データを用いて「平成」における変遷を記した本書。
著者の言う通り、本書を読むと総体として世界及び日本は良くなっている。昔が良かった、というのはデータを基にすればある種の嘘か、ノスタルジィ(郷愁)。
一例をあげれば、環境問題(オゾンホール等)は確実に縮小の方向になっている。それを考えれば、人
...続きを読む類は少しずつではあるが賢くなっているのだろう。
ただしデータを基にした以上、全てがバラ色という訳ではなく、悪化している面もある。格差の拡大もそうであるし、日本の場合は「富裕層の富裕化」ではなく、「貧困層の貧困化」で広がっている、との事。相対的貧困よりも深刻な絶対的な貧困の拡大、それをどう補っていくか。
元号が変わろうとも、人間社会に付きまとう諸問題は尽きることは無いのだろう。それでも、少しでも良くなる事を本書を読み終わってから、思う。