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生活安全課防犯係 喫茶ひまわり
ハートフルな捜査で美味しく事件解決! 昭嶋署の生活安全課に勤務する森山尚美は、おせっかい焼き。 街中で道を踏みはずしそうな人を掴まえては、強引に〈喫茶ひまわり〉に連れて行く。 そんな先輩に振り回される相棒の久住達樹は、「警察の出番は事件が起きてから」と、いつもグチってばかり。 しかし尚美は、おせっかいをやめようとはしない。 苦い過去が、犯罪を未然に防げと、ささやくから。 とはいえ、普段は気が優しくても、悲しみや辛さに追い込まれて、心に悪魔が入り込んでしまっている人を正気に返らせるのは、簡単じゃない。 でも、この〈喫茶ひまわり〉には、素敵な魔法――そう、頬が落ちるほどの料理がある! マスターの作る美味しい料理は、なぜだか懐かしい味がして、食べた人の凍った心をとかすのだ。 そして、お腹いっぱいになると、誰もがみんな、不思議と悩みを告白してしまう。 あとは尚美のおせっかいにスイッチが入れば、事件(?)は無事に解決。 なぜなら、〈喫茶ひまわり〉は、闇に堕ちかかっている人にとって、奇跡の場所だから。 尚美や達樹、そして只者ではないマスターたちが、事件になる前に事件を解決する、ハートウォーミングな物語。 -
酒と人生の一人作法
年を重ね新境地に達した太田和彦流生き方術。 「居酒屋の達人」こと太田和彦氏が行き着いた新境地。 70歳を過ぎ、「老後」というものを受け入れたら、初めて大切なものが見えてきた、と太田氏は語ります。 「ながく生きてきて、ものごとが見えてきた。社会的地位が高い・低いなどという価値観はとうに消えた。そういうことにこだわる人はつまらん人だとわかってきた。立身出世をはたした、経済的に成功した、それがどうした。頭がいいとか、リーダーシップがあるとかも、どうでもよいことになった。人生の価値観が変わったのだ。(本文より) そして、一人でなにかすることに愉しみを見いだします。 一人居酒屋、一人旅、一人映画… あぁ、どれも愉しい!! 皆さまも、この太田式人生論を、是非ご賞味下さい。 -
十津川警部 四国土讃線を旅する女と男
土讃線で起きた列車爆発事故の真相を暴け! 秘境祖谷渓で起きた謎の転落事件。そして四国土讃線を走る人気観光列車「四国まんなか千年ものがたり」の車内で起きた謎の爆発事件。2つの謎の裏で蠢く国際AI技術開発の闇を十津川警部が追う! 最先端のロボット技術で世界に知られた緒方精密電機。その課長補佐である神崎には緒方社長から受けた密命があった。それは社長が国際会議でホノルルへ行っている間、結婚間近な秘書・高見沢愛香の四国へのプライベートな旅行に同行することだった。緒方は神崎に慎重で綿密なスケジュールを組ませ、愛香の身の安全を求めた。二人が徳島の祖谷渓を訪ねた日、名所かずら橋から女性が転落死する。女性の背格好や服装が愛香に似ていると知った神崎は、愛香と間違えて殺されたのではと疑う。そして「四国まんなか千年ものがたり」の車内で突然の爆発事故が起きる。血まみれの車内で愛香の運命は!?これは緒方精密電機のAI技術を狙ったテロなのかそれとも……。国際的な先端技術開発と絡み合った人間関係に迫る十津川警部が探り出した驚愕の真実とは! 著者晩年の渾身作、ついに文庫化! ※この作品は過去に単行本として配信されていた『十津川警部 四国土讃線を旅する女と男』 の文庫版となります。 -
湘南生まれ、おとぎ話育ち
5分で読めて、あっと驚き、わっと泣ける。 「生まれはここ湘南なのですが、父の仕事の都合で三歳からおとぎ話の世界に住んでいました」おとぎ話の世界からやってきたと語る転校生、その正体とは?(「湘南生まれ、おとぎ話育ち」) 「彼氏の高校時代の初恋を摘出して欲しいんですが、保険ってききます?」結婚を前にし、初恋の思い出を忘れるため病院にやってきたカップルに待ち受ける、まさかの結末とは?(「初恋摘出手術」) 大人気ショートショート集『余命3000文字』の著者が贈る、涙と笑いと、あっと驚くどんでん返し。通勤・朝読・就寝前、すきま読書を彩る作品集。待望のシリーズ第4弾。書き下ろしを含む全24編を収録! -
土下座奉行
土下座は屈辱にあらず、悪を斬る正義の剣だ! 廻り方同心・小野寺重吾は、ただならぬものを見てしまった。 昼下がりの北町奉行所で土下座をする、牧野駿河守成綱の姿だった。 土下座相手は三十代半ばの侍で、身なりからしてどこぞの用人あたりであろう。 歳といい、武士としての格といい、奉行よりうんと下のはず。 しかし、重吾は、 (……なんと、きれいな土下座であろうか) 風で桜の舞い散る中、奉行の姿に見惚れていた。 まるで茶道の名人か、あるいは剣の達人のする謝罪ではないか、と――。 小悪を剣で斬る同心、大悪を土下座で斬る奉行の二人組が、江戸城内の派閥争いがからむ難事件「かんのん盗事件」「竹五郎河童事件」に挑む! そして、いま土下座の奥義が明かされる!! 小野寺重吾……北町奉行所の廻り方同心。あだ名は「しゅうとめ重吾」。 牧野駿河守成綱……北町奉行。江戸城内で「どげざ駿河」と呼ばれる。 八重……重吾の妹。「黙っていれば小町」と囁かれるほどの美形。 遠山左衛門尉景元……南町奉行。人呼んで「いれずみ金四郎」。 財前孝三郎……南町奉行所の廻り方同心。周りは「花がら孝三郎」と呼ぶ。 夜目鴉の菊……関八州を股にかけた大盗賊。 -
レストア家族
壊れた家族と潰れかけている工場の再生物語。 ある日、ヤハギ自動車商会の社長・矢作雄造のもとに女性と男の子が現れた。交通事故で亡くなったひとり息子・秀一の元嫁・裕子と孫の悟だ。悟を連れて実家に戻ってから八年もの間、ずっと顔を合わせていなかったのに、今さらなぜ? 話を聞けば、雄造と一緒に働きたいという。元夫がなぜあれほど車好きだったのか、どうしても知りたくて、専門学校に通ってまで、自動車整備士の資格を取ったらしい。裕子と悟を受け入れた雄造だったが、実は工場の経営は危機的状況にあって……。 雄造の弟でライバル会社を経営する敬司の妨害、友達のできない悟の小学校生活など、次々と困難が降りかかる雄造と裕子。 力を合わせるふたりを見て、工員の鈑金名人・荒井鉄也とミュージシャン・弘中恵、そして、元工業高校教師の芝田紀文が奮闘する。 家族と工場再生の感動物語。文庫書き下ろし。 -
小栗上野介抹殺と消された「徳川近代」 ~幕臣官僚がデザインしたもう一つの維新~
徳川が構想した「近代」があった。 元号が明治に改元される5か月前、幕臣小栗上野介忠順が新政府軍に取り調べを受けることなく斬首されるという事件が起こった。後に大隈重信によって「明治政府の近代化政策は、小栗忠順の模倣にすぎない」とまで称された逸材である。 万延元年(1860)、小栗は、日米修好友好条約の批准書交換のために派遣された徳川幕府遣米使節の目付としてアメリカを訪れた。そこで目にしたのは工業化、近代化が高度に発展した大国の姿だった。小栗は、工場で手にした一本のネジとともに帰国。日本の近代化に着手する。横須賀に製鉄所、築地に日本で最初の本格的なホテルを建造し、さらには近代的な陸軍の創設にもかかわった小栗の歩みを照射することで、幕臣らによって進められていた「徳川による近代化」の全貌をひもといていく。 さらに、咸臨丸でアメリカに渡った遣米使節の一員だった秀才・小野友五郎など、ニッポン近代化の礎として活躍した幕府のテクノクラートの足跡を辿り、なぜ彼らの功績が埋没したかを検証。抹殺された歴史の真実を解き明かす。 ※この作品は単行本版『消された「徳川近代」明治日本の欺瞞』として配信されていた作品の文庫本版です。 -
緑の花と赤い芝生
だれかにはなれない、永遠に。 大学院を修士課程まで修了し、大手飲料メーカーに勤めて独身のままキャリア街道をひた走る今村志穂子。本音を隠してでも夫や姑と「理想の家族」を築いていきたい桜木杏梨。まったく異なる27年間を生きてきた二人が、とあることをきっかけに一つ屋根の下で暮らすことになる。微塵もわかり合えない二人は、うまくいかないことがあるたびに苛立ちを募らせる。自分にとって本当に居心地の良い場所は、自分が素でいられる場所は、いったいどこにあるのだろう。家、職場、友達、恋人……それとも実家? 思い悩むたびにお互いの姿を思い浮かべるようになった彼女たちは、誰のためでもなく自分のための答えに辿り着く。解説は、作家の寺地はるなさんです。 -
うらさだ
デビュー50周年を彩る豪華面々のさだ論! さだまさしの「うらの顔」を知る知識人たちによる「さだ論」が待望の文庫化! デビュー50周年特別企画として、グレープの吉田政美が結成と解散にまつわる裏話や再結成をめぐる悲喜こもごもを初披露! コンサート回数は日本一の4600回超。作った曲は600曲以上。著書はベストセラー。かつて背負った借金は35億円。 何より「さだまさし」によって人生が変わったという著名人は多い。 彼らの証言から「さだまさしの秘密」を探る。 案内人は寺岡呼人。 主な内容は以下の通り。 ●笑福亭鶴瓶×立川談春 「談志も嫉妬したトークの腕」 ●高見沢俊彦 「しゃべりにギターをつけさせられた」 ●鎌田實 「『病』を世間に伝播させている」 ●小林幸子 「『小銭ならある』と楽しませる人」 ●ナオト・インティライミ 「アラファト議長との共通点」 ●カズレーザー 「焼きたてのトーストみたいな存在」 ●泉谷しげる 「個人的な『ため息』を表現」 ●レキシ 「破天荒な生き方は初期衝動のため」 ●若旦那 「さだまさし=親父」 ●堀江貴文 「『1兆人に1人』のレアな価値」 NHK『生さだ』の「テレビじゃ言えないうら話」も収録! ※この作品は単行本版『うらさだ』として配信されていた作品の文庫本版です。 (底本 2023年7月発売作品) -
ラーメン らーめん ラーメンだあ!
あなたの心を潤すラーメン小説、召し上がれ。 うだつのあがらない営業マン、青木義昭は38歳にして独身である。最低限の生活を維持するためだけに会社に通い、リストラもちらつかされている。生き甲斐は一つ、ラーメン食べ歩きだ。 ある日、人目を避けるように佇むお店「おおきた」で、運命の一杯に出会う。スープは限りなく澄み、数切れのメンマと厚みのある炙ったチャーシュ、さらには4種の葱が浮かぶ。純手打ちの中細の麺はしなやかな弾力と、豊かな小麦粉の風味と甘みを感じさせた。 旨い!!! この日を境に恋も仕事も、人生が一変する。青木は、「おおきた」で生まれた縁から、居酒屋チェーンの新ラーメン開発に携わることになったが――。 これまでに9800杯以上のラーメンを食したという「ラヲタ」(ラーメンオタク)の著者が書き上げた本作は、ラーメン小説でありながら、サラリーマン小説でもある。 〈住民票は会社に置くけれど、本籍はラーメンにある。これは相当の覚悟がないとできないことだが、そんなことは億尾にも出さず、淡々と趣味を真っ当する。(略)青木の言動を見ているとそれがサラリーマンの新しいスタイルだと思ってしまうのだ〉――dancyu編集長・植野広生氏(解説) -
ウシジマくんvs.ホリエモン カネに洗脳されるな!
最強タッグによる「ヤバすぎ」人生指南本! 裏社会の最恐経営者ウシジマくんと、希代の実業家ホリエモンによる「異色のコラボ作」が待望の文庫化! 「奪(と)るか、奪られるか」――弱肉強食の色合いが日に日に濃くなる現代社会。人生の岐路に立つ人々が「奪られる側」ではなく、「奪る側」になるために必要なこととは!? ベストセラーのダークヒーローマンガ『闇金ウシジマくん』の個性豊かな登場人物たちが、作中でふと漏らす言葉の数々から、ホリエモンがこの世の「絶対の真理」を読み解き、人生をより良い方向へと導くための具体的な方策を過激に提言!! ●小利口になるな、バカになれ! ●先生や上司の教えを疑え! ●デキない仲間は切り捨てろ! ●働くな、遊べ! …etc. ホリエモン的「最強の生き方」と、ウシジマくん的「最恐の稼ぎ方」に、意外な共通点があった!? さらに、文庫オリジナルとして、『闇金ウシジマくん』作者・真鍋昌平氏とホリエモンの対談を特別収録! 大人気コミックの製作秘話や新時代の稼ぎ方など、ここでしか読めないウラ話が満載!! ※この作品は単行本版『ウシジマくんvs.ホリエモン 人生はカネじゃない!』の文庫版となります。 -
十津川警部 南紀オーシャンアロー号の謎
トレインジャックした主犯の男の正体は!? 京都を出発した特急オーシャンアロー17号。その列車には、次期駐日大使のウィリアム・コテッティ、その夫人と娘、それに白浜に向かう十津川警部の妻直子と叔母の美津子も乗車していた。異変に気づいたのは、美津子だった。停車予定の天王寺を通過したのだ。直子は、十津川警部からの電話でそれを告げた。 そして、犯人と称する男が外務省に電話をしてきた。神木昌幸とそのグループと名乗り、トレインジャックしたとしてコテッティ一家の身代金として日米両国で合わせて10億円、ほかの100人を超す乗客乗員の身代金として、JP西日本に対して10億円を要求してきた。 そのうち、その列車には生け花の小暮流家元、小暮龍園が乗車していること、主犯格がフランスの外人部隊にいて、ギニアで政府軍に雇われて反政府ゲリラと戦っていた高木健介という男であることがわかった。そして、アメリカ政府は、ギニアのアメリカ大使射殺は高木の仕業と見ておりアメリカ軍も動き出してきた。さまざまな思惑が錯綜する中、十津川は犯人逮捕と乗客の安全確保の双方ができるのか――。 クライマックスまで一気読みの、スリリングな長編ミステリー! -
林真理子の源氏物語シリーズ
林真理子、衝撃の『源氏物語』新解釈! 帝の子として生を受けた主人公、光は、生まれたときから“みたこともない美しい若君”と呼ばれ、宮中の女性たちの脂粉に囲まれて成長する。幼くして母と死に別れた後、臣籍に降下され源氏の性を与えられた光。やがて左大臣の娘、葵の上と結婚するが、その頃から様々な身分の、様々なタイプの女性たちとの関係に明け暮れる。そしてついには、母に生き写しといわれる、父=帝の妻、藤壺とも関係を持つに至った光。その藤壺が産んだ子は・・・幼い頃の光に、うりふたつであった。 平安時代中期の京都を舞台に描かれた、紫式部による、世界最古にして最高の恋愛大長編小説を、恋愛小説の神様=林真理子が再構築し、現代的アレンジを加えることによって誕生した“小説版源氏物語”の前編。原書での第一帖「桐壺」から第十三帖「明石」までを中心に構成。 これまで、日本文学史上の数多の文豪が手がけてきた“源氏物語の訳”ではなく、大胆な章立ての変更。さらには、本来登場人物のひとりにすぎなかった六条御息所の“ひとり語り”という革新的手法を用いることによって、世界的古典文学の名作が、現代人にとってリアルに楽しめる、光源氏を巡る性愛の一大活劇となった! -
赤道 星降る夜
真実から生まれた、命の重さを問う人間賛歌。 ブラック企業に追い詰められ多額の借金を背負った達希(27歳)は発作的に飛び降り自殺を図り、15年前に死んだ祖父の霊に助けられる。祖父は生前心残りの「人探し」を一緒にすることを条件に隠し財産で借金の肩代わりを提案。 そこから祖父の霊とのボルネオへの旅が始まる。そこで出会ったのは、個性豊かな人々と悲惨な戦争の記憶。将校でも戦闘機乗りでもない大多数を占めた一般兵士の彼らの戦死とは、飢えや伝染病で命を落とす悲惨なものだった。 やがて一行は赤道の街に到着。そこには、この旅に祖父が託した本当の目的が隠されていた。今まで決して口にすることのなかった、「知られざる謀略事件」とは・・・・。そして、そこに隠された,祖父の過去にまつわる真実とは・・・・・。 -
運命のひと
忘れ得ぬ人と映画の思い出を叙情豊かに描く。 岩瀬修は63歳。今は文具会社の経営陣に収まっている。彼には、昔夢中になった任侠映画にまつわる忘れられない思い出があった。初めて観たのは中二のとき。すぐに高倉健のファンになった。映画を観たいがために稼業の飲み屋を手伝うようになり、周囲からはヤクザと煙たがられている中間のおっちゃんと仲良くなる。そして、心臓が悪い従姉妹の弥生が、近くの県立病院に入院してきた。学校に通えない弥生のために、修はプリントなどを届けに行くようになった。弥生は優秀で本好き、しかも絵を描くのが抜群に上手い。ケンカもしながら、親しくなっていく。任侠映画と二人との出会いを経て、修は大学進学のため東京へ――。人生の荒波に漕ぎ出し始めた。 任侠映画に、そして主人公達に夢中になった青春時代。たかが娯楽映画、でもそうではなかった。あの頃の出会いがあって、今の自分がいることを、切ないエピソードとともに感じるのだった。 ノスタルジックでハートウォーミングな、小説版『ニュー・シネマ・パラダイス』! ※この作品は過去に単行本として配信されていた『銀幕の神々』 の文庫版となります。 -
小森谷くんが決めたこと
余命2か月と言われて生き残っちゃいました。 波瀾万丈な人生を送ってきたドラマの主人公のような人物ではなく、どこにでもいる普通の男子の物語を書いてみよう――。 作家との話し合いの末、編集者が連れてきたのは三十代前半の会社員。しかし、話を聞いてみると、彼の半生はちょっと普通とはいいがたいものだった。 愉快だった小学生時代。暗黒面に落ちた中学生時代。悪友とのおバカな高校時代。美容師の女性と初めてきちんとした交際をした大学時代を経て、紆余曲折の後、憧れの映画会社に就職が決まる。 しかし、そんなある日、彼は余命2か月、末期がんであることを告げられてしまう。 -
未完の贈り物 「娘には目も鼻もありません」
衝撃の話題作、ついに文庫化! 〈誕生〉 2003年、ニューヨークの産院で生まれた長女・千璃(せり)ちゃんは、いくつもの障害を持っていた。 〈葛藤〉 目、鼻、脳、心臓の相次ぐ検査。先の見えない中、両親は周囲の人々の反応に深く傷つくこともしばしばだった。 〈試練〉 生後10ヶ月で、目の中に義眼を入れるスペースを作る器具を入れる手術を受けて以来、千璃ちゃんは小さな体で8年間に26回の手術を繰り返すことになる。見えない、歩けない、話せない娘を育てながら前向きであり続ける母の、胸を打つ闘いの記録。 -
千の命
江戸時代多くの命を救った男を描く傑作小説。 元禄十三年、二百石取りの彦根藩士の家に生まれた玄悦は母に厳しくされ、自分が実の子ではないと感じていた。下働きの八重が突然いなくなり、やがてその後呼ばれて八重を訪ねていくと、八重はおなかの子が出てこられずに苦しんでいた。八重が生みの親とわかった玄悦だったが、八重は亡くなってしまう。医者を志したが許されず、玄悦は独力で鍼や按摩の技術を習得し京都に出る。 そして同じ長屋の女性が八重と同じくお産で苦しんでいるのを見て、自らの技術で女性の命を救った。玄悦の技術は評判となり、自ら回生術と名付けた。また夜鷹など行き場のない女性が滞在するための家を借りた。一方、亡くなった胎児を時に傷つけ引きずり出すことを批判され、子供は苛められた。 ある日、商家の妾が難産でひどい扱いをされているのに激怒した玄悦は、その女性・お糸を引き取った。玄悦は、お糸にこれまでの女たちにはない感情を抱くようになる…。 上手くいかない三人の子供との関わりや妻のお信やお糸とのことに悩みながらも、多くの命を救った。山脇東洋を始めとする一流の医者たちからも、その技術を認められるようになった男の熱き生涯を描いた傑作小説。 -
二度めの夏、二度と会えない君
2017年9月1日公開映画原作本! 突如転校してきた森山燐は不治の病を患っていた。 俺は彼女と共に、ライブを演り、最高の時間を共に過ごし…そして、俺は燐を失った。 俺に残されたのは、取り返しのつかない、たったひとつの後悔―決して伝えてはいけなかった言葉。 俺があんなことを言いさえしなければ、きっと燐は最後まで笑顔でいられたのに…。 二度めの夏。タイムリープ。 俺はもう一度燐と出会う。 ひと夏がくれたこの奇跡のなかで、俺は自分に嘘をつこう。 彼女の短い一生が、ずっと笑顔でありますように…。 映画化記念・書き下ろし短編「はじめての夏、一度めの花火」収録!! 本作の主役には数多くの作品に引っ張りだこの若手実力派・村上虹郎。 ヒロイン役にはパワフルなライブパフォーマンスで唯一無二の存在感を放つ吉田円佳(「たんこぶちん」Vo&Gt)。 その他、AKB48の次期エース候補の呼び声も高い加藤玲奈。 モデル・女優と幅広く活躍する金城茉奈。 映画・テレビドラマに出演作が目白押しの山田裕貴。 と、フレッシュなキャストが集結! 彼らの教師役に本上まなみ、そしてメンバーが通う楽器店の店主役として菊池亜希子がスクリーンを彩る。 二度と来ないひと夏を彩る、青春ストーリーの決定版(2017年8月発表作品)! -
おれたちを笑え! わしらは怪しい雑魚釣り隊
ザコを求めて南へ北へ。 爆笑人気シリーズ!! 若狭だ奄美だ四万十だ! 結成から10年。隊長・椎名誠率いる雑魚釣り隊はテントかついで南へ北へ、ザコを求めて今日も行く。 今回狙うはカンパチ、アマダイ、マグロにヒメマス・・・・・・。おいおい、雑魚はどこいった。あげくの果てにはバリ島のフィッシングトーナメントにまで出場してしまう。 掟破り、身の程知らずの男たちを待ち受ける運命やいかに。 バカさ全開! 大人気爆笑釣行記シリーズ!! 【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 -
絶望に効くブックカフェ
心が救われる、最強のブックガイド。 1900年前のローマ皇帝が綴った孤独から、ドストエフスキーの描いた嘘、カフカの渇望、そして村上春樹の自画像、角田光代の家族、吉田修一の恐怖まで、最近出版された本と、古典と呼ばれるものを2冊併せ読む書評エッセイ。『セックスボランティア』で鮮烈なデビューを飾り、『ウスケボーイズ――日本ワインの革命児たち』で小学館ノンフィクション大賞を受賞した著者の、人間の深部を見つめる鋭い視点で、100冊の名著の魅力が語られる。 「古代から書かれ、読まれ、受け継がれてきた本。いつもそこには同じ絶望を持った人がいる。人が生まれ、絶望し、希望を持ち、死んでいく。幾億回繰り返されてきたその営みに、私たちは支えられている。間違いなく、絶望に効く何よりの特効薬は本である。ようこそ、絶望に効くブックカフェへ」(「はじめに」より) -
ビートルズを呼んだ男
ビートルズを日本に呼んだ伝説の男とは。 「彼みたいな男が本当の日本人だ」とポール・マッカートニーが評価した伝説のプロモーター、永島達司。1966年に武道館で熱狂のコンサートを行ったビートルズを日本に呼んだ男が彼だった。米軍回りのバンドのマネージメントから始め、ナット・キングコール、ルイ・アームストロング、ボブディラン、カーペンターズ、イーグルス、マドンナ、マイケル・ジャクソンまで。世界の最高峰のミュージシャンの来日を成功させた男の人生を追って、ノンフィクション作家野地秩嘉が国内外を徹底取材。ポール・マッカートニーの独占取材も収録。ビートルズ来日50周年記念刊行の傑作ノンフィクション。(2017年4月発売作品) -
ポケットに物語を入れて
〈本〉が〈物語〉が、私たちを呼んでいる。 《新刊書店で、あるいは古本屋で、作者も作品名も聞いたことがないのに、興味を引かれる本に出合ったとする。その本は確実に私を呼んでいる。手にとってしまう。レジに持っていってしまう。帰りの電車のなかで読み出して、びっくり仰天する。著者もタイトルも知らなかったことが不思議に思えるほど、自分にぴったんこの本なのだ。》 ネットよりもリアル書店を愛する著者が、心に残る本の数々を紹介する見事な読書案内。 宮沢賢治・太宰治から開高健・池澤夏樹に始まり、佐野洋子・山田太一、そして江國香織・井上荒野まで、「思わず読みたくなる」名エッセイ50篇を収録。 -
スープの国のお姫様
謎解き×薀蓄が美味しい6皿のスープの物語。 元料理人の僕は、別れた恋人から奇妙な仕事を紹介される。それは、湘南に建つ古い屋敷で、一人暮らしの高齢のマダムのために、毎晩一杯のスープを作ること。報酬は破格だった。 屋敷で、僕はマダムの孫娘である風変わりな美少女・千和に出会う。両親を事故で失くした千和は心を閉ざしていたが、母の遺した料理本を愛読し、古今東西の料理について膨大な知識を持っていた。幼い頃に母と離れ離れになった僕は、千和に自分と似たなにかを感じ、二人は少しずつ心を通わせていく。 終戦後に食べた想い出のポタージュ・ボンファム、ビールのスープ、画家ロートレックが愛したスープ、偽ウミガメのスープ、せかい1おいしいスープ……。僕と千和は力を合わせて、無理難題のようなリクエストのなかに隠された“謎”を解いていく。 そしてついに僕は、ずっと探し続けてきた「母と最後に食べた想い出のスープ」の手がかりを見つけるが――。 哀しみから再生し、明日を向いて歩む力をくれる6皿のスープの物語。 -
大脱走
「オケ老人!」作者が描く新しいお仕事小説。 中堅よりやや落ちるレベルの女子大を卒業した片桐いずみは、就活で大苦戦し、ようやく住宅リフォーム会社に内定した。しかし、入社早々、理不尽に怒鳴りまくる部長・大木田の姿を目にして生ぬるい空気が一変する。 それから、3年。なんとか社内でのポジションをキープしながら鬼の飛び込み営業を続けていたある日、片桐に新人の部下が付く。だが、これが、前代未聞のとんでもないやる気のない男だったのだ。連日連夜、超絶無気力新人・俵の教育に骨を折るものの、一向に改善の余地は見られない。業を煮やした大木田はある策に出るのだが――。 -
いつの日も泉は湧いている
1969年高校生も政治の季節を生きていた。 6年ぶりに連絡をとった冨士真生子は、ニューヨークでの生活を引き払い、3週間前に帰国したばかりだった。中南米を舞台に報道写真を撮り続けてきた彼女だったが、折から東日本大震災が起きると、旧交を暖める間も無く、現地に飛んだ。9か月にわたる取材成果を披露する会場に現れた彼女はすっかり痩せて、人生の重大な局面に立たされていることを感じさせるのだった。 真生子とは、いまから40年以上も前、高校生の時に出会った。当時学生運動の波は高校にまで押し寄せてきており、彼女は市内の女子高に通う1学年上の活動家だった。そして、15歳のぼくは、彼女に淡い恋心を抱いていた。 ぼくは綴る、彼女の命を見つめながら、悲しみと痛みにみちた青春の日々を、そして輝ける人生の瞬間を。 -
黒幕 巨大企業とマスコミがすがった「裏社会の案内人」
情報フィクサー“兜町の石原”とは何者か。 借金の取り立てで住吉会に囲まれ、検察の予定調和捜査に噛みつき、リクルート江副浩正に意見し、内調と警視庁になぜか頼られ、中川秀直愛人醜聞では右翼と共闘し、『噂の眞相』に助け船を出し、銀座のクラブに巨費を落とす。 ――こんな男が実在した! 情報誌『現代産業情報』発行人・石原俊介は、メディアには絶対に出てこなかった「陰の情報フィクサー」。腕と度胸で成り上がっていった男の封印された半生を、気鋭のジャーナリストが初めて明らかにする! 日本の裏面史をあぶり出す傑作ノンフィクション、ついに電子化! -
ルドヴィカがいる
言葉の迷宮と異境を体感する超感覚ミステリ。 だめだ。ダサい。この文体は美学的に許せない――。 小説家の伊豆浜亮平は文体や言葉づかいに独自のこだわりを持っている。ただ、この5年間はヒット作にめぐまれず新作刊行の見通しも微妙で、3年前から始めた女性誌のライター業でなんとか食いつないでいた。世界的な天才ピアニスト荻須晶へのインタビュー取材をきっかけに、そんな小説家が出会ったのは、独特の話法で言葉を操る不思議な女だった。 初めて遭遇した場所は、軽井沢にある荻須晶の別荘近く。純白のワンピース姿で森の中を一人でさまよう彼女は、薄い唇を開いて確かにこう言った。 「社宅にヒきに行っている人とその恋人の方ですね。ラクゴはミています」 社宅にヒく? 引く? 牽く? だめだ、まるで意味がわからない――。 彼女の話す言葉にどんな意味があるのか、そもそも彼女はどうしてそんな話法を駆使しているのか。混乱する小説家をよそに、彼女の言葉はつづく。 「私はその中心を走っていたところです。将来、社宅で打ち合わせしますね」 言葉の迷宮をさまよう小説家は、やがて執筆中の小説の内容にも通底した“もうひとつの世界”に導かれてゆく。――著者真骨頂! 異境を体感する超感覚ミステリ長編! -
極卵
食の安全を問い糾す、衝撃ミステリー作品! 天使の卵か悪魔の卵か……。 吉祥寺にある有名自然食品店で売られている卵は、極上の味、『極卵(ごくらん)』と呼ばれて大人気の商品だった。しかし、この極卵を原因とする、食中毒事件が発生。時間がたつうちに幼児の感染者が次々に死亡していく。餌、衛生管理は完璧だったはずなのになぜ汚染されたのか。 疑惑を追い始めた元新聞記者の瀬島桐子。桐子の同級生だった野々市純子の長男も中毒患者のひとりに。純子はカリスママダムといわれブログ上では著名な存在だった。被害が拡大していくなか、過激なまでに業者を糾弾していくモンスター消費者の広告塔に祭り上げられる純子。話題性抜群と、事件を煽る新聞、テレビメディア各社。そして事件の裏には遺伝子組み換え食品を手がける大企業の影が……。 偽装食品、遺伝子組み換え食品など時代を揺るがす事件が多発する現在、食品の安全とは何かを鋭くえぐる社会派ミステリーの登場。「これは、私の最高傑作」著者仙川環が言い切る傑作ミステリー作品。 -
大江戸恐龍伝
龍に導かれた平賀源内の時空を超えた冒険譚。 物語の発端は、明和八年(1771)。平賀源内がゑれきてるを世に送り出す5年前のことである。時に源内44歳。高松藩を脱藩し自由の身となっていた源内は、大嵐のなか、肥後で巨大な龍骨化石に遭遇。その存在を暴こうと野心に燃える。 同じ頃、遠州沖で一隻の船が遭難した。船頭たちは、漂流してやっとたどりついた島で、見たこともない巨大な爬虫類に襲われてしまう――。 その後、大坂で円山応挙とともに龍の掌を見に行った源内は、それを祭る寺の法主から、その昔、龍の掌を龍宮から持ち帰ったという男の話を聴くことになる。 京で若き日の鬼平・長谷川平蔵や上田秋成にで会い、この頃から、源内は龍に導かれるように、不思議な事件に巻き込まれていくのであった。 構想から完結まで20年の超大作。全六巻の一、二を同時刊行。 -
闇を叩く
人気アーティストの知られざる下積み時代! ドラムを叩きながら歌うという独自のスタイルで世の中の度肝を抜き、いまも変わらぬハイトーンボイスで人気を誇るアーティスト、稲垣潤一。小学校時代、初めて聴いたビートルズに衝撃を受けて音楽に目覚め、以来、中学、高校とバンド活動に明け暮れたといいます。 そんな稲垣少年は高校卒業後、就職先を1日で辞めて地元・仙台で「ハコバン」――キャバレーやディスコなどで生演奏するバンド――の世界に飛び込みました。 ハコバンは、プロではありますが、あくまでローカルでマイナーな存在。いくら実力があっても、必ずしもメジャー・デビューできるとは限りません。挫折し、傷つき、それでも前を見据えて一歩一歩歩んでいく姿を、懐かしの洋楽ナンバーとともに描いていきます。 -
華の人
明治大正に生きた名門窯元夫人の鮮烈人生。 有田焼が誕生してから2016年で400年目。その節目を前に、名門窯元に嫁いだ女性の鮮烈な生き方を描く。 東京の女学校に通うモダンガールが大恋愛の末に嫁いだ先は皇室御用達の名門窯元だった……。 大正13年に佐賀県有田町の駅に降り立った一人のモダンガール。手にはバイオリンを携え真っ赤な薔薇のコサージュをつけた幅広の帽子をかぶっていた。 「それはまるで天使が降り立ったようだった」 と町の人は噂した。 旭川の実業家の家に生まれ、東京の女学校で学ぶ敏子。恋に落ちた相手はパリ万博で金賞の栄誉に輝いた名門窯・深川製磁の2代目だった。女学生の身で妊娠。そして21歳で有田の深川家に。自由奔放な生き方を愛する彼女と激動の時代ゆえの試練。薔薇のように華麗に生きた彼女の31年の生涯を感動的に綴った小説。 人気エッセイスト伊藤緋紗子氏が執筆した初の小説作品。 -
おれたちを笑うな! わしらは怪しい雑魚釣り隊
抱腹絶倒釣行記、大人気シリーズ! たとえ小さな雑魚でも百匹釣れれば雑魚鍋だ! 椎名隊長率いる雑魚釣り隊は、今日も釣り竿かついで東へ西へと飛び回る。 狙うはゴマサバ、アイナメ、イカにタコ。もちろん雑魚は大本命。 堤防カラアゲに絶叫し、死に辛ソバでアヒアヒ化しながらも、男たちは釣り雑誌からのリストラ通達や、韓国・済州島のサバイバル釣り、真冬の海浜強化合宿といった試練に立ち向かっていく。 焚き火とビールの黄金時間に響き渡るのは、大漁を祝う歓喜の歌か、はたまた、ボウズを嘆く泣き声か――。 抱腹絶倒の釣り紀行。 【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 -
がんフーフー日記
佐々木蔵之介×永作博美出演の映画原作! 長年の友人関係にあったふたりは、09年3月に入籍。川崎に新居を構えた。そして1か月後の4月に妊娠が発覚。どこにでもあるような新婚生活を過ごしていた。 ところが、体調不良を訴え続ける妻が検査を受けた同9月、腸に悪性の腫瘍があると、告げられる。リンパ節の転移もあり、第3期だった。そして妊娠9月目で、帝王切開で長男を1481グラムで出産。その後、妻の病状は、徐々に悪化し、抗がん剤治療などの副作用に苦しみ、実家の福島県いわき市に戻る。 友人たちのサプライズパーティーなどもあったが、10年7月に38年の生を閉じた。 「こんな闘病記があったのか」という読後感を思わず覚えてしまう、妻の最期を夫が描き取った「10か月の生の記録」。 -
満天の星と青い空
人気漫画家が描く「あれ」がない世界! 巨大な隕石が地球を襲う--。科学者は滅亡以外の選択肢を予見できなかったが、地球は奇跡的に、難を逃れた、かにみえた。 しかし、それは、かつてないレベルで金属を分解してしまう極小のバクテリアを地球上にもたらしてしまった。 修学旅行で京都を訪れていた沼田高校の生徒たちも、大パニックに巻き込まれる。そんななかで、ひとり、浮いている男がいた。真吾は、何を考えているのかわからない、喧嘩がメチャ強い男だが、一度も自分の心が「ドキドキしない」ことに不思議な気持ちでいた。 それは、未曽有の危機的状況においても、変りはなかったのだ。しかし、同じクラスの小動物のような女子、鈴音になぜか心を動かされてしまう。 みんなで自宅へ帰るべく、生徒たちは東へと進路をとるが、思わぬ出来事が彼らを待ち受けていた。 -
当選請負人 千堂タマキ
本邦初!?の選挙エンタテインメント小説。 就職が決まらず落ち込んでいる阿部まりあは、千堂タマキから誘われて市長選のボランティアをすることになった。タマキは選挙プランナーで、今回無所属で二度目の挑戦になる鈴木眞寿候補からの依頼を受けていた。対立候補は、親子二代で市長を務める現職の辛島一郎。 選挙戦は、投票日までわずか10日間。 タマキは、まこと候補の演説の手の使い方から、演説で何を争点にするか、どこを訴えるのかなど、事細かに指導していく。 そのうちに、経理担当の女性が突然事務所に出てこなくなる。すぐに、彼女の名前で事務所に宅配便が届く。中身はいったい? また、応援している鈴木まこと候補と同姓同名とほとんど同じ、「鈴木マコト」という第3の候補者が立候補してきた。彼女は、キャバクラ嬢でまこと候補との交際疑惑が!? さらには、人気の前総理が辛島市長の応援演説にくるという情報が。 次から次へと訪れるピンチの連続に、タマキは巧みな対応で、プラスの方向に持って行く。 選挙の面白さ、難しさ、楽しさを全編を通して描いた、本邦初!?の選挙エンタテインメント小説。 -
チャイナリスク ある邦銀の挑戦(小学館文庫)
【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 40年前ロンドンから一人の銀行マンが香港に降り立った。「香港支店を開設せよ!」。ここから中国進出の足がかりを得た三和銀行(のちの東京三菱UFJ銀行)は、その後10年にわたり、香港、深セン、広州、北京、上海へ現地取材を繰り返し、200人近い関係者へのインタビューを敢行した著者渾身のビジネス・ノンフィクション。中国ビジネス成功への鍵がここにある。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。 -
あやかしの小瓶
水底に沈んだ少女の名に始まるミステリー。 大ヒットした『偏差値70の野球部』の著者のデビュー小説集。 大正14年のある夜、「私」の祖父が住む秩父郡峰伊那村でダムが決壊、「波多野岬」という名の少女が犠牲になる。事故の翌年、祖父の家の納屋から、彼女が生前に祖父へ送った手紙を私は見つける。そこには、未来・過去・現在を定義する「クラウス曲線理論」なる小文が綴られていた。波多野の死にこだわる私は、波多野と同じ名を持つ少女「間中岬」とともにダムへと向かう。――ダムに沈んだ少女は、何を見ていたのか? 現実(うつつ)と幻想(あやかし)、「語り」と「騙り」の間を往還するミステリー「あやかしの小瓶」。 帝大を卒業したものの、不景気のあおりで定職に就けず、高等遊民(=フリーター)として毎日を無為に過ごす「ぼく」。酔い潰れた深夜、ぼくは中年男に拾われ、神田花町の居酒屋で丁稚になるが、恋人の「チヒロ」に打ち明けることができずにいた。やがて、居酒屋の入ったビルの取り壊しがニュースとなり、ぼくは得体の知れない波風に翻弄されはじめる。近代文学の香り漂う青春小説「簡単な生活」。以上2作を収録。 -
オウム裁判傍笑記
この裁判、あまりに面白すぎて、酷すぎる! オウム真理教が引き起こした一連の事件は日本中を震撼させ、前代未聞の犯罪を裁く「世紀の法廷」は、1996年4月、全国民注視のなかで開廷した。しかし、そこで繰り広げられたのは、あまりにも不可解で、あまりにも喜劇的な光景だった。そのとき、教祖はいかに振る舞い、弟子たちは何を語り、弁護人はどこにいて、裁判官は何を裁いたのか? そして、遺族が訴えたこととは? 8年間にわたり裁判を傍聴しつづけた著者が真実の法廷ドラマをつぶさに綴る! -
金脈 The OILSHOCK!
あの『下妻物語』の感動を再び! 西海岸のようにノーテンキな晴れ空。GRATEFUL DEADの『BOX OF RAIN』が流れている。空の下には開拓地を思わせるだだっぴろい荒野があり、畑があり、大草原の小さな家みたいな家がある。荒野には井戸のようなボーリング施設があるが、それらは全てツギハギの粗大ゴミを集めて作られた代物である。 その井戸の袂に、煙草をふかす老人。髪は長く、髭をはやし、サイケなチュニック姿の老人のその姿は明らかにヒッピー・スタイルだ。老人の横を首輪もない犬が何匹も走り、吠え、往来しているが老人はまるで頓着していない。老人が井戸を覗き込み「何をちんたらしている!」と怒鳴ると、井戸から泥まみれの少女がスコップと大量の土砂と共に出て来る。少女は採掘をしていたのだが、それに不適切なロリータ全開の身なり。少女は老人を思い切り蹴る。「ジジイ! 何で一人だけ怠けてるんだよ!」 少女の独白――「私は世界中で一番、このジジイが嫌いだ」 -
これで英語で旅行・留学できる
多くの人が英語を実際に使うことになるのが、海外旅行や留学です。「これで英語が使える!」シリーズの4冊目は、まさにこの2つがテーマ。旅行の準備、飛行機の搭乗から宿泊、そして美術館など各種のお出かけの旅行編。幼稚園から大学までの、勉強と試験から学校生活やクラブ活動などを網羅した留学編。さらには、旅先でのトラブルや、ドライブと病気・入院といった項目も加えました。簡単に覚えられる短文を多数収録。 目次 1.旅行 1:準備編、2:いざ出発、3:観光編/4.旅行先でのトラブル/5.ドライブ/6.運転・事故/7.幼稚園・小学校/8.勉強・科目/9.試験・受験/10.頭の良し悪し・評価/11.学校生活・行事/12.大学/13.クラブ活動/14.肌荒れ・アレルギー・日焼け/15.風邪・病院へ行く/16.病気・入院する -
これで英語で生活できる
「これで英語が使える!」シリーズ第3弾は、日常生活全般がテーマです。 朝起きてから、支度をして出かけて、帰宅してからくつろいで眠りにつくまで。トイレ・買い物・銀行・家事・子育てなどが、英語でできるようになりましょう。あいさつや天気の話、顔の表情やしぐさ、健康状態などのフレーズも多数収録しました。できるだけ会話を入れ楽しく読み進められるようにし、覚えやすいように短文を中心にしてあります。 目次 1.あいさつ・お礼・電話/2.天気/3.起きてから出かけるまで/4.通学・通勤/5.帰宅・家でくつろぐ/6.住宅事情・周辺の環境/7.銀行・借金/8.買い物に行く/9.家事/10.料理/11.家族・誕生日/12.子育て/13.子供の性格・しつけ/14.友達になる・喧嘩する/15.子供の遊び・ケガ/16.体型・体格・表情・しぐさ/17.健康状態/18.歯医者に行く/19.眼医者に行く -
太陽の村
漂着したのは、理解不能の村だった。 「この村の秘密をしゃべってはいけない」 父親の定年を祝うハワイ旅行の帰りに飛行機事故に遭った坂木龍馬。 目が覚めると、家族とは離れ、ド田舎の村に漂着していた。電気・ガス・水道なし! 車すら走っていない。そこで暮らすのは、金太郎に、桃太郎。おまけに弥勒菩薩像の仮面をかぶった男まで現れる始末。田おこしや年貢、人身御供に仇討ち? なんて言葉まで聞こえてきた。どうやら日本語は通じるが、一体ここは、どこなんだ。ひょっとして、タイムスリップしてしまったのだろうか。本当にどうする俺。 やがて、主人公を待ち受ける究極の問いとは? 「文明と未開」の間に揺れる青年を直木賞作家が描く。 著者新境地のノンストップ・エンタテインメント!! -
鳥かごの詩
特別付録、北重人エッセイを収録! 「人間生きていれば、消化しきれず心の奥に残してきたことの一つや二つはある」。 働くことも、生きることも、こんなに真っ直ぐだった。 時代小説に新たな地平を開いてきた北重人が描く、あの頃の風景、そこかしこにあった人情、そして青春。 昭和41年。東京は下町に、奇妙な新聞販売店があった。段ボールで仕切られた「鳥かご」と呼ばれる個室に住み込みで働くのは、風変わりな面々。配達先も癖のある住人ばかり。山形からやってきた受験浪人の康男は、初めての東京、仕事に悪戦苦闘し、恋や事件に巻き込まれていく。 “人生が動き出した時”を描いた、急逝した作家、渾身の青春譜。 -
覇王の轍
新幹線神話の虚実を暴く! 警察キャリアの樫山順子は、北海道警捜査二課長に突如、着任することになった。歓楽街ススキノで起きた国交省技官の転落事故と道内の病院を舞台とした贈収賄事件を並行して捜査するなか、「独立王国」とも称される道警の慣習にも大いに戸惑う。 鉄道・警察・官邸《魔のトライアングル》に埋もれた真実を、樫山は見つけ出せるか。ベストセラー『震える牛』『ガラパゴス』に連なる、待望の新シリーズが始動。 「いまや自民党政治そのものが崩壊しつつある。それを予言するかのような読後感を覚えた」――ノンフィクション作家の森功氏も絶賛! 「日本列島改造論」から半世紀、新幹線神話の虚と実―― ※この作品は過去に単行本として配信されていた『覇王の轍』 の文庫版となります。 -
犬飼ですが、猫しか診ません
猫専門医がトラブル発生のもと? 「犬はお断りだ」 具合の悪いチワワのチーちゃんを動物病院に連れて来た塩見厚子は驚いた。 獣医の犬飼倫人がまさかの塩対応。 どころか、「ぼくは獣医じゃない。いわば通訳だ、猫の」とまで言い放つ。 幼馴染で市役所職員の獅子丸綾乃によると、有能な猫専門医というのだが……。 大雪のため、避難所に仮設された動物病院で、次々と起こる不思議な事件。 アメショーモモちゃん脱走、チーちゃん行方不明、ミックス錆猫タッちゃん誘拐――。 猫を偏愛しすぎて人間コミュ障の犬飼が、戸惑う周囲を巻き込んで解決に奔走する。 猫と通い合う心に涙がこぼれる、ハートウォーミングな物語。 -
今夜、ぬか漬けスナックで
ぬか床に隠された、母のやさしい素顔。 何年も音信不通だった母が亡くなったという報せを受けて、瀬戸内海に浮かぶ島を訪れた槙生。職を失ったばかりの槙生は、自分より年下の母の夫・伊吹と出会い、しばらく家に住まわせてもらうことに。生前母が営んでいた「スナックかえで」を手伝いながら、祖母から引き継いだぬか床で漬けたぬか漬けを常連客たちにふるまううちに、槇生は母の意外な素顔を発見する。 「ぬか床の中には神様が住んでいて、優しく語りかけることで味がまろやかになる」──。 人生の悲しみも苦しみも、温かい島の風とぬか床の香りが癒してくれる。一編一編、読み進めるごとに心が温まっていく感動作。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『今夜、ぬか漬けスナックで』 の文庫版となります。 -
ゴールドサンセット
人生の黄昏を希望に変える温もり溢れる一冊。 人生は十人十色。悩みや悲しみ、後悔、生きづらさを抱え、傷つきながら進んでいく人々の姿の中に、希望と勇気を見いだす連作短編集。 中高年の劇団をモチーフに、その団員と周囲の人々の生き様を描く。 第一幕 ひろった光---同級生がいじめにより自殺。その事実に傷つきもがく少女が出逢う、隣部屋の老優。その奇妙な行動の果てには。 第二幕 金の水に泳ぐ---真面目に頑張って生きてきた40代独身女性。リストラと婚活に戸惑いながら、人生と自分を見つめ直して得た答えは。 第三幕 ゴールデンガールズ---定年後の男性。自分がかつてパワハラ、セクハラをしていた女性に偶然出逢うが……。痛快なラスト。 第四幕 なつかしい夕映え---老人の家を訪れる二人の若い男。その正体は一体?そして、珠玉の思い出とは。 第五幕 黄金色の名前---かつて女性の誰もが抱いていたつらさと葛藤を、女性ならではの目線で描ききる。 幕間 登場人物達が織りなす、出会いと絆。 終幕 ゴールド・ライト 老優の心に去来する悔恨に満ちた人生。そして戻らない深い愛。それでも生ききる強さ。 読後、生きること、歳を重ねることに前向きになれる作品です。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『ゴールドサンセット』の文庫版となります。 -
殻割る音
涙も愛も包み込む、奇蹟のオムレツ! 室本さくらは中学受験生の女の子。ある日、家庭科の調理実習で作ったスクランブルエッグが友人たちに絶賛されたことがきっかけで、料理の楽しさに目覚める。そんなさくらの母・泉は料理が苦手。「家でも料理をしたい」と訴える娘に、受験勉強と両立させることを条件に、母はしぶしぶキッチンを使うことを許してくれた。さくらの願いは「お母さんと一緒に料理をすること」。そのために、家族の思い出に残るオムレツを作ろうと決意する。プロが作るトロトロふわふわのオムレツを目指して孤軍奮闘するが、なかなかイメージ通りに作ることができない。両親へ料理を振る舞う日は、すでにさくらの中で決まっていた。その日に向け焦りが募るあまり、母とのある約束を破ってしまう。母の逆鱗に触れ料理禁止を言い渡されたさくらは意気消沈するが、祖母が作ってくれた温かな料理に心を揺り動かされ、もう一度挑戦してみようという気持ちを取り戻す。 さくらは受験勉強とオムレツ作りの両方をクリアすることができるのか。そして、母と一緒にキッチンに立つという夢はかなえられるのか。引っ込み思案な少女がその殻を打ち破っていく姿に、心が熱くなる成長物語。 -
八丁堀強妻物語
育ちがいいお嬢様には、秘密があったのです。 日本橋にある将軍家御用達の扇店・善喜堂の娘である千秋は、方々の大店から「是非うちの嫁に……」と声がかかるほどの人気者。 ただ、どんな良縁が持ち込まれても、どこか物足りなさを感じ首を縦には振らなかった。 そんなある日、千秋は常磐津の師匠の家に向かう道中で、八丁堀同心である芦川柳之助と出会い、その凛々しさに一目惚れをしてしまう。 こうして心の底から恋うる相手にようやく出会えたのだったが、千秋には柳之助に絶対に言えない、ある秘密があり――。 「取次屋栄三」「居酒屋お夏」の大人気作家が描く、涙あり笑いありの新たな夫婦捕物帳、開幕! -
さよなら、田中さん
中学生作家の圧巻デビュー作、待望の文庫化! 田中花実は小学6年生。ビンボーな母子家庭だけれど、底抜けに明るいお母さんと、毎日大笑い、大食らいで過ごしている。そんな花実とお母さんを中心とした日常の大事件やささいな出来事を、時に可笑しく、時にはホロッと泣かせる筆致で描ききる。今までにないみずみずしい目線と鮮やかな感性で綴られた文章には、新鮮な驚きが。 友人とお父さんのほろ苦い交流を描く「いつかどこかで」、 お母さんの再婚劇に奔走する花実の姿が切ない「花も実もある」、 小学4年生時の初受賞作を大幅改稿した「Dランドは遠い」、 田中母娘らしい七五三の思い出を綴った「銀杏拾い」、 中学受験と、そこにまつわる現代の毒親を子供の目線でみずみずしく描ききった「さよなら、田中さん」。 全5編収録。 巻末には、カバーイラストも担当している西原理恵子氏による文庫特別解説マンガを収録。また、20歳となった著者が自身のデビュー以降を振り返るエッセイも収録。この2編も見逃せません! ※この作品は単行本版『さよなら、田中さん』として配信されていた作品の文庫本版です。 (底本 2024年4月発売作品) -
かぎ縄おりん
この親子愛は私の理想――瀧本美織(女優)。 日本橋堀留の「駕籠清」の娘おりんは、番頭の祖母・お粂に早く婿を取り商売を継ぐようせっつかれている。しかし目明かしに憧れるおりんにそのつもりはなく、いざこざには真っ先に駆けつける始末だ。 ある日、「高砂屋」に元奉公人・平吉が人質をとって立て籠もった。目明かしの父・嘉平治や同心・磯部金三郎の目をかいくぐり、平吉が隠れる蔵に迫ったおりんは、隙をつき、得意のかぎ縄で罪人を捕らえたのだった。 その活躍に磯部はおりんを目明かしに勧めようとするが、嘉平治は娘の勝手な行動に激怒し、許さない。思わずおりんは本心を白状する。二年半前、嘉平治は神田明神の祭礼で何者かに足を刺され、今も左足を引きずるようにしている。目明しの親分として活躍していた嘉平治が悔しさを噛みしめる姿を見たおりんは、自分も捕物に携わり、いつか父の敵を見つけると決意したのだ。 娘の言葉を聞いた嘉平治は、翌朝、おりんを伴い磯部宅を訪れた。そして、まずは下っ引きとして務めさせ、目明かしにふさわしいか見極めたいと申し出る。おりんは父のあとを継いで、十手持ちになれるのか。時代劇の名手が贈る、痛快捕物帳、ここに開幕! -
いつでも母と 自宅でママを看取るまで
最愛の母を自宅で看取った、泣き笑い回想録。 直木賞作家・桜木紫乃さんが大絶賛! <一緒にお母様を看取らせてもらったような錯覚は、わたしがこれから行く道を照らしてくれるだろう。本書は、親をなくすという大切な儀式のテキストだ。>(文庫解説より) 元「食堂のおばちゃん」山口恵以子さんが松本清張賞を受賞して実質的な作家デビューを果たしたのは55歳の時。お見合いは43連敗、ずっと実家住まいの山口さんをいつも傍らで見守り、励ましたのが母・絢子さんでした。 そんな最愛の母が認知症になってから、自宅での介護、看取り、そして葬儀のことまでを温かな筆致で克明に綴った『いつでも母と』は、単行本発売時に大反響を呼びました。 文庫化にあたり、絢子さんの主治医でしろひげ在宅診療所院長の山中光茂先生との対談や山口さんの書き下ろしエッセイ、桜木紫乃さんの解説を新たに加えています。 山口さんは「はじめに」でこう綴っています。 <介護を体験した方や、現在介護中の方、大切な人との別れを経験した方にとって、この作品が少しでもお役に立てれば、あるいは何の役にも立たなかったけど「あまりのアホさ加減に思わず笑ってしまった」なら、大変幸せに思います。> ※この作品は単行本版として配信されていた『いつでも母と』の文庫本版です。 -
△が降る街
5分で読めて、あっと驚き、わっと泣ける。 「俺と麻里奈、付き合うことになったから」三人の関係を表したような△が降る街で、“選ばれなかった”少女が抱く切ない想いとは――?(「△が降る街」)。 「このボタンを押した瞬間、地球が滅亡します」自宅に正体不明のボタンを送り付けられた男に待ち受ける、まさかの結末とは――?(「絶対に押さないでください」)。 「三十代前半の公務員。浮気確率82%。不合格」目の前にいる男の“浮気をする確率”がわかる能力に目覚めた女が結婚相手に選んだ、驚きの相手とは――?(「浮気確率63%」) 大ベストセラーショート・ショート集『余命3000文字』の著者が贈る、待望のシリーズ第二弾。涙と笑い、そしてやってくる、どんでん返し。 朝読・通勤・就寝前のすきま時間で、どこから読んでも楽しめる。 書き下ろしを含む全二十五編を収録! -
鬼嵐
新型コロナ騒動を予見したと話題の衝撃作! 「突然発症して、身体の中を嵐のように暴れまわる」――致死率100パーセントの殺人ウイルス《鬼嵐》が発生した! 感染症医の及川夏未は東京の大学病院での研究者生活に挫折し、離婚を経て、実家のクリニックを手伝うために北関東の町に戻ってきていた。外国人労働者の姿が目立つものの過疎化が進む地元では、町おこしの一環として、地元産の食肉をブランド化しようと若者たちが動き始めていた。そんな中、一人の老人の死を皮切りに、謎の感染死が連続して発生する。夏未は独自に調査を進めるが、それを妨げるような出来事が次々と起こり、真相に辿り着くのは困難を極めた。感染源は一体何なのか。そして、その裏側にあった戦慄の事実とは……。デビュー作『感染』以来、数々のベストセラーを生み出してきた医療ミステリーの第一人者が贈る、新型コロナ騒動を予見したと話題の衝撃作! ※この作品は単行本版『鬼嵐』として配信されていた作品の文庫本版です。 -
食と酒 吉村昭の流儀
人気作家・吉村昭に迫る書き下ろし文庫。 没後15年を経て、 いまだに広く愛読されている国民的作家、吉村昭。 膨大な史料の博捜と綿密な取材で、 日本人の知られざる歴史と 庶民の生活を描いた作家の唯一の楽しみは、 「食べること、呑むこと」だった。 吉村昭と、夫人で芥川賞作家の津村節子の生活の細部を、 二人が書いた随筆、小説、対談などから紐解いて、 吉村昭が愛した日本の食と酒、 そして取材旅行で訪れたさまざまな町の味を紹介する。 吉村文学の原点である戦争体験と療養生活、 夫婦で北海道をさすらった不遇時代の記憶などが、 吉村昭の「食と酒」への執着とどう関わっていたのか。 下町に生まれ、 人との関わりを何よりも大切にした吉村昭にとっての 「いい旅、いい味」とは何だったのか。 夫婦ともに多忙な作家だった吉村家の毎日の献立は? 吉村昭の食と酒、そして旅を通じて浮かび上がる夫婦の絆と愛情を、 作家・谷口桂子があますところなく記す、完全書き下ろし文庫。 巻末解説は吉村昭と交友があった直木賞作家、出久根達郎氏。 -
さよなら、ムッシュ
20年間しゃべり続けるコアラのぬいぐるみ。 小さな出版社で校正の仕事をしている森星太朗は、幼いころ他界した作家で母の文子が残してくれたコアラのぬいぐるみを大事にしていた。 ムッシュ、と名付けられたそのぬいぐるみは、母が亡くなったその日、なんと突然しゃべりだし、以来、無二の親友になっていた(もちろん、世間には内緒のままにして)。 そんなある日、しゃっくりがとまらなくなった星太朗は、自分が母と同じ死に至る病に罹っていることを知ってしまう。ムッシュは、星太朗に思いがけないある提案をした。 温かで、名付けようのない思いに満たされる感動作。 -
消された信仰 「最後のかくれキリシタン」--長崎・生月島の人々
世界遺産から黙殺された島の「祈りの記録」。 250年以上も続いたキリスト教弾圧のなかで信仰を守り続けた「かくれキリシタン」たち。その歴史に光を当てようとしたのが、2018年に日本で22番目の世界遺産となった「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」だ。 ところが、PRのために長崎県が作ったパンフレットからは、「最後のかくれキリシタンが暮らす島」の存在がこっそり消されていた。 その島の名は「生月島(いきつきしま)」。 今も島に残る信仰の姿は、独特だ。音だけを頼りに伝承されてきた「オラショ」という祈り、西洋画と全く違う筆致の「ちょんまげ姿のヨハネ」の聖画……取材を進める中で、著者はこの信仰がカトリックの主流派からタブー視されてきたことを知る。一体、なぜ――。 第24回小学館ノンフィクション大賞受賞作。 文庫版解説・島田裕巳氏(宗教学者) ※この作品は単行本版として配信されていた作品の文庫本版です。 -
さんばん侍
江戸の企業再建エンターテインメント! 二十四歳の鈴木颯馬は、元は町人の子。幼くして父を亡くし、母とふたりの貧乏暮らしが長かった。 縁あって、手習い所で働くうち、大器の片鱗を見せはじめた颯馬だが、十五歳の時に母も病で亡くし、天涯孤独の身となってしまう。 しかし、捨てる神あれば拾う神あり。町道場で下働きしている際、ひょんなことから、田中藩江戸屋敷に勤める「さんばん殿」鈴木武治郎に才を買われ、めでたく養子に。 だが、勘定方に出仕したのも束の間、田中藩領を我が物にせんとする老中格の田沼意次と戦うことになってしまい……。 恩義ある藩を救うべく、わけありで、酒問屋麒麟屋の番頭となった颯馬に立ち塞がる壁、また壁! 江戸の剣客商い娯楽小説第一弾! -
テッパン
80年代 東京――僕と不良のひと夏の物語。 中学卒業と同時に渡米し、長らく日本を留守にしていた吉田倫。吉田は旧友である寿司屋の主からの誘いに応じて、中学の同窓会に赴いた。 同窓会のメインイベントは当時作ったタイムカプセルを皆で開けること。タイムカプセルの中に入っていたのは、アイドルのブロマイドに『明星』や『平凡』といった芸能雑誌、『なめ猫』の缶ペンケースなどなど。三十年以上前に流行した懐かしいグッズの数々に、同級生たちの会話が盛り上がる。 そんな中、吉田の紙袋から出てきたのは『ビニ本』に『警棒』、そして小さく折りたたまれた『おみくじ』だった。 それらは吉田が中学三年の夏休みに出会った、中学生ながら屋台を営む町一番の不良、東屋との思い出の品で――。 平凡な「僕」と不良の「あいつ」、正反対の二人が出会った、ひと夏の切ない物語。 -
つめ
やられたらやり返せ!?涙腺決壊の結末が! 真野朱音は、2年ちょっと前に中学校の同級生だった勝裕と結婚した。勝裕の連れ子、小学五年生になる裕也との3人家族である。 朱音は、子ども会の担当として南郷不二美を訪ねた。近所の尾花公園に面した南郷宅の金網フェンスを覆ったイバラの棘で、子どもが怪我をしており、剪定をお願いするためだった。南郷は50代後半の一人暮らしの女性で、愛犬はドーベルマン。気むずかしいという評判だった。イバラの剪定については、「子どもの怪我なんか知るか。親の責任じゃ。あほっ」と吐き捨てられた。市役所が、公園にロープを張って注意喚起のプレートをかけてくれたが、その夜、寿司屋から特上にぎり8人前が届く。翌日には、ケーブルテレビが契約の確認をしたいと訪ねてきた。どちらも注文したのは自分ではない。やったのは、南郷だ。 同じ頃、裕也がまたいじめに会っていることがわかった。裕也は、「いじめられても平気な強い人間になる」という。 朱音は決心した。裕也に身をもって教えてやるべきだ。やられたら、やり返すべきだということを。いや、やらないとやられてしまうということを、だ。ご近所のモンスターとの壮絶なバトルが今、始まる――。 ※この作品は単行本版『つめ』として配信されていた作品の文庫版です。 -
僕は人を殺したかもしれないが、それでも君のために描く
「4マリ」の奇跡、再び。 昨日、僕は人を殺してしまったかもしれない―― 「強迫性障害」を抱える島津圭司は、毎晩恐怖に襲われ目を覚ます。今日も気づかないうちに、自分が誰かの「死」の原因を作ってしまったのではないか……。日常生活も人付き合いも苦手な圭司にできることはただ一つ、絵を描くこと。だから、生きている限り、今日も漫画を描くしかない。 あるとき、事故に巻き込まれ搬送された病院の裏庭で、圭司は透き通るような肌の青年・藤堂星矢に出会う。社会や人との接触を忌み嫌ってきた圭司だったが、「僕がファン第1号になる」という星矢の言葉に背中を押され、漫画家としてのキャリアと向き合うようになる。初めての連載、自宅で雇う初めてのアシスタント、助けてくれた救急救命士の女性への、初めての恋。自身の障害のせいで、圭司は行く先々で壁にぶつかってしまう。一つずつ挑んでいった先に、圭司を待ち受けていたものとは。そして、十歳で死んでしまった弟・龍二に最後にかけた言葉を悔やむ圭司が、十五年経った今、見つけた真実とは……。 生きづらさを抱えて生きるすべての人へ。大切なものを喪っても、生きている限り春はやって来る。涙なしには読めない、感動の人生讃歌! -
愛しのジュエラー
宝石への熱い思いを描いた注目の学園小説! 花岡ジュエリー・スクールの学生喜多川北斗は、宝石業界最大手のオーナーの御曹司。しかも、東大中退という異色の経歴だった。北斗は石留めの達人として、世界技能競技大会で入賞を果たしていたが、学内のデザインコンテストではデザイン画を提出することができず、自己嫌悪に陥っていた。学内の学習の華といえるのが、独創的なデザイン力だったのである。 ある夜、酔っ払った北斗は誰かに助けられ、その家で朝を迎えた。北斗を助けたのが、同じ学校に通う皆見みな美だった。そこで、みな美の手になるという優しい表情をしたスターローズクオーツを見た北斗は、みな美が研磨の卓越した技術を持っていることを知るとともに、彼女に興味を抱く。 折しも、学校が財政的に危機に瀕しており、このままでは借入先の銀行の手に渡ってしまうことが明らかにされた。そのため、資金集めとして学生たちによるオリジナル商品のジュエリーを作って売ることが宣言される。果たして、どんなジュエリーができるのか。 みな美と北斗、日賀翔太と仁科真由那の恋愛感情も入りくんできて……。 宝石の魅力と、宝石をこよなく愛する人たちの思いを伝える、注目の学園小説! ※【ご注意】この作品にはカラー写真が含まれております。 -
尾根のかなたに 父と息子の日航機墜落事故
遺族が辿った不屈の物語 1985年8月12日。航空史上未曽有の悲劇。遺族の悲しみと苦しみは想像を絶した。なんの予兆もなく突然、愛する者を奪われた家族たちは、うろたえ、動揺し、泣き叫び、茫然となった。 父を失った「息子」たちは、やがて「父親」となった。ノンフィクション作家・門田隆将は思った。「あの、寡黙な男たちこそ、何かを後世に伝える義務があるのではないか」――。 <私は、今は「父親」となった当時の「息子たち」を訪ねる作業を始めた。それは決して愉快なものではなかった。訪ねていっても、胸の内を吐露してくれる男たちはむしろ少なかった。今なお、自らの内面を「語る」ことに納得ができていない男たちの方が多かったのだ>(「はじめに」より) しかし、何人かが取材に応じてくれた。彼らは四半世紀という長い年月を経て、苦悩と悲しみを克服していった。 哀しみの「時」は、いつまでその針を刻み続けるのだろうか。最愛の人を事件や事故で奪われた家族は、どうやって絶望を克服できるのか。 本書で取り上げる5つの「父と息子の物語」に、そのヒントがある。 『風にそよぐ墓標』、待望の電子化。2012年10月、WOWOWにてドラマ化! -
ひげの殿下日記
皇族の肉声と感情。寬仁親王殿下の生きた証。 「本書には、自分に正直に、皇族として、ひとりの人間として、66年の生涯を生き抜かれた寬仁親王のありのままの思いが詰まっている」。寬仁親王殿下の第一女子でいらっしゃる彬子女王殿下がそう書かれるように、本書で描き出されているのはひげの殿下として愛された寬仁親王殿下のありのままの姿。社会福祉のことはもちろん、友人、宮家職員、娘たちの成長日記、スキーとスポーツ、そしてガンとの闘病のことがまるで日記のように綴られている。現代皇族は何を考え、どのように暮らし、そして生きられたのか? 日頃触れられることが少ない、現代皇族の生の声を伝える資料として貴重な一冊。待望の文庫化。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『ひげの殿下日記 ~The Diary of the Bearded Prince~』 の文庫版となります。 -
アンダークラス
メモ魔の窓際刑事VS多国籍IT企業! 秋田県能代市で、老人施設入居者85歳の死体が近隣の水路から発見された。雪荒ぶ現場、容疑者として浮上したのは、施設で働くベトナム人アインである。 外国人技能実習生のアインは、神戸の縫製工場で働きながら、僅かな収入を母国の家族へ送金する日々を送っていた。劣悪な労働条件に耐えかね失踪。列島を転々として東北にたどり着いた。重篤なガンを患っていた入居者に請われて、自殺を幇助したとの自供を始める。 これで解決か……。捜査官らは安堵したが、ひょんなことから捜査に加わった警視庁継続捜査班の田川信一は、死体の「手」に疑いを抱いた。捜査線上にあがったのは、流通業界の覇者として君臨する世界的IT企業サバンナだった――。 <単行本が発表されたのは2020年秋だが、果せるかな、その1年余り 後の22年冒頭から、極端な円安が進み始めた。作中で「これから、日本人が景気の良いアジアに出て、仕送りする日がくるね」と吐き捨てたアインの予言(=作者の予言)は、着実に成就しつつあるようにも思える>――藻谷浩介氏(地域エコノミスト/巻末解説より) 日本経済の末路を予言した「震える牛」シリーズ最新作! (底本 2023年1月発売作品) ※この作品は単行本版『アンダークラス』として配信されていた作品の文庫本版です。 -
偏差値70の自転車競技部
僕たちに行けない場所なんてない! 小学校四年生の康太郎は、教育熱心な両親の元、放課後に弁当持参で塾に通う日々を過ごしていた。成績は常に県内トップクラス。自宅の蔵書を読み漁り、読書好きな祖母に感想を話すことを楽しみにしていた。ある日、坂道を猛スピードで下りてくるマウンテンバイクとぶつかりそうになる。同級生のタツルだった。この出来事をきっかけにタツルと仲良くなった康太郎は、自転車の楽しさにのめりこんでいく。六年生へ進学する春休み、県内最難関校・海應中高の「自転車競技部」の練習を目撃する。「僕もロードレースの大会に出たい」それは康太郎にとって、はじめて意識した人生の進路だった。家族の問題を抱える中、迫りくる中学受験。果たしてその結果は?大ヒット作『偏差値70の野球部』著者による、圧巻の新シリーズが幕を開ける! -
ふくふく書房でお夜食を
元料理人の書店主が贈る心あたたまる物語。 古びた商店街にある小さな書店「ふくふく書房」。店を切り盛りするのは元料理人の夏郎とその娘の成、そして看板犬のフクコと猫の大福だ。書店の営業時間は夜八時までだが、閉店後ごくごくたまに、店前に灯りがつき食欲をそそるいい香りが漂い始める――。 同棲中の婚約者の浮気現場を目撃してしまった女性に、女手ひとつで育てあげた娘が巣立ち寂しさを覚える母親。 困りごとを抱える人々が訪れるのは、書店兼食事処という夜の小さな休憩場所。寡黙な店主が作る夜食と娘が作るデザートが、疲れた心を癒やし、明日への元気をくれる。心あたたまる感動の物語。 -
太陽と月 サッカーという名の夢
スポーツ成長小説の新たな傑作。 小学六年生の月人はJリーグ下部組織の選抜試験で、小柄なフォワードに華麗なドリブルで抜き去られてしまう。注目を浴びたその選手こそが、太陽だった。体格に恵まれながら結果を残せない月人は、応援してくれる祖父に将来の夢を問われても「プロのサッカー選手」と答えられず、今後の進路に悩む日々。一方で、才能を発揮している太陽はプロになるためのクラブを探していた。ふたりはやがて、全国から強者が集うセレクション合宿で再会する。自分の夢、家族との関係、ライバルとの違いに葛藤しながら成長するふたりの少年を描く、スポーツ成長小説の新たな傑作。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『太陽と月 ~サッカー・ドリーム~』の文庫版となります。 -
今、出来る、精一杯。
演劇界の異才による傑作群像劇! 東京都三鷹市のスーパーマーケット「ママズキッチン」で働く人々は皆どこかヘン。しかしもっとおかしいのは毎日この店を訪れ「お弁当をタダでくれ」を叫ぶ車椅子に座る女だった。言葉を聞き入れてもらえない少女、自分の意見を捨てた女、完璧に見えるバイトリーダーに、他人の人生を壊してしまった男…。 「黙ってれば、自分の意見を持たなければ、嫌な思いもしませんから」 ――バックヤードで繰り広げられる言葉の応酬と傷つけ合い。めんどうな12人の人間が曝け出した感情の先に希望は灯るのか。 演劇界の異才による傑作群像劇。 文庫版では著者自らによる「あとがき」を収録! ※この作品は過去に単行本として配信されていた『今、出来る、精一杯。』 の文庫版となります。 -
引越し侍
からっけつの旗本が陰謀を暴き、巨悪を両断! 血筋はよくて二枚目で、剣も冴えわたるが、美しい娘子にはつい浮かれてしまう内藤三左衛門、二十三歳。 一見すると極楽とんぼだが、役に就かない旗本の当主だけに、懐はいつもからっけつ。 屋敷の庭に建てた道場を賭場にして、密かに寺銭を稼いではいるが、金に厳しい祖父の次郎右衛門に取り上げられて、今日も飲まず食わず。 しかも、内藤家の小者なのに、みずから用人を任じてはばからない嘉平にさえ、侮られる始末だ。 仕方なく喧嘩の仲裁で日銭を稼ぎ、なんとか食いつないではいるものの、腹が減っては目を回す「平穏な」日々を送っている。 ところがある晩、次郎右衛門にこき使われている博徒の親分・伝蔵の警固中、「妙な」辻斬りに出くわした。 大川橋の上で四人に囲まれたのだ。 得意の剣で切り抜けたはいいが、それがどうやら運の尽きだったらしい。 下は南町奉行所の定町廻り同心・大塚右門、上は白河藩主で老中首座の松平越中守定信を巻き込んでの、公儀を揺るがす大きな謀略に挑む羽目になり……。 温かくて胸のすく、痛快長編時代小説! -
勘定侍
大坂商人、柳生一族の陰謀に巻き込まれる! 時は寛永十三年――江戸城黒書院に呼び出された、惣目付を務める柳生但馬守宗矩。 上段の間の襖が開くと、老中の堀田加賀守より、「役目に奨励をもって、四千石を加増する」との旨が伝えられた。 本禄の六千石と合わせて、ついに一万石となり、晴れて大名となった柳生家。 だが、宗矩の顔は沈んでいた。 大名を監察する惣目付が、大名になっては都合が悪いためだ。 案の定、宗矩は即日惣目付を解かれ、監察される側に回されてしまう。 惣目付時代に買った恨みから、痛くもない腹まで探られてはかなわない。 なにしろ旗本から大名になれば、典令や家政が大きく変わるため、隙を生みやすいのだ。 一族最大の危機から逃れるべく、策を講じなければならなくなった宗矩は、なかでも武士が苦手とする金勘定が危ういと考え、ある秘策を思いつく。 なんと、大坂一と言われる唐物問屋淡海屋七右衛門の孫である一夜を召し出すという。 いったい柳生家と一夜は、どんな関わりがあるのか? 武士となった一夜に、宗矩の嫡男である十兵衛は、柳生家の者として剣術を身につけよと新陰流を指南するが……。 果たして一夜は柳生家を救えるのか? 痛快時代小説シリーズ第一弾! -
パパイヤ・ママイヤ
どこでどう生きてても友達になりたくない? 17歳の夏、SNSで知り合ったパパイヤとママイヤは木更津の小櫃川河口の干潟で待ち合わせをして、初めて会った。アル中の父親が大嫌いなバレーボール部のパパイヤと、芸術家の母親に振り回されて育った、写真が好きなママイヤ。二人は流木が折り重なる“木の墓場”で週に一回会うようになり、心を通わせる。 そして、奇跡のような出会いは、二人の夏を特別なものに変えていく―― 少女たちの儚くも輝かしい一夏を瑞々しい筆致で描く、新時代のガールミーツガール小説。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『パパイヤ・ママイヤ』 の文庫版となります。 -
見果てぬ花
旅と食とユーモア満載の傑作紀行エッセイ! JAL機内誌『スカイワード』連載2017年~2020年分を収録。海外、国内での抱腹絶倒の出来事から身辺に起こる様々な出来事を絶妙の筆致で描く傑作エッセイ集。桜の季節の京都で遭遇した不思議な着物を着た人々を描く『見果てぬ花』、失踪していた老猫が帰るまでの顛末を描く『四日目の奇跡』 ビンテージカーになっても愛車に乗り続ける理由とは『めざせ!二十万キロ』など、全四十一編。 ※この作品は単行本版『見果てぬ花』として配信されていた作品の文庫本版です。 -
ロスねこ日記
猫のいない寂しさは埋まるのでしょうか。 生活に猫が足りていないことは、わかっていた――。SNSには猫画像が溢れ、持つ者が自慢するそれを、持たざる者は眺めるばかりだ。愛猫・斉藤くんとお別れして15年近く、心にぽっかり穴を空けていた著者は、その穴を埋めるべく植物を育て始めた。担当編集者に勧められるがまま、なぜか椎茸から! 椎茸、スプラウト、ヒヤシンス……植物に名前をつけ、水をやり、立派に育てあげ、ときには収穫して食べる(!)。猫に思いをはせながら過ごす約二年の日々を綴るエッセイ集。文庫版には「ロスねこ」のその後を書き下ろしで収録する。ウェブ小説丸でのアクセス数第1位を記録した人気作、待望の文庫化。作家・町田そのこさんによる、著者とその作品への愛が溢れる解説も必読。 ※この作品は単行本版『ロスねこ日記』として配信されていた作品の文庫本版です。 -
十津川警部 仙石線殺人事件
2億円のプラチナを巡る黒い陰謀を暴け! あの日、豪華客船で何が行われようとしたのか――復興が進む宮城を舞台に、トラベルミステリの巨星が描く傑作推理小説。東日本大震災から5年が経ったころ、金華山沖の海底から豪華客船「グズマン二世号」が発見された。海に浮かぶホテルとして女川町の海岸に係留され観光客を集めていたが、震災の大津波で沈没し行方が分からなくなっていた。引き揚げられた船の客室からは、ホテル〈グズマン二世〉運営会社の課長・柏原恵美の遺体と2億円相当の大量のプラチナが見つかった。持ち主不明のまま、プラチナを乗せた快速列車が仙石線の石巻から仙台に向かう最中、途中の陸前赤井駅で爆破事件が起こる。一方、東京・青梅の精神科病院には5年前から千石典子という若い女性が入院していた。典子と交流があった男性・小西が度々訪れるが、彼女は自身に関する記憶を一切取り戻せないでいた。そんな中、典子が何者かに切りつけられる。十津川警部らが容疑者のひとりとして調べていた小西の行方を追う中で、東京と宮城の事件の関係性が浮上し、捜査の行先は思わぬ方向へ……プラチナの発見に端を発した数々の事件を通して、十津川が闇にうごめく驚愕の真実を暴く。 -
余命3000文字
5分で読めて、あっと驚き、わっと泣ける。 「大変申し上げにくいのですが、あなたの余命はあと3000文字きっかりです」ある日、医者から文字数で余命を宣告された男に待ち受ける数奇な運命とは――?(「余命3000文字」)。 「妊娠六年目にもなると色々と生活が大変でしょう」母のお腹の中で六年も引きこもり、ちっとも産まれてこようとしない胎児が選んだまさかの選択とは――?(「出産拒否」)。 他、「彼氏がサバ缶になった」「不倫と花火」など、書下ろしを含む全26編を収録。 摩訶不思議な世界で描かれる涙と笑い、そしてやってくる“どんでん返し”。著者渾身のデビュー作! 『小説家になろう』発、年間純文学【文芸】ランキング・第1位(2020年8月26日獲得)作品、待望の書籍化! -
海近旅館
東京で働いていた私が残念旅館の女将に!? 亡き母の跡を継ぎ、東京での仕事を辞め静岡県伊東市にある「海近旅館」の女将となった海野美咲は、ため息ばかりついていた。 美咲の旅館は“部屋から海が見える”ことだけが取り柄で、他のサービスは全ていまひとつ。お客の入りも悪く、ともに宿を切り盛りする父も兄も、全く頼りにならなかった。 名女将だった母のおかげで経営が成り立っていたことを改めて思い知り、一人頭を抱える美咲。あるとき、不思議な二人組の男性客が泊まりに来る。さらに、その二人が「海近旅館」を買収するための下見に来ているのではないかと噂が広がり……。 ドラマ化もされた大人気作「鴨川食堂」シリーズの著者が贈る、おいしくて元気が出る、ハートフルストーリー! 文庫化にあたり、“今すぐ行きたい”著者厳選のおすすめ旅館を紹介する「美咲のおすすめ宿 厳選8軒」も収録! ※この作品は単行本版として配信されていた作品の文庫本版です。 -
駆け込み船宿帖 ぬくもり湯やっこ
極上ご飯は新たな人生を歩ませる力となる。 江戸深川に建つ船宿「山谷屋」の主・志津は、微笑をたやさない童顔がお地蔵さんめいた十八歳。 六年前に死んだ父の跡を継いで、たった一艘しかない船をやり繰りしながら、大叔父の捨蔵と宿を営んでいる。 そんな山谷屋に、鼻筋の通った二十歳の船頭・百助が、川面に浮かんでいた若い女を慌てて担ぎ込んできた。 志津が作った貝柱の出汁で煮込んだ粥で、生気を取り戻した女は、「どうしておとっつぁんは、あんな目に遭わされてまで、『怨らんじゃならねぇ』だなんて言うの……きっと仙蔵に復讐してやる」、そう呟いた――。 おみねと名乗る女に、いったい何があったのか? 志津と捨蔵、そして百助は、手をかけた料理と知恵を絞った妙策で、おみねを絶望の淵から救おうと奔走する。 世話好きの三人をよく知る同心の後藤多一郎から助太刀を得たものの、最大の危機が訪れた! 「辛い過去を背負った客を癒し、新しい人生への船出を手伝う、温かい船宿」山谷屋にかかわる、輝く人々を描く、感動の文庫書き下ろし連作時代小説。 -
突きの鬼一 春雷
秘術を尽くす忍び!迎え撃つ“秘剣滝止”! 北山城下の寒天問屋から多額の賄賂を手にしていた江戸家老・黒岩監物がついに牙をむいた。次男・重二郎を溺愛するあまり、監物と手を組んで嫡男の一郎太追い落としを謀っていた桜香院が翻意したと見るや、忍びの棟梁・東御万太夫に殺害を命じたのだ。これまでの恩讐を越え、少しは母と心が通い合うようになった一郎太は江戸屋敷に桜香院を訪ね、監物の不穏な動きを耳に入れる。時あたかも、国元より「重二郎の一粒種・重太郎が病に倒れた」の報に接した桜香院は、取るものも取りあえず江戸を後にする。陰ながら桜香院一行を警固する一郎太と、竹馬の友にして国家老・神酒五十八の嫡男・藍蔵。その後を追って、隙あらばと機を窺う万太夫。さらに一郎太の身を案じ、慌ただしく旅装を整え、北山に旅立つ正室・静。昼九つ近く、一行は甲州街道布田五宿に差し掛かった。指定の御膳所で昼食を摂るはず、と読んだ一郎太は、思い当たった善桐寺に先回りする。間一髪、敵の魔の手を防いだ一郎太だったが、それは御嶽山麓の隠れ里で待ち受ける万太夫との死闘の始まりにすぎなかった!?大好評書き下ろし痛快時代小説第6弾。突きの鬼一シリーズ前半のクライマックス! -
白土三平伝 カムイ伝の真実
白土三平が生涯かけてカムイ伝を描く理由。 2011年に発売された『白土三平伝~カムイ伝の真実』の文庫化。 その作品を高く評価されながら、長い間、世に全く登場しないコミック界の巨人・白戸三平。昨年米寿を迎えたが、いまだその存在や生活は謎に包まれている。この本格的な評伝は15年余りにわたって白土氏に寄り添いながら、直にその仕事ぶりに触れ、「伝説の漫画家」との対話の中から生まれた肉声をふんだんにちりばめた、毛利甚八の貴重な記録でもある。本書を読み、白土三平の真実を知ったときに『カムイ外伝』『カムイ伝』をいま一度読み直したい気持ちになる1冊である。(敬称略) -
突きの鬼一 雪崩
恐るべし熔化の術!秘剣・滝止敗れたり!? 次男・重二郎を溺愛するあまり、なりふり構わぬ振舞いに出る実母・桜香院に腹心の江戸家老・黒岩監物が目を剥いた。北山藩の財政は、伊豆国諏久宇の飛び地に産する良質の天草から作る寒天収入に支えられていた。桜香院が跡目相続の御沙汰を得んと、こともあろうに、幕府に飛び地返上を申し出たというのだ。城下の寒天問屋から多額の賄賂を手にしていた監物が拱手傍観するわけがない。母の命が危うい。これまでのいきさつ、母子の恩讐を越えて一郎太が立ち上がった。――真冬の甲州街道小仏峠は雪に覆われていた。「重二郎の一粒種、重太郎病に倒れる」の報に接した桜香院は、取るものも取りあえず国元に急いでいた。それとなく桜香院の駕籠を視野に入れて、後を追う一郎太と神酒藍蔵、ひとり駕籠に先行して警戒を怠らぬ国家老の配下・興梠弥佑。雪の降り積もった峠道に立ち塞がった山賊を目にした監物に、もとより驚きはなかった。思惑通り、なすすべなく倒される供侍。そこに満を持して駆けつけた一郎太ら三人の斬撃はすさまじく、勝敗の帰趨は一瞬で決した。だがそれは北山藩の土台を揺るがす大騒動の序章にすぎなかった。大好評「鬼一シリーズ」第5弾。 -
4分間のマリーゴールド
救急救命士が起こす奇跡!ドラマ化の感動作。 救急救命士の花巻みこと(24)には、特殊な「能力(ちから)」があった。手を重ねた人の、最期の姿が視えるのだ。みことは視えた映像から最適な救命処置を施し、運命を変えようとするが、どうしても変えることができないでいた。 父親の再婚で、みことには新しい家族ができた。つらいときにいつもみことを笑わせようとしてくれる姉・沙羅に、みことは特別な想いを寄せている。そんな沙羅の26歳の誕生日、みことが沙羅の手に自分の手を重ねると、視えたのは「2」と「7」のロウソクが立てられたバースデーケーキと、マリーゴールドの花に囲まれて、白い棺に横たわる沙羅の姿。愕然とするみことだったが、誰にも言えない想いを抱えたまま、運命の夏の日は刻一刻と近づいてきて――。 2019年10月よりTBSにてドラマ放送が決定! みことを福士蒼汰、沙羅を菜々緒が演じる。新聞各紙激賞の原作は、著者の娘でもあるキリエ作。 突然突きつけられる数多の「死」という運命に涙が止まらない、感動のラブストーリー。みことと家族の出会いの物語を書き下ろした、贅沢なオリジナルノベライズ作品です。 -
シャドウ
お姉ちゃん、恋人、私――究極の三角関係。 十代半ばで両親を失い、姉妹二人で生きてきた陽菜と元菜。美しい姉の陽菜は女優として活躍し、妹の元菜は付き人をつとめている。 姉の“影”として生きてきた元菜は、ロケ現場で野性的な風貌のカメラマン、生駒春也と出会い、それまで味わったことのないような感情を覚える。 生駒と神楽坂でデートをした元菜は、初めての恋に心が浮き立ちつつも、姉に隠しごとをしていることに後ろめたさを感じる。 そんな折、陽菜はキャスティングされていた役を降ろされる。「色気が足りない」と事務所の社長に指摘され、女優として瀬戸際に立たされた陽菜は、生放送の番組で写真家と交際していると宣言してしまう。 生駒と元菜の関係に気付いていた陽菜は、「元菜を愛しているなら、私と交際宣言をして」と生駒に無理難題を持ちかける。姉なしでは生きられない元菜の気持ちを尊重した生駒は、陽菜の要望を受け入れることに……。 深い絆で結ばれた姉妹の関係、そして元菜の恋の行方は――!? 『ぼくの守る星』の注目作家が究極の三角関係を描く、新しいカタチの恋愛小説。 -
突きの鬼一 岩燕
最凶の敵、黄龍!お前だったのか! 突きの鬼一こと百目鬼一郎太と供侍・神酒藍蔵の江戸暮らしは風雲急を告げていた。実母桜香院とその腹心の国家老・黒岩監物が放った羽摺り四天王の生き残り3人が虎視眈々と一郎太の命を狙っている。さらに、一郎太と藍蔵が世話になっている草創名主・槐屋徳兵衛の一人娘・志乃の幼馴染みで、女郎屋から逃げ出してきたお竹が助けを求めてきた。もとより窮鳥を放り出すような一郎太ではない。難問山積、今度ばかりは一郎太も、賭場八十八か所巡りを自重するしかあるまいと高を括っていた藍蔵が、がっくりと肩を落とした。船頭・千吉の船で浅草花川戸の壺振り・お艶とともに向かった先は、大身旗本の屋敷の賭場だ。駒札の引き換えに最低十両は要ると聞いて、お竹を身請けする金が工面できると踏んだ一郎太だったが、さらに難問を抱え込む破目に陥る。大枚二十両を懐に、引き上げようと戻った船に武家娘が悲鳴を上げて飛び乗ってきた。窮鳥二羽にかてて加えて、じりじりと包囲網を狭めてくる羽摺りの者との激闘、また激闘。秘剣・滝止が難問すべてを解決したと思われたが、そうは問屋が卸さなかった!シリーズベストセラー!大好評、突きの鬼一シリーズ第4弾。 -
突きの鬼一 赤蜻
博打好きの殿様に襲いかかる忍び精鋭4人! 尾張徳川家の北隣、美濃北山三万石の舵取りを誤り、弟・重二郎に藩政をゆだねて出奔した殿さま・百目鬼一郎太は、博打に目がないのが玉に瑕。中山道板橋宿の手前で、江戸三大青物市場のひとつ、駒込土物店を差配する槐屋徳兵衛主従三人を危難から救ったのが縁で根津に身を落ち着けることになる。北山藩上屋敷には、時の将軍・家斉の娘で一郎太が愛して止まない正室静がいたが、表立って顔を見ることは叶わない。重二郎可愛さに、嫡男・一郎太の命を狙う実母桜香院とその腹心の国家老・黒岩監物が江戸入りしたからだ。監物と入れ替わり、国元に戻ることになった江戸家老・神酒五十八によれば、黒岩家の用人が密かに木曽御嶽山の麓にある羽摺りの隠れ里に向かったという。一郎太とともに江戸で暮らす五十八の嫡男・神酒藍蔵は力士と見紛う偉丈夫だが、無類の心配性。あれこれ気を揉む藍蔵を尻目に、江戸の賭場八十八か所巡りを企てる一郎太。一方、監物の放った羽摺りの精鋭4人は、江戸に潜入して虎視眈々と手を打っていた。四天王と異名をとる羽摺りとの死闘、そして、ついに鬼一の秘剣・滝止の由来が明らかになる! -
落語小説集 芝浜
古典落語の人気演目を本邦初のノベライズ。 直木賞作家で時代小説の第一人者が、「落語の人情世界」を小説化。 夫婦の愛情を温かく描いて、屈指の人情噺として名高い「芝浜」のほか、登場人物がすべて実直な善人で、明るい人情噺として人気の「井戸の茶碗」、船場の商家を舞台にした大ネタ「百年目」、一文無しの絵描きが宿代の代わりに描いた絵から意外な展開となる「抜け雀」、江戸末期の名脇役だった三世仲蔵の自伝的随筆をもとに作られた「中村仲蔵」を収録。 落語ファンからも人気の高い演目を、細部を丁寧に描き込み、ときに独創を加え、ときに人生訓を交え、見事に調理してみせます。 高座芸である落語を小説という形で表現する、新しい試み。 聴いてから読むか、読んでから聴くか。 元ネタを知る人も知らない人も楽しめる、落語小説集です。 ※本書は過去に単行本版として配信された『芝浜~落語小説集~』の文庫版です。 -
世界が記憶であふれる前に
超記憶をもつ少女の壮絶な半生。 ナノは超記憶能力をいかし、東京大学医学部にダントツの成績で合格した。しかし、体調不良に見舞われ、自身の寿命が長くないのではと疑い始める。そこで、二億円を元手に、一人でひっそりと生きていくと決意し、最後の計画を実行する。 宅配ドライバーのソライは、ナノが仕組んだ計画に巻き込まれ、預金を盗まれてしまう。手がかりもなく、警察すらお手上げかと思われたが、ソライはナノにたどり着く。盗んだお金を返すというナノについて、香港に行くソライ。盗み出した金を引き落とし、帰国しようとしたところで、事態は急展開。二人の運命が大きく動き出す。 「想いのこし」というタイトルで映画化されたベストセラー 『彼女との上手な別れ方』で作家デビューした気鋭の脚本家による、“忘れられない”物語。 -
戻る男
過去をリセットできるとしたらどうしますか。 ある日、作家の新居航生のもとに一通の書状が届いた。航生は、作家として5年前に出版した『もう一つの扉』が大ヒットを飛ばしたが、その後は小説を書いておらず、離婚して一人暮らしをしていた。書状は、タイムスリップを研究しているという、八木俊太郎という人物からだった。それによれば、ある程度ならタイムスリップが可能だという。可能なのは、過去へのタイムスリップのみで、未来は不可能。その過去も、当人が生きている時代に限られ、過去の自分自身に会えるわけではなく、当時の自分に重なることになる。そして、歴史を大きく変えるようなことを実行するのは不可能、ということだった。 自分が体験した小さな事実なら変えられる――。 考えた末に、実際に体験したことを雑誌に書くことにして、航生は八木の提案を受け入れタイムスリップを経験してみることにした。 航生は、中学生のときにいじめの標的にされたことがあり、航生は、この過去を変えようと思った。八木の運転で連れて行かれた部屋で八木と話すうちに、航生は、中二の文化祭会場である市民会館のホールの席に学生服を着て座っていた――。果たして、過去はリセットできるのか。 -
君のいない町が白く染まる
第18回小学館文庫小説賞受賞、泣ける恋! 3月23日、僕は高円寺に引っ越した。駅を出ると、炭に焼かれる焼き鳥の匂いが鼻腔をくすぐり、路上ライブの弾き語りが響いてくる。僕の社会人生活がいよいよここから始まるんだと思いながら眠った深夜、幽霊のアカネが現れた。この世を彷徨い続ける彼女はここに置いてくれと懇願してきた。正直に言おう、僕は極度の怖がりである。生きてる人間は怖いが、死んでる人間なんて気絶する。とにかく呪いが怖い僕に選択肢などない。アカネを追い払えず幽霊と同居することになったのだ。その結果、僕はアカネにどうしようもなく恋してしまった。 これは、12月24日深夜に彼女をあの世に見送るまでの、僕の恋の日記であり、彼女を取り巻く人達の話だ。 ――アカネ、僕は君をどうすれば引き留められたのかな。 第18回小学館文庫小説賞受賞作! -
ヒトリコ
青春小説の旗手デビュー作、待望の文庫化! 深作日都子は小学5年生の時、教師から金魚を殺した濡れ衣を着せられ、熾烈ないじめの対象となった。そのときから日都子は、誰にも心を閉ざし、「みんな」には加わらない「ヒトリコ」として生きていく決心をする。 田舎の小学校の生徒達はそのまま中学校へ持ち上がる。ヒトリコの心の支えは、ピアノとピアノを教えてくれる偏屈なキューばあちゃんだけ。合唱の盛んな中学では生徒の間にカースト制度が生まれ、激しいいじめや陰口が横行する。「みんな」に属している限り生徒間の闘いは続く・・・。 地元の高校の入学式。小5で転校した冬希の姿がそこにあった。モンスターペアレントの母親との暮らしに疲れ切った冬希は、母親を棄て、父親の地元に戻ってきたのだった。何も変わらぬ故郷、仲間。ただ、一人だけ全く変わってしまった日都子の姿に冬希は驚く。そしてその原因が自分が飼い、置いてきた金魚と知り・・・。 誰もの心に突き刺さる、青春の残酷さ、閉塞感・・・・・・。絶望的な孤独の末に見えてくるうっすらとした光。必ず誰もの心の奥の奥に入り込み、内側からあなたの心を揺さぶる、苦くて新しい青春小説です。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『ヒトリコ』 の文庫版となります。 -
ヒルクライマー
本格自転車山岳レース小説、待望の文庫版を電子化! 「なぜ坂に登るのか?」 世はまさに空前のロードバイク・ブーム。そして中でもヒルクライムレースは、山国という日本の国土の特異性もあり、多くのファンを惹きつけてやまない。されど……。 自転車で山に登る……容赦のない疲労困憊……いったい何が楽しいのか?なぜ重力の法則に逆らい、何の報酬もない苦行に耐えなければならないのか。しかし、死ぬほど苦しくても、彼らはペダルを漕ぐのを止めない。長い坂を登りつめた果てに何があるというのか? ヒルクライムの面白さに取り憑かれた作家が自らの体験を元に、愛すべき“坂バカ”たちのドラマを鮮烈に描き尽くした、日本初の本格ヒルクライムレース小説。本書はスポーツ冒険娯楽小説であると同時に、坂バカたちそれぞれの人生の疲れと痛みが、歓喜に満ちた癒しに変わっていく過程を描いた、魂と肉体の再生の物語でもある。 「なぜ坂に登るのか?」 それはロード乗りが必ず一度は取りつかれる問いだ。読んでから登るか、登ってから読むか? 答えは挑んだもののみに与えられる。 -
政治的に正しい警察小説
社会派ミステリー作家が放つ問題作。 “ポリティカル・コレクトネス”をコンセプトにした警察小説の依頼を受けた、新人作家・ハマナコがたどり着く境地とは……!? 表題作「政治的に正しい警察小説」ほか、偶然通りかかったカレーショップで、生き別れた母の思い出の味に再会した大学生の僕とその“隠し味”をめぐる「カレーの女神様」、25歳の若さで亡くなった“史上最強の棋士”紅藤清司郎の没後20年にあたり、彼の軌跡を取材したライターがたどりつく真相を描く「神を殺した男」など。驚愕と感嘆にあふれた全6編を収録。『ロスト・ケア』『絶叫』など社会派ミステリーの新鋭が放つ、ブラックユーモアミステリー集が文庫オリジナルで登場。 -
食料植民地ニッポン
米中に胃袋まで掴まれた国――。 自給率わずか39%の日本は、もはや米国と中国の「食料植民地」だ――。 肥満問題にさらされる沖縄を皮切りに、世界各地で「日本の食」が生み出される現場を取材。米・シアトル「BSE感染牛」、タイ・バンコク「冷凍タコ焼き」「鮨ネタ」「アジフライ」、チリ・チロエ島「サケの養殖場」、中国・青島郊外「ホウレンソウ、里芋、枝豆」「骨抜きタラ切り身」、中国・上海沖「アナゴ」――そして、東京「コンビニ各社のお弁当」。 このままで食の安全は守られるのか? 外国からの供給はずっと止まらない? 綿密なデータを加えて、食の「安全保障」をめぐる日本の危機的状況を抉り出した問題作。 -
スリー・アゲーツ
米国国防総省VS北朝鮮工作員。 北朝鮮工作員が命がけで守ろうとしたもの、それは――。 旧防衛庁出身作家の渾身作にして、第3回大藪春彦賞を受賞した大傑作エンターテインメント、手に汗にぎる上巻!! きわめて精巧に作られた偽造紙幣“スーパーK”の運び屋と目される北朝鮮工作員が、秘密裏に日本に入国した。 来日前、ソウルで激しい銃撃戦を起こした工作員・チョンは、現場に文書を残していた。 米国国防総省(ペンタゴン)直轄の情報機関に所属するアナリスト・葉山隆に与えられたのは、“チョン文書”の解読と、日本でチョンが潜伏する場所の手がかりを探ることだった。 上司・エディからの命令に、しぶしぶ調査を進めていた葉山は、チョンと深い縁があると思われる日本人女性とその息子の存在に行きあたる。 同じ頃、在日米軍横須賀基地にある海軍調査局(NISC)に勤める坂下冬樹のもとに、岩国駐留の米兵が偽ドル札をつかまされたという情報が入る。 ストリップ劇場や米兵の集まるクラブに現れた東洋人が両替を持ちかけたものらしい。 偽ドル札は、従来水準をはるかに超える優れた代物で、大量に出回れば深刻な問題に発展することが予想された。 同時期、北朝鮮では対外情報調査部に勤める夫を持つ女性・李光朱と、その娘・春花が、長期帰郷の名目で平壌(ピョンヤン)から北へ向かっていた。 二人は白頭山(ペクトウサン)を望む山あいの町・茂山(ムサン)にたどり着く。 十月十日の朝鮮労働党創立記念日、二人は中朝国境を越える準備をしていた。