渡辺延志のレビュー一覧

  • 関東大震災 虐殺の謎を解く ――なぜ発生し忘却されたのか

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    本書でいわれている関東大震災についての「通説」についてメモしておく。
    これは当時の治安三人組といわれた内務大臣水野錬太郎、内務省警保局長後藤文夫、警視総監赤池濃(あつし)らが、1923(大正12)年9月1日、震災発生後に戒厳令を布き、朝鮮人たちが暴動を起こしているという流言蜚語を広めたという説のことである。
    著者によれば、この通説を形作り、今日に至るまで影響を及ぼしている書籍として、以下の2冊を挙げている。
     吉村昭『関東大震災』文藝春秋、1973年
     姜徳相(カン・ドクサン)『関東大震災』中公新書、1975年
    後者の姜徳相は、『現代史資料6 関東大震災と朝鮮人』みすず書房、1963年の著者で

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    2025年11月14日
  • 関東大震災「虐殺否定」の真相 ──ハーバード大学教授の論拠を検証する

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    関東大震災時に朝鮮人による加害があったラムザイヤー論文のレビューを依頼された著者だが、後にラムザイヤー教授は、その論文の主要部分を取り下げている。
    取り下げられてからも著者は当時の新聞を渉猟し、流言飛語が現れた原因を知ろうとし、ある仮説に至る、というのが本書の基本構造である。

    ところで、私からすれば、約40年前の小学生の時分から朝鮮人虐殺があったことは常識に属すると思って生きてきたのだが、近年、これを否定し、又は存在を曖昧にしようとする見解が有力化している。
    大学生の頃、海外における歴史修正主義(例えばアウシュビッツ大量虐殺の否定論)なるものを知ったときには、一種の異端学説のようなものであろ

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    2024年08月11日
  • 歴史認識 日韓の溝 ――分かり合えないのはなぜか

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    2024/04/23
    50年の空白に知識を埋め込む
    結局、足を踏んだ人間は踏まれた人間の痛みがわからない。だからこそ、踏んだ人間が意識して記録し事実が風化、変化しないようにすることが相互理解につながる。
    都合の良いように歴史を改竄した事実に驚く。まあ、そういうものかも知れないけど.....
    「動くものは全て殺せ」
    都合の悪い歴史、一時が万事、氷山の一角.....

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    2024年04月23日
  • 日清・日露戦史の真実 ──『坂の上の雲』と日本人の歴史観

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    日本が本格的な戦争として関与したの日清戦争が最初であり、その「正史」の内容を精査し数多くの問題点を洗い出した著作だが、公文書に対する感覚が以前から変わっていないことに驚いた.東条英機の父、英教が執筆した「決定草案」は多くの部分が改竄され「公刊戦史」の形で公開されている.その過程で大島健一なる人物が登場するが長州閥の圧力で、重要事項が削除されていた.著者の訴えたいことがp227に凝縮されている.'' 戦争の事実を歴史として後世にどう伝えるかという問題をめぐる大きな路線の対立が明治の半ばに陸軍内であったことも浮かんできた.その結果、戦争を歴史として正確に後世に伝えるという考えは

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    2023年03月14日
  • 歴史認識 日韓の溝 ――分かり合えないのはなぜか

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    第一章:徴用工訴訟、第二章:東学農民戦争、第三章:関東大震災、第四章:二つの虐殺を結ぶ線、第五章:忘れ去った過去、第六章:三・一運動、第七章:あいまいな自画像、催八章:いくつもの戦後、終章:次の時代を展望する歴史像のヒント。日本では、日本は悪くない!の考えがある以上、なかなか冷静に自分たちの過去の姿を見ることは難しいだろうな。でもそれをやっていかなければ、何時になっても日韓の溝は埋まらないだろう。

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    2022年05月22日
  • 歴史認識 日韓の溝 ――分かり合えないのはなぜか

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    なぜ日韓はこうも理解し合えないのだろうか。歴史認識がこうも違うのだろうか。韓国(中国もだが)での組織だった嫌日教育は、どう考えても将来に渡って仲良くしたくないとの現れでしか見えない。確かに戦争では酷いことをしたのは間違いないだろうが、建設的な教育が出来ないものか。
    疑問が尽きないため、韓国の教授が書いた反日種族主義等を読んだりもしたが、色々な見方が必要かと思いこの本を手に取った。

    今正に訴訟で原告側の主張が認められ、手続きが進行している徴用工問題、関東大震災での朝鮮人犠牲者が6000人と碑に書いてあることに対し、一人の都議が一方的な政治的主張だと批判し、以降毎年出席していた追悼式に主席してい

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    2022年01月27日
  • 歴史認識 日韓の溝 ――分かり合えないのはなぜか

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    日韓の歴史認識の差が何故生まれているか?
    徴用工や慰安婦問題等日韓の主張はいつも食い違っている。一度自分なりに理解したいと思っていたが、本書によると関東大震災時の朝鮮人虐殺、東学農民戦争、3.13運動等日本側が事実を隠秘してきた事にも問題が多い事がわかる。解決は難しいと実感。

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    2021年07月17日
  • 歴史認識 日韓の溝 ――分かり合えないのはなぜか

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    日清戦争前夜からあまり歴史の教科書に掲載されない事例を示している。わかりにくい旧字体や文献を丁寧に解説して目を背けたくなる表現もありのままに。何であんなにも残虐な行いができたのかという疑問に共感でき、納得いく結論を導くまでを示してくれている。同じ過ちを繰り返さぬよう学ぶべきことが書いてある。
    異質な高等科一年女子の作文を通して、子供達に大切な事を教えてなかったという考察は見事という他ない。194ページ

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    2021年07月11日
  • 関東大震災「虐殺否定」の真相 ──ハーバード大学教授の論拠を検証する

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    関東大震災からちょうど100年にあたる今年(2023年)、テレビ局各社も震災の発生した9月1日に合わせて特集番組や番組内で特別枠を設けるなど多くが特集を組んでいた。その中で朝鮮の人々に対する虐殺の話は必ずと言って良いほど出てくる。日本は地震大国であるが故、東日本震災の時も東電の原発事故から様々な噂や嘘が流れた事を思い出す。大規模な自然災害で混乱し、恐怖に怯える人々からそうした流言が生まれ拡がっていく様は容易に想像できる。
    本書はアメリカの権威ある研究論文で一時期掲載されていた、関東大震災時に朝鮮人の虐殺を否定する内容に対する反証として著者が調査し、まとめ始めたのがきっかけだ。果たして朝鮮人虐殺

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    2023年09月02日
  • 関東大震災「虐殺否定」の真相 ──ハーバード大学教授の論拠を検証する

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    ハーバード大学教授の論拠を検証する、という副題であるが、そのマーク・ラムザイヤー教授は結局論文を取り下げた。しかし、転んではただでは起きないという通りで、その論拠を探したという結論である。
     東大教授や京大教授でも変な論文や偽論文を提出する昨今、ハーバード大学教授だからといってまともでない論文を提出してもおかしくない。
     それほどあたらしことは書いていないが、フェイクニュースというものを日本でもあらためてその影響を再認させることには意義がある。

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    2021年10月18日
  • 歴史認識 日韓の溝 ――分かり合えないのはなぜか

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    東学党の乱、関東大震災時の朝鮮人虐殺、三・一運動について、従軍日誌や子供の作文、日清戦史の草案、三・一運動に関する非公認の報告と言った埋もれた資料を丹念に調べ、正史や日本の記憶から朝鮮人に対する被害の詳細が如何に失われていったかを問う。
    依拠するのが数少ない一次資料に限られるのに、徴用工訴訟や併合の合法性まで拡大するのはやや余計。とはいえ、より正確な歴史的事実への一歩としては良。閲覧できない史料もあったようなので、今後の研究に期待。

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    2021年09月13日
  • 歴史認識 日韓の溝 ――分かり合えないのはなぜか

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    歴史というか、日本がなにをしてきたか詳しく知らないまま相手に「未来を見て進みましょう」といってもそれは難しいな、ということを感じた。
    また、国際法や双方の国の司法についても、新聞やインターネットだけでなく、識者の意見にも広くあたらないといけないな、という思い。

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    2021年08月08日
  • 歴史認識 日韓の溝 ――分かり合えないのはなぜか

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     徴用工訴訟や慰安婦の問題について解決の糸口を見いだせないまま、日韓関係は戦後最悪とまで言われていることは知っているが、その争点について、両国の言い分まで全く理解していなかったので、本書を読んだ。

     徴用工訴訟について両国が噛み合わない争点をさらった後、その歴史的背景を探るべく東学農民戦争まで遡り、その後の関東大震災、三・一運動などの経緯やその際に実際に起こったことを証言する当時の学生の作文や記事等を調査し、両国の間で齟齬が起こる原因を考察する。

     過去に起こったことを今から変えることはもうできないのは当たり前であるが、良いも悪いも事実をしっかりと認識しておくことは必要であったと思う。自分

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    2023年08月13日