あらすじ
平成元年。消費税が施行され、衛星放送が始まり、日経平均株価は史上最高値をつけた。それから30年、日本はどれくらい変わったのか? 家計、医療費、海外旅行、体格など様々なアングルからこの30年間の推移を調査。平成日本のありのままを浮き彫りにする。
【データが映す、ありのままの日本】
・一人あたりGDPは世界第2位から25位へ
・外国人流入数はOECD第4位
・こづかいは約7割ダウン
・「ものづくり」から「投資」で儲ける国へ
・日本人は移動しなくなった?
・時価総額ランキング 日本企業はどこに消えた?
・農業は衰退から効率化へ
・ボール投げ、反復横とび、50m走、記録が伸びたのは?
・平均寿命は5年伸びた
・女性の細さは世界第2位
・世界的にも珍しい「低所得層の貧困化」
・時間の使い方も変わった 他
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Posted by ブクログ
データを用いて「平成」における変遷を記した本書。
著者の言う通り、本書を読むと総体として世界及び日本は良くなっている。昔が良かった、というのはデータを基にすればある種の嘘か、ノスタルジィ(郷愁)。
一例をあげれば、環境問題(オゾンホール等)は確実に縮小の方向になっている。それを考えれば、人類は少しずつではあるが賢くなっているのだろう。
ただしデータを基にした以上、全てがバラ色という訳ではなく、悪化している面もある。格差の拡大もそうであるし、日本の場合は「富裕層の富裕化」ではなく、「貧困層の貧困化」で広がっている、との事。相対的貧困よりも深刻な絶対的な貧困の拡大、それをどう補っていくか。
元号が変わろうとも、人間社会に付きまとう諸問題は尽きることは無いのだろう。それでも、少しでも良くなる事を本書を読み終わってから、思う。