山本芳久のレビュー一覧

  • キリスト教の核心をよむ
    宗教と、それを信仰する人の心に関心があって、ずいぶん昔から、中学生くらいから?岩波文庫等の聖書を手にしたり、さまざまな本(遠藤周作の沈黙も含む)を読んできましたが、そうか。
    旧約も新約も、旅人と、旅人とともにある神なのか。キリスト者が旅人で、イエスの復活も、どこまでも人々の苦しみや悲しさと寄り添った...続きを読む
  • 宗教のきほん 「愛」の思想史
    愛をテーマに、プラトンのエロースからアリストテレスの友愛といったギリシャ哲学、アウグスティヌスから著者が専門のトマスアキナスまで、キリスト教に限らず哲学のエッセンスが分かるのが良かった。
    単なる哲学の解説ではなく自分の心のあり方を考えるきっかけにもなる。
    アウグスティヌスが神への愛を語る「告白」の解...続きを読む
  • トマス・アクィナス 理性と神秘

    読みやすいです

    『愛のあるところ目がある』という一文にひかれた読みはじめました。
    トマスアクィナスの著作に興味はありますが、哲学と神学の素養がなく、
    ボリュームもすごいのであきらめていましたら、このとっつきやすい本が
    見つかってよかったです。カトリックの深さ広さを感じる一冊と思います。
    なぜかガンバロウと思いました...続きを読む
  • 世界は善に満ちている―トマス・アクィナス哲学講義―(新潮選書)
    授業で指定されて読んだ本。トマス・アクィナスの感情論が分かりやすく、かつ明確に示されていた。愛があらゆる感情の根源であり、欲望されうるものの心における刻印こそが愛。欲望されうるもの=善が自分の周囲に転がっている可能性に気づくことで自分から見える世界はより豊かなものになりうる。
  • 世界は善に満ちている―トマス・アクィナス哲学講義―(新潮選書)
    トマス・アクィナスの「神学大全」という大作のうち、感情論にテーマを絞ってトマス哲学の核心的な位置づけと見なされる肯定の哲学という観点から講釈いただけております。哲学者と学生の対話形式で綴られていますので、取っつきやすくかつ日常的な例を挙げてながら進めているので、自分の経験とリンクさせて理解が深まる。...続きを読む
  • 世界は善に満ちている―トマス・アクィナス哲学講義―(新潮選書)
    この本を読み終えると、ホントに「世界は善に満ちている」と思える。
    最初はなんか偽善的?なタイトルだなぁと思った。それに「トマス・アクィナス哲学講義」というサブタイトルが付いている。ものすごく難しそうで到底読みきれないと不安に思いながら手に取る。
    ページを開くと対話形式になっている。学生と哲学者。少し...続きを読む
  • 世界は善に満ちている―トマス・アクィナス哲学講義―(新潮選書)
    中世ヨーロッパの哲学者トマス・アクィナスが記した『神学大全』のうち「感情論」にフォーカスして、教授と生徒の対話形式で人間の感情に関する洞察をなぞる本。
    つい先日、自分も「感性」について考察したいたこともあり、それはもうノリノリで読めた。
    トマスの感情論は感覚的な説得に依らず、論理的に心の動きを分析...続きを読む
  • 宗教のきほん 「愛」の思想史
    著者は中世哲学を専門とする東大教授である。本書はカトリック入門または中世哲学入門としても読める良書だった。キリスト教は「隣人愛の宗教」であるが、それは「自己愛否定」で「自己犠牲を推奨している」と思われやすい。しかしそれがいかに一面的な偏見であるかを、本書は丁寧に解き明かしてくれている。意外と類書の少...続きを読む
  • 危機の神学 「無関心というパンデミック」を超えて
    祈る、そして感じること。
    読み直しから始めて改めて原点に戻る。コロナはそれに気づかせてくれたのかもしれません。
  • キリスト教の核心をよむ
    キリスト教って大きい宗教で、歴史上ではたびたび戦争の火種になったりしていて、カトリックとプロテスタントがなんとか…キリストが3日後に蘇って、聖書があって、なんか教会でミサする?
    20代後半に差し掛かるタイミングでこんなことじゃいけないかもしれない!と思い、1番わかりやすそうだったのでこちらを読んでみ...続きを読む
  • 世界は善に満ちている―トマス・アクィナス哲学講義―(新潮選書)
    論理的に感情を説明した本。
    なるほどな、と思いました。
    なかなか難しい内容で何度もページを戻って確認しつつ読み終わりました。
    学生と教授の対話形式なのも、難しい話に入りやすく、よかったです。
  • 宗教のきほん 「愛」の思想史
    宗教的なエッセンスをふんだんに含みつつも、哲学者や歴史家からみた愛というものを取り上げている。

    気付かされる事も多く、また歴史的意味でも興味深いものだった。
  • 世界は善に満ちている―トマス・アクィナス哲学講義―(新潮選書)
    感情が受動的なものであるという点、東洋哲学や心理学と共通の何かがある気がする。
    感情が生まれる過程を微分し解きほぐす説明に、感情の嵐に巻き込まれないヒントがありそうだ。
    心理学やらが新たな発見だと言っているようなものと近いのではないか。心の本質的なところは、すでに遠い昔に観想されていたのだなあ。

    ...続きを読む
  • 世界は善に満ちている―トマス・アクィナス哲学講義―(新潮選書)
    情動の根源は愛であり、愛がなければ感情が無くなり、世界に対して無関心になってしまう怖さを感じた。適切な情動は、どんなものであれ、善い感情であるという考えは勉強になった。悲しいという感情も、適切なものであれば、善いものなのである。
  • トマス・アクィナス 理性と神秘
    本屋でタイトルに惹かれて衝動買い。キリスト教嫌いが多いこの国では珍しい「神学者トマス・アクイナス」の入門書である。一般には無視されがちな「神」や「天使」の問題にも正面から扱っているところに好感が持てる。個人的には特に第三章の「徳論」は大いに知的刺激を受けた。近代のカトリック思想に大きな影響を与えた神...続きを読む
  • 世界は善に満ちている―トマス・アクィナス哲学講義―(新潮選書)
    善(よいもの)に導かれた愛(好きという気持ち)がすべての感情のもとになる、というトマスの感情論をひも解いていくことで現代の私たちの生活をも照らそうとする内容。キリスト教神学の視点はほとんどなくて、宗教に抵抗のある一般層向けになっている。私は自己啓発的な話ではなくて神学のほうが読みたかったので肩透かし...続きを読む
  • トマス・アクィナス 理性と神秘
    トマスという人物は中世キリスト教の支配する思想の中でアリストテレスの合理性を結合させた開明的な人物という印象に改められた(というか歴史に一行以上には知らなかった)。また、凄まじい大著である神学大全ですらトマスの全著書の7分の1であるに過ぎず、アリストテレスや旧新約聖書への注釈、様々な同時代人との対論...続きを読む