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八月の上半身
あの瞬間はもはやどこにもなく、そして目の前にあるものはなにか? 作家がいる。作家はストーリーを自分の頭で考えるが何らかの外部からの刺激も必要だ。例えば一人の女性。バーに、あの女性がいたらいいな、と思えばいるし、思いがけず京都で再会したりもする。そんな都合よく……って当然だ、だってこれは片岡義男の小説なのだから。そして女性との会話の中には彼に書くことをうながしたまた別の女性、今では自分も作家になった女性の話題が出て会話に奥行きが生まれる。ある時、タイトルの着想が生まれ、そしてその時間もまた去っていき、さて今、彼の目の前にあるものは? 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/ -
八月の光・あとかた
ヒロシマを生きた人々の、「命」の物語。 一瞬の光が広島の地を覆うその瞬間まで、あの場所にいた人々にどんな時間が流れていたのか。そして、生き残った人々は、苦しみと哀しみの中でどう生き抜いてきたのか――。被爆二世の著者だからこそ書ける、真実をモチーフにした物語です。 児童文学作品として発表されながらも、幅広い年代の読者の心を揺さぶった『八月の光』。戦後70年の節目を迎えたいま、書き下ろし2編を加えて待望の文庫版を電子化しました。 巻頭の『雛の顔』は、その日勤労奉仕をさぼって命拾いをした女性と、それを責めた女性、それぞれの心の変化とその後の人生が、続く『石の記憶』では、広島平和記念資料館に展示され、原爆の悲惨さを伝える「白い石段の影」にまつわる物語が描かれます。『水の緘黙』では、苦しむ人を助けられずに一人逃げた少年の自責の念が救われるまでの物語。『銀杏のお重』では、戦争で女性だけとなった家族が、戦争を、原爆をどう生き抜いたか。ときに悋気にもならざるを得なかった女性たちの悲しみと強さが描かれます。『三つ目の橋』は、原爆で父と弟を、そして原爆による放射能症によって母を失った姉妹の物語。「ピカに遭うたもんは、たとい生きても地獄じゃ」。本作品に出てくるこの一文が、生き残った人々のその後の苦しみを集約しています。 決して特別な人の特別な物語ではなく、私たちと同じ市井の人間の物語。あの日の光が、あの場所に生きた人々の魂の声が、いま再び届く――。 -
八月六日上々天氣
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 昭和二〇年八月六日、広島は雲ひとつない快晴だった-東京の女学校に通う十五歳の珠紀。戦争の影が濃くなるなか、友人たちは次々軍人に嫁いでゆき、珠紀は従弟の担任教師と結婚する。だが突然、夫は軍に志願したため、二人で過ごせる時はたった一週間しかなかった。珠紀は姑と暮らすため広島へ移り、やがてその地で運命の日を迎えることに…。少女たちの目から原爆を描き話題となった名作。 -
八時二十三分の乗客たち 同じ車両に乗り合わせた、七つの人生
朝の満員電車、そこには七つの人生が息づいている。 たまたま同じ車両に乗り合わせた見知らぬ誰かが、あなたの人生をわずかに変えるかもしれません。 本書は、平日の朝八時二十三分発の各駅停車を舞台にした連作短編形式の群像劇です。腹痛に悶える青年、居場所を探す女子高生、秘密を抱えた再就職志望の男――。一話ごとに主人公が入れ替わり、それぞれの切実な事情が車内という密室で静かに交錯します。 一話がひと駅分の時間で読めるほどコンパクトでありながら、バラバラだった物語が最後の一話で鮮やかに結びつく見事な伏線回収が魅力。日常のすぐ隣にある小さな奇跡と優しさを描き、読み終えた後はいつもの通勤風景が少しだけ愛おしく感じられるはずです。 こんな方におすすめ ・通勤・通学時間に心温まる短編小説を読みたい方 ・最後にバラバラの線が一本に繋がる伏線回収を楽しみたい方 ・日常の何気ない瞬間に宿る希望や感動に触れたい方 終着駅にたどり着くとき、あなたの視界は朝の光で優しく彩られているでしょう。 -
83歳、もふもふのネズミを拾う。そして人生が変わる。
死を待つだけだったおばあちゃんの快進撃がもふもふの命を救う!? インディーズ出版社発の世界的ベストセラー! 8ヵ国が版権取得 米Amazonで★4.5/3000件超の大好評(※2025年11月現在) 老女とネズミのハートフルな…と思いきや、ジェットコースター展開の奇跡の物語 【あらすじ】 夫と息子を亡くし、長い海外生活から故郷の英国に戻ってきた孤独なヘレン。望みはさっさとこの世を去ることだけ。しかし、ある冬の朝、1匹のもふもふのネズミと出会い、人生が変わる。それもたった2週間で。老女とネズミのハートフルな物語……と思いきや、83歳のおひとり様ヒロインが小さな命を救おうと奮闘する、胸スカ&ジェットコースター展開の奇跡の物語! 勇気をあなたにも。 【絶賛の声】 「小さな文学的奇跡。痛々しく美しい……」――ワシントン・ポスト 「魅惑的……。新鮮で面白い。」――パブリッシャーズ・ウィークリー Sipsworth by Simon Van Booy 《担当編集の感想》 原書の紹介文に「ハートフルストーリー」とあったので、刺激的な作品が好みな私にはものたりなさそう、と思っていたのですが、実際に読んでみると、ゆるやかだと感じられたのは前半部分のみで、後半からすごい展開で、想像していたのと全く違う物語でした。ともかくおばあちゃんが大活躍するので、読んでいてスカっとします。高齢女性が人生をやり直すストーリーなのです。読後感がすばらしいので、米Amazonで高評価なのにも納得。これはぜひともお年寄りにもお若い人にも読んでいただき、年を重ねることに勇気や希望を持っていただきたい、と願い企画しました。誰かが誰かを大切にしたいと思う気持ちは貴いです。それを思い出させてくれる作品でした。 -
八十日間世界一周
飛行機がまだ無かった時代。世界を一周することは大事業だった、ましてや80日間では不可能と思われていた。1872年ロンドン。紳士で資産家のフィリヤス・フォッグは革新クラブとのメンバーたちと80日間で世界一周ができるかどうかの賭けをする。立証するために下男のパスパルトゥーとともに出発するのであった。何度もピンチに陥りながらも奇想天外なアイデアで乗り切っていく。迫るタイムリミット……果たして間に合うのか。ラストは痛快などんでん返し。ワクワクどきどきの冒険物語。映画化されアカデミー賞作品賞受賞。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。 -
八十万年後の社会 タイム・マシン【大正翻案版】
時間を旅する「航時機」を発明した博士は、はるか八十万年後の世界へ飛びたつ。そこは、華奢で美しい「人形人種」と、獰猛で危険な「土蜘蛛人種」とが棲みわける、奇怪な社会であったーー ウェルズの名作『タイム・マシン』を、原著刊行から二十年を経ずして日本に紹介した、黒岩涙香の『八十万年後の社会』が復活! 19世紀末、科学文明発達のかげで貧富の格差が増大する社会への批判もこめて、奔放な想像力で書かれたH・G・ウェルズの『タイム・マシン』。 この名作は、遠く日本で、やはり経済と科学万能の世を慨嘆する黒岩涙香の目に留まる。『噫無情』『鉄仮面』等、さまざまな名作を紹介してきた涙香は、『タイム・マシン』を『八十万年後の社会』と題して翻案する…… SFの古典的名作をいきいきと訳述した涙香の名調子をそのままに、現代かな遣いで読みやすく復刻。【電子・PODオリジナル版】 -
84年の赤い色
今日はすべてがうまくいく日 片岡作品には、世間でマジョリティを形成しているヘテロセクシュアルばかりでなく様々なセクシュアリティの形が登場するが、今回はレズビアンだ。二人は今、40歳という節目の歳を迎えた。40歳。思い出も未来もたっぷりある年齢だ。二人が最初に出会った時のこと、それぞれ異性との結婚の経験がありながら、二人が互いにとってどんなに大切な存在なのかを思い知らされた日のことなどを二人は語り合う。今日は、インストラクターをしているほうの彼女の誕生日。二人の40台のスタートラインは上々だ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/ -
80歳、私らしいシンプルライフ
東京から安曇野に移住して16年。元『装苑』編集長、初のエッセイ 第2の人生を自分らしく楽しむ、シンプルで心地よい暮らしとおしゃれの工夫 60代で長野県安曇野市に移住し、第2の人生をスタートさせた元『装苑』編集長、德田民子さん。移住のきっかけは、夫婦で訪れたドライブで眼前に広がる美しい北アルプスの風景だった。たくさんのものを手放し、暮らしをリセットする中で気づいたのは“シンプルって、心地いい”ということ。 移住から16年。四季のはっきりした安曇野での暮らしやおしゃれの工夫、毎日をごきげんに過ごす秘訣など、80歳を迎えた德田さんの心豊かな日々をご紹介します。 第1章 安曇野で始めたセカンドライフ 第2章 シンプルで心地よい暮らしのマイルール 第3章 おしゃれこそ元気の素 第4章 四季を楽しむ家しごと 第5章 毎日をごきげんに過ごしたい -
八丈島と、猫と、大人のなつやすみ
六年間勤めた会社を離れ、八丈島で1ヶ月を過ごすことになった川瀬星子。仕事も恋もうまくこなしていると思っていたが、いつも味方になってくれた祖母の死をきっかけに、気持ちの糸が切れてしまったのだった――。 家賃はタダだけど年季の入った古民家の掃除に始まり、畑仕事と釣りで美味しい食材を手に入れ、スキューバや織物を楽しむ。温泉で疲れを癒やすと、いつも見かける猫は島の不思議を教えてくれる。 星ふる島で過ごす、大人にもきっと必要なひと時の物語。 -
八丈太鼓
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 みなさんは、海を流れる川を見たことがありますか?私の故郷八丈小島の周囲では、日夜、黒潮が激流となって波立っているのです。その故郷も今は無人島。身体を静かに休め、歴史を刻んでいるだけです。小島では、夜はランプを囲み、雨水を貯めて飲料水としていました。病院、医者、お店、車なども無い島でした。あるものといえば、風除けの石積みに囲まれたトタン屋根の家と学校、八丈島への買い出し用の船一隻、島民は約八十人。そんな大自然の中で育った私は、宝物のようなたくさんの思い出を残し、中学二年の終わりに親元を離れ八丈島に旅立ちました。その後、昭和四十四年に、集団移住となり、無人の島となりました。―あとがきより抜粋― -
8つの完璧な殺人
雪嵐の日、ミステリー専門書店の店主マルコムのもとに、FBI捜査官が訪れる。マルコムは10年ほど前、もっとも利口で、もっとも巧妙で、もっとも成功確実な殺人が登場する犯罪小説8作を選んで、ブログにリストを掲載していた。ミルン『赤い館の秘密』、クリスティ『ABC殺人事件』、ハイスミス『見知らぬ乗客』、アイルズ『殺意』……。捜査官によると、そのリストの“完璧な殺人”の手口に似た殺人事件が続いているという。犯人は彼のリストに従って殺しているのか? 著者のミステリーへの愛がふんだんに込められた、謎と企みに満ちた傑作長編!/解説=千街晶之 -
8人のいとこ
すてきなおじさんとカッコイイ7人のいとこたち、 ローズがさいごに選ぶのは? ローズはひとりぼっち。ある日、すてきなアレックおじさんに ひきとられ、男の子ばかり7人のいとこと初対面! さあ、“運命のとびら”がひらき、ローズの新しい生活がはじまります。 病弱でさみしかったローズに、いったいどんなことがおこるでしょうか。 世界の名作『若草物語』のオルコット作の、笑いと涙と愛にあふれた感動の物語。 さいごにローズが選ぶのはだれ? あなたならだれを選ぶ? <B世界の名作 小学中級から すべての漢字にふりがなつき > -
8年越しの花嫁 キミの目が覚めたなら
60万人が涙腺崩壊! 結婚式を3ヶ月後に控えた岡山県の若きカップルを襲ったのは、新婦の原因不明の病。心肺停止、長い昏睡状態。6年をかけて徐々に意識を取り戻した新婦は当初、目の前にいる男性が結婚を約束した相手だと分からなかった…。今、ようやく自らの足で歩けるまでに回復した新婦の奇跡と、その婚約者の回復を信じ、支え続けた新郎の献身的な純愛。8年越しの結婚式には医療スタッフ、見舞い続けた友人達も参列し、新婦は父・母に支えられながらバージンロードを歩き、長かった空白を埋めていく。式場スタッフが撮影した動画がYouTubeで公開されると瞬く間に口コミを呼び、再生回数60万回超。 -
蜂の王様
高見沢俊彦。ギタリストであり、ソング・ライター。今をときめく、いわずと知れた超人気グループのリーダーだ。この世界に入って十年以上の時が流れた。原宿と麻布、千駄ヶ谷それに青山に部屋がある。そう、高見沢は文字通りの転がる石なのだ。部屋から部屋へ。ツアーからツアーへ。女から女へ。孤独から狂騒へ。ひとりに還り部屋に戻ればいつでも〈I’M A KING BEE〉を聴く。この単純なブルースナンバーが、ヒップ・スターを演じる高見沢の唯一の子守歌なのだ。ロックを食み、通底してロックのフィールドを熱く見つめ続ける著者が放つ、THE ALFEEの高見沢俊彦をモデルにした渾身のロック小説。 -
八秒で跳べ
ふたりが出会った夜から何か変わりはじめる――〈青春〉の化学反応を目撃せよ! 春高バレーの予選まであと数日。宮下景が所属する明鹿高校男子バレー部は、6月のインターハイ予選で初めて県の準決勝まで進んだ。チームを引っ張るのは、同学年の2年生エース置久遊晴。「いまのチームなら全国も目指せる」と、3年生3人が引退をせずにチームに残り、景、梅太郎らのレギュラーメンバーで、夏に敗れた全国常連の強豪校・稲村東と戦うことになるはずだった。 けれど……あの時。まずい、と思ったときにはすでに体勢が崩れ、足首から下が、ぐにゃりと曲がっていた。勝負の稲村東戦へ代わりに出場にすることになったのは、中学時代からのクラスメイト北村。実は大会後、北村が退部届を出すつもりでいたことを、景だけは知っている。だからこそ「勝手にしてくれ」と思ってしまった。そしてあの日から、何か歯車が狂いはじめる。 一方、怪我をする前夜、高校のフェンスを乗り越えようとしていた真島綾。それに驚いて自転車から転んだ景は足首を痛めていた。そのことに責任を感じているらしい真島に、景はバレー部のポスターを依頼し、連絡を取り合うようになる。圧倒的な画力で学園祭のポスターも手掛けた真島には、しょっちゅう高校を休みがちで、実は親友にしか明かしていない秘密があった。 景の側にいつもあったバレーボール、真島の側にいつもあった漫画。それぞれが楽しくて、ずっと続けてきたはずなのに、いつから苦しくなってしまったんだろう!? 自分の居場所が見つけられず、前に進めずにいるふたりの想いは交差しながらも、遂にクリスマス前夜に止まっていた時間が流れ出す――。 -
8フィートの週末
再会は3人で。 片岡義男の小説に登場するサーファーは、波乗りしかしていない男たちだ。 最低限の生活費を稼ぎ、職業を持たず、ただサーフィンすることだけに生きている。 この中編小説の男もそうだ。 しかし、サーファーにも出会いはある。 出会いの後に再び波を追い求めて遠く離れても、 時には数年の時間を超えて、再会が待っていることもある。 去った男を責めない、ただ再会を純粋に喜ぶことのできる女。 そして3年前と違って今は、2人はもう2人ではない。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。 -
蜂蜜記者と珈琲騎士
鉄道事業に力を注ぐ技術先進国のブリンディル王国。 伯爵令嬢のミレニエは、一人前の新聞記者になるという夢を叶えるためゴーディン新聞社で働いていた。社長のダニエルから「1年以内に一面を飾る記事を書かなければ自分と結婚してもらう」と半ば脅しのように契約を結ばされたミレニエは、迫る期限に焦っていた。 そんな中、ミレニエは隣国から王女ラナジュリアが来訪するという情報を耳にし、一面記事のチャンスをつかむため取材に向かう。そこで出会ったのは、近衛騎士として王女の護衛をつとめる、珈琲色の髪と瞳を持つ凛々しい青年・カイルだった。彼に警戒されながらもなんとかラナジュリアへの取材を取り付けたミレニエは、「女狐」と称され偏見まみれの描かれ方をされてきたラナジュリアの真の姿を知っていくことに。 しかし同時に、ラナジュリアを狙う不穏な陰謀に巻き込まれ、ミレニエはカイルとともに捜査することになり……! 女性が仕事に就くことが難しい時代に、夢を叶えるため奮闘する、新米記者の恋と仕事の物語。 -
波長
突然……見えるべきものではないものが見えてしまった。それがこの世のものではないことを知り、自分に何かを訴えているとしたら? ある日、部活指導の終わりに、運動場で自校の生徒らしからぬ少年の姿を見てしまった新任教師の木村。 それからというもの、その少年は、思わぬところで木村に姿を見せる。 もし、あなたなら、彼らの訴えを聞き入れますか? それとも……? この世のものと、この世のものではないものの【波長】が合ってしまったとき、生者は受け身になるだけなのか……? 夢に見る数字、体に残る感触、スマホに録音されたもの……多くの「点」が一気に「線」となり謎が解けたとき、壮絶な結末を迎える。 そして、誰も予想だにしない終結が……。 -
ハッカー探偵 鹿敷堂桂馬
「プログラマーという人種はですね。他人とともに、自分も信じない人間なんですよ」 やる気なさげなプログラマー探偵、鹿敷堂(かしきどう)登場! 安藤裕美は20代で起業し、腕のよいプログラマーを企業に斡旋している。 裕美の猛烈な営業で業績は順調に拡大していたが、そこに大事件が発生! 自分の会社が送り込んだプログラマーが、取引先企業の持つ個人データ5万人分を 暗号化して使用不能にし、そのデータの「身代金」を要求してきたのだ。 事件が知られれば、取引先どころか、自社の存続も危うい。 悩む裕美は、自社への出資者から補佐役として奇妙な青年を紹介される。 それが鹿敷堂(かしきどう)桂馬だった。 「僕は探偵でもなんでもありません。ただのプログラマーです」 タイムリミットは2日間。2人は事件を解決できるのか。 「僕にできるのは、デバッグぐらいですね」 2016年の松本清張賞を僅差で逃したものの、選考委員の熱い支持をうけて異例のデビュー! 「探偵役の鹿敷堂がいいキャラクターなので、シリーズ化に挑戦してほしい。 プログラマーの世界をもっと読みたいという意見は(選考委員)全員一致した」 (石田衣良氏・選評より) 「働くひとたちへの熱い応援の気持ちと、社会やシステムへの疑問と怒りが作品に こめられていて、とても胸打たれた。しかしそれだけではなく、登場人物が魅力的で、 読んで楽しい小説! おすすめです!」(三浦しをん氏) 現役プログラマ、ゲーム作家として活躍してきた著者による超一級のエンターテイメント小説。 -
白球は時空を超えて
センバツで旋風を巻き起こした松山東ナイン その躍動を豪華写真とともに記録した完全永久保存版 2015年春の甲子園・感動が甦る一冊! センバツ劇的初勝利の舞台裏で何が起きていたのか? 歴史的偉人からスタンドに集った7000人の大応援団まで 幾多の知られざる熱き想いに迫るインサイドストーリー! 故郷へ野球をもたらした子規の情熱と ある歴史的偉人の野球界への愛情とは? 7000人もの大応援団が集まった 知られざる大プロジェクト秘話! 83年目の大旋風を裏で支えた データ班のマル秘エピソード 狭くても勝てます! 効率よく甲子園を目指す秘訣 歴史的勝利に隠された ナインと監督の感動物語 夏の甲子園に向けての想い <特別寄稿>果たせなかった思い、時を超えて。 プロローグ あの頃の、僕らへ。~真緑に染まったアルプスからの景色~ 第1章 野球と、俳句と、場づくりと。~人生という名のダイヤモンドを駆け抜けた男・正岡子規~ 第2章 品位と品格を。~ある幻の球団を設立した男・高橋龍太郎の気骨~ 第3章 松山東高野球部クロニクル~栄光と苦難、そして復興の歴史を辿る~ 第4章 狭くても、勝てます。~東高ナインが実践するハンデ克服法~ 第5章 弱者の兵法。~2015年春・二松学舎戦ドキュメント~ 第6章 その時、アルプスが揺れた。~甲子園に集結した7000人の仲間たち~ オピニオン 21世紀枠の存在意義と高校野球100年について 記者コラム 短期間で戦う集団に変貌した後輩たち 特別読み物 ショートショート「甲子園の魔物」 第7章 開かれた新たな扉。~2015年春・東海大四戦ドキュメント~ 第8章 夢見る頃を過ぎても。~7000人分の1の心模様~ 第9章 その後の球児たち~大学、社会人、プロ、指導者で活躍したOB~ エピローグ 春風そよいだ、その後で。~21世紀枠で出場してみて感じたこと~ -
ハックルベリィ・フィンの冒険
「トム・ソーヤーの冒険」の続編にあたる本書は、放浪を宿命づけられたハックを主人公に描いたもので、“南部人”としてのトウェインの顔が随所に現れた作品としても論争の的になっている。巻末に新たに発見された原稿を追補。 -
ハックルベリー・フィンの冒けん
★柴田元幸がいちばん訳したかったあの名作、ついに翻訳刊行。 ★オリジナル・イラスト174点収録。 ★訳者 柴田元幸の「作品解題」付き。 「トム・ソーヤーの冒けん」てゆう本をよんでない人はおれのこと知らないわけだけど、それはべつにかまわない。あれはマーク・トウェインさんてゆう人がつくった本で、まあだいたいはホントのことが書いてある。ところどころこちょうしたとこもあるけど、だいたいはホントのことが書いてある。べつにそれくらいなんでもない。だれだってどこかで、一どや二どはウソつくものだから。まあポリーおばさんとか未ぼう人とか、それとメアリなんかはべつかもしれないけど。ポリーおばさん、つまりトムのポリーおばさん、あとメアリやダグラス未ぼう人のことも、みんなその本に書いてある。で、その本は、だいたいはホントのことが書いてあるんだ、さっき言ったとおり、ところどころこちょうもあるんだけど。 それで、その本はどんなふうにおわるかってゆうと、こうだ。トムとおれとで、盗ぞくたちが洞くつにかくしたカネを見つけて、おれたちはカネもちになった。それぞれ六千ドルずつ、ぜんぶ金(きん)かで。つみあげたらすごいながめだった。で、サッチャー判じがそいつをあずかって、利しがつくようにしてくれて、おれもトムも、一年じゅう毎日(まいんち)一ドルずつもらえることになった。そんな大金、どうしたらいいかわかんないよな。それで、ダグラス未ぼう人が、おれをむすことしてひきとって、きちんとしつけてやるとか言いだした。だけど、いつもいつも家のなかにいるってのは、しんどいのなんのって、なにしろ未ぼう人ときたら、なにをやるにも、すごくきちんとして上ひんなんだ。それでおれはもうガマンできなくなって、逃げだした。またまえのボロ着を着てサトウだるにもどって、のんびり気ままにくつろいでた。ところが、トム・ソーヤーがおれをさがしにきて、盗ぞく団をはじめるんだ、未ぼう人のところへかえってちゃんとくらしたらおまえも入れてやるぞって言われた。で、おれはかえったわけで。 ——マーク・トウェイン著/柴田元幸訳『ハックルベリー・フィンの冒けん』より ■タイトルの表記について(本文「解説」より) ハックはまったくの無学ではないし、学校に行けばそれなりに学びとるところもあるようだから(まあ六七(ろくしち)=三十五と思っているみたいですが)、もし漢字文化圏の学校に通ったとしたら、字もある程度書けるようになって、たとえば「冒険」の「険」は無理でも、「冒」は(横棒が一本足りないくらいのことはありそうだが)書けそうな気がするのである。 -
白虹
きっと、同じ光を見ている。もう二度と会うことはなくても。 月の光でできた虹がある。 そのほのかな光は、カメラに映ることはない。 「白虹ですね」 「はっこう…?」 「白い虹って書いて、はっこう。虹の一種です」 いわれのないパクリ騒動で炎上した漫画家・六連涼(むつらすず)。散々にたたかれ、同棲相手もそんな仕事をやめたほうがいいんじゃないか、と勧められる。こんなはずじゃなかったのに。 公私ともに行き詰まった日々。もうすぐ30歳を迎えようとしているとき、既婚の編集者・桐野への恋心に気がつく。 「私、仕事を辞めて結婚することになると思います」 「辞めるって…漫画をですか?」 破り、破られるものは何なのか。カメラには映らない淡い光が、それぞれの答えを導き出す。 Novel Jam 2017 出場作品 -
白虹
警察官時代に起きた悲劇的な事件の記憶から逃れるかのように、毎年夏の間だけ山小屋でアルバイトをする五木健司。「辞職しなければ、いい刑事になった」と惜しまれる五木はある時、名頃という男を救助したことから、殺人事件に巻き込まれてしまう。名頃が恋人・裕恵を殺し、自分も死んでしまったというのだ。事件現場となった群馬県・長沢山を訪れ、そのまま山小屋へと入ることでその事件を忘れようとした五木の元に、裕恵の手帳と、裕恵の父からの「すまなかった」というメッセージが届けられる。1週間の約束で山を下り、東京へと戻った五木は、1枚の山の写真を手掛かりに、5年前に起きた事件へとたどり着くが……。複数の事件が絡み合い、幾重にも張り巡らされた罠に気づき、事件の真相へとたどり着いた後に、五木が見たものは……。拭い去れない過去にとらわれ続けてきた五木に、救いはあるのか――。本格ミステリの名手による、傑作山岳ミステリ! -
八甲田山殺人事件
有名ニュースキャスター観崎真次郎の娘・亜沙子が、東京都内世田谷区二子玉川に建つ、築30年を越す木造アパートで遺体となって発見された。彼女は、張られた水に氷がびっしり浮かんだ状態の浴槽内で、氷漬けになって死んでいたのだ。部屋の借主は亜沙子の恋人で、人気ファッションモデルの小嶋英介と判明した。しかし、亜沙子の住まいは都内豊洲の高層マンションで、実際にアパートの部屋に住んでいたのは、大家の証言によると「色が黒くて小柄で地味」な女性らしく、亜沙子の容貌とはまったく符号しない。事件後に行方不明となった英介の関与が疑われたが、数日後に彼も青森県・八甲田山中で、雪に埋もれ無残な姿で見つかった。亜沙子も英介も、誰からも好かれる人柄のよさで知られ、怨恨による殺人とは考えにくい。事件現場に残された「八戸ノサトニカエル」という謎めいた落書きや、郷土玩具の鳩笛を手掛かりに、警視庁の志垣警部と和久井刑事ら捜査陣は、青森の秘湯へと向かった……。
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