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権力中枢を狙った2・26事件、無謀と言われたアメリカとの戦争、世界史に類を見ない高度経済成長……令和になった今だからこそ、昭和史を見直す意味がある。首相から皇族、軍部の指導者、いち兵士まで4000人以上に取材した第一人者が著した昭和史入門の決定版。
【常識を覆す昭和史の新しい読み方】
◎2・26事件で政治構造が変わった
◎無思想だった東條英機と軍幹部
◎対米開戦直後に生まれた「幻の世界分割計画」
◎真珠湾攻撃直後に株価は10%の急騰
◎戦後の歴代総理たちは8月15日に何をしていたか
◎昭和天皇が挑んだマッカーサーとの駆け引き
◎日本人の欲望の象徴だった田中角栄
◎「歴史修正主義者」の主張の背後にあるものは
※本書は、2007年に文春新書から刊行された『昭和史入門』の増補新版です。
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Posted by ブクログ
日本の歴史を、特に昭和史を客観的に述べることができる人を挙げるならば、半藤一利氏か、この本の著者の保坂正康氏ではないかという気がします。その保坂氏が昭和史を俯瞰的に時系列で新書のボリュームで解説したのが本書です。
私自身、昭和史を含む近代史は(高校で日本史を選択していなかったこともあり)基本的な知識が欠如している部分もあるので、本書は正直ちょっと難解な印象を受けました。
ただ、非常に印象的であったのは太平洋戦争を始めるにあたりラジオで発表された開戦の詔書の主旨が「東アジアの安定のために日本が努力したにもかかわらず、英、米がその努力を阻止したり、さらにはアジアの制覇を企て、日本の存在に脅威を与えたために立ち上がった」というものであったという部分です。追い込まれ、やむにやまれず立ち上がったという趣旨です。現代に置き換えた時、この詔書に登場する英、米を中国や韓国に置き換えると、こういう論旨で武力衝突に至るケースがあり得ない話とは思えない気がしてきます。
もう一点本書で印象的だったのは、昭和歴代の首相が終戦をどのような年齢、立場で迎えたのかを述べた部分です。明治生まれ、大正生まれ、昭和生まれとグループ分けされていますが、私たちの年代にとって首相と言えば、大正生まれの田中角栄、中曽根康弘、竹下登、宇野宗佑、宮澤喜一、村山富市、そして昭和生まれの海部俊樹、細川護熙、羽田孜、橋本龍太郎、小渕恵三、森喜朗、福田康夫と分けられています(本書のもとになった著書は2007年発売のため)。
こうしてみると、政治家がそれなりに存在感を持っていた時代の首相は大正生まれのグループが多い気がします。この年代の人達は太平洋戦争には軍人として参加しており、その経験がその後の政治活動にも影響を与えているようです。
著者も警鐘を本書の中で鳴らしておられますが、日本だけでなく世界の政治指導者が次第に若返り、先の大戦を経験していない年代となりつつある現代は、私たちが政治家の言動に無関心でいると再び戦乱を呼び込む事になりかねない気がします。
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