実録ルポ 介護の裏

甚野博則

あなたの老後も真っ暗かも？

「うちはまだまだ大丈夫」「いざとなれば何とかなる」
現実から目をそらし続けてきた筆者のもとに、突如降りかかってきた母親の介護問題。
なぜ介護の仕組みはこれほど複雑なのか？
なぜこんなにお金がかかるのか？
一体誰が得をしているのか？
制度について一から調べ、全国の現場を訪ね歩いてみると、深くて暗い業界の「裏側」が見えてきた――
知らないままでは損をする、誰も教えてくれない「介護のリアル」を徹底ルポ。

【介護の世界は矛盾とナゾだらけ】

●「ケアマネ」選びが全てを左右する
●介護保険でできること、できないこと
●老人ホームは入居金だけで数千万という現実
●「老人は歩くダイヤモンド」。介護ビジネスはなぜ儲かるのか？
●こんな施設は要注意！ 施設職員が語る３つのチェックポイント
●「介護離職」は年間で10万６千人にも
●2025年度には介護職が32万人不足……崩壊はすでに始まっている

• カテゴリ: 小説・文芸
• ジャンル: ノンフィクション / ノンフィクション・ドキュメンタリー
• 出版社: 文藝春秋
• 掲載誌・レーベル: 文春新書
• ページ数: 232ページ
• 電子版発売日: 2024年05月17日
• コンテンツ形式: EPUB
• サイズ(目安): 2MB

[ブクログ · ★★★★★]

■こんな施設は要注意
・大前提として中を見学させてくれない施設は要注意。
・3つのチェックポイント
①臭い
②居室内
③食事

[ブクログ · ★★★★★]

グループホームに暮らす妻のもとに２日に一度面会に行くのが仕事であり、自分が生きる意味だ。進行する認知症アルツハイマーに侵された妻は会った瞬間はとても喜んでくれるが不穏な状態になることが多く、一人イライラと立ち歩いたり、ぶつぶつと訳のわからない言葉を叫んだりと、どうしてやることもできない自分の無力に腹が立つ。とにかく寄り添って座り、手を繋いで歩き、顔を見て涙を拭いたり、お茶を飲ませたりして２時間ほどを共に過ごす。今日は職員さんと一緒に入浴の介助もした。喚いたり怒ったりされるが風呂上がりは気持ちよさそうに座ってくれる。時々見せてくれる笑顔とともに自分への褒美のような瞬間だ。
こんな日々が一年もすぎ介護の現場の大変さ、問題点もたくさん感じている。みんな頑張ってくれてはいるが、技術や心の足りなさ、環境に金を使わない経営などなんとかならないかと思うことも多い。
行政のチェックなどあるのかないのか。そこかしこに無責任がドッカと座っている業界であることは間違いない。
妻はここで最期まで生きる。自分は・・・

[ブクログ · ★★★★☆]

介護に直面してみると様々わからないことや疑問が出てきます。元文春記者が自身の経験や取材経験を通じて見た介護業界の様子と矛盾を鋭く指摘。老老介護が標準となることが確実な状況のなか、介護にどう向き合うべきか問題提起されています。

[ブクログ · ★★★★☆]

こういう問題提起が雑誌上だけでなく、本、テレビ、ラジオ、ネットなどいろいろなところでされるようになるのはいいと思う。長生きすれば誰もが高齢者になる。高齢者が穏やかに生きて行きやすくなるよう、もっとよい制度に変わっていくといいなと思う。勇気を持って現場を教えてくださった皆様が幸せになることを願います。

[ブクログ · ★★★☆☆]

読めば読むほど心配になる。
介護の暗部をえぐる。
当然、そればかりではないだろうが、日本の介護の先が暗い。
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国の制度や給与体系の低さなどの不備。
大変な仕事なのに、人員不足。
経営者によっては、老人をお金と見て、金のためだけに。
蹴る、バカにし、衛生状態が悪い施設も。
不正に国費を確保し、バレないようにする事業者。
自死する職員。
モンスター化する家族。
老老介護の末路。
妻殺し。
フィリピンからの労働者が支える。心のこもった介護。フィリピン文化の温かさ。