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沈黙するドイツ ――反ユダヤ主義、ガザ、イスラエル
なぜドイツのエリートたちは ガザ攻撃を批判する市民を弾圧し イスラエルを無条件に支持するのか ――ドイツ政界の「イスラエル・ロビー」 その知られざる実態を明らかにする イスラエルによるガザ攻撃をめぐり、ドイツでは警察がパレスチナ連帯デモを弾圧し、政治家やメディアはイスラエルを批判する文化人を「反ユダヤ主義」だと糾弾してきた。ホロコーストに対するドイツの歴史的責任は、今やイスラエルへの軍事支援の正当化に持ち出されている。イスラエルの行動に自らは沈黙し、市民にも沈黙を強いるエリートの論理には愛国主義と国策が絡む。軍産複合体と反ユダヤ主義監視団体からなる「イスラエル・ロビー」、それが生み出す腐敗の実態をも明らかにする。 【目次】 序章 沈黙するドイツ 第1章 デモや集会への弾圧 第2章 大学や文化人への弾圧 第3章 イスラエルと連帯する愛国主義 第4章 闘う民主主義と「新しい反ユダヤ主義」 第5章 「イスラエルの安全保障はドイツの国家理性」演説 第6章 国際ホロコースト記憶同盟の反ユダヤ作業定義と連邦議会 第7章 弾圧の先兵 第8章 反ユダヤ主義監視活動と「検閲産業複合体」 第9章 ドイツの政軍産複合体 第10章 反ユダヤ主義監視事業の不祥事 第11章 反ユダヤ主義研究のバイアス 第12章 イスラエル・ガザ戦争に関する世論調査 第13章 政界におけるせめぎ合い 終章 言論弾圧の理由・効果・主体 参考文献 図版出典一覧 あとがき -
使える!予習と復習の勉強法 ――自主学習の心理学
学校の授業中は勉強しているけど、授業以外での勉強の方法がわからない。試験はまだ先だし、勉強は授業の中だけでも十分じゃないの? そういった疑問に答えるべく、授業の理解度をぐんぐん上げるための予習と復習の考え方を解説する。予習と言えば教科書を眺めるだけ、復習といえば解説をノートに写すだけ、といった人は必読。効率的、効果的な勉強法と、苦手な科目でも対応可能なメソッドで、あなたのやる気もあがるはず! 学校の授業中は勉強しているけど、授業以外での勉強の方法がわからない。試験はまだ先だし、勉強は授業の中だけでも十分じゃないの? そういった疑問に答えるべく、授業の理解度をぐんぐん上げるための予習と復習の考え方を解説する。予習と言えば教科書を眺めるだけ、復習といえば解説をノートに写すだけ、といった人は必読。効率的、効果的な勉強法と、苦手な科目でも対応可能なメソッドで、あなたのやる気もあがるはず! -
帝国と立憲 ──日中戦争はなぜ防げなかったのか
近代日本は、憲法にもとづく国家体制の確立と東アジアへの勢力拡張とを、ともにごく限られた期間のうちに成し遂げた。だが、歴史の複雑な流れを丹念によみとけば、「立憲」化と「帝国」化の歩みが、つねに同時進行していたわけではないことが分かる。じつは、立憲勢力が軍部らの暴走を効果的に抑え込み、日中対立の激化に抵抗した時期も少なくないのだ。戦前の政治体制のもと、そのような抵抗はいかにして可能であったのか? そして、それにもかかわらず、最終的にこの国の民主主義が対外侵略を阻止しえなかったのはなぜなのか? 悲劇的結末にいたる道を選ばざるをえなかった真因を、第一人者が明らかにする。 -
帝国の陰謀
純粋な「形式性」と起源なき「名前」の流通によって現実が作られる時代。それは、いかにして生まれたのか──。19世紀中葉、一組の義兄弟が陰謀を企てる。兄の名は、ルイ=ナポレオン。フランス皇帝ナポレオン1世の甥である。かたや父親を異にする弟の名は、ド・モルニー。「私生児」にして、のちの内務大臣・立法院議長である。権力奪取の計画は首尾よく運び、ここにフランス第二帝政の幕が上がることとなる。希薄で、シニカルな相貌をまとって……。ド・モルニーが遺した二つのテクストを読解し、マルクスが見落としたものを軽やかに描く、著者最初の書き下ろし作品。 -
定本 武江年表
武蔵国江戸(武江)300年の詳細な記録。「年表」とはいっても、たんに歴史上の事件を年代順に列記した無味乾燥なものではなく、各時期の江戸の地理の沿革、坊間の風俗、事物の権輿、韵士・墨客・伎芸の動向、気象の変化など、その背景とともに生き生きと記録された、壮大な大河小説にも比肩されうる不朽の名著。本書は、斎藤月岑の刊本を底本とし、それに喜多村いん庭、関根只誠、朝倉無声の補訂を加え、さらに、校訂者今井金吾の補注・解説・詳細な索引を付して完璧を期し、全3巻としたものである。歴史や時代小説に関心ある者の必読書。上巻は、天正18年より宝暦13年まで。 -
伝説の出版社 博文館
明治半ばに彗星のごとく現れた出版社・博文館は、たちまち出版界に革命を起こした。書物を廉価で供給し、魅力的な書籍や雑誌を次々に刊行。世代を超えた広範な読者を獲得するとともに、取次・書店などによる流通ルートを整備した。東京堂書店や共同印刷、博報堂などのルーツともなった一大文化王国・博文館はいかにして築き上げられたのか。貪欲な〈近代読者〉の誕生と、豊穣な文学世界の成立の経緯、そして近代出版業という知的システムの構築過程を総合的に描き出す。 【目次】はじめに/序 章 赤手のアントレプレナー/第一章 出版革命の夜明け──『日本大家論集』/第二章 戦争特需の写真雑誌──『日清戦争実記』/第三章 児童文学を創出したカリスマ──『少年世界』/第四章 文芸界の新潮流──『文藝倶楽部』/第五章 巨大なオピニオン・リーダー──『太陽』/第六章 最高級の趣味雑誌──『新青年』/第七章 辞書というベストセラー──『辞苑』/終章 伝説の出版社がもたらしたもの/あとがき/主要参考文献事項索引/人名索引 -
東京裁判 幻の弁護側資料 ──却下された日本の弁明
東京裁判は、公正な裁判だったのか? 検察官や裁判長の裁量により却下処分にされ、歴史の闇に葬られてしまった膨大な弁護側記録から、清瀬一郎弁護人の冒頭陳述や、マッカーサー、グルー大使等の証言をはじめとする18編を精選。戦争犯罪者として個人を裁くことや、「平和に対する罪」という曖昧な概念をふりかざすことのそもそもの問題点。日本の戦略をナチスになぞらえることにより、とりわけ知識人層を一部の軍国主義者により騙された被害者側へとまわすことに成功した占領軍側の戦略──。東京裁判の歪曲を鋭く指摘した解説付き。隠された日本の「真実」を明かす、貴重なドキュメント。 -
東大生と学ぶ語彙力
数学で使われる「定義と定理」の違いや、地理で登場する「食料と食糧」の違いをきちんと理解できていますか? ことばの理解があいまいなまま勉強しても成績はなかなかあがりません。語彙力は国語だけでなく全教科において重要なのです。本書は3部構成で、「そもそも語彙力とは?」という基本から、各教科において必要な語彙力、そして実践問題までを一貫して学ぶことができます。勉強する「前」に語彙力を身につけよう! [理系科目も文系科目も、5教科すべてを網羅!] 【目次】PART1 語彙力はなぜ大事なのか/第1章 語彙力はすべての基礎である/語彙力はランニングと同じ?/意味の丸暗記は語彙力ではない/ぼんやり理解ではもったいない/第2章 実は日本語をみんな知らない/語彙力の勉強は簡単なものから!/「プレーン」ってどんな味?/「プレーン」から広がる語彙力/「信用」と「信頼」はどう違うのか?/小さな違いでニュアンスが変わる/あなたは「変化」を知っているか?/変化には「前」と「後」がある/言葉の使い方を普段から意識する/語彙の勉強は深く狭く!/PART2 5教科それぞれの重要語彙/第3章 数学の理解に欠かせない言葉/「率」という言葉を制す/「累積」ってなんだっけ?/「因数」と「約数」を理解する/「必要」条件と「十分」条件/「数学的帰納法」は「演繹法」/「定義」「定理」「公理」の違い/数学には二つの「連続」がある/第4章 理科の「ことわり」を言葉から知る/理科の理とはなにか?/理科は筋道を探究する/プラス・マイナスが「陰・陽」のワケ/「蒸発」と「沸騰」の差/頻出する「飽和」をマスターする/「不斉」の「斉」を知る/第5章 社会は用語を一つずつ理解しよう/「資源」をいくつあげられる?/「偏在」と「遍在」は真逆!/「食料」と「食糧」の使い分け/歴史で使われる「回復」は超重要/公地公民の「公」ってなに?/「冊封・朝貢」でわかる東アジア/歴史は「凋落」のくり返しだ!/第6章 英語の語彙力=暗記した単語数?/カタカナ語の元をたどる/「end」は「終わり」だけじゃない!/「フィナーレ」から経済まで/「ターム」から派生する言葉/「フォーム=形」を応用する/「vivid」の「vi」に着目/英語は接頭辞で推測できる!/PART3 実践問題で語彙力を鍛えよう/第7章 日本語↔英語の両面から学ぶ/『人間失格』を英訳してみよう/「あいつら全員同窓会」を英訳すると?/和英辞典と国語辞典を両方使おう!/翻訳の実践問題/第8章 共通テストの新傾向に備える/漢字一字を深く理解する/古語は語彙力の源泉/漢字一字が持つ複数の意味を理解する問題 -
頭山満 沈黙の昭和史 ――「宮中某重大事件」百年目の真実
昭和天皇は頭山満の死に際して勅使を遣わし、その葬儀は国葬の様相を呈した。無位無官の頭山がなぜ異例の扱いを受けることになったのか。それは皇太子時代の婚約破棄問題(宮中某重大事件)をめぐって、昭和天皇と頭山の間には秘められた絆があったからだ。この問題への沈黙を守り通した頭山と天皇の密かなつながりを解き明かすとともに、右翼の巨頭とされてきた頭山の真実の姿を、100年の時を超え史料に基づき正確に描き出す。 【目次】はじめに──だから昭和天皇は頭山満に感謝した!/第一章 頭山満と杉浦重剛の出会い/第二章 東宮御学問所──皇太子裕仁親王の帝王学/第三章 色盲遺伝と宮中某重大事件/第四章 宮中某重大事件とメンデルの法則/第五章 浪人を統率する頭山満/第六章 昭和天皇の時代と頭山満/第七章 頭山邸への勅使差遣/第八章 国葬級と言われた頭山満の葬儀/おわりに/あとがき -
同時代史
暴帝ネロの自殺後、ローマ帝国に泥沼の内乱が勃発した。各地の総督がその配下の軍隊に担がれて、次々と皇帝となったのである。紀元69年1月1日、ゲルマニア軍のウィテッリウスは、ヒスパニア総督であった元首ガルバに叛旗を翻す。アレクサンドリア軍からは、ウェスパシアヌスが皇帝として奉戴されていた。その結果、多くの市民の血が流れ、三人の皇帝が斃れた。そこには、人間の欲望が絡みあい、殺戮、陰謀、裏切りなど、凄まじい政争が繰り広げられた。本書は、希代の歴史家タキトゥスが、この同時代の壮大な歴史ドラマを、臨場感溢れる雄渾な筆致で記録したローマ史の大古典。 -
ナチスに抗した若者たち ――その生き方を問う
愛と自由に生きた 普通の若者たちの物語 発覚すれば死が待つ活動へと 彼らを駆り立てたものは何か ナチス政権下のドイツで、ナチスに不信感を抱く若者が少数ながらいた。政権成立当時子どもだった彼らは、一九四〇年代初頭に青年期を迎え、共感しあえる同世代の仲間とグループを形成してビラ散布や市街地での落書き、秘密の勉強会などの行動で反ナチの意思を示した。彼らは、ナチス体制の何に反発したのか。発覚すれば死が待つ行動へと彼らを駆り立てたものは何か。ごく普通の若者たちの姿を通じて、「名もない人々にとってのナチス・ドイツ」がいかなる時代あったのかを描いていく。 【目次より】 まえがき 第一章 ヒトラー万歳(ハイル・ヒトラー)と言え 1 われらの時代が来た 2 生徒たちよ自律的であれ――教師エルナ・シュタールとリヒトヴァルク校の生徒たち 3 ナチスのやつらはろくでなしだ――ヘルムート・ヒュベナーと幼馴染 4 父さんは犯罪者じゃない――共産党員の親をもつ子どもたち 第二章 仲間との日々 1 新しい世界 2 教養人の自負――ハンブルク・白バラ 3エーデルワイスは自由の花だ――エーデルワイス海賊団 4 皆が知るべきこと――ヒュベナー・グループ 第三章 決断のとき 1 知性のビラと直感のビラ 2 これ以上ドイツを壊すな――エーデルワイス海賊団 3 十代の素顔――エーデルワイス海賊団 4 誰かが後を継がなければ――ハンブルク・白バラ 第四章 我らの信じた道 1 使命感と恐怖心――ハンブルク・白バラ 2 行動の意味――エーデルワイス海賊団 3 別離と再起 終章 抵抗する若者たちが残したもの おわりに 主要参考文献 図版出典一覧 事項索引 人名索引 -
ナチズムの記憶 ――日常生活からみた第三帝国
第三帝国といえば、ゲシュタポの監視のもと恐怖と暴力で国民を支配したイメージがある。しかし、当時を回想する住民証言から現れるのは、ナチズムへの不満や批判ではなく、むしろ正反対の「ナチスの時代はよい時代だった」という記憶だ。ごく平凡な普通の人びとが、ナチズムとは一定の距離をおきながらも、非政治的領域のルートを通じ、政策を支持するようになる。農村ケルレと炭鉱町ホーホラルマルクという、二つの地域での詳細なインタヴュー資料を中心に、子どもや女性までもが、徐々にナチ体制に統合されていった道程をあばきだし、現代のわれわれにも警鐘を鳴らす一冊。 -
南北戦争を戦った日本人 ――幕末の環太平洋移民史
南北戦争の兵役記録には2名の日本生まれの兵士の名がある──サイモン・ダン、ジョン・ウィリアムズ。英語名の彼らは誰なのか? なぜアメリカにいたのか? その人物像は? 人の移動が厳しく制限されていた日本を離れ、アメリカに生きた/生きねばならなかった彼らの消息を、日米両国の資料から丹念に探査する。漂流民、密航者、あるいは幕府使節の脱落者……海を渡った日本人移民の歴史と19世紀中頃のアメリカ社会史が、アメリカ戦史上最大の死者を記録した南北戦争で交差する。 【目次】序章 日系アメリカ人二世テリー・シマとの出会い──はじめに/1 南北戦争に従軍した日本人がいた/2 アジア・太平洋系移民と日本人移民/3 南北戦争に従軍した日本人──これまでの研究と人物像/第1章 南北戦争とマイノリティ──アジア・太平洋系移民/1 南北戦争前の移民動向/2 一八六三年連邦徴兵法/3 アジア・太平洋からの移民兵士/4 中国人兵士の記録/5 中国人兵士の表象/6 マイノリティとしての立場/第2章 日本生まれの二人に近づく──アメリカでの記録から/1 サイモン・ダン/2 ジョン・ウィリアムズ/3 報奨金とブローカー/4 さらなる探索/第3章 漂流者・密航者たち/1 漂流者たち/2 漂流者ジョセフ・ヒコ/3 漂流者の実像/4 密航者たち/第4章 幕末の日本人の移動──使節団と密航者との接点/1 幕末の使節団/2 咸臨丸の概要/3 乗組員と不明者/4 乗組員の記録──センサスと死亡統計/5 万延元年の遣米使節団/6 竹内使節団と池田使節団/7 留学生/終章 旅の終わりに/あとがき -
南北朝正閏問題 ――歴史をめぐる明治末の政争
国定教科書の記述をきっかけとして起きた、日本の南北朝時代において南朝と北朝のどちらが正統かをめぐる明治末の論争は、当時の閉塞的な政治状況もあり、重大な政治問題と化した。最終的に政府は危機を乗りこえたが、深刻なダメージを負った。多様なアクターがそれぞれ自分の信念や思惑をもって活動した結果として生じた、深刻かつ複雑なこの南北朝正閏問題を、現代政治における歴史問題・皇室報道問題の原点として徹底的に掘り下げて考察。そこから浮かびあがる近代日本の特質に迫る。 【目次】はじめに/第一章 南北朝正閏問題の背景/第二章 南北朝正閏問題の突発/第三章 藤沢元造の質問に向けて/第四章 大日本国体擁護団と政府弾劾決議案/第五章 桂内閣による「第一の政治決着」/第六章 南北朝正閏論争の構造/第七章 桂内閣による「第二の政治決着」/おわりに/参考文献/言説分析原典一覧/あとがき -
日中15年戦争
「戦争へのあこがれ」に抗して 多様な人びとの視点とともに描く全体像 1931年から1945年まで15年の長きにわたる戦争で、日本はどの国にまけたのか? 多様なひとびとの視点を通して全体像を復元する。解説 一ノ瀬俊也 === 1931年から1945年の15年にわたる戦争で、日本はアメリカにのみならず中国にも敗北したのだ 著者は、陸軍の企図・満州利権・戦費調達など国内の政治経済的背景に加え、中国側の論理も含めて戦争の経緯を解く。生々しい戦場の実態や兵士の証言など、個々人にも強い焦点をあてた著者特有の記述が、戦争の真の全体像を浮き彫りにし、戦後日本社会の深層に与えた影響も説明する。歴史教育現場からの発言を続けた著者が豊富な史料を交え、人間の内なる「戦争へのあこがれ」に抗すべく、平和への熱情を注ぎこんだロングセラー。 【目次】 概観 日中戦争と太平洋戦争 一つの質問/忘れられた感覚 第1章 中国革命にはむかうもの 国民革命と日本/山東出兵 「田中外交」の展開/張作霖爆殺事件 第2章 乾いた大陸 満州事変 一九三一年九月十八日 日中十五年戦争の開始/ゼロアワーへの道 満州事変はなぜ起こったか/関東軍と陸軍参謀本部 ある「謀略」の構造 第3章 満州占領 「王道楽土」の現実 たたかいの日々/「満州国」の誕生 第4章 上海のたたかい ある「序曲」 「爆弾三勇士」/「国際都市」上海のたたかい/上海停戦協定 第5章 万里の長城をこえるとき 「ドミノ理論」のゆくえ 国際連盟・脱退/「王道楽土」の幻影/「華北分離工作」の形成 第6章 統一中国への道 大長征 よみがえる中国共産党/「幣制改革」 経済統一の進展/西安事変 第7章 日中全面戦争の開始 「七夕」の夜の銃声 蘆溝橋事件/一九三七年夏・東京/「支那事変」の成立 第8章 苦悶する中国 南京「陥落」/第二次国共合作の成立 八路軍の誕生 第9章 「国民政府を対手とせず」 いわゆる「不拡大派」の敗退/近衛声明/どこへゆく? 近衛内閣 第10章 たたかいの日々 徐州・漢口・広東 一九三八年 徐州 「対支消極持久」方針の成立/『麦と兵隊』ノート/一九三八年 漢口・広東 第11章 生と死の構造 ひもじさの間奏曲/まずしき兵站線/死者たちの群像 苦痛のカルテ 第12章 北のくにの「銃後」 「赤紙」がきた/「銃後」万華鏡 第13章 もう一つの「中華民国」 ある「偽国」の成立 汪兆銘工作/「中華民国」政府の成立 和平交渉の終末点 第14章 「点と線」への道 華中と華南のたたかい/百団大戦 八路軍が反撃する/八路軍のたたかい方 ただ一つの「秘密の兵器」 第15章 「軍国化」の経済構造 軍国財政と国民生活/国家総動員法の成立と展開/軍国日本の土台 戦争が社会を変える 第16章 ある「共和国」の誕生 「辺区」の抵抗の構造 巷にて/晋察冀辺区のなりたち/「辺区」展開図 第17章 ある中国理解者の生涯 尾崎秀実の生と死 尾崎・ゾルゲ事件/彗星の出現/ある死刑囚の最期 “Ecce Homo” 第18章 日中戦争から日米戦争へ 日中戦争と日独伊三国同盟/日中戦争と日米交渉 第19章 たたかいのはてに 12枚のカード たたかいのなかのたたかい 終局 文庫版解説 戦争の全体像復元の壮大な試み 一ノ瀬俊也 -
日本語の外へ
湾岸戦争をアメリカのTV放送だけで追ってみる、という試みから始まった本書は、アメリカを突き動かす英語という言葉の解明へと焦点を移していく。母国語によって人は規定され、社会は言葉によって成立する。たえず外部を取りこみ攻撃し提案していく動詞中心の英語に対し、日本語とは自分を中心とした利害の調整にかまける言葉だと著者は結論付ける。言語にはそれぞれ美点と歪みがある。日本語のなかで生きる私たちは日本語という「歪み」を通してしか考えられない。「戦後」という時空間は、実はその「歪み」そのものなのだ。ではその歪みから自由になることはできるのだろうか。「歪み」を熟知したうえで「歪み」を駆使すれば、日本語の外へでていくことはできる、と著者は書く。英語と日本語への熟考が、やがて読み手を世界の認識の根源まで導く鮮やかな思考の書。 1997年は加藤典洋の『敗戦後論』と片岡義男のこの本の出現で画期的な年として記憶されることになるだろうと思った。(高橋源一郎『退屈な読書』より) -
日本商人の源流 ──中世の商人たち
大阪や東京日本橋界隈の問屋、観光地の朝市、縁日、門前町の商家など、その源流をさかのぼると、多くは中世社会にまでたどり着く。そして彼らの営業形態や商売人としての思想には、中世から引き継がれたものも少なくない。いわば現代経済社会の基礎は中世の商業社会にあるといえよう。本書は長く商業史を牽引してきた著者が、中世の個々の商人像にスポットライトをあてつつ、経済全体の流れについても描いてみせた商業史入門の傑作。朝廷に仕えた供御人、大原女などの行商人、都市の定住商人、戦国の豪商等々、さまざまな商人のしたたかな営業活動が、活き活きと浮かび上がる。 -
日本城郭史
日本人にとって城とは何か。 先入観を打ち砕く、おどろきの城郭研究。 日本の城といえば、姫路城のような天守閣のある建築物。だが、このような形の城郭が成立したのは信長・秀吉の時代になってからである。古代の城柵から近世の御城まで、史料に現れる城をたどってみると、日本という国のかたちが見えてくる。国家の平安を乱す野蛮な軍事施設から、地域の秩序を保つ平和の要へ――。城をめぐる日本人の思考様式を探る、文献史学からみた城郭の歴史。現代人の城郭観も変わる! === 【目次】 序章 城とは何か? 第一章 古代の城郭 第二章 古代から中世へ1――東北の戦乱と王朝の城郭観 第三章 古代から中世へ2――中世城郭の出現 第四章 鎌倉時代の城郭 第五章 南北朝・室町時代の城郭 第六章 戦国時代の城郭 第七章 中世から近世へ 終章 城郭史研究のフロンティア === -
日本と西欧の五〇〇年史
西欧の歴史は休みない戦争の歴史であり、特に16~18世紀は「軍事革命」の300年だったと言える。西欧はそれを奇貨として、宗教改革によって強化されたキリスト教信仰と「新大陸幻想」に駆られて、新世界の発見・拡大に躍り出る。その歴史はスペインとポルトガルに始まり、オランダ、イギリスを経て、アメリカの「脱領土的世界支配」に至る。そして今日、中国の勃興を背景に流動化する国際秩序は、「新たな中世」の到来を告げているかのようだ。世界覇権をめぐる500年の争いを俯瞰し、日本が立ち向かうべき「現実」の正体に挑む著者渾身の一冊。 【目次】 -
日本の神話
古代日本においては、統治の正統性を確立するために、征服した部族が、征服された側の神話を、自らの神話に取り込んだ。そうして出来上がったのが天皇家の神話、記紀神話である。記紀神話の成立にあたっては、天皇家に征服された伊勢の豪族、度会氏、宇治土公氏がすすんで協力した。その結果、伊勢地方の太陽神であったアマテラスが万世一系の祖先神となる。しかしなぜ単なる一地方神が皇祖神に選ばれたのか?それはアマテラスが、日本人にとって最も当たり前で受け入れやすいタイプの神だったからだ。国家統治のために創り上げられた神話を元の地方神話に解体し、日本の神の原初の姿を取り出して見せた、画期的な研究。 -
日本陸軍と中国 ──「支那通」にみる夢と蹉跌
中国スペシャリストとして、戦前の対中外交を率いた陸軍「支那通」。その代表的人物・佐々木到一は、孫文はじめ中国国民党の要人と深い親交を結び、第二次北伐に際しては国民革命軍にも従軍した。しかし、その後、支那事変(日中戦争)では南京攻略戦に参加して、いわゆる南京「虐殺」の当事者となり、戦後、激しい批判にさらされることになる。革命に共感を寄せ、日中提携を夢見た彼らが、結果としてなぜ泥沼の支那事変へと両国を導くことになったのか。われわれは、どこで道を誤ってしまったのか? 「支那通」の思想と行動を通して、戦前の日中関係の深層に迫る。 -
入門 男らしさの歴史
人は男に生まれるのではない。男になるのだ、と言えます。そして、時代が変われば、男らしさも変化します。……それをとらえるのが男性史研究です。そこでは英雄や偉人も登場しますが、男らしく生きる/生きようとする「ふつうの」男性も、男らしさに苦しむ男性も、男らしさから落伍した男性も重要な研究対象です。――「はじめに」より ・決闘に応じる男の名誉 ・徴兵を拒むのは臆病なのか ・男もハイヒールをはいていた/男はいつの時代も変わらないのか? 【目次】はじめに/第一章 男らしさはつくられる――男性史の誕生/第二章 男のからだを魅せる――身体とスポーツ/第三章 男同士でわかりあう――大学・クラブ・決闘/第四章 「男らしさの学校」に入隊する――徴兵制と「慰安婦」/第五章 戦わない男、戦えない男、戦いの果てに――誰が英雄か/第六章 「クィアな」性を生きる――「変態」は社会によってつくられる -
ピース・フィーラー ――支那事変和平工作史
支那事変(日中戦争)の特徴は、戦争遂行と和平への努力が、ほぼ全期間を通じ並行してなされたことにある。この和平工作の舞台には外交官のみならず、中国通の経済人やジャーナリストなど様々な人物が登場した。本書はまず、極秘裡になされたがゆえに捉えづらい和平工作の基礎事実を確定し、これに従事したピース・フィーラーたちの実像を描き出す。宇垣工作、汪兆銘工作をはじめとする数多の試みは、なぜ一つとして成功しなかったか。日本側の事変処理政策や政府声明の決定過程を詳しく追跡することでその原因を解き明かした。日中関係、戦時外交を考えるうえで欠かせない名著。 -
ファシズムの解剖学
危機は本当に消えたか 運動の始まりから、権力の掌握と行使、そして破局へ その過程を精緻に分析し、現象の本質に迫った名著 20世紀を代表する政治的産物、ファシズム。それは、民族共同体の没落への恐怖を強迫的なまでに抱くとともに、民族の活力や純潔への熱狂に駆られた政治行動の一形態である。本書は従来の思想的定義に留まらず、ファシストの「行動」や保守派・社会との「相互作用」に焦点をあて、その機能的側面を解剖する。イタリアとドイツの事例を軸に、第一次世界大戦の経験から誕生し、権力の掌握と行使を経て、自壊へと到る運動の過程を精緻に分析。現象の本質を余すところなく論述する。ファシズム研究の第一人者による集大成であり、現代の危機を捉えなおすための視座を与えてくれる名著。 【目次】 序文 ドイツ語版および日本語版への序文 第1章 序論 第2章 ファシズム運動の始まり 第3章 根をおろすファシズム 第4章 権力の掌握 第5章 権力の行使 第6章 ファシズム破局への行程――過激化か、それとも拡散か? 第7章 戦後のファシズム、ヨーロッパ以外のファシズム 第8章 ファシズムとはなにか? 注記 訳者あとがき 文庫版訳者あとがき 人名索引 事項索引 -
フィリピンと日本人
日本とフィリピンの歴史は合わせ鏡のようなところがある。戦国時代に来日したスペイン人宣教師のほとんどはフィリピンから来た。朝鮮出兵後の豊臣秀吉がフィリピンを狙うのではないかとスペインは警戒した。徳川幕府がキリシタン大名・高山右近を国外追放した頃にフィリピンにいた日本人は三千人を超えるという。独立を目指した英雄ホセ・リサールは明治の日本に憧れた。スペイン、米国の植民地として受けた苦難、日本軍政下での惨劇、そして戦後の政治腐敗……。しかしいま、その国力は躍動のさなかにある。とびきり社交的なフィリピン人気質の裏の壮絶な歴史に、私たちは何を学ぶことができるか。 -
フィレンツェ史
権謀術数ひしめく15世紀末のフィレンツェ。マキァヴェッリは軍事・外交を担当する共和国の官僚として活躍したが、イタリア戦争によってメディチ家が権力の座に戻ると職を追われる。しかしそのずば抜けた才能を評価する枢機卿ジューリオは、歴史理解を統治に生かすべく本書の執筆を依頼。マキァヴェッリはそれに応え、晩年のほぼ全てを費やして人びとの心の内面までをも再現した躍動感あふれる歴史絵巻を描き出した。上巻には古代ローマ時代からメディチ家が権力を掌握する15世紀までを収録。政治の現場に身を置き、場数を踏んだ者だけが読み取ることのできる、ほんとうの歴史がここにある。 -
深く「読む」技術 ――思考を鍛える文章教室
受験技術をみがけば、大学には受かる。でも「点が取れる」ことと「読める」ことは、実はまったく別。設問から眺め、問題文の型を見抜いて効率的に解答すれば点は上がるが、「読む力」「考える力」は培えない。しかし社会に出れば、「判断と根拠をきちんと展開した文章が書けない」「自分の意見が好き/きらいしか言えない」「そもそも文章が読めていない」現実に突き当たる。ではどうすれば「読む力」がつくのか? 読んでほんとうに理解したうえで自分の思考を紡いでいくにはどんな訓練をすればいいのか? 読み込む技術、考える力・書く力を鍛え、問題解決力をつけるための徹底講座。 -
不登校のあの子に起きていること
不登校の小中学生は約34万人。もしクラスの子が、自分が、わが子が、不登校になったとき、どんな困難や解決方法があるのか。学校に行かない・行けない彼らをとりまく環境はどうなっているのか。子どものつらい気持ち、親の孤立などの現状を伝える。 【目次】第一章 三四万人という数字の背景──不登校の現状/第二章 学校に行かないのもつらい──子どもの気持ち/第三章 軽視されている保護者の孤立──親の気持ち/第四章 ゲームと寝坊のスパイラル──家庭での対応方法/第五章 先生も不登校のプロじゃない──学校との相談・交渉/第六章 不登校ビジネスに要注意──適切な居場所探し/第七章 不登校は「お先真っ暗」なのか──その後の進路 -
武器と農具の江戸時代 ――刀狩りから幕末まで
百姓にとって自然は敵か味方か? 戦はなくなったが、百姓は鉄砲を手放さなかった。その謎を解き明かすべく、動物への対応や農耕の営みといった自然と人々との関わりを明らかにする。 === 豊臣秀吉の「刀狩り」により、すべての武器が没収され、民衆は武装解除されたといわれている。その後、江戸時代は平和となり、武器は必要とされなくなった。しかし、百姓は取り締まりからのがれて、鉄砲を所持し、使っていた形跡があったのである。生き物への慈愛を謳った綱吉、鷹狩りを復活させた吉宗。度重なる不作の危機のなか、なぜ、百姓は鉄砲を必要としたのか。鳥、猪、鹿などの獣との関わり、農耕の営みなど、百姓が自然といかに向き合ってきたのかを描いた『鉄砲を手放さなかった百姓たち』を、改題増補を加えた一冊。 【目次】 はじめに――鉄砲を手にした百姓 第1章 鉄砲改めの始まり――家綱政権(一六五一~一六八〇) 1 刀狩りの真実 2 将軍と鷹 3 鉄砲改めとは 4 使い続けるために 5 銃規制の原点 第2章 生類憐みのかげに――綱吉政権(一六八〇~一七〇九) 1 見直される生類憐み 2 紙玉の威力 3 殺生厳禁の風潮に染まって 4 憎悪を強める百姓 第3章 復活した鷹場とともに――享保の改革(一七一六~一七四五) 1 鷹将軍・吉宗 2 激減していた鳥 3 大岡忠相の登場 4 関東を鳥の禁猟区にして 5 形式だけの鉄砲管理 第4章 暗躍するアウトロー――大御所時代(一八三七~一八四一) 1 アウトローの出現 2 出まわっていく鉄砲 3 改革組合村が主体となって 4 追認された隠し鉄砲 第5章 上知令とあわせて――天保の改革(一八四一~一八四三) 1 庶民の敵・忠邦 2 事務処理に追われる大目付 3 改革を成功させるために 4 忠邦の改革プラン 終章 鉄砲を選んだ百姓 1 荒廃していた山間部 2 移動していく獣 3 雑木林を拠点に荒らす獣 4 百姓にとって鉄砲とは おわりに――“武器”から“農具”へ 補論1新たな刀狩り論へ 補論2日本人は銃とどのように向き合ってきたのか――銃社会日本の歴史 文庫版あとがき -
武家文化と同朋衆 ──生活文化史論
室町時代、足利将軍に仕え、将軍家のサロンにおいて、茶や華、香、室内装飾などを担当した同朋衆。目利きとして活躍した彼らは和歌、連歌、能楽など多くの芸能にも通じ、北山文化、応永・永享文化、東山文化の骨格を築いた。今に伝わる「日本らしさ」を生み出したアートディレクター的集団だったといえるだろう。彼らは能阿弥・芸阿弥・相阿弥など阿弥号を名乗っていたことから、仏教の宗派、時衆との関係が指摘されてきたが、時衆ではない同朋衆もいる。いったい彼らはどこから現れ、どのようにして文化の中心に立ったのか。同朋衆の実像に迫った類のない研究を文庫化。