加賀野井秀一のレビュー一覧

  • 猟奇博物館へようこそ : 西洋近代知の暗部をめぐる旅
     本屋さんで見かけてなんとなく表紙買い。

     たくさんのテーマが短い章に分けられてつづられているので、どこからでも読み始められて、また、読みやすい。できれば写真はカラーか、さもなくば口絵が欲しいところだったけれど……。

     この手の「博物誌」は、澁澤龍彦の随筆や、荒俣宏氏の著作でわりとなじんでいるつ...続きを読む
  • 猟奇博物館へようこそ : 西洋近代知の暗部をめぐる旅
    猟奇的という文脈のもとに、古今東西の異貌のオブジェを博物館さながらに紹介している一冊。キュレーションのお手本のような構成だ。

    本書には解剖学ヴィーナス、デカルトの頭蓋骨、腐敗屍体像にカタコンベ、奇形標本などのグロテスクな写真がふんだんに登場する。それでいて上品さが損なわれていないのは、対象人物や、...続きを読む
  • 猟奇博物館へようこそ : 西洋近代知の暗部をめぐる旅
    タイトルからスプラッター的なものを想像していたら、
    西洋で実際にあった見世物小屋や、貴族の趣味全開のブンダーカマー、そしてそれらに纏わる『視線』のお話などなど、割と(失礼)真面目に色んなことが書かれています。
    抽象的なお話、映画や文学作品からの引用などこちらの知識を試される部分もありますが、載ってる...続きを読む
  • 猟奇博物館へようこそ : 西洋近代知の暗部をめぐる旅
    タイトルの「猟奇博物館」は、この名前の通りの博物館が世界のどこかにあるというわけではない。世界各地に点在する、「猟奇的なモノ」を展示する博物館や教会、史跡などを、著者が自分の足で訪れ、その内情を細やかに記したうえ、その展示物にまつわる蘊蓄まで述べていて、この本自体が「猟奇博物館」になっている。自宅の...続きを読む
  • 猟奇博物館へようこそ : 西洋近代知の暗部をめぐる旅
    "猟奇博物館へようこそ"という題名から受ける印象とはだいぶ違うというのが読後の印象。副題の西洋近代知の暗部をめぐる旅って言うのはぴったりだと思う。パリを中心に普通の観光客は絶対に近づかない博物館を作者が独特の語り口で案内する書籍というところか。前半は、カタコンベなどのキリスト教に関連する施設や遺物に...続きを読む
  • 猟奇博物館へようこそ : 西洋近代知の暗部をめぐる旅
    文体が少し翻訳調で、カタカナ語を多用しており、独善的な部分もあったため、少し読みにくかったのは否めないが、興味深い内容と構成は面白かった。
    きちんと理解するためには、美術とヨーロッパ言語(特にフランス語とイタリア語)の基礎知識は必要。(筆者は一体どういう人々を読者層として考えていたのだろう?)
    猟奇...続きを読む
  • 日本語を叱る!
    題名+目次で言いたいことはすぐ分かるけど(笑)
    「正しい日本語」本によくある、極端な例を挙げ連ねて糾弾するのでなく、なぜ「悪い」のか、なぜ「悪く」なったのかが日本語の特性に則して書かれてて良かった。感性に頼りすぎか。

    最後の方の、二極化とあいまい化は矛盾してる?
  • 日本語を叱る!
    [ 内容 ]
    日本語は曖昧な言語であり、情意表現に適していると言われることが多い。
    けれども「テニヲハ」や、後置詞「によって」や「において」などを駆使しながら、明晰な意味を表現できるようになった。
    ところが、近年の「カタカナ言葉」や、「一語文」「タメ口」に代表される若者言葉、それに携帯電話やメールな...続きを読む
  • 日本語を叱る!
    「孤立語」ー中国語「屈折語」ー英語、ドイツ語等「膠着語」ー日本語


    和をもって尊しとなすという日本的美徳をもそろそろ返上すべき時期にさしかかってきているかもしれません。この美徳があるために、我が国ではしばしば論理を通すことが困難になるからです。議論を交わし、論理的に話し合おうとすれば、時に感情的な...続きを読む