作品一覧

  • ローマ教皇 伝統と革新のダイナミズム
    -
    1巻1,100円 (税込)
    混迷をきわめる国際政治に一石は投じられるか ローマ教皇フランシスコが帰天し、アメリカ人初となる(267代)ローマ教皇が新たに選出された。フランシスコと同じく南米での活動が長く、前教皇の貧しい人々に寄り添う路線を引き継ぐと目されるレオ14世とはいかなる人物か? 映画『教皇選挙』のヒットに続き、フランシスコ葬儀の場でのトランプとゼレンスキーの会談、ヴァンス米副大統領を批判するレオ14世のXでの発言など、国際政治とのクロスにおいてもローマ教皇が再び注目を集めている。 学者から転身したベネディクト16世、世界の分断に橋をかけようと奮闘したフランシスコ、そして19世紀末のレオ13世の名を引き継ぐレオ14世――『聖書』に登場するイエスの使徒ペトロ以降、2000年以上連綿とバトンが受け継がれてきたローマ教皇とはいかなる存在か。混迷をきわめる国際政治に一石は投じられるのか。 トマス・アクィナスの研究者であり神学者・哲学者の著者が、フランシスコの遺産とともに綴る現代ローマ教皇論。 目次 第1章 SNS時代の教皇 第2章 フランシスコからレオ十四世へ 第3章 教皇フランシスコーー「橋を架ける」―― 第4章 レオ十四世――「落ち着かない心」―― 第5章 ベネディクト十六世――信仰・希望・愛――
  • 三大一神教のつながりをよむ
    4.3
    ユダヤ教、キリスト教、イスラム教――。何が同じで、何が違うのか? 世界を取り巻く様々な「争いの要因」と言われるユダヤ教、キリスト教、イスラム教の三大一神教。しかし、本当にそうなのか。本書は、3つの宗教における「聖典」「思想」「人物」の基礎知識を選りすぐり、「つながり」の視点でこの上なく分かりやすく解説する。旧約聖書・新約聖書・クルアーン、それぞれの聖典にはどのような共通点があり、その思想にはどんな特徴があるのか。「アブラハム」「イエス・キリスト」を軸に聖典を比較してみると浮かび上がる各宗教の固有性とは。本格的かつ平易な解説で知られる東大教授による、2時間で読める集中講義。
  • NHK「100分de名著」ブックス アリストテレス ニコマコス倫理学 「よく生きる」ための哲学
    4.0
    1巻1,210円 (税込)
    幸せを獲得するためにすべきことが詰まった「実践哲学」の書! 天文学、生物学、詩学、政治学、論理学、形而上学などあらゆる分野の学問の基礎を確立し、「万学の祖」と呼ばれる古代ギリシャの哲学者アリストテレス(前384-前322)。彼が「倫理学」という学問を歴史上初めて体系化した書物が『ニコマコス倫理学』だ。 「倫理学」と訳されているギリシャ語は「人柄に関わる事柄」という意味で、彼が倫理学と呼ぶものは、義務や禁止といったルールを学ぶことではなく、どのような人柄を形成すれば幸福な人生、充実した人生を送ることができるのかを考察することだった。 アリストテレスは、幸福とは人間がもっている固有の能力を発揮することであり、そのためには、外的な幸運を生かすための内的な力である「徳(アレテ―)」を身につける必要があると考えた。その「徳」は一定の行動を繰り返し習慣化することで「性格」となり、身につけることができるという。また、人間同士の相互的な絆のことを「友愛(フィリア)」と呼び、それらを分類・分析することで、幸福になるために必要な友愛とは何かを明らかにすべく、思索を深めていく。 「幸福とは何か」を多角的に考え抜き、それを獲得する方策を説いたのが『ニコマコス倫理学』であり、現代人にとっても大切な「正義」や「欲望」、「生き方」や「友情」などの在り方について、読者がわが身に引き付けて考えるための「実践の書」なのだと、著者はいう。その発展的受容という観点から、特別章を加筆。キリスト教とギリシャ哲学を融合させたトマス・アクィナスの思想に『ニコマコス倫理学』の実践を見る。 【内容】 はじめに 「いかによく生きるか」を考える学問 第1章 倫理学とは何か 第2章 幸福とは何か 第3章 「徳と悪徳」 第4章 友愛とは何か ブックス特別章 アリストテレスとトマス・アクィナス ~『ニコマコス倫理学』から『神学大全』へ 読書案内 おわりに
  • 存在と思惟 中世哲学論集
    -
    1巻1,210円 (税込)
    本書の著者クラウス・リーゼンフーバー神父(1938-2022年)は、フランクフルトに生まれ、1958年にカトリックの修道会であるイエズス会に入会したのち、1967年に来日して長年にわたり上智大学で教鞭を執りました。ドイツ哲学に深い造詣をもつばかりか、西田幾多郎をはじめとする日本の哲学思想に通じていた著者は、西洋中世の哲学・神学について研究し、あるいは教育するとともに、一般向けの講座を精力的に行って多くの日本人に親われました。 しかし、専門論文が多いこともあってか、一般向けの著作はほとんどなかったと言わざるをえません。古代から現代に至る西洋哲学全体に対する該博な知識と透徹した理解に基づいた知恵の結晶を多くのかたに触れていただく機会になることを願って、ここに学術文庫オリジナルの精選論文集をお届けします。 以下の目次にあるように、本書で中心的に選ばれたのは、著者にとって重要な研究対象であるトマス・アクィナス(1225頃-74年)をめぐる論考です。「言語」、「存在」、「神」という哲学にとっても神学にとっても最重要の概念を正面から取り上げ、トマスの論を精緻にたどるだけでなく、独自の読みを加えることで、そこに潜む可能性を最大限に引き出す――「思惟」というものの醍醐味がふんだんにつまった論考群は、読むたびに発見に満ちた宝と言えるでしょう。 惜しまれながら2022年に逝去したリーゼンフーバー神父の偉大な遺産を本書を通して知っていただけることを心から願っています。 [本書の内容] 中世思想における至福の概念 トマス・アクィナスにおける言葉 トマス・アクィナスにおける存在理解の展開 存在と思惟――存在理解の展開の可能性を探って トマス・アクィナスにおける神認識の構造 神の全能と人間の自由――オッカム理解の試み 解 説(山本芳久)
  • キリスト教講義
    4.0
    1巻1,400円 (税込)
    罪、悪、愛、天使……キリスト教の重大概念を正統的に解釈し、説く対談集 「罪」は元来、人が「的外れ」に生きることを指した? 「悪」は「善の欠如」か、より能動的なものか。キリスト者二人の刺激的対談。 ※この電子書籍は2018年12月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 宗教のきほん 「愛」の思想史
    4.3
    1巻1,980円 (税込)
    「愛のあり方」が腑に落ちれば、キリスト教が理解できる。 世界中の誰もが人生で直面する「愛とは何か」という問い。愛はどのように捉えられてきたのか。受け継がれてきた愛の英知をコンパクトに整理し、キリスト教の基礎知識と合わせて提示する。難解な内容を誰よりも明快に解説できる東大教授による、愛を理解し実践するための書。
  • 危機の神学 「無関心というパンデミック」を超えて
    4.0
    1巻1,001円 (税込)
    埋まらない社会の分断、無関心という病、かつてない気候変動の危機。 コロナ禍で顕在化した危機にどう立ち向かえばいいのか。 時代の危機に、キリスト教はどう答えてきたのか? 教皇フランシスコ、トマス・アクィナス、アウグスティヌスから カール・バルト、西田幾多郎まで。 未来を照らす光を過去の叡智に探る神学対談。
  • キリスト教の核心をよむ
    4.0
    「全部」を知らなくとも、理解できる道がある。 世界の三分の一もの人びとが信仰しているのに、日本人にとってはよく分からないキリスト教。しかし、聖書やキリスト教の「核心」に光を当てて、そのつながりを「よむ」ことができれば、理解への道が驚くほどひらけてくる。一神教の鍵「アブラハム」とはどんな人物なのか? 膨大な聖書のどこを読めばいいのか? 聖書の教えはどんな人によって受け継がれてきたのか? それらに通底しているキーワード「旅人の神学」とは? 本格的かつ平易な解説で注目が集まる東大教授による、格好のキリスト教入門。巻末にはキリスト教の理解を深めていくためのブックガイドを収載。
  • 世界は善に満ちている―トマス・アクィナス哲学講義―(新潮選書)
    4.5
    1巻1,980円 (税込)
    怒り・悲しみ・憎しみ・恐れ……どんなネガティブな感情も、丁寧に解きほぐすと、その根源に「愛」が見いだせる。不安で包まれているように思える世界も、理性の光を通して見ると、「善」が満ちあふれている。中世哲学の最高峰『神学大全』を、教師と学生の対話形式でわかりやすく読み解き、自他を肯定して生きる道を示す。
  • トマス・アクィナス 理性と神秘
    5.0
    1巻1,078円 (税込)
    西洋中世における最大の神学者であり哲学者でもあるトマス・アクィナス(1225頃―1274)。難解なイメージに尻込みすることなく『神学大全』に触れてみれば、我々の心に訴えかけてくる魅力的な言葉が詰まっていることに気づく。生き生きとしたトマス哲学の根本精神を、理性と神秘の独特な相互関係に着目して読み解く。

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ユーザーレビュー

  • 三大一神教のつながりをよむ

    Posted by ブクログ

    山本芳久著『三大一神教のつながりをよむ』の感想です。

    キリスト教VSイスラム教という対立で捉えられがちな一神教の解説ですが、論点を絞った非常にわかりやすい本です。

    旧約聖書(タナッハ)、新約聖書、クルアーンのそれぞれにおいて(あるいはユダヤ教、キリスト教、イスラム教のそれぞれにとって)、啓示とは何か、アブラハムやイエスはどういう存在かが、やさしく解説されています。

    特にイスラム教には馴染みがなかったのですが、イスラム教でもイエス(イーサー)は五大預言者の一人で、優れた預言者だからこそ(十字架の上で)そんな悲惨な死に方をするわけがない、と考えられているというのは初めて知りました。

    耳障り

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    2025年10月12日
  • 世界は善に満ちている―トマス・アクィナス哲学講義―(新潮選書)

    Posted by ブクログ

    【世界は善に満ちている】 山本 芳久 著

     またまたPodcastからの情報で恐縮です。トマス・アクィナスを扱っており、その参考文献として紹介されたものです。彼の思想を哲学者と学生による対話形式で明らかにし、「哲学講義」とありますが、とても読みやすく仕上がっています。

     トマス・アクィナスは神学者で『神学大全』を記述したという知識しかなかったのですが、ものすごい「ポジティブ思考」ということがわかります。「神」「愛」「善」などが登場するので、ここでの紹介は憚られるのですが、いわゆる現在の「ポジティブ・シンキング」ではなく、理論を突き詰めてこうしたものが実在することを証明しています。また、直接

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    2025年04月02日
  • 世界は善に満ちている―トマス・アクィナス哲学講義―(新潮選書)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    悲しみや怒りといった感情の根底には、愛があるのではないかとぼんやり思っていたところに、この本と出会いました。まさに私が今欲していた答えを、この本がくれました。

    感情は、自分の外界の事物から影響を受けて受動的に起こる。さらに、善なるもの(道徳的な意味合いだけでなく、便利だったり快楽的だったりするものも含む)に魅力され、それが心に刻印されるような形で、愛が生まれる。そう考えると、世界には現在も私を魅了する善なるものが既にあり、世界はこれから私が魅了されうる可能性のもので溢れている、ということを言語化してくれました。

    感情的すぎる自分に疲れ、解消するような本を探してこの本に辿り着きましたが、やは

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    2025年03月26日
  • NHK「100分de名著」ブックス アリストテレス ニコマコス倫理学 「よく生きる」ための哲学

    Posted by ブクログ

    これは読まねばならぬ...と幾度と決意し、その度に通読失敗を重ねてきた「ニコマコス倫理学」。
    ついに100分de名著に助けを求めることに...
    アリストテレスが著した史上初の体系的な倫理学の本。あらゆるもの・行為は「善」を目指し、そして最終的に収束する「最高善」は「幸福になること」であるいう前提に立ち、その実現に向けた実践を意識した論展開がなされる。

    倫理学が扱う範囲を「たいていの場合にあてはまる事柄」と定義しており、これは自然科学が扱う「常にそうあるところのもの」と対比されているのがいい。ひとが「善い」と感じる事柄はひとつではないけども、ある程度の方向には収束するものだというバランスのいい

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    2025年03月23日
  • 世界は善に満ちている―トマス・アクィナス哲学講義―(新潮選書)

    Posted by ブクログ

    対話形式は、嫌われる勇気シリーズに触れてから割と否定的だったがこの本はかなり良い形になっていた。
    善の射程を伸ばしつつ、愛の形式を輪郭立てながら具体例を交え説得力を持たせる構成はすごく読みやすい。
    自己拡張性の考え方は、自身の置かれているライフステージによってはブッ刺さる内容で、自己肯定を自分自身の枠組でしか捉えられない勿体無さに気づくことができて良かった。

    0
    2024年09月06日

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