山本芳久の作品一覧
「山本芳久」の「世界は善に満ちている―トマス・アクィナス哲学講義―(新潮選書)」「三大一神教のつながりをよむ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
「山本芳久」の「世界は善に満ちている―トマス・アクィナス哲学講義―(新潮選書)」「三大一神教のつながりをよむ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
志村ふくみ・若松英輔『緋の舟』、辰巳芳子『手の味こころの味』『いのちと味覚』をきっかけに、キリスト教(カトリック)の世界の本に少し寄り道している。
その過程で、カトリック教会が、第二バチカン公会議(1962〜1965年)で他宗教との対話を訴え、その実践が今も続けられていることを知り、現代のありようをもう少し知りたくなり、本書を手に取った。
現代の教皇の回勅(司教や信者に向けた公文書)を取り上げながらの解説(対談)なので、上記がわかりやすかった。
「神=至高の正義」の存在を信じ、その正義のために「自分の持っているものを与えるだけはなく、自分自身を与えなければならない(第一章)」とする点には、正直高い敷居を感じた。しかしカトリックは、世界で14億を超える人が入信していると聞く。それが他宗教との対話を継続しているというのは、教義を信じる信じないとは関係なく、大事にしなくてはいけないことだと思った。
「私たちにとって重要なのはイデオロギーではなくコスモロジーなのではないか(註)(第二章)」という意見は、多様性の中での対話のありかたという点で傾聴に値する。
(註)
イデオロギー:政治、社会、道徳、宗教などにおける、人々の行動や考え方の根底にある価値観や思想の体系
コスモロジー(宇宙論・世界観):自分をも含めた世界をどのようにイメージし、生きる意味を見出すかという関係性・秩序の枠組み
Posted by ブクログ
かなりわかりやすかった。
アリストテレスの倫理学は、アルケーを模索する理論学などと同様に、その根底に可能態から現実態へというアリストテレスの理想が通底しているのが、まず感動的である。
つまり倫理学の方面では、人間の可能性を現実化していくこと、この方向性こそに理想と重きを置いているわけであるが、プラトンのようにイデアという別世界を設定するでもなく、自然の中に潜んでいるはずのロゴスを信じ、倫理学にまでも一貫とした哲学体系を築いたアリストテレスは偉大であり、自分にはかなり魅力的であった。
理論学の方はかなり難解な部分もあって、自分の中ではまだ整理がついていない部分もあるのだが、倫理学の方は本書がかなり明瞭にしてくれたので助かった。
中でも印象的であったのは、「人柄は習慣によって身につけられる」という、徳の獲得についての教えである。アリストテレスは随所において、かなり平凡で常識的なことを確かめるのだが、だからこそ倫理学として身近であり、実践学として有用である。
自分の経験を通じても、日々の自分の行動が自分の徳、人柄を決定するというのは、ぐうの音も出ないほどその通りであり、悪徳に流れずに自分を律し続けるためにも、アリストテレスの教えを思い浮かべながら生活するだけで、ひとつひとつの行為が生き生きとするであろう。私はこの本を読んで、あまりコーラを飲まなくなったし、ラーメンを食べなくなった。
Posted by ブクログ
トマス・アクィナスの主要な思想についての新書。神学の一分野として理解する助けにもなる。
序
第一章 トマス・アクィナスの根本精神
一 トマスの「新しさ」
二 キリスト教とアリストテレスの統合
三 「饒舌」と「沈黙」
四 神秘と理性
第二章 「徳」という「力」――「枢要徳」の構造
一 トマス人間論の中心概念としての「徳」
二 「枢要徳」と「神学的徳」
三 「徳」と「善」
四 「節制」と「抑制」――徳の喜び
五 アリストテレスに洗礼を施す――キリスト教的「純潔」
六 親和性による認識――枢要徳と神学的徳を架橋する
第三章 「神学的徳」としての信仰と希望
一 信仰――知性による神的真理の承認
二 恩寵と自由意志の協働
三 神学的徳による人間神化
四 希望――旅する人間の自己超越
第四章 肯定の原理としての愛徳
一 神と人間との友愛としての愛徳
二 「神からのカリタス」と「神へのカリタス」
三 神の愛の分担者となる
第五章 「理性」と「神秘」
一 受肉の神秘
二 「最高善の自己伝達」としての受肉
三 受肉と至福
四 「ふさわしさ」の論理
五 人間理性の自己超越性――「神秘」との対話
あとがき
参考文献
Posted by ブクログ
さすが100分で名著シリーズ。読みやすい。おすすめです。
キリスト教成立以前の古代ギリシャの書物のため、聖書やキリスト教社会を前提とした概念は出てこず、そういう意味でもすらすら読める。
神を前提としていない哲学のため、多くの日本人にとっても相当馴染みやすいのではないだろうか。
幸福を人生における究極的なゴール(すなわち、「最高善」)として、人間のあらゆる活動はそのために行われると考える。具体的にどういう行動を心がけて、どのような「徳」を備えた人間になれば、幸福という「最高善」を達成できるのか、それが段階を踏んで書かれているため、構造的にも分かりやすい。
『ニコマコス倫理学』や他の哲学においても重要なな概念である「中庸」の意味が、「まあまあ」や「ほどほど」といった意味ではなく、「ど真ん中を射抜く」という意味だと知れたことも非常に良かった。
『ニコマコス倫理学』の全編や他のギリシャ哲学の本も読んでみたいみたいと思える1冊です。