作品一覧

  • 感情的な日本語ーことばと思考の関係性を探る
    3.5
    1巻1,980円 (税込)
    日本語論の専門家として多数のメディアに出演してきた著者が、日本語の特徴を歴史的に紐解く。そのメカニズムと私たちの思考との関係性とは? 本文より: 日本語はおもしろい言語です。なにしろここでは、漢字、ひらがな、カタカナ、そして昨今では西洋式アルファベットに至るまで、四種類の「字母」が同時に使われていますし、縦書きもできれば横書きもできる。また、その横書きも、左から右にも右から左にも、自在に書くことができるわけです(戦前はほとんど右から左でしたね)。生まれてこのかた、そんな日本語の中にどっぷりと浸かってきた私たちは、ほとんど意識することもありませんが、これほど変わった言語など、いったい世界のどこにあるというのでしょうか。(…) 使用する言語が何語であるかによって、その人の感性も知性も、そこに形成される思考もすべてが大きく変わってきます。そうした次第は、第一章からすぐさまお話ししてゆくつもりですが、いずれにしても、言語が私たちにとってどれほど重要なものであり、それに関する知見を深め、それに習熟することがどれほど大切であるのか、このことを本書の全体から感じとっていただければ幸いです。 それについては、昨今の「ChatGPT」など「生成AI」の発達により、やがて各言語間の障壁もなくなり、文章の作成もおまかせできるようになるだろうとバラ色の未来を考える向きもあるようですが、それはとんでもない思い違いというもの。もちろん、こうした新しいツール類にはいろいろと便利な使用法があり、時にAIから表現を学ぶこともあるでしょうが、つまるところ、文章をおまかせにすれば、思考そのものをおまかせすることになり、結局は「自分の頭で考えない」クセをつけることになるでしょう。すでにして自力で「考える」まえにネットで「検索する」ことを身につけてしまった現代人にとって、「おまかせ」は「思考停止」の終着点でしかありません。 さて、そうならないためにも、私たちはまずもって、思考と言語とがどのように関係しているのか、そのあたりのことを明らかにしておかねばなりませんね。では早速、言語について問うことから始めましょう。 ――プロローグ「日本語はおもしろい」より
  • 日本語を叱る!
    3.0
    1巻715円 (税込)
    近年の「カタカナ言葉」や、「一語文」「タメ口」に代表される若者言葉、それに携帯電話やメールなど情報環境が激変したことによって日本語に大きな混乱が生まれている。「甘やかされた日本語」の現状を丁寧に分析し、「雑種言語」としての日本語の歴史を再検討しながら、新たな可能性を探る。
  • 猟奇博物館へようこそ : 西洋近代知の暗部をめぐる旅
    4.3
    1巻1,980円 (税込)
    解剖学ヴィーナス、デカルトの頭蓋骨、腐敗屍体像にカタコンベ、奇形標本……あやしくも美しい、いかがわしくも魅惑的な、あっと驚く異形のコレクション案内。

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ユーザーレビュー

  • 猟奇博物館へようこそ : 西洋近代知の暗部をめぐる旅

    Posted by ブクログ

     本屋さんで見かけてなんとなく表紙買い。

     たくさんのテーマが短い章に分けられてつづられているので、どこからでも読み始められて、また、読みやすい。できれば写真はカラーか、さもなくば口絵が欲しいところだったけれど……。

     この手の「博物誌」は、澁澤龍彦の随筆や、荒俣宏氏の著作でわりとなじんでいるつもりだったのだけど、本業フランス哲学の筆者の視点から見た「博物誌」は、やはり一味違った面白さがあった。
     面白いんだけど、生真面目な文体で、淡々とつづられているだけの文章なのに、途中何度か吐き気を催してページを閉じてしまったのはなぜだorz もっとグロテスクな写真集(カラー)や、画集を見ながらでも

    0
    2012年02月21日
  • 猟奇博物館へようこそ : 西洋近代知の暗部をめぐる旅

    Posted by ブクログ

    猟奇的という文脈のもとに、古今東西の異貌のオブジェを博物館さながらに紹介している一冊。キュレーションのお手本のような構成だ。

    本書には解剖学ヴィーナス、デカルトの頭蓋骨、腐敗屍体像にカタコンベ、奇形標本などのグロテスクな写真がふんだんに登場する。それでいて上品さが損なわれていないのは、対象人物や、その思想へのリスペクトを欠いていない著者の語り口によるものであろう。

    例えば哲学者デカルトは、紆余曲折を経て頭蓋骨と身体が別々の場所に葬られている。この事実を紹介した後の、著者のコメントが憎い。

    それにしても、心身二元論の標榜者にふさわしく、デカルトは今日もなお、形而上的な頭蓋と形而下的な四肢の

    0
    2012年01月13日
  • 感情的な日本語ーことばと思考の関係性を探る

    Posted by ブクログ

    無意識的な母語のメカニズム全体を見渡す…めちゃくちゃ楽しい。日本語は表情豊か&携帯把握がしやすい反面、論理性には弱い面もある。
    母語話者じゃなかったら絶対勉強したくない笑

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    2024年05月28日
  • 感情的な日本語ーことばと思考の関係性を探る

    Posted by ブクログ

    日本語は確かに感情的な表現力が豊かな言語であり、文末まで結論が明らかにならない特徴がある。また、多くの和製英語やオノマトペを含む表現力の高い言語でもある、と認識している。将来的には、主語が省略された文章が増え、結論を先に述べる言い方に変化していく可能性がある。
    しかし、日本語の中には英語圏で理解されにくいカタカナ英語の使用もある。例えば「シミュレーション」を「シュミレーション」と誤って使ったり、「マニフェスト」を「マニュフェスト」と表記するなど、英語の発音や意味と異なる使い方がされている。また、「ナイター」は「ナイト・ゲーム」、「サラリーマン」は「オフィス・ワーカー」、「ガソリン・スタンド」は

    0
    2024年04月21日
  • 猟奇博物館へようこそ : 西洋近代知の暗部をめぐる旅

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    タイトルからスプラッター的なものを想像していたら、
    西洋で実際にあった見世物小屋や、貴族の趣味全開のブンダーカマー、そしてそれらに纏わる『視線』のお話などなど、割と(失礼)真面目に色んなことが書かれています。
    抽象的なお話、映画や文学作品からの引用などこちらの知識を試される部分もありますが、載ってる写真と筆者の語り口が軽いので(スマホ片手に色々調べながらですが)楽しく読めます。
    個人的に一番印象に残っているのはパリのカタコンベのお話。フランス革命前夜のハイパー合理主義・最強のSDGs。ぜひ読んでほしい。

    0
    2022年10月18日

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