仏教抹殺 なぜ明治維新は寺院を破壊したのか

仏教抹殺 なぜ明治維新は寺院を破壊したのか

小説・文芸
968円 (税込)

4pt

明治百五十年でも語られない闇の部分、それが廃仏毀釈だ。実は、興福寺阿修羅像、五重塔も消滅の危機にあったのだ。神社と寺院を分離する政策が、なぜ史上稀な宗教攻撃、文化財破壊にエスカレートしたのか? 鹿児島、松本、伊勢、東京、奈良、京都など日本各地に足を運び、埋もれた歴史を掘り起こす近代史ルポルタージュ。

【目次】
はじめに

第1章 廃仏毀釈のはじまり ──比叡山、水戸

第2章 維新リーダー藩の明暗 ──薩摩、長州

第3章 忖度による廃仏 ──宮崎

第4章 新政府への必死のアピール ──松本、苗木

第5章 閉鎖された島での狂乱 ──隠岐、佐渡

第6章 伊勢神宮と仏教の関係 ──伊勢

第7章 新首都の神仏分離 ──東京

第8章 破壊された古都 ──奈良、京都

結びにかえて

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仏教抹殺 なぜ明治維新は寺院を破壊したのか のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    同じ著者の『仏教の大東亜戦争』を読みかけていたら、この本の存在に気づいて興味を引かれ、時系列的な意味からこちらを先に読むことにした(毎年、夏になると戦争関連の本をつい手に取ってしまうけれど、今年は記録的な猛暑が続き、いつまでたっても夏が終わらない。そのせいか、9月下旬の今もまだ戦争の本を読もうとしている)。

    明治維新の時に起きた「廃仏毀釈」。それは、子供の頃に学校で習って覚えてはいるけれど意味はよくわかっていない言葉、の典型的なもののひとつ。この国の人の心を救ってきたはずの仏教が、なぜそんな目に遭ったのか、誰が何のためにしたのか、、そういう疑問の数々を、この『仏教抹殺』という本が解き明かしてくれた。

    背景にある歴史の流れや宗教的、思想的な考察などがたっぷり書かれているのかと思いきや、そのあたりは意外にあっさり、第一章で終わる。あとは第八章まで、日本各地で当時何が起きたのかを、実際に訪ね歩いて調べたルポルタージュになっている。

    類似の研究は少ないという大変貴重な記録なので、具体的な中身については、ここにネタバレとして雑に書いてしまうよりは、多くの人に自分で読んで学んでほしいと感じさせられた。

    印象的なフレーズを引用。
    「明治維新という物語は、どのページをめくっても、美談ばかりが語られる。しかし、華やかな歴史の陰に、目も覆わんばかりの痛ましい事実が隠されていたのである。」(p.8)

    「哲学者の梅原猛氏は、廃仏毀釈がなければ国宝の数はゆうに三倍はあっただろう、と指摘している。」(p.11)

    「奈良のシカがすき焼きに」(p.200、小見出し)

    「権力者の忖度」「熱しやすく冷めやすい日本人の民族性」(p.241、著者が考える廃仏毀釈の四つの要因の一番目と三番目として)

    知的好奇心が満たされる、忘れがたい一冊。

    0
    2025年09月29日

    Posted by ブクログ

    明治維新の闇「廃仏毀釈」の史実について、著者本人が全国を訪ね歩き、丹念に取材して書いてあるところが素晴らしい。
    仏像破壊が激しかった薩摩や宮崎に関する記述がとても良かった。

    0
    2024年01月30日

    Posted by ブクログ

    著者はお坊さんにしてジャーナリストとのこと。仏寺側だけでなく神社側も含めてかなり現地での取材をしていることがうかがわれる。それでも結局日吉大社、水戸、薩摩、長州、宮崎、松本、苗木、隠岐、佐渡、伊勢、東京、奈良、京都という代表的なところしか実例が載せられていない。というより他ではもうあまりよくわからない状況なのかもしれない。
    この本を読んで感じたのは仏教側の腐敗堕落が進み、もはや宗教とは言えない状況のところが多かったのではないかということ。数例ではあるが真宗などで腹を据えて徹底抵抗した坊さんのところは廃寺を免れている。それだけの宗教者としての気概を持った僧が少なかったのが簡単に廃仏毀釈を許した原因なのではないか。そういう意味では現代も僧侶の気概を問うようなことがあってもいいかもしれない(神主も、かな?)。
    そんな色々を考えさせられる本であった。

    0
    2021年10月12日

    Posted by ブクログ

    タイトルは過激だが、内容は至って客観的。廃仏毀釈の実態とその遠因・原因を解説したお坊さん兼ジャーナリストの著者による著作。

    0
    2021年07月05日

    Posted by ブクログ

    知りたくなかった史実ってこういうことを言うのかな。日本はよく「宗教を差別しない国」とか「宗教で戦争や殺生が起きない国」と礼賛される声が聞こえるけど、そんなの一瞬にして霞んでしまった。まさか何百年という歴史をもつ仏教をいとも簡単に破壊しつくすとは。しかも政府は単に「神仏分離」と言っただけなのに、どういう忖度が働いたらそれが「廃仏毀釈」に解釈されるのか。太平洋戦争といっしょ。一体誰が本当のA級戦犯なんだ?

    0
    2019年05月02日

    Posted by ブクログ

    人は時々真面目に狂う。その残念な例が廃仏毀釈だったと思う。生き延びた仏像にお会いしに行きたくなった。

    0
    2019年02月23日

    Posted by ブクログ

    神仏分離令が発端となった廃仏毀釈。
    明治維新の黒歴史ともいえる、その実態は?
    各地の廃仏毀釈の歴史や痕跡を調べる、ルポルタージュ。
    はじめに
    第一章 廃仏毀釈の始まり―比叡山、水戸
    第二章 維新リーダー藩の明暗―薩摩、長州
    第三章 忖度による廃仏―宮崎
    第四章 新政府への必死のアピール―松本、苗木
    第五章 閉鎖された島での狂乱―隠岐、佐渡
    第六章 伊勢神宮と仏教の関係―伊勢
    第七章 新首都の神仏分離―東京
    第八章 破壊された古都―奈良、京都
    結びにかえて
    参考・引用資料一覧有り。

    1868年の一連の神仏分離令。
    江戸幕府の国家仏教から、明治維新での国家神道への突然の転換。
    それは拡大解釈され、様々な地域での、廃仏毀釈の熱狂的な
    破壊活動にエスカレートした。寺院が消えた地域もあるほどに。
    その要因は、重い年貢や神官への抑圧による寺院への積年の怨み。
    無秩序に増えた寺院と僧の堕落。再建出来なかった理由も。
    また、複数の学派による仏教批判や神仏習合の否定、神道の復興。
    隣接する大藩への忖度、為政者の新政府へのアピールでの暴走。
    廃寺の跡の敷地、寺の建材や金属類は、学校や近代化のために。
    地域によっての廃仏毀釈の状況は様々。
    しかも、天皇家にも影響が及んでいたとは。
    そして、消えた寺院の歴史と、多くの文化財の喪失と流失は
    元には戻せない。嗚呼。

    0
    2023年01月22日

    Posted by ブクログ

    廃仏毀釈の言葉は知っていましたが、実際にどんなことが行われていたか全く知らなかったんだなと思いました。文藝春秋らしく?ルポタージュのような文章がとても読みやすい。
    九万の寺が数年で四万五千に半減し、仏具は鋳とかされ橋になったり仏像はなんと薪にされたり。今流行ってる仏像マニアの人が読むと卒倒しそうな内容です。こんな文化的蛮行が日本で起きてたと多くの日本人は知らないだろうなあ。これで焼かれたり毀たれたりした大伽藍とか残っていたら、どんな風景だったのだろう。
    しかし当時の仏教の退廃や、跡地や廃材が小学校とかになっていることを思うと、時代の要請があったのかなともおもう。
    しかしもったいないことをしたものだ。

    0
    2022年11月02日

    購入済み

    偉大な仏教思想

    現代日本人の苦悩の根源がわかるような気がした。仏を粗末にしたならその分精神の問題に苦しめばいいと思う。そうすれば反省してまた仏像を大切にしようという気になると思う。

    0
    2022年04月10日

    購入済み

    日本史の教科書には廃仏毀釈という言葉は出てくるものの、そこにどういうドラマが繰り広げられてきたのかという記述はあまりありません。この本は、日本史の教科書が伝えてこなかった、日本人による日本の伝統破壊の過去に迫ることの出来る1冊です。

    #深い #タメになる

    0
    2022年02月01日

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