国内小説 - 徳間書店作品一覧
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4.0僕は少し変わった女の子、武藤さんにある絵の展覧会に誘われた。なんとなく行ってみたその場所の、景色や空気に覚えがあった。そして、導かれるように姉のルカと再会した。父は僕を養子に出してルカと暮らしているはずだった。父はどうしているのか聞いたら「いないわ。自殺したの」そう小さく言った。それから僕はルカがいるこの家に出入りするようになった。父が遺したこの画廊は閉店している。早く処分すればいいのに。それが出来ないのは、たぶん父のにおいが残っているからだろう…。行き場のない絵が僕たちに多くの言葉を語りかける。※巻末ページのリンク先にはジャンプ出来ませんのでご了承下さい。
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4.0舞い落ちる桜の花びらの下に、彼女が立っている。俺は夢中で、シャッターを切る。初めて出会ったにもかかわらず、俺の魂は彼女に引き寄せられた。そして彼女も……。だが、異国の地に生を受けた青年が、やがて故国に帰る時が来る。青年の故郷まで、彼女は追いかけた。ただ、もう一度だけ、会いたい。ようやく再会を果たし、結ばれる二人の背後で流れる、河村隆一のラブソング「抱きしめて」。でも、それはあまりにも切なく美しい詞と旋律。あたかも別れを予言するかのように……。そして、運命は再び二人を引き離した。互いに想いながらも、すれ違い、それでも想いを断ち切れず、遠い海の果てに想いを寄せる。二人の恋の行方は――。台湾人青年・コウと水沙(みさ)の切なくもひたむきな恋の物語。※巻末ページのリンク先にはジャンプ出来ませんのでご了承下さい。
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3.9まひろの家族事情は、ちょっと複雑。実の両親は幼い頃に離婚。父親は再婚した母親とともに事故で死亡。義母の妹に引き取られるも、彼女が結婚した相手の転勤で北海道へ行くことになるが、高校卒業間近だったので、同行せず、新しい父親の母が住む家に引っ越すことになった。義理の祖母となった三原伽羅は、詩人で小説家で画家で、女優だったうこともある多彩な女性。彼女が住む東京・千駄木の古い洋館には、新進の芸術家、建築家志望の学生、バーを営む歌手の女性といった個性的な面々が住んでいる。新しい環境の中、ユニークな同居人たちとともに暮らすまひろの日常を描く。ドラマ化もされた「東京バンドワゴン」や「花咲小路」などの人気シリーズをもつ著者が描く、新しい家族小説。
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3.9大学3年生の夏川誠は就職に悩んでいた。自分にはやりたいことも、得意なことも、何もない。そんなときは、お気に入りの龍宮岬公園へ気晴らしにへ行こう! 公園へ向かう途中、パンクで困っていた大学生(風香と玲奈)を助けた誠は、二人から「チェアリングしよう!」と誘われる。チェアリングって何? 持ち運びできる椅子を、自分の気に入った場所に置く。座った瞬間、目に見るすべてが自分のものになる!誰かと一緒に景色を眺めながら会話し、同じ方を向いて同じ景色を見てると、普段言えないようなことも言えたりするという。同じ大学の同級生と知った三人はチェアリング部をつくることに!
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3.9卑俗にして至聖、極微にして極大、さらには極北。 この小説家はほんとうに恐ろしい。 花村萬月 せっかく読んでいた物語が、CFのせいでグチャグチャになる。 それは全部CFのせいなんだけど、そもそも何の為にこれを読んでいるのかとCFは思わせてくる。 そこからはもう、CFにまるごと委ねれば楽になる。 CFが全部やってくれる。CFが知っている。CFに行きたい。 尾崎世界観 クリープハイプ 罪の責任を取る必要がない”無化”を行ってくれる超巨大企業・Central Factory。 加害者のみならず被害者の苦しみも取り除いてくれる夢のような技術を持ち、世を平穏へと導いている。 が、それに疑問を持つ男がひとり。男はCFへのテロを計画していた。 人生に上手く馴染めないキャバクラ嬢、能面のような夫の表情に悩む主婦、少女へ恋する中学生、自由を持て余すホームレス、CFの布教に勤しむ老婆、CFでの労働によって犯罪の清算をする中年、社長の著作代筆作業に行き詰まるCF広報室長。 そして、CFの欺瞞を暴こうとテロを計画する男。 CFCFCF。 CFをめぐり、人々は交錯する。 罪とは何か。責任のとり方を問う群像劇。
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3.9そんな時は待とう、 静かに。諦めず。 いい風があなたに吹く日まで。 そこに降り立ち、飛び立つまでのひととき。 旅人たちの人生が交差し、奇跡が起こる。 『桜風堂ものがたり』シリーズの著者が贈る 珠玉の空港物語。 【著者からのコメント】 コロナ以前は、たまに空を飛ぶことが わたしの日常で、空港で過ごす時間もまた日常でした。 滞在の時間を長めにとって、カフェで版元さんと打ち合わせしたり、 大きな窓から空や飛行機を見ながらラウンジでのんびり仕事をしたり、 本を読んだりしたものです。 ある日、羽田空港のレストランで、ひとり昼食をとりながら、 ふと、行き交うひとびとの足音や声に、耳を澄ませたことがありました。 みんな旅の途中なんだな。 それぞれの旅の。そして人生の。 ひとときここで翼を休めて、またそれぞれに飛び立つんだな――。 そう思うと、みなが同じ大きな船に乗り合わせた旅人のように思えて、愛しくなりました。 その時の気持ちが核になり、『風の港』は生まれました。 第一話 旅立ちの白い翼 夢破れて、故郷の長崎へ戻る亮二は荷物をまとめて空港へ。 似顔絵画家の老紳士と出会い思わぬ言葉をかけられる。 第二話 それぞれの空 「本は魔法でできているの」小さな書店を営んでいた祖母の言葉。 いま空港の書店で働く夢芽子が出会う、ちょっと不思議な物語。 第三話 夜間飛行 恵と眞優梨は33年ぶりに空港で再会する。 少女の日のすれ違いと切ない思い出を 名香の香りに乗せて。 第四話 花を撒く魔女 老いた奇術師幸子は、長い旅の果て、故国の空港に降り立つ。 自分の人生が終わりに近いことに気づき、来し方を振り返る。
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3.9「物語が世界から消える?」 子狐に山姥、乙姫に天人、そして龍の子。 民話の主人公たちが笑い、苦悩し、闘う! 「全体の形があらわになった瞬間、 全身に鳥肌の立つような感動を覚えた」 阿部智里(作家) 【出版社からのコメント】 朝井さんと日本各地へ行き、 昔から伝わるお話を聞かせていただきました。 湖や地方の山、遺跡に滝。 ブナ林の中を走り回り、 田んぼの中で 偶然みつけたお地蔵さんを拝んだことも。 そんな四季折々の一瞬一瞬が集められ、 物語となり、生き物のように動きはじめました。 「物語よりおもしろいものがある」 と言われる厳しい時代の中、 朝井さんが命を吹き込んだ“物語たち”は 世界に問いかけます。 物語たちがいなくなってしまったら、 どうするでしょうか? 本作品が、 物語に関わるすべての人に届いたらと 切に願っております。 昔、むかしのそのまた昔。深山の草原に、 一本の名もなき草がいた。 彼のもとに小生意気な子狐が現れ、 「草どん」と呼んでお話をせがむ。山姥に、 団子ころころ、お経を読む猫、 そして龍の子・小太郎。草どんが語る物語は やがて交錯し、雲上と雲下の世界がひずみ始める。 ――民話の主人公たちが笑い、苦悩し、闘う。 不思議で懐かしいニッポンのファンタジー。 〈第十三回中央公論文芸賞受賞〉 (解説:阿部智里) 章ノ一 小さき者たち 草どんと、子狐 団子地蔵 粒や 亀の身上がり 猫寺 章ノ二 勇の者たち 通り過ぎる者 お花 湖へ 小太郎 章ノ三 物語の果て 草どんと、子狐と山姥 神々の庭 空の下 解説:阿部智里
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3.9発表時62歳、住所不定、無職。文学界を席巻する小説家の原点が待望の文庫化! 五臓六腑を抉る、超弩級のハードノワール誕生! 平成最後に突如現れた、荒ぶる才能に瞠目せよ。(宣伝担当) 紀州雑賀崎を発祥の地とする一本釣り漁師船団。かつては「海の雑賀衆」との勇名を轟かせた彼らも、時代の波に呑まれ、終の棲家と定めたのは日本海に浮かぶ孤島だった。日銭を稼ぎ、場末の居酒屋で管を巻く、そんな彼らに舞い込んだ起死回生の儲け話。しかしそれは崩壊への序曲にすぎなかった――。破竹の勢いで文芸界を席巻する赤松利市の長篇デビュー作であり、第32回山本周五郎賞候補作が文庫化。(解説・吉村萬壱) 第一章 覚醒 第二章 始動 第三章 脱皮 第四章 白光
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3.8「活版印刷三日月堂」のほしおさなえが描く、 ちょっぴりふしぎで、あたたかい物語。 小学校5年生の七子が両親と一緒に引っ越してきたのは、坂木町にある古い一戸建て。 夜中に、部屋でだれかが話している声が聞こえたり、ふしぎなことが起こったり…。 そんなある日、七子は、クラスメイトの鳥羽が、公園でひとりでしゃべっているのを見かけた。 そばにはだれもいないのに、男の糸の声も聞こえる。 話し相手は、なんとカサ立てのツボ。 この町では、ものに宿った魂=「ものだま」の声が聞こえるらしい…。 七子のまわりで起こるふしぎなできごとを、「ものだま探偵」桜井鳥羽が挑む! 表題作と「駅のふしぎな伝言板」の2話をおさめました。 心がほっこりあたたかくなると評判のほしおさなえによる、少女探偵物語です。
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3.8ぼくが九歳、姉の風花ちゃんが十二歳になった四月に、お父さんとお母さんは、離婚した。理由を訊いたら「今は説明してもわからないと思うので、言わない」ってお母さんは言った――じつは、父が専業作家を目指し、仕事を辞めたことが原因らしい。仕事に復帰した母と暮らす小学生の姉と弟は、休みのタイミングで、父が暮らす海辺の町へ行く。そこで出会う人々との交流で、子供たちは成長していく。また、ひとり家で待つ母にも、心情の変化が……。自分に素直に生きようする男と、その妻、子供たちのイマドキな家族のカタチを、それぞれの視点で繊細に描いた優しい小説を初文庫化!
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3.8挑んだ階段総数 3500段超え ゴールは京都駅大階段! 一段上がるたびに、 違う景色が見えてくる! 青春真っただ中にいる人 そして青春を懐かしむ人にも まだ先に進めると思わせてくれる。 (あおい書店富士店 鈴木裕里) 若きふたりの姿には、 まぶしいほどの希望とともに 未来は切り開けると 信じさせてくれる力がある。 (本の森セルバ ブランチ岡山店 横田かおり) 家族のトラブルで水泳部を退部した奥貫広夢。 卓球全日本選手権で突然、 体の異変に見舞われた三上瑠衣。 高校二年生の二人は それぞれに悩みを抱えていた。 前向きになるきっかけを作ってくれたのは 階段との出会いだ。 「決意の階段」「勝負の階段」 「あきらめない階段」――。 社会科教師、高桑がブログで紹介する記事を 読むうちに、二人は階段に魅了されていく。 ある日、高桑から 「京都駅大階段駈け上り大会」 の存在を教えられる。 171段をチームでダッシュする タイムアタック戦だ!
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3.8直木賞作家、文句なしの最高娯楽小説! 加能鉄平は妻・夏代の驚きの秘密を知る。いまから30年前、夏代は伯母の巨額の遺産を相続、そしてそれは今日まで手つかずのまま無利息の銀行口座に預けてあるというのだ。その額、48億円――。結婚して20年。なぜ妻はひた隠にしていたのか。日常が静かに狂いだす。もう誰も信じられない。鉄平はひとつの決断をする。人生を取り戻すための大きな決断を。夫婦とは、家族とは、お金とは。困難な今を生きる大人たちに贈る、極上の物語。 「ぼくはこの作品にまるまる2年間費やした。もうこれ以上おもしろい物語は書けないかもしれない」(白石一文) 白石作品、過去最高のエンタメ度!
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3.8孤独な老人が出会った若く心優しい女。それは女詐欺師に仕組まれた罠だった。女の裏側を描かせれば一級の著者の文庫書下ろし! 沢田隆が晴美と出会ったのは、近所の居酒屋だった。一流企業を定年後、妻を亡くし孤独に暮らす沢田は、親子ほども年の離れた病弱で薄幸な晴美に心奪われ、しだいに彼女のために金を使うようになった。だが、ふとしたことから沢田は、晴美を留美と馴れ馴れしく呼ぶ中年女性の存在を知る。しかも女性はおかしな部屋の話もするのだ。いったい晴美の真実の姿とは? 彼女は何者なのか? それを知る前に沢田に悲劇が訪れる――。明野ワールド全開! プロローグ 第一章 歳上の男 第二章 歳上の女 第三章 歳下の男 インターミッション 第四章 混沌 第五章 混沌の収束 第六章 破綻 エピローグ解説 内田剛
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3.8『同期のサクラ』『家政婦のミタ』『過保護のカホコ』など数々の大ヒットドラマを生み出した稀代の脚本家・遊川和彦監督、 波瑠×成田凌主演で話題の映画を、オリジナルエピソードをまじえ完全小説化! ずっとどこかであなたのことが好きだった―― 運命で結ばれた二人の30年を 3月だけで紡ぐ激動のラブストーリー 高校時代、互いに惹かれ合いながらも親友のサクラ(杉咲花)を病気で亡くし、 想いを秘めたまま別々の人生を選んだ弥生(波瑠)と太郎(成田凌)。 子供の頃描いた夢に挑み、それぞれ結婚して子供が生まれ……。 しかし人生は順風満帆ではなく、ふたりは運命の渦に翻弄されていく。 交通事故でプロサッカー選手生命を断たれ、家族と別れた太郎。 災害に巻き込まれて配偶者を失った弥生。 絶望のなか、心の中で常に寄り添っていたのは互いの存在だった。 そして30年の月日を超えて届いたのは、亡き親友・サクラからのメッセージ――。 昭和、平成、令和と時代をまたぎ、 運命に翻弄されながら、 それでも運命を信じたふたりの30年。 3月31日、物語のラスト、人生の意味に涙する――。 ●●●映画版 2020年3月20日(金)公開!●●● 全国東宝系ロードショー
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3.8大手食品メーカーに勤め、業界の第一線を走るキャリアウーマン・川原由加利(演:長澤まさみ)は、研究医で優しい恋人・小出桔平(演:高橋一生)と同棲5年目を迎えていた。由加利が結婚を意識し始めたある日、桔平はくも膜下出血で倒れ、意識不明の状態で病院へ運ばれてしまう。訪ねてきた警察官は、さらに由加利に衝撃の事実を告げる。桔平の所持していた身分証類はすべて偽造で、職業はおろか名前すら、すべてが「嘘」だったというのだ。 「あなたはいったい誰?」 騙されていたショックと、彼の正体への疑問を拭えない由加利は、私立探偵の海原(演:吉田鋼太郎)に依頼し、桔平の身元調査に乗り出す。やがて、桔平が書きかけていた700ページもの小説が見つかる。そこには、誰かの故郷を思わせる描写や、幸せな家族の姿が描かれていたのだった。小説の舞台が瀬戸内海のどこかであることをつきとめた由加利は、桔平の秘密を追うことに・・・・・・。 なぜ桔平はすべてを偽り、由加利を騙さなければならなかったのか。 そして、彼女はいまだ病院で眠り続ける「名もなき男」の正体に辿り着くことができるのか――。 長澤まさみ、高橋一生 共演で話題の映画『嘘愛』を完全小説化。小説で明かされるもうひとつの真実とは――。 ◆◆◆◆ 2018 年1 月20 日(土)ROADSHOW 映画『嘘を愛する女』 出演 長澤まさみ 高橋一生 DAIGO 川栄李奈 黒木瞳 吉田鋼太郎 監督 中江和 c2018「嘘を愛する女」製作委員会 ◆◆◆◆
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3.7臨床心理士になって四年の水沢藍を訪ねてきた聡美。 診察室に入った彼女は、何かに憑かれたように話し始める。同時期、藍はボランティアで英語を教えるため小学六年生の綾香を訪ねていた。 表情がないことに違和感を覚えたとき、手首に刻まれた何本もの傷跡に気づく。 綾香が発する‘サイン’とは――。両者の話を聴くうちに、 藍はある殺人事件の真相を知ることになる。 事件の背後で苦しむ人々の声を掬う、臨床心理士の物語。■著者からのコメント■すべてに白黒つける二項対立の世界で「生きづらい」と感じることが多くなりました。人が人として生きるために何が必要か。自分の中の汚いものを見つめながら、魂の底をえぐり出すようにして書きました。生きづらさを抱えるすべての人に捧げます。
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3.72001年『五年の梅』で山本周五郎賞、02年『生きる』で直木三十五賞、04年『武家用心集』で中山義秀文学賞、13年『脊梁山脈』で大佛次郎賞を受賞。1年年『『太陽は気を失う』で芸術選奨文部科学大臣賞、17年『ロゴスの市』で島清恋愛文学賞を受賞。 あらゆる賞を総なめにしてきた名手が描く美しい本! 戦後、浮浪児だった男が主人公。画家の養子となり、装幀家になる。多くの女性と出会い、別れ……。名手が紡ぐ「一人の男」 「死んだ伯父さんが言ってた。汚いものばかり見ていると目も汚れる。そんなときこそ、美しいものを探せって」神木が画家に出会ったときのその言葉が、彼の運命を変えた。 神木は忘れなかった。女性を愛し、芸術を愛しながら、浮浪児の孤独だけは忘れずにいたので、ときおり、自家中毒を起こした。 神木(こうのぎ)は、戦後、浮浪児から、画家だった養父に拾われ、「養子となった。芸大在学中、養父が死去。 全くの一人になった男が辿った道筋とは。出版社の装幀部に勤めていたが、その後、川崎にバーを経営。魅力的な女性と出会い、別れる。名手が書き下ろす一人の男の人生。 「変に優しいのよね。けっこう優しく裏切る」 彼は優しい男のまま別れようとしていた。人の人生までねじ曲げるような乱暴は好まなくなっていた。 女は気を失うような刺激に飢えていたのだと思った。今の女には安堵の色が見えていた。 「私が男の人に真実を期待しすぎるのかしら、それとも男の人が私に真実を期待しないのかしら」ニューカレドニア生まれのマリエは神木の経営するバーに咲いた花だったが、とことん男を見る目がなかった。男に裏切られてきた女が見出したのは。 逗子に住む富豪夫人・漆原市子の画集装幀を依頼される。 「描いている間の自由を愉しみ、どうにか平常心を保ってきたのです。私の絵は窮屈な現実との闘いであり、逃避でもあります。ここが私の全世界」 「動機はなんであれ、突き進むのが芸術です」 戦争孤児で浮浪児だった神木は、軌跡的な出会いで、画家の養父に拾われた。浮浪児だった時、清潔な下着や靴下、自分たちを案じてくれる人の目、親の抱擁と言った温かいものに飢えていた神木は、美しいものにもそれに代わる力があるのに気づいて癒やされた。 終わりを感じる体と精神になって人生を見失い、もう一度性根を据えてなにかに懸けてみようと考えたとき、神木には美しい本をつくることしかできそうになかった。 「パリだけがフランスでないように、東京だけが日本でもない、人はその人に向いている土地というのがあるのかもしれない。そこに行き着くためにいろいろやって生きてきたような気さえする」 神木は美しい本を求め続ける。 「十年後に見ても美しいものが本物だろう、ここからが私の闘いで、愉しみなが身を削ることにもなる」
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3.7できないことは、できません。 やりたくないことも、やりません。 三葉雨音は他人に感情移入できない26歳。 同僚星崎くんの退職を機に、仕事を辞める。 他人に興味を持たない長所を見込まれ三葉は 「お見舞い代行業」にスカウトされ、 移動手段のないお年寄りの病院送迎や 雑用をする「しごと」をはじめる。 文芸界の注目著者が 「めんどうな人」の機微を描く! 【主な登場人物】 ◆三葉雨音 26歳。職業はお見舞い代行。 他人に興味がない。 ◆霧島開 三葉の雇い主。 喫茶店の店主で、ホットケーキが苦手。 ◆リルカ スナックで働く、 感情豊かで共感能力が高い霧島の彼女。 ◆星崎聡司 三葉の元同僚。 湯気の立つ食べものが苦手。失踪中。 【依頼人たち】 ◆田島セツ子 病院への送迎。聞き上手な80代。 ◆権藤 肝臓の病気で入院中の70代。 因縁の相手。 ◆清川好美 手術の付き添い。 配偶者なしの42歳。
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3.7花の警視庁から多摩中央署に左遷。けれど、心理捜査官は地道な捜査活動でも凄いんです! アクの強い所轄刑事も目を剥く活躍。 警視庁初の心理捜査官として任命された吉村爽子。連続猟奇殺人事件を見事解決へと導いたが、職務の性質と爽子自身の性格のためか周囲との軋轢も深く、理不尽に責任を取らされて、所轄(多摩中央署)へと配置転換になった。左遷同様の異動である。爽子本領発揮の劇場型事件など起こるはずもなく、本庁以上にアクの強い叩き上げの刑事たちとの地道な捜査活動。それはそれで平穏な日々を送れるかに見えたが…。過去に因縁のある上司、うるさ型の守旧派刑事、つかみどころのない同僚、爽子に憧れる新人女性刑事らと「日常的な事件」に関わりながら、心理捜査官として手腕を発揮。平凡に見える事件の思いもよらない深層を見抜く爽子の捜査眼にさすがの猛者たちも…。そうこうするうち、爽子にもある変化が…。 人間不信、自らの出自に対する不安、捜査官としての自信喪失…あらゆる負を背負い込んで傷ついていた爽子は人間らしさと自信を取り戻してゆく。
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3.7路地の向こうの不思議な町では師匠とちょっと怪しい仲間たちが温かく迎えてくれる……。ファンタジー長篇。 優しさと温かさが溢れる不思議が当たり前に隣にある。そんな物語はいかがですか? 小学六年生の直之は、西の方から引っ越して来た転校生。病気のせいで体が小さくても、方言をからかわれても、母親がいなくて厳しいおばあちゃんに辛くあたられても、明るく挫けない。その元気の秘密は、路地の向こうにあった。大都会のすぐとなりにある昔ながらの不思議な下町で、師匠とその怪しい仲間が温かく迎えてくれるから――。少年の成長を描いた、癒しと再生の物語。 〈目次〉 1 直之と師匠と不思議町 2 路地の向こうに 3 お化け屋敷にて 4 不思議町の仲間たち 5 破られたもの 6 「となりのトトロ」のように 7 修繕屋(リペアラー)におまかせ 解説 令丈ヒロ子
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3.7人気〈山ガール〉アイドルを狙う影! 山岳救助隊員と救助犬、最強バディが北岳を駆ける! 好評山岳小説〈K-9〉最新刊! 人気〈山ガール〉アイドルを狙う影! 南アルプス署山岳救助隊のメンバーは彼女を魔の手から救えるか!? 北岳を愛する人が、一丸となって、人の命を救うために尽力している。だから「南アルプス山岳救助隊K-9」シリーズの読後感は、いつだって清涼なのだ。――細谷正充氏(解説より) 富士山登頂を機に山ガールとなった人気アイドルグループのヴォーカル・安西友梨香が番組の収録で北岳に登ることになった。南アルプス山岳救助隊員・星野夏実は、友梨香を取り巻いていた登山客のひとりに不審を抱く。一方、以前救助した少年・悠人が父親のDVから逃げてきた。夏実たちは両俣小屋の名物管理人・加賀美淑子に彼を預けたが、そこにも危険が迫り……。山岳救助隊員と相棒(バディ)の救助犬が活躍する人気山岳小説、シリーズ最新刊!! 【南アルプス署山岳救助隊メンバー】 星野夏実 ボーダー・コリー、メイのハンドラー。巡査 神崎静奈 ジャーマン・シェパード、バロンのハンドラー。巡査 進藤諒大 川上犬、リキのハンドラー。〈K-9)チームリーダー。巡査部長 深町敬仁 巡査部長 関 真輝雄 巡査 横森一平 巡査 曾我野 誠 巡査 杉坂知幸 山岳救助隊副隊長。巡査部長 江草恭男 山岳救助隊隊長。警部補
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3.7瞠目の医療ミステリー 下村敦史はあくまでもミステリの枠内に留まり、濃厚な謎解きの味わいと〈どんでん返し〉を盛った上で、死を真正面からテーマにしてみせた。構築の美に感動さえ覚える。作家・有栖川有栖 読み終わったとき、思わず胸に手を当てずにはいられなかった。 東京慈恵会医科大学 教授・嘉糠洋陸。移植手術を巡り葛藤する新米医師――「優先順位」。安楽死を乞う父を前に懊悩する家族――「詐病」。過激な動物愛護団体が突き付けたある命題――「命の天秤」。ほか、生命の現場を舞台にした衝撃の医療ミステリー。注目の江戸川乱歩賞作家が放つ渾身のどんでん返しに、あなたの涙腺は耐えられるか。最終章「究極の選択」は、最後にお読みいただくことを強くお勧めいたします。(解説・有栖川有栖)
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3.7真っ白な自称人魚の男と寺で同居することになった私。いつしか奇妙な力が芽生えて…。奇想小説の異端児が放つ長篇が待望の文庫化 小さい刻の愉しい記憶をもう一度味わうために、私は誰もいない寺に帰ってきた。私が池で見つけたのは、真っ白な自称人魚の男『うお太郎』。人魚にも見えないが、人間とも思えない不思議な生物だった。うお太郎は「この寺の周辺には奇妙な石が埋っており、私にはそれを見つける力がある。石には記憶を忘れさせたり、幽霊を閉じ込めたりする力が宿っている。早く見つけろ」と言うのだが……。書評家熱賛!奇想小説の異端児が放つ長編が待望の文庫化。
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3.7筒井康隆の世紀の奇書が 〈定本〉として三十七年ぶりに復刊! 筒井康隆の毒と笑いをご堪能あれ。 〈ドンドンはドンドコの父なり。ドンドンの子ドンドコ、ドンドコドンを生み……〉 ジャズ・スキャットで使われるバブリングを駆使し、 奇想天外なパロディ聖書として読書界を驚倒させた表題作ほか、 初刊文庫で未収録だった実験作品「上下左右」 (イラストは雑誌掲載時の真鍋博)を収録した完全版。 書下しの自作解説を併録。全十篇。 (解説 井上ひさし) 〈目次〉 バブリング創世記 死にかた 発明後のパターン 案内人 裏小倉 鍵 上下左右 廃塾令 ヒノマル酒場 三人娘 自作解説 筒井康隆 解説 井上ひさし
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3.7「世界に風穴をあけるぞ。僕らがいま生きているのはそのためでしかないんだ」 PCオタク、元カリスマ青年実業家、女子大生……個性的な面々が揃う“チーム・AKKA”。彼らは天才プログラマー・堀井健史のもと、新興IT企業を巧みにまるめ込み、資産の一部を中抜きしていた。最終目標はITベンチャーの雄、株式会社LIGHT通信の乗っ取り。携帯電話の販売代理店事業を全国展開し、創業10年あまりで時価総額5兆円の大企業へと登りつめた、ITバブルの象徴的存在だ。史上最大の下克上。チームAKKAは勝利を手にできるか。前作『拝金』から遡り、物語の舞台は1999年、渋谷へ。IT勃興期を駆け抜けた男たちの野心を圧倒的リアリティで描く、まばゆくも壮絶な青春経済小説!
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3.6「保育園がないなら、つくっちゃえ!」。ママたちの奮闘物語。 息子の保育園が見つからない会社員、娘の保育園の方針が合わない契約社員、保育園で働きたい専業主婦、孤独と不安をシェアしたい人、この指止まれ! 北村彩芽は不動産会社の街づくりプロジェクトを担当。出産後すぐに職場復帰するはずが、まだ保育園が見つからない! 思わずSNSで呟いた。 #保育園落ちた人この指止まれに、ママたちの苦悩がたくさん寄せられた。そのオフ会で知り合った2人に彩芽は目をつける。シングルマザーで経理ができる沢村敦子。子をあやすのが上手な江上梨乃。彼女たちの能力を見抜き、彩芽は一念発起する。 「保育園つくっちゃいませんか?」。動揺する2人をよそに、実現に向けて彩芽は突き進むが――。保育園に落ちた仲間同士の人生をかけたプロジェクトがはじまった。 第一章 運命の通知 第二章 保育園つくりませんか? 第三章 目覚め始める女神達 第四章 応募がない!? 第五章 それぞれの保育園 エピローグ
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3.6婚約者の死を「予知」したファンレターに人気漫画家・陣内は。大ヒット作『彼女は存在しない』の著者が贈る傑作メタミステリ! 売れっ子漫画家、陣内龍二の婚約者・里美が交通事故で死んだ。ショックのあまり、陣内は、連載中の漫画のヒロインを作中で殺してしまう。たちまちファンからの抗議が殺到する。だが、その中に、消印が事故の数日前という、里美の死を予知した手紙があった。手紙の差出し人を訪ねると、神崎美佐という四十八歳の落ち着いた女性だった。部屋には作中のキャラクターが飾られ、熱心なファンであることを示している。本当に、死を予知する能力が神崎にはあるのか?失われた恋人への狂おしい想いの果てに、陣内が辿り着く予測不能の真実! 最後の一ページまで見逃せない迷宮的ミステリー。
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3.6農業高校を出たが、田舎から飛び出し、 東京で暮らすも挫折し、戻ってきていた小原和也。 彼はバイト先で知り合った 有機農業を始めたばかりの木村春菜を 手伝うことに。 しかし、素人同然の彼女と和也には、 なかなかうまく育てることが出来ない。 そんなとき、人づてに紹介された 仙人とよばれる男の指導を仰ぐことに……。 同じ頃、村では、農業生産法人の部長で、 村中で美人と評判の上田理保子が、 近代農業で大沼村を再生させようとしていた。 だが、慣行農業が主流の大沼村の中で、 ゆきづまりを感じていた。 近代農業と古き良き農業、共存共栄への道とは? 著者渾身の長編小説。 <目次> 第一章 それぞれの進む道 第二章 近代農業VS.有機農業 第三章 未来農家
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3.5複合型超高級マンション・ソナーレを巡る構図。 新入居者は貧乏地元住民など一顧だにしないスノッブなハイソ&セレブ。そのハイソを警護する貧乏アルバイト警備員。 マンション専用バスの小心な運転手。 破滅的家庭環境からギャング化する中学生。 宅配ピザのアルバイトで糧を得るカメラマン志望の若者。 誰にも邪魔されずひっそりと暮らすことだけが願いの近隣ホームレス。 そのホームレスを喰いものにして保険料を掠めとる暴力団。 スラム化する街をテーマにミュージッククリップを制作する教祖的ミュージシャンとデザイナー。 彼らの私利私欲が恐るべき大暴動へと繋がってゆく…。
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3.5期間限定 無料キャンペーン実施中。 次々と話題の新人を輩出する大藪春彦新人賞、第5回受賞作! ●今野敏 選評(抜粋) 抜群にセンスのある文体だ。普通なら無駄と思えるような日常の描写も、決して無駄になっていない。 ●馳星周 選評(抜粋) キャラクター造形も秀逸だ。なにより、全編を貫くもの悲しいトーンに惹かれた。 ●徳間書店文芸編集部編集長 選評(抜粋) ビリヤードのゲーム性と賭けが結びついたとき、こんなにもヒリヒリする緊張感を醸成できるのかと驚きました。 ●あらすじ 四条大宮にある小さなビリヤード場「萬」。そこは人を引き寄せては掻き回す坩堝だった。 「中村君。あんたはまだ若いからわからんかも知れんが人生いろんなことがある。それが萬、よろづ、という意味や。いろんなことがあったとき、ここへ来たらええという意味や」 そう店主は言う。 球に魅せられた中村は、萬へ通うようになっていった。 九条の食品スーパーで働き、春海と暮らす日々。 そんな静かな日常に、突如その男は現れた。 凄腕の撞き手であることは一目見てわかった。 「賭け球で撞くか」と奴は声をかけてきて――。 ※受賞作のほか、選評および受賞の言葉を収録
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3.5アフガン、ミャンマー、イラク始め、今現在、世界を襲っている不幸。 そんな状況を予見したかのような作品! ある日突然、起こりうる近未来の戦争。世界各国に生きる人々の奪われゆく日々や、愛情、未来。誰にでも起こりうる恐ろしい状況。明日には失う、いとおしい生活を、無駄のない研ぎ澄まされた美しい文体で描く。 この小説の主人公は明日の私たちかも知れません。 小説には力があると信じられる12篇! 誰が始めたともわからない近未来の戦争。昨日と同じ日が続くと思っていた日常が、ある日突然奪われる。 北米、ヨーロッパ、アジアの国々の参戦、そして日本。地球規模のパワーゲームが私たちに強いるであろう決断と残懐。 誰が始めたのか、何を争うのか、何もわからない。気付けばそこにあった戦争を、受容していく人々の姿に衝撃を受けた。 本作は、ふと日常にあらわれた戦争の暗い穴を提示する。作中の人々が穴に吸い込まれるように入っていく様子に驚きながら、自分もまたその後を追ってしまうのだろうと思った。 音が消えても心で鳴り響くブルースのごとく美しい文章。読み終えてもまだ心で鳴り続けている。 中江有里(作家・女優) 「Foresight」 2018/10/28 遠からず世界を襲うかもしれない不幸。 そのとき、人々はどのように旅立ち、何を失うことになるのか。 マーキスはNYのスラム育ち。戦争で、ようやく築いた生活とジャズミュージシャンの夢を奪われる。 フィリピンでは、17歳のマルコが銃をとり、人買いの手から娼婦の妹を守る。 グアムのホテルマンとして生活を築いてきたベンは、身重の妻に徴兵の知らせが届いたと告げる…。 ある日とつぜん踏みにじられるかけがえのない日々。夢や、幸せ、明日への希望が砕かれる理不尽な現実を描いた12篇。 「どこか涙のようにひんやりとして」 NYブロンクスで育った少年がジャズと出会う。 「万年筆と学友」 貧しい女子学生の淡い恋……。(カナダ) 「偉大なホセ」 ワイン農家のホセが蓄えたすべては……(スペイン) 「ニキータ」 ホテルマンとして築きあげてきたベンの生活が……。(グアム) 「みごとに丸い月」 中国系アメリカ人家庭。母国が敵になり…。(アメリカ) 「アペーロ」 房総に暮らす男。夢はアワビの養殖とボサノバ…。 「ミスター・パハップス」 恋人は夢想家。がんにきくという調味料を開発すると金を集め…(インド) 「足下に酒瓶」 いい波と酒があれば満足。サーファーたちの夢…。(ポルトガル) 「隔日熱病」 作家を目指して出会った出会ったのは…(パリ) 「十三分」 孤独な男が初めて知ったいとおしい世界。(アメリカ) 「こんな生活」 貧しい農家が豊かな暮らしを手に入れたが…。(中国)
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3.5儲かる方法、ここにあります。 【注意】 ここに書かれた方法の数々は「金銭的に儲かるだけ」です。 決してくれぐれも真似だけはしないように……。 パスティーシュの名手が贈る犯罪小説! 人間だもの、やっぱりお金は欲しいんです――。 東隆文、二十八歳、宣伝プロダクション勤務。高級ブランドに身を包み、 ガールフレンドもよりどりみどり。 宣伝マンらしい華やかな暮らしをエンジョイしている――ように見えるが 実は火の車。 なんとかやり過ごしていたが、ついに追い詰められた隆文は一計を案じる……。 「東隆文の窃盗 8,600,000」をはじめ、抱腹絶倒、お金にまつわる八つの人間模様。 $$contents$$ 東隆文の窃盗 8,600,000 的場大悟の無限連鎖講 6,700 重松衣子の万引き 3,480 桜田ナオの援助交際 50,000 ミスターXの誘拐 2,800,000 轟政嗣の借金 5,460,000 森本鉄太のおれおれ詐欺 10,000 東隆文の強盗 10,400,000
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3.5死刑が廃止されてから28年後。 日本に生存する最後の死刑囚・麻倉は、 無人島だった離島に設けられた民間経営の刑務所内の特別拘置所で、 刑を執行されることなく過ごしていた。 フリーライターの熊沢は、彼に関する本を執筆するため、麻倉本人からの指名を得て取材に向かう。 インタビューするうちに、麻倉が犯した数々の殺人事件に対して「彼らには死すべき理由があった。僕は審判なんだよ。人の命をジャッジする」とうそぶく本人の態度に、熊沢は激しい嫌悪感を抱く。 さらに驚いたことには、離島には麻倉に殺害された被害者の関係者が存在していた。 また、離島にまつわる不気味な言い伝えを聞かされた熊沢は、 この仕事の先にライターとしての成功を夢見ていた最初の気持ちが大きくぐらつくのを感じ始める。 そしてついに恐ろしい事件が起きた……。 読者の予想を覆す奇想ミステリーの問題作!
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3.5物流の担い手だった北前船や、世界に先がけて米相場が開かれていた北の湊に生きた人々の物語。凜とした端正な時代小説! 惜しくも急逝した北重人、追悼刊行。日経新聞(11/2付)の書評で、北重人の美質は艶やかな文章にあるけれど、今回は風景描写で見事な成果を上げている、と紹介されました。日刊ゲンダイ(10/3付)の[書評]に心打つ時代小説集と紹介されました。大藪賞受賞作家の新境地! 北前船が着く北の湊を舞台に、遊女や、廻船問屋、古手問屋、敵討ちに出向く武士、米相場を張る相場師など、運命に翻弄されながらも、強く、しなやかに生き抜く人々の物語。『海上神火』『木漏れ日の雪』『海羽山』『歳月の船』『賽土の神』『合百の藤次』など6編収録。
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3.5人に潜む闇を、どぎついまでに見せつけ さらに待ち受ける衝撃の結末。 あなたの知らない真実。 革命直前のパリを舞台にした 繊細で大胆なミステリー。 この感情の震えは「殺人鬼フジコの衝動」以上かもしれない。 1768年。革命前の爛熟したパリ。 悪名高き青年侯爵サドが事件を起こし、被害女性が高等法院に告訴するらしい。 パリ警察で、放蕩貴族を監視する特別任務につく私服警部マレーは その醜聞を揉み消す命を受ける。 一方、セーヌ川で惨殺死体が発見された。 それは、5年前サドの「悪魔の遊戯」の相手としてパリ中にその名を知られた女工だった……。 革命的警察小説の傑作! (解説 千街晶之)
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3.5b>人の闇を暴く。調査員・弘美が知る人生の真実。 真摯に事件に向き合い悩み、葛藤する等身大の女性の物語。恋愛の真っ最中にいるあなた、移ろいそうな心を抱えているあなた、もう一歩踏み出すことに躊躇しているあなた。本書はそんなあなたに大きな力を与えてくれる作品なのである。――評論家・西上心太氏(解説より) 自殺した親友・由嘉里から届いた一枚の絵葉書には自殺した当日の消印が押されていた。フリーランスの翻訳者・弘美は、自殺と思われた由嘉里の死が実は殺人であると解明する。犯人である由嘉里の義姉、容子は、私立探偵に恐喝され、由嘉里に借金をしていたのだ。容子を脅した探偵を探すため、探偵事務所の調査員となった弘美は、ささやかな幸せを求め、懸命に生きる女たちと関わる……。人気作家の傑作サスペンス。
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