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日本が、驚くほど短期間に近代化を果たしえたのは、西洋法の継受に成功したからである。だが、「法」を自らのものとして運用するには、それを支える法的思考様式、つまりは「法学」を受容することが不可欠だった。法学とは西洋社会に深く根差した思想であり、文化である。全く異質な文化的土壌をもった日本社会が、それまでにない思考様式を受容するのには幾多の困難があった。いったい日本人は、いかにしてそれを乗り越えたのか? 欧米列強と対等に伍するため、国を代表する俊英たちが競って法学を学び、近代国家としての骨格をつくり上げた明治日本。先人たちの苦闘の歴史をあざやかに描き出す。
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Posted by ブクログ
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西洋の法と法学の受容に成功したことが日本近代化の鍵であったという認識の下、ではどのようにして法学の受容が成し遂げられたのか、そして、どのようにして日本の法学が生み出されたのか、という課題について、日本が西洋の法と法学を受容しようとしていた最も初期の法学者である穂積陳重・八束という兄弟の歩みに焦点を当て、論じられている。本書での論述を通じて、穂積兄弟を通して受容された西洋法学とは、日本を近代化する手段であると同時に、日本の歴史や伝統を西洋の(つまり普遍性のある)土俵の上で正当化するための武器であったことが明らかにされている。
近代日本における、単なる法典の受容ではない、(西洋の)法学の受容の過程について深く知ることができ、たいへん興味深い内容だった。特に、近代日本における初期の西洋法学の受容は、漢学というフィルターを通しての翻訳による受容であり、漢語によって表現されていた世界観と西洋の世界観という異なる世界観の接合によって達成されたという指摘が目から鱗であった。また、穂積八束については、極端な国家主義者で学者としては評価が低いというイメージを持っていたが、本書では日本における西洋法学受容のひとつのかたちとして再評価されており、その内容を十分に理解できたわけではないが、穂積八束に対する見方が変わった。本書全体を通して、著者の博覧強記ぶりにも感嘆した。
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