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  • 一人と千三百人/二人の中尉 平沢計七先駆作品集
    3.0
    1巻1,881円 (税込)
    関東大震災の混乱のなか亀戸事件で惨殺された若き労働運動家は瑞々しくも鮮烈な先駆的文芸作品を遺していた。 知られざる作家、再発見 関東大震災の混乱のなか亀戸事件によってわずか三十四歳で非業の死を遂げた労働運動家・平沢計七。 彼は少年時から鉄道会社の大工場で労働現場に立ち、やがて労働組合活動に入っていったが、その短い生涯で、瑞々しくも鮮烈な文芸作品を遺していた。 短篇小説十三篇、戯曲七篇と評論・エッセイ七篇を精選し、知られざる先駆的作家に再び光をあてる。 祖国の手で打砕かるゝか、 民衆の手で打砕かるゝか 死を予想しえた若き労働運動家、 その知られざる文学的航跡。 大和田 茂 平沢は日々の労働運動や社会運動の中で、数々の軋轢、暗闘、分裂をいやというほど味わってきた。なぜ、人々は階級的憎悪をもってテロリズムに走るのか、なぜ思想のちがいや意見対立、すなわち小異を捨てて大同団結できないのか。彼にとって、革命は遼遠の彼方であった。(中略)平沢はさらに労働者の意識に下降しようとしていた。彼は指導者意識が強かったが、一方では小説、戯曲、講談などで人々の内面にわかりやすく訴えかけていこうとした。「解説」より

ユーザーレビュー

  • 一人と千三百人/二人の中尉 平沢計七先駆作品集

    Posted by ブクログ

    自ら労働現場で働き、友愛会の初期幹部として、社会運動、労働運動の真っ只中で活躍した著者が、その活躍の合間を縫って、同士たる労働者の覚醒を願って書いた小説や戯曲の選集である。

    労働問題を舞台とした作品が多いが、いかにすれば労働者等弱い立場の人間が幸福になれるのか、社会の矛盾に立ち向かうべきなのかという問い掛けに、作者の熱い思いが伝わってくる。

    それだけに、登場人物の言葉として作者の思いがかなりストレートに表現されているところが多く、生硬さが拭えないのが気になった。

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    2020年06月09日

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