作品一覧

  • 関東大震災 虐殺の謎を解く ――なぜ発生し忘却されたのか
    5.0
    1巻1,925円 (税込)
    関東大震災で多くの朝鮮人が殺されたのはなぜか。荒唐無稽な流言に人びとが脅えたのはなぜか。百年を経た今も謎の歴史に迫るため、陸軍の記録、小学生の作文、海軍練習艦の無線傍受録、隠されていた閣議の決定、恩赦をめぐる行政文書など新たな手がかりを読み解き、実際に何が起きていたのか、多くの犯罪者が罪に問われなかったのはなぜか、虐殺はなぜ忘却されたのかを徹底追及。人間の行動の深層にあるものを冷静に問い続けるジャーナリストによる関東大震災研究の集大成。
  • 日清・日露戦史の真実 ──『坂の上の雲』と日本人の歴史観
    4.0
    1巻1,595円 (税込)
    歴史の謎を追うジャーナリストである著者は官修『日清戦史』の草稿を読み解き、不都合な事実を隠蔽、改竄して陸軍が戦史を編纂していたことを見つけ出した。隠蔽は戦争の根幹部分に及び、編纂方針はその後の戦史でも踏襲され、戦争の実態は国民の目から遠ざけられた。『坂の上の雲』が描いた日露戦争の姿に多くの日本人が驚いたのもそのためであった。隠された事実とは何だったのか。埋もれていた歴史を掘り起こし一二〇余年の歳月を超え日清戦争の実像に迫り、日本人の歴史観のあり方を問いなおす。
  • 関東大震災「虐殺否定」の真相 ──ハーバード大学教授の論拠を検証する
    3.7
    1巻825円 (税込)
    「関東大震災における朝鮮人虐殺はなかった/少なかった」「正当な自衛行為だった」。学術的には顧みられることがなかったこのような「虐殺否定」論が論文となり、ケンブリッジ大学出版局刊行の書籍に収録される予定があった。執筆者はハーバード大学教授。論文を読み進めてみると、主張の根拠とされているのは当時の日本の新聞だった。震災直後の混乱のなかで紙面に躍ったフェイクニュースは、なぜ、どのように生まれたのか。長年新聞社に勤めた著者が、報道の責任を総括する。
  • 歴史認識 日韓の溝 ――分かり合えないのはなぜか
    3.8
    1巻880円 (税込)
    歴史をめぐり日本と韓国は深刻な対立を繰り返している。徴用工や慰安婦の問題でも解決策を見いだせない。その原因を探ると、浮かんできたのは日本人が当事者でありながら忘れ去った朝鮮の民衆の苦難の歴史の数々であった。新たな研究成果や資料をもとに、東学農民戦争や義兵の鎮圧、三・一運動、関東大震災などの実態に迫り、そのような歴史を日本人がどのように記憶したのか、日本人の抱く歴史像の出自と来歴を見つめ直すことを通して、歴史認識の溝を埋める可能性を考察する。

ユーザーレビュー

  • 関東大震災 虐殺の謎を解く ――なぜ発生し忘却されたのか

    Posted by ブクログ

    本書でいわれている関東大震災についての「通説」についてメモしておく。
    これは当時の治安三人組といわれた内務大臣水野錬太郎、内務省警保局長後藤文夫、警視総監赤池濃(あつし)らが、1923(大正12)年9月1日、震災発生後に戒厳令を布き、朝鮮人たちが暴動を起こしているという流言蜚語を広めたという説のことである。
    著者によれば、この通説を形作り、今日に至るまで影響を及ぼしている書籍として、以下の2冊を挙げている。
     吉村昭『関東大震災』文藝春秋、1973年
     姜徳相(カン・ドクサン)『関東大震災』中公新書、1975年
    後者の姜徳相は、『現代史資料6 関東大震災と朝鮮人』みすず書房、1963年の著者で

    0
    2025年11月14日
  • 関東大震災「虐殺否定」の真相 ──ハーバード大学教授の論拠を検証する

    Posted by ブクログ

    関東大震災時に朝鮮人による加害があったラムザイヤー論文のレビューを依頼された著者だが、後にラムザイヤー教授は、その論文の主要部分を取り下げている。
    取り下げられてからも著者は当時の新聞を渉猟し、流言飛語が現れた原因を知ろうとし、ある仮説に至る、というのが本書の基本構造である。

    ところで、私からすれば、約40年前の小学生の時分から朝鮮人虐殺があったことは常識に属すると思って生きてきたのだが、近年、これを否定し、又は存在を曖昧にしようとする見解が有力化している。
    大学生の頃、海外における歴史修正主義(例えばアウシュビッツ大量虐殺の否定論)なるものを知ったときには、一種の異端学説のようなものであろ

    0
    2024年08月11日
  • 歴史認識 日韓の溝 ――分かり合えないのはなぜか

    Posted by ブクログ

    2024/04/23
    50年の空白に知識を埋め込む
    結局、足を踏んだ人間は踏まれた人間の痛みがわからない。だからこそ、踏んだ人間が意識して記録し事実が風化、変化しないようにすることが相互理解につながる。
    都合の良いように歴史を改竄した事実に驚く。まあ、そういうものかも知れないけど.....
    「動くものは全て殺せ」
    都合の悪い歴史、一時が万事、氷山の一角.....

    0
    2024年04月23日
  • 日清・日露戦史の真実 ──『坂の上の雲』と日本人の歴史観

    Posted by ブクログ

    日本が本格的な戦争として関与したの日清戦争が最初であり、その「正史」の内容を精査し数多くの問題点を洗い出した著作だが、公文書に対する感覚が以前から変わっていないことに驚いた.東条英機の父、英教が執筆した「決定草案」は多くの部分が改竄され「公刊戦史」の形で公開されている.その過程で大島健一なる人物が登場するが長州閥の圧力で、重要事項が削除されていた.著者の訴えたいことがp227に凝縮されている.'' 戦争の事実を歴史として後世にどう伝えるかという問題をめぐる大きな路線の対立が明治の半ばに陸軍内であったことも浮かんできた.その結果、戦争を歴史として正確に後世に伝えるという考えは

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    2023年03月14日
  • 歴史認識 日韓の溝 ――分かり合えないのはなぜか

    Posted by ブクログ

    第一章:徴用工訴訟、第二章:東学農民戦争、第三章:関東大震災、第四章:二つの虐殺を結ぶ線、第五章:忘れ去った過去、第六章:三・一運動、第七章:あいまいな自画像、催八章:いくつもの戦後、終章:次の時代を展望する歴史像のヒント。日本では、日本は悪くない!の考えがある以上、なかなか冷静に自分たちの過去の姿を見ることは難しいだろうな。でもそれをやっていかなければ、何時になっても日韓の溝は埋まらないだろう。

    0
    2022年05月22日

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