラディヴァリウスとグァルネリの名前は聞いたことがあるはずです。ともに、17~18世紀に活躍したヴァイオリン製作者です。 その銘器は、1挺数億円で取引され、スター・ヴァイオリニストは、必ずどちらかを使っているといっても過言ではありません。 しかし、この銘器たち、どこが他のヴァイオリンと違うのでしょうか? よくテレビで、1挺ウン千万円の銘器と、数十万円の普及品とを同じ奏者に弾かせて、どちらが本物の銘器かを当てさせる番組を放送していますが、かなり著名な音楽専門家でも、ものの見事に外しています。じつは海外でも、同じような試みは何度も行われています。しかも、本物のストラディヴァリを使い、聴き比べに参加した人たちも、世界一の楽器商であったり、スター・ヴァイオリニストであったりするのですが、これも見事に外しまくっています。そして、結論は、「ストラディヴァリと現代のものとの間に音色の違いはない」! 驚くべきは、その先です。そんな残念な結果が出たにもかかわらず、ストラディヴァリの相場は下がるどころか上がる一方だったのです。 こんなことが、なぜ起きるのでしょうか? 音楽プロデューサーである筆者は、世界に広がるヴァイオリン製作者、ヴァイオリニスト、弦楽器商の人脈を駆使して、この謎に挑みます。とくに、筆者自身がかかわった銘器の取引の実態、または、これまでほとんど知られていなかった贋作の歴史と「作り方」は、驚くべき内容です。 ストラディヴァリとグァルネリの人生、2つの銘器を使った名人たち、ヴァイオリン成立の歴史とその構造、奇人としか言いようのないコレクターたちの人生など、基本事項もしっかり押さえられていますし、貴重な「本物の鑑定書」も図版で紹介しています。 音楽ファンも、そうでない人も、最後まで一気に読みきってしまうこと請け合いです。
  • 日米同盟のリアリズム
    4.0
    中国・北朝鮮は怯えている。 日本人だけが知らない 世界最強の「戦争力」の真実! 北朝鮮は核開発と弾道ミサイルの開発を続け、日本を標的にすると公言してはばからない。中国は海洋進出への野望をむき出しにし、東シナ海と尖閣諸島周辺での示威活動がニュースにならない日はないほどだ。そんな中、アメリカのトランプ大統領は在日米軍の撤退をチラつかせている。はたして私たち日本人は安全でいられるのか? 結論からいえば、日米同盟は中国・北朝鮮に対して、きわめて有効に抑止力として機能している。たとえば中国・北朝鮮の潜水艦は、すべて日米に行動を捕捉され、ニックネームまでつけられている。隠密行動が最大の強みである潜水艦がこの有り様では、日米の手のひらの上で遊ばされているようなものだ。中国・北朝鮮は日米同盟の強力な軍事力に怯えているからこそ、表向きの粗暴さとは裏腹に、実際の行動はおとなしい。 また、日米同盟はアメリカにとって死活的利益である。日本列島は地球の半分(西半球)でのアメリカの軍事力を支える「戦略的根拠地」として機能している。在日米軍基地は、出撃機能、インテリジェンス機能、ロジスティクス機能のどれをとっても米本土なみの戦略拠点であり、日本の基地負担は金額・割合とも世界ダントツである。 もし日米同盟が解消されれば、アメリカは太平洋から中東に至る地域での覇権を喪失する。日本を失ったアメリカの言うことなど、ロシアや中国どころか北朝鮮も聞かなくなり、アメリカは世界のリーダーの座から即刻転落するだろう。そんなアメリカが、日米同盟をみずから手放すわけがない。 本書は、日米同盟という世界最強の軍事力が、いかに中国・北朝鮮を抑え込んでいるかを具体的に解き明かす。 また、中国が日米同盟に仕掛けている現代版「孫子の兵法」ともいえる「三戦」、「A2/AD」の思考も詳しく紹介。著者ならではの最新データも盛りだくさん。 まさに本書1冊で丸わかり。防衛大臣より賢くなれる!
  • 米中激突 戦争か取引か
    -
    アメリカ・ファーストを掲げ、大統領となったドナルド・トランプ。選挙中は「日本と韓国は自前の防衛力を強化すべき」などと発言し、アジア太平洋地域でのアメリカのプレゼンスの後退、中国のさらなる台頭を許すのではないかといった予想もあった。しかし、当選後は日本の安倍首相と早々に会談するなど、日米同盟の強化を図っているようにも見える。トランプ時代が到来したアメリカで、いったい何が変わり、何が変わらないのか。中国との関係はどうなっていくのか。気鋭の政治評論家が分析する。
  • 対論 「炎上」日本のメカニズム
    -
    炎上はネットの中だけで起きているのではない! 「ネット上で非難や誹謗中傷が殺到する」という現象を「炎上」という。 だが、小泉「劇場」、橋下「劇場」、小池「劇場」のように、「劇場」と名のつく政治手法も、また社会の炎上の一形態なのである。演劇や映画がブームとなるのも典型的な炎上だ。 ときとして社会を破壊する危険性のある炎上のメカニズムと対策を、保守の論客二人が対論形式でさぐる。 【著者プロフィール】 <佐藤健志(さとう けんじ)> 評論家・作家。89年、戯曲『ブロークン・ジャパニーズ』で文化庁舞台芸術創作奨励特別賞を受賞。著書に『右の売国、左の亡国』『愛国のパラドックス』『戦後脱却で、日本は「右傾化」して属国化する』『ゴジラとヤマトとぼくらの民主主義』『本格保守宣言』など多数。 <藤井 聡(ふじい さとし)> 京都大学教授。専門は公共政策論、都市社会工学。内閣官房参与(防災・減災ニューディール)。土木学会論文賞、日本社会心理学会奨励論文賞など受賞歴多数。『公共事業が日本を救う』など著書多数。『大阪都構想が日本を破壊する』で橋下徹元大阪府知事・大阪市長を批判して話題に。 【目次】 第一章  現代の「炎上」の基本メカニズム 第二章  ジャン・アヌイの作劇に見る炎上の魅惑と詐術 第三章  炎上における「隠蔽」の構造 第四章  炎上にひそむ「知性のめまい」をさぐる 第五章  炎上のメカニズムへの挑戦 第六章  仮相と炎上の戦後史 第七章  対談 炎上はコントロールできるのか
  • ルポ 絶望の韓国
    4.3
    朝鮮人は三人集まれば、四つの政党をつくる(スターリン) 利己主義――ひと言で言えばそうなるかもしれません。冒頭に紹介されるスターリンのエピソードは秀逸です。朴槿恵大統領の弾劾・罷免・逮捕に見られた政治的、社会的なうねりは、まさにそうしたメンタリティーが表出したものです。 また、500年続いた李氏朝鮮時代にはぐくまれた「両班になりたい」という感情も、あらゆるところで顔を出します。「現代の科挙」とも呼ばれる度を越した受験戦争や、誰しもが一度は国会議員になりたいと考える社会風土など、ひとつひとつが社会を歪ませているのです。 これは「嫌韓本」ではありません。韓国を愛し、理解しようとつとめてきた筆者が見た、ありのままの韓国のルポルタージュです。 筆者は朝日新聞の外信記者として長年、韓国とかかわり、現在はソウル支局長として日々の取材にあたっています。 その筆者にして、今の韓国は、「病理」とも呼べる状況に陥っているとしか見えないところに、本書のテーマの深刻さがあります。 風雲急を告げる北東アジア情勢において、韓国を理解するための絶好の1冊。 【目次】 第1章 政治 スターリンは言った。「朝鮮人は三人集まれば、四つの政党をつくる」 第2章 歴史 背後にちらつく北朝鮮の影と日ごとに細る日韓のパイプ 第3章 経済 韓国全土に広がる不況と埋まらぬ格差 第4章 教育 壮絶なまでの学歴競争社会 第5章 社会 地縁・血縁・人脈が支配する世界 第6章 軍事 韓国の「三戦術」は、北朝鮮の「三つの切り札」に対抗できない 第7章 外交 米国と中国という二大国に挟まれ、身動きが取れない韓国外交
  • 田中角栄 最後のインタビュー
    3.5
    抜群の記憶力、発想、決断力、そして人情…… 未公開インタビュー記録をもとによみがえる天才宰相の知性と魅力! 没後23年を経てもなお日本人の心を惹きつけてやまない田中角栄。 その角栄はロッキード事件発覚後、マスコミをシャットアウトし、「闇将軍」として権勢を振るっていたが、ひそかに13時間半ものロングインタビューに応じ、みずからの思いを世に出そうとしていた。当時、海外通信社の記者を務めていた著者は、ロングインタビューに立ち会ったほか、約4年間、講演や会議における角栄の発言を記録してきた。 本書はそれらの記録をもとに、著者独自の目線で「天才・角栄」の政治理念を解き明かした作品である。 全編、角栄の名調子が冴え渡る。 「合理性だけを追求してきた日本の頭脳集団は、人間の本質を忘れている」 「総理大臣になってから『勉強します』は許されない」 「外交は“叩き上げ”同士で」 「道徳観のない政治家に人はついてこない」 「俺は自分の選挙区のことは5メートル単位で把握している」 「恋人の電話番号は手帳に書くな。手帳を見ながらダイヤルを回すのでは、恋の成就もおぼつかない」 現代日本の閉塞的な経済状況や、東アジアの安全保障危機をズバリ予言している指摘もあり、角栄の慧眼には驚くばかりだ。人情の機微を知り尽くした滋味深い言葉も、読む人の心にしみわたる。 脳梗塞に倒れる10カ月ほど前におこなわれた最後のインタビューでは、政治と人生に対する達観した思いを吐露しており、枯淡の境地を感じさせる。 どこから読んでも面白くためになり、すべての人に勇気を与えてくれる一冊である。
  • 文部省の研究 「理想の日本人像」を求めた百五十年
    4.1
    いまどき「天下り」スキャンダルで、事務次官までも辞任した文部科学省。戦前は内務省文部局、戦中は陸軍省文部局、戦後も自民党文教局、日経連教育局などと揶揄され続け、つねに「三流官庁」視されてきた。 しかし、侮ってはいけない。文部省はこの150年間、「理想の日本人像」を探求するという、国家にとってもっとも重要な使命を担ってきたのである。明治維新後は「独立独歩で生きてゆく個人」、昭和に入ると「天皇に奉仕する臣民」、敗戦直後は「平和と民主主義の担い手」、そして高度成長時代には「熱心に働く企業戦士」――すべてに文部省は関与してきた。 そして、グローバリズムとナショナリズムが相克する今、ふたたび「理想の日本人像」とは何かを求める機運が高まっている。気鋭の近現代史研究者である筆者が、イデオロギーによる空理空論を排し、文部省の真の姿に迫った傑作! 【目次】 第一章 文部省の誕生と理想の百家争鳴(一八六八~一八九一年) ――「学制前文」から「教育勅語」まで 第二章 転落する文部省、動揺する「教育勅語」(一八九二~一九二六年) ――「戊申詔書」から「国民精神作興詔書」まで 第三章 思想官庁の反撃と蹉跌(一九二六~一九四五年) ――『国体の本義』から『臣民の道』まで 第四章 文部省の独立と高すぎた理想(一九四五~一九五五年) ――「教育基本法」から「国民実践要領」まで 第五章 企業戦士育成の光と影(一九五六~一九九〇年) ――「期待される人間像」から「臨教審答申」まで 第六章 グローバリズムとナショナリズムの狭間で(一九九一~二〇一七年) ――「教育改革国民会議報告」から「改正教育基本法」まで
  • 火山で読み解く古事記の謎
    4.0
    なぜ古事記は火山地帯をおもな舞台としているのか? 古事記における大きな謎のひとつは、九州南部と出雲の二か所が神話の舞台として繰り返し登場することです。 その謎をとく鍵は、その二か所が日本列島で有数の火山エリアであるというシンプルな事実から見出されるのではないでしょうか。 縄文時代の半ばごろの今から7300年前、鹿児島県の南端の沖合いで「鬼界カルデラ大噴火」という、噴煙の高さが海抜43キメートルにもおよんだと推定される、すさまじい規模の噴火がありました。日本史上、いや、この一万年間では地球上で最大の噴火ともいわれる規模でした。 その巨大な火山噴火に遭遇した縄文時代の人々の、驚きや畏怖の感情が、古事記神話の「種」になったのではないか? そう思い描いてみると、神々の物語はまったく違った相貌を見せてくれます。 地質学データ、文献、足で集めた情報をもとに古事記神話の謎に挑戦する意欲作! 火山と古事記を結びつける本や論文を紹介するガイドブックであり、九州、出雲、熊野という古事記神話の舞台への旅にいざなうガイドブックです。 <目次> 第一章 アマテラスと縄文時代の巨大噴火 第二章 出雲――八雲立つ火山の王国 第三章 縄文時代に出現した天孫降臨の山 第四章 女神イザナミ――黄泉の国は火山の国か 第五章 熊野――謎の巨大カルデラの記憶 第六章 大地を鎮める王――永遠に遍歴するヤマトタケル 終章 日本列島における火山の記憶
  • 植物はなぜ薬を作るのか
    3.7
    「動かない」という選択をした植物のしたたかな戦略が「薬」をもたらした! モルヒネやキニーネ、ヤナギの成分から作ったアスピリン、生薬を用いる漢方薬など、人間は古代から植物が作る化学成分を薬として使ってきました。また、ポリフェノール、カテキン、フラボノイドなど植物由来の成分が、いまや日常用語として使われています。 しかし、つい最近まで、なぜ、どのように植物が薬を作るのかは解明されていませんでした。その根源的なメカニズムがわかってきたのは最近のことなのです。分子生物学やゲノム科学という先端的な科学の発展によって、植物の巧みな生存戦略に隠された、植物成分を作る意義と、その方法がわかってきました。 土に根を生やして移動しない、という生き方を選択をした植物は、人間も含め、共存する生命との協力関係や敵対関係のある環境のなかで、生き抜いていかねばなりません。たとえば、動物などの捕食者から身を守るため、苦味や渋み、あるいは神経を麻痺させる有毒な化学成分を作るように進化しました。こうして作り出された化学成分が人間の健康に役立つことがあるのです。 植物は、進化という厳粛な自然の審判に耐えながら、きわめて巧に設計され、洗練された方法で、多様な化学成分をつくるという機能を発達させてきました。私たち人間は、それを薬として少しだけお借りして使わせてもらっているにすぎません。 この本は、もの言わぬ植物からの伝言メッセージです。
  • 安倍晋三「保守」の正体 岸信介のDNAとは何か
    3.0
    安倍総理は本当に憲法改正に向うのか? 改憲議論前の必読書! 憲法改正は、安倍総理が「DNAをしっかり受け継いでゆく」と公言する祖父・岸信介の悲願でもあった。 しかし、あの戦争を始めた指導者の一人であった岸の思想は、本当に受け継いでゆくべきものなのか。 岸・安倍ファミリーの悲願は、われわれ国民を幸せにするのだろうか。 安倍総理を支えているのは「保守」層である。しかし、一口で「保守」といってもいろいろある。 安倍総理が「脱却」すべきものとする「戦後レジーム」を築いた戦後の指導者たちも、また「戦後保守」と呼ばれる「保守」政治家なのである。 吉田茂、池田勇人、佐藤栄作、田中角栄……平和で豊かな戦後日本を作り上げた「戦後保守」から、どうしてわざわざ脱却する必要があるのか。 岸の思想の根幹は、「エリート主義」と「戦後体制の否定」である。そして、特攻の悲劇を美しい日本人の物語として賛美する。このような思想を、現代に蘇らせる必要はあるのか。 戦後の保守政治家たちの思想と行動を検証しつつ、私たちの目の前にある危機を徹底的に考えた本書は、憲法改正議論前の必読書だ! <おもな目次> ●第一章 岸信介の保守● 反米/真の独立/反大衆 など ●第二章 戦後保守● 大衆とエリート/大衆化のシンボル 田中角栄 など ●第三章 岸的「保守」の断絶● 岸の後継者 福田赳夫/青嵐会/戦後政治の総決算 など ●第四章 異端児たちの挑戦● 中曽根行革/コンセンサス政治の崩壊 など ●第五章 迷走する戦後保守● 小泉構造改革/戦後体制脱却の可能性/安倍「保守」の正体 など
  • 鬼才 五社英雄の生涯
    4.8
    『鬼龍院花子の生涯』『極道の妻たち』『陽揮楼』『吉原炎上』『三匹の侍』『人斬り』……極彩色のエンターテイナー、映画監督・五社英雄。 五社作品の持つ情念に魅せられた著者は関係者への徹底した取材を重ねるが、その生涯を描き出すのは困難を極めた。稀代の“ホラッチョ”五社の証言は、背中の彫り物ひとつをとっても同じ人物のものとは思えないほどときにブレる。どこまでが真実でどこからが嘘なのか? これは、全身エンターテイナー──「人を喜ばせる」ことに生涯をかけた男の、ハッタリ上等、虚々実々の物語である。 テレビ界出身だった五社英雄は、長らく日本の映画評論界から不当に無視に近い扱いを受けてきた。その言動は常に毀誉褒貶の対象だった。真っ白なジャケットとズボンで敵だらけの現場に乗り込み、水たまりがあればそのジャケットを脱いで女優にその上を歩かせて周囲の度肝を抜き(しかも翌日にはまた新品同様の白ジャケットで現れる)、80年には銃刀法違反で逮捕され、一時は映画界を追放されて、すべてを失った。 しかし、現在の時代劇やアクションは五社の存在なくしては語れない。今では当たり前の、刀がぶつかり合い、肉を斬り骨を断つ効果音。これらを最初に生み出したのも五社だった。テレビの小さな画面でいかにして映画に負けない迫力や殺気を出すか? 悩んだ末に辿りついた発想だった。 自らの人生も「演出」した男はなぜその背中に鬼を掘り込んだのか? 台本にはなかった「なめたらあかんぜよ!」の秘密とは? 虚実ハッタリ入り乱れた生涯に翻弄されながら、春日太一が渾身の取材で「鬼」の静かで哀切な真実に迫る。
  • 外国人レスラー最強列伝
    4.0
    取材歴50年以上! 伝説のプロレス記者による昭和プロレス回顧録3部作の完結編。 取り上げたのは以下の14人。 ●鉄人ルー・テーズ ・・・来日中、酔った男に額をピシャピシャと叩かれたとき、人格的にも世界最高のプロレスラーがとった行動とは。 ●神様カール・ゴッチ ・・・東京・渋谷のリキ・スポーツパレスで開かれた「ゴッチ教室」。 ●噛みつき魔フレッド・ブラッシー ・・・記者でさえ近づきたくなかったヒール(悪役)の結婚秘話。 ●黒い魔神ボボ・ブラジル ・・・「真面目で誠実」と馬場に評された男の素顔。 ●鉄の爪フリッツ・フォン・エリック ・・・著者が身をもって味わったアイアン・クローの威力。 ●生傷男ディック・ザ・ブルーザー・アフィルス ・・・「世界一の無法男」の意外なファッション・センス。 ●荒法師ジン・キニスキー ・・・和式トイレを自分で掃除した未来のNWA世界チャンピオン。 ●人間発電所ブルーノ・サンマルチノ ・・・「ニューヨークの帝王」の頭髪に隠された秘密。 ●狂犬ディック・マードック ・・・「ビールを飲むためにプロレスをやっている」愛すべき天然バカ。 ●オランダの赤鬼ウィレム・ルスカ ・・・世界最強は誰か? と問われたら、即座にその名前を挙げる。 ●人間風車ビル・ロビンソン ・・・東スポの1面をかざった「夜の帝王」との大阪・北新地の夜。 ●放浪の殺し屋ジプシー・ジョー ・・・国際プロレスの末期を支えたタフネス。 ●韓国の猛牛・大木金太郎 ・・・放った頭突きは5万発の元祖韓流スター。
  • 昭和のことば
    4.0
    日本の言葉の大量死が始まった!  帰郷、大衆、あなた、かまう、しらじらしい、巴里、わが町、お前ら、出世、元気、叙情、もとい、ヱ・・・・・・。 昭和の時代まで生き生きと使われたあの言葉、この言葉は、いったいどこへ消えたのか。 「岸辺のアルバム」「ふぞろいの林檎たち」など、数々の名作ドラマを演出した名ディレクターが綴る、ささやかだが愛すべき言葉の記録。 『文藝春秋』の人気コラムが待望の新書化!
  • アベンジャー型犯罪 秋葉原事件は警告する
    4.0
    アベンジャー=復讐者。アベンジャーは、人生の最後にすべてを投げ出して、怒りをぶつけ、他人を破壊することで、自己の尊厳を回復しようとする。 2008年6月に東京・秋葉原で発生した17人が殺傷された未曾有の惨劇は、「アベンジャー(復讐者)型犯罪」という従来の犯罪とは異なる特性を持つものであることを日本で初めて論じたのが本書である。 精神科医であり、犯罪病理学の専門家でもある著者が、FBIアカデミーの報告書など多くの研究を踏まえて、発達心理学、サイバー心理学、経済学、社会学など多面的な観点から問題の本質に迫る。わが子がアベンジャーにならないためにはどうすればいいのか。そして崩壊に向かう日本社会を再生するために進むべき道とは。
  • 司馬遼太郎に日本人を学ぶ
    4.1
    司馬遼太郎の作品は何から読めばいいのか? 長編、短編あわせて67編。テーマは戦国時代から江戸期、明治維新へと多岐にわたり、エッセイや紀行文『街道をゆく』では日本各地のみならず、モンゴル、中国、北米、ヨーロッパへと足を伸ばす。 驚異的な仕事を遺した前人未到の巨人作家、司馬遼太郎。 司馬遼太郎の謦咳に接した担当編集者で、戦史家の著者が、偉大なる作家の秘話をまじえつつ、その豊穣かつ膨大な作品世界への取り組み方を若い世代へ伝授。 日本人が誇るべき共通の財産、司馬作品、格好の読書ガイド。
  • シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧
    3.7
    『シャルリとは誰か?』で私はフランス社会の危機を分析しましたが、11月13日の出来事〔パリISテロ〕は、私の分析の正しさを悲劇的な形で証明し、結論部の悲観的な将来予測も悲しいことに正しさが立証されてしまいました。 ――「日本の読者へ」でトッド氏はこう述べています。 本書が扱うのは2015年1月にパリで起きた『シャルリ・エブド』襲撃事件自体ではなく、事件後に行なわれた大規模デモの方です。「表現の自由」を掲げた「私はシャルリ」デモは、実は自己欺瞞的で無意識に排外主義的であることを、統計や地図を駆使して証明しています。 ここで明らかにされるのは、フランス社会の危機であり、西欧先進国にも共通する危機で、欧州が内側から崩壊しつつあることに警鐘を鳴らしています。ユーロ、自由貿易、緊縮財政による格差拡大と排外主義の結びつきは、ベストセラー『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる』にも通じるテーマで、前著の議論がより精緻に展開されています。
  • 春画入門
    3.9
    春画の「ウタマロ」はなぜ巨大なのか? なぜ、着衣のままなのか? 春画は何に使われていたのか? いくらで売られていたのか?  どんな絵師たちが依頼されていたのか? どのような技巧が凝らされているのか? 90点あまりのカラー図版をつかって、春画の基本の「き」から、やさしく面白く解説。 図版は日本屈指の春画コレクションから、葛飾北斎、喜多川歌麿、鳥居清長、菱川師宣、鈴木春信、渓斎英泉、歌川国貞などの逸品を収録。春画を手がけた一流絵師たちの背景や、代表作についての解説に加え、絵師、彫師、摺師の春画だからこそ可能だった技巧を解説する。 初めて春画、浮世絵を見る人でもなるほどと膝を打つ、目からウロコの「夜の浮世絵教室」開講!
  • 松本清張への召集令状
    4.7
    昭和18年の秋、家族六人を支える中年の版下職人、松本清張のもとへ突然の召集令状がきた。34歳にして戦場へ送られた体験がこの作家の根底に残した深い傷へ、担当編集者だった著者が迫る。
  • 特攻とは何か
    4.0
    自爆テロには断じて非ず、あの戦法の真実を描く 太平洋戦争末期に散った若者たち。彼らの悲劇はなぜ生まれたのか? 特攻の生みの親・大西瀧治郎海軍中将たちの苦悩と葛藤を描きだす

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