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夏の果て
NHKBSドラマ化原作遂に文庫化(電子化)! 広告界のトップクリエイターが、父と子の30年に渡る相克を描いたあまりにも鮮烈な自伝的小説。 NHKBSプレミアムで2015年にオンエアされ、大きな話題となったドラマ『私は父が嫌いです』原作小説の文庫版が遂に電子化! 広告業界に身を置く僕は、東京オリンピックに沸く池袋に育った。事業に成功していたはずの父親は、19歳のとき5億円の負債を残し失踪してしまう。苦学しながら大学を卒業し、バブルまっただ中の大手広告代理店に入社し、百鬼夜行の業界を生き抜いていく僕。仕事は成功し賞も多数獲得する。しかしその裏に暗くまとわりつくのが父親の影だった……。失踪から30年後、父親と同い年になった僕は父親の行方を捜すことにした……。 父親の影にに翻弄される主人公の人生を縦軸に、生々しCM制作現場での戦いを横軸に描いた本格長編小説。 -
上を向いて歩こう 奇跡の歌をめぐるノンフィクション
今なお世界で愛され続ける、希望の歌の真実。 1961年7月21日。世界の音楽史に残る歌が、日本で誕生した。 「上を向いて歩こう」――。作曲は中村八大、作詞は永六輔、マイクに向かって歌ったのは当時19歳の坂本九。後に六・三・九トリオとも呼ばれる3人の、類いまれな才能とエネルギーから誕生したこの歌は、2年後に「SUKIYAKI」としてアメリカのヒット・チャートで第1位獲得の快挙を達成する。さらに全米での反響はヨーロッパにも波及し、まさに全世界のヒットソングとして空前絶後の記録を打ち立てていく。 これは、誕生から半世紀以上が経った今も、数多くのアーティストに歌い継がれるばかりでなく、世界中のオーディエンスに親しまれ、そっと寄り添い、多くの人々を「希望」へと導きつづける奇跡の歌の、知られざる舞台裏を追ったノンフィクションだ。 高度経済成長期の渦中で「上を向いて歩こう」の誕生に立ちあった関係者たちの息づかい、永遠に生きる音楽を創るという願い、自由と平和を求める若者たちの運動と挫折……。音楽プロデューサーで作家である著者が、膨大な資料と綿密な取材から得た確かな証言をもとに、世界の音楽史における、日本の「歌の力」を見事に描く。 -
セカンドウィンド
傑作青春スポーツ小説が改訂新装版で登場! スポーツ青春小説の第一人者・川西蘭が満を持して放った長編自転車小説の傑作が、改訂新装版で登場! 競売で手に入れた元郵便配達用の自転車をこよなく愛する鳴滝村の中学生・溝口洋。春休みの一日、雲見峠でロードバイクの集団に出会い、その速さに圧倒された瞬間から、洋の青春のギヤは回り始めた。 初めての自転車レースに出場し、名門・南雲デンキ自転車部ジュニアクラブの練習に通い始めた洋。そこで自転車に青春をかける仲間たちとの出会い、反目、初めての熾烈な競争、そして別れを経験する。 夏休み、気ままな自転車乗りに戻った洋は、清姫峠で天才的なヒルクライマー・田村岳と出会った。岳の父の経営する自転車店でバイトしつつ、いつしか友情と自転車への思いを深めていく。そして夏の終わり、洋は岳とともに伝説の激坂「メデューサの一瞥」「天狗の蹴落とし」に挑戦する。 自転車のように、時に加速し減速し、壁にぶつかり、でも着実に前進していく少年たち。峠の先に待つ未来を夢見る少年たちの輝くような一瞬一瞬を描いたこの作品は、スポーツ小説の枠を遠く超えて、読む者の心をとらえて離さない。溝口洋の青春の第一章、今スタート! -
日本の戦争(小学館文庫)
【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 少年時代に敗戦を体験した著者が、長年にわたって抱き続けてきた疑問―日本はなぜ、世界を敵にまわし「負ける戦争」を始めてしまったのか? 明治維新で国家を建設し、西欧を懸命に追いかけてきた日本の間違いは、一体どこにあったのか。「富国強兵」「五族協和」など七つのキーワードをもとに、日清・日露戦争、満州事変、そして「大東亜戦争」へと突き進んでいった近代日本の謎を解き明かし、長く曖昧にされてきた戦争の真実に迫る! -
明治、大正、昭和…親子で読みたい 精選「尋常小學修身書」(小学館文庫)
【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 「登は学問にもはげみましたが、ひまが少ないので、毎朝早く起きて御飯をたき、その火のあかりで本を読みました」「艇が引きあげられた時には、艇長以下十四名の乗員が最後まで職分を守って、できるかぎりの力をつくしたようすがありありと残っていました」…そこには日本人がなおざりにしてきた美徳がある。時代を生き抜く知恵がある。我が子に伝えたい感動がある。正直、礼儀、勤勉、責任、友情、公益、勇気など、現代に通じる137話を精選。 -
砂の交渉 日米合弁
二転三転する日米合弁事業の攻防の行方は! ファミリーレストラン業のサマリン社員山崎和也は、砂漠のまん中にあるアルバカーキ-に到着した。アメリカ大手のレストランチェーン、ジョーンズとの合弁事業を進めるために、現地法人の社長井上恵子と交渉に臨んだ。社長の吉村の意を受けた和也に、この件は吉村と対立する副社長の境が進めていることがわかってきた。 副社長グリンスタインは、最初の交渉でジョーンズの日本でのフランチャイズ権の買い取りやジョーンズ買収などをほのめかせ、和也を慌てさせた。 その後の合弁交渉は、総論ではまとまるものの進展しない。 そして、サマリンの同僚が寝返ったのではという疑惑が起こり、次いで吉村が権利を持つ米国現地法人が、名前を他人の物にすり替えられていた。 本当のところは何が起こっているのか? さらに、和也にはアメリカにいる別れた妻と娘に会うためにも、この合弁交渉を成功させたかった。 しかし、事態はさらに大きく動き……。 いよいよ、ジョーンズ会長との直接交渉が行われることになった。 会社は誰のものか?男が守るべきものとは? 今年度の日経小説大賞の受賞者による、国際色豊かな経済小説。 -
時代短篇選集
時代を超えた衝撃の名作短編を収録。 幕末から明治を舞台に描いた山田風太郎の名短編を、文芸評論家・日下三蔵氏の編により収録した短編集。大きく変わっていく激動期に、あるものは自らの意志を貫き、あるものは時代に翻弄される人生を送った。 無念流の免許皆伝の腕をもち、佐久間象山の下では、勝麟太郎とならぶ俊才と目されていた、立花久米蔵。蘭方の医者でもあり、妻は外国人の血を受け継いでいた。そんな彼が、黒船渡来で攘夷を唱える声に、異論を述べたことから悲劇が始まる、「ヤマトフの逃亡」。 火事のため、伝馬町の牢屋敷から囚人の切り放しがあり逃げてきた、高野長英の最後までを描く、「伝馬町から今晩は」。 ほか全七編。 -
土地の神話
田園調布のルーツと東京の近未来を読み解く。 著者は都知事就任の25年前から、いまの東京ライフスタイルをつくった近代都市開発の起源を徹底的に調べ上げていた! 猪瀬流都市論の原点となった読み応えのある傑作。 都心に勤めるサラリーマンにとって、東急沿線の住宅地、とりわけ田園調布に一戸建てを持つ、というのが一つのステイタスだが、内実は、満員電車での苦痛な通勤でしかない。そもそものルーツはかの渋沢栄一の息子・秀雄がイギリスのガーデンシティーに魅せられて構想を立てた田園都市計画。しかしこの構想は、五島慶太を始めとする野心あふれる実業家によって欲望に満ちた不動産業へと変貌する。大学の誘致、住宅地と鉄道敷設を一体にした開発、在来私鉄の買収劇など東急王国はみるみる増殖、ロマンあふれる構想はもろくも挫折した。関東大震災後、東京という街がいかにしてでき上がっていたかを検証する『ミカドの肖像』の続編ともいえる近代日本論。 -
鍼師おしゃあ 幕末海軍史逸聞
一途な恋の行方を描く江戸っ子鍼師の一代記 ボコボコにされておしゃあのもとに駆け込まれた男は、瀬戸内育ちの漁師で古川庄八といい、幕府の命により水夫となり、江戸にやってきていた。女郎上がりで鍼師となったおしゃあは男嫌いだったが、庄八と恋に落ちる。庄八は、次第に重用され、オランダにまで留学するようになる。戊辰戦争では、幕府方として函館で明治政府軍と戦って捕らえられる。解放された庄八に会いたさに、函館まで出かけていったおしゃあだったが、そこには奈津という許嫁がいた……。 将軍の侍講にしてジャーナリストの成島柳北、安田銀行・安田生命の創業者である安田善次郎などの傑物もおしゃあと親しい患者として登場。 治療の腕と気っぷの良さは天下一品! 逞しいけど恋には純粋な江戸っ子おしゃあの、一途な恋の行方を描いた幕末明治一代記。 単行本刊行時には、『笹色の紅 幕末おんな鍼師恋がたり』という題名でしたが、文庫化に際し改題しました。 -
骨ん中
「ちょんまげぷりん」作者デビュー作を電子化! バブル崩壊後の94年、日本海に面する東北の地方都市・岩館で大きな影響力を誇る川戸建設会長・川戸英太郎は、ゴルフ場開発に伴う暴力団系企業への多額の不正な債務保証での特別背任容疑の渦中にいた。さらに、逮捕直前には、息子で社長の英介が自殺するという最悪の事態を迎えたが、英太郎は表情を変えることなく、嫌疑をすべて認め、裁判は淡々と進んでいった。 有罪判決が下り、すべてを失ってなお、心に平明を宿しているようにみえた英太郎は、やがて静かに朽ちていった。しかし――。すべてが結末を迎えたに見えた8年後の02年冬、この事件を静かに追い続けていた東日新聞社社会部記者・宮浦弘樹は、英太郎の死亡記事を地方紙の片隅に偶然見つけたことから、物語は大きな転調を迎え、重厚な三代にわたる一族の“血の物語”を呼びさます。 -
日米開戦の真実 大川周明著『米英東亜侵略史』を読み解く
歴史に学び、21世紀の日本の道を探る ポスト冷戦後の世界は、帝国主義時代に近い構造を持っている。 このような世界で日本が生き残っていくには、どうすればいいのだろうか。 北方四島、尖閣諸島問題を見れば、最近、日本外交が「八方塞がり」に陥っていることは新聞や雑誌の論評を読めばよくわかる。日本外交の歯車が狂い始めているのだ。こんなときに、安直な対症療法ではかえって事態を複雑にし、病状をより深刻にする。いまこそ腰を落ち着けて、歴史に学ぶことが重要だ。歴史は繰り返すのである。 1941年当時、日本が対米戦争に踏み切らざるを得なかった。急速に発展するアメリカという帝国主義国と妥協はできなかった。妥協をすれば、日本はアメリカの保護国、準植民地になる運命を免れなかった。 NHKラジオの連続講演をもとに1942年1月に出版された、大川周明の『米英東亜侵略史』は、アメリカの対日政策の分析において、客観的および実証的なものだった。 過去の歴史から学び、現下日本国家そして日本人が抱える外交政策の困難な問題を克服する緒が得られるとの考えから、佐藤優が『米英東亜侵略史』を丁寧に読み解き、21世紀の日本の方向性を示唆している。 -
すべてあなたのためだから
中学受験があぶりだす、母のエゴと娘の闇。 良子は夫と小学4年生の娘・菜摘と暮らす、ごく平凡な主婦。何事にも消極的な我が子の性格に少々不満はあるものの穏やかな日々を送っていた。 優秀な娘を持つセレブなママ友・麗香は娘が赤ちゃんの頃から仲良しで、憧れの存在でもある。彼女の勧めで菜摘は中学受験に挑戦することに。麗香の娘・涼香と同じ塾に通えることに喜び勉強に励むと、菜摘は意外な才能を開花させ、39しかなかった偏差値をみるみる上げていったのだ。 我が子の可能性に舞い上がった良子は麗香に菜摘の成績をさりげなく自慢する。すると麗香の態度は一変、良子を無視し、ママ友とのランチ会で良子を貶める発言をするほどまでに。 私と仲良くしていたのは、愚かな母娘を見て優越感に浸りたかっただけ……。これまでの憧れと信頼の深さゆえに、そう悟った良子の反動は大きかった。麗香を見返す。成績を伸ばし涼香に勝つことこそ、菜摘の将来のため。決意した良子は娘に勉強を強い、その教育熱は次第にエスカレートしていく。やがてそれは思いもよらぬ悲劇を招くのだった。 「どこかの家庭で今まさに起きているのでは」と思わせる、リアルな恐怖が読者の心に爪痕を残す衝撃作! -
バタフライ・エフェクト T県警警務部事件課
警官が署内で首吊り!不祥事の裏にある闇。 T県警大貫警察署内のトイレで、地域課の巡査、静谷永人が首を吊っているのが発見された。拝命して三年の若手警官の自殺に、衝撃が走る。事態の調査にあたるのは県警本部に新設されたばかりの警務部事件課のメンバーだ。キャリア部長が実績を残そうと作ったお飾り部署に寄せ集められた六人。その責任者となった明堂薫警部補は奉職三十四年のベテランで、個性豊かな捜査員たちの取りまとめに苦労をしつつ、調べを進めていく。 その頃、九久見警察署管轄内で起きた連続窃盗事件で、犯人の女二人組が逮捕された。だが、そのうちの一件について、犯行時刻に別の場所で二人が目撃されていたという情報が入る。誤認逮捕となれば、県警を巻き込む大問題となる。薫たちは、九久見署敏腕刑事課長として名をはせる藤堂一雄と対峙することになるのだが。 若手警官を自死に追いやったものはなんだったのか。さらに、所轄に渦巻く闇は底知れずはびこっており……。『女副署長』などで警察小説界の新星として注目される松嶋智左の書き下ろし最新作。女性警察官たちの家庭の悩み、人生への懊悩もリアルな筆致で描き出す、警察群像小説の新境地! (底本 2022年11月発売作品) -
江戸寺子屋薫風庵
尼僧と寺子の熱い絆!江戸版“二十四の瞳”。 江戸は下谷に薫風庵という風変わりな寺子屋があった。三百坪の敷地に平屋の学び舎と住まいの庵がある。二十人の寺子は博奕打ち一家の餓鬼大将から、それを取り締まる岡っ引きの倅までいる。 薫風庵の住人は教鞭をとる妙春という二十四歳の尼と、廻船問屋・日向屋の先代の元妾で、その前は遊女だったという五十一歳の蓮寿尼、それに十二歳の飯炊き娘の小梅の三人しかいない。子供たちの評判はいいが、女所帯では不用心と日向屋の用心棒の堤勝之進が様子を見にやってくる。寺子屋設立の費用と月々の掛かりを出す日向屋は世間体もあって、同じ町内の薫風庵にすげない仕打ちもできないらしい。 そんなある日、隣家の大造が寺子に盆栽を折られたと怒鳴り込んできた。近所では蚯蚓や蛙の死骸を投げ込まれた家もあるのだという。折も折、寺子が学び舎の前で行き倒れを見つける。男前に弱い蓮寿は、城戸宗次郎と名乗る浪人の面倒は薫風庵で見ると宣言する。やがて宗次郎が学び舎で教え始めると、妙春に思いもよらぬ心の変化が……。 隣家への投石は誰の仕業なのか。宗次郎の出現は単なる偶然だったのか。教職の経験もある著者が満を持して放つ江戸版“二十四の瞳”誕生! -
舌の上の散歩道
生涯五万五千食の美味を選りすぐった名著! 『パイプのけむり』シリーズを始め、名随筆家と知られる作曲家團伊玖磨氏。中でも食随筆のファンは時代を超えて増えるばかりだが、数多い著作の中でも、幻の名著といわれる今作品が没後二〇年を機に装いも新たに登場。五万五千回の食事の記憶から、印象深い一皿一皿をユーモアと機知に富んだ筆致で描いたひと一冊。「海亀」「香港の蟹」「あざらし」「鰻」「虎骨木瓜酒」ほか今では食べられない幻の一皿から日常の何気ない料理まで滋味溢れる筆致で描いた、これぞ食随筆!の一冊。解説はエッセイストの平松洋子さん。 -
うかれ堂騒動記
かわら版屋のお転婆が引き起こす珍事件!? 17歳の一穂は、黒目がちの目がくりくりと大きい。なのに、たいそうなお転婆。せっかくの整った顔立ちが台無しだ。その一穂、事情があって、かわら版屋〈うかれ堂〉を営むおじさんの市右衛門と一緒に働いている。今日も今日とて、工房を構える日本橋の〈うかれ長屋〉でご飯を食べていると、北町奉行所の同心・吉田主計が様子をうかがいにやって来た。一穂と幼馴染の吉田は、事件のネタを〈うかれ堂〉のために漏らしてくれているのだ。そのかわりに一穂と市右衛門は、江戸市中で見聞きした物事を報告し、時には探索を手伝っている。十手こそ渡されてはいないが、吉田とは持ちつ持たれつの間柄というわけだ。そんな吉田が持って来たのは、新任与力の水野左衛門が一穂と直に話してみたいという、呆れた私事。ところがいざ会ってみると、なぜだか、北町奉行の小田切土佐守と寺社奉行の青山下野守の政争につながるネタを追う羽目に……。挙句の果てには、とんでもない大騒動になって!? 『幕末ダウンタウン』で第十二回小説現代長編新人賞、『ぴりりと可楽!』で細谷正充賞を受賞した実力派時代作家、初の文庫書き下ろし! (底本 2022年5月発行作品) -
醤油と洋食
明治時代の女子大三人娘が美味しい食べ歩き。 料亭の名は「鈴川」、江戸時代から続いている結構な老舗だ。 鈴川八重はその、麻布に立つ料亭の一人娘。 店主の父・勇児は明治の末生まれで頑固者だけれど、料理以外は進歩的。母の海子はキリリとした顔立ちで、まるで芸者のように気風がよい。 そんな両親と楽しく暮らす八重は、今日も目白の椿山女子大学まで自転車で通っては、同級生で男装の華族令嬢・桜木虎姫、そして美貌の資産家令嬢・桃澤雫と、鯛焼きやかき氷、お汁粉などなど、おいしいあれこれを食べ歩き。 店に帰れば、料理には厳しい歳上の板前・洋一郎とふたりで新しいメニューづくり。馬鈴薯トーストにストロベリーカレーに……夫婦丼!? おいしい食べ物、あまい恋愛に目がない、明治時代の女学生三人娘のスイートな日常を描くグルメロマンス。 -
世界に一軒だけのパン屋
国産小麦100%を実現!奇跡のパン屋物語。 北海道十勝に店を構える小さなパン屋『満寿屋』。 一見普通の店に見えるが、実は業界でも不可能といわれた国産小麦100%使用を成功させ、そして年商10億円を売り上げる、奇跡のパン屋なのである。 水は大雪山の雪解け水を使い、小麦はもちろんバター、牛乳、砂糖、酵母、小豆まで地元産を使用。 安全、安心、そして究極の国産パンを造ろうとチャレンジを続けてきた世界でも希なパン屋3世代の熱いドラマを描く。 ベストセラー『サービスの達人』『イベリコ豚を買いに』著者が贈る、傑作ノンフィクション。 ※この作品は単行本版として配信されていた『世界に一軒だけのパン屋』の文庫本版です。 -
偶然屋
その「偶然」は仕組まれたものかもしれない。 出会いと別れ、栄光と挫折、幸福と不幸、そして生と死……。 あなたの人生を左右した「偶然」や「運命」は、実はすべて仕組まれていたのかもしれない。奴らによって――。 弁護士試験に挫折して就職活動中の水氷里美は、ある日、電信柱に貼られた「オフィス油炭」という会社の求人広告を見つける。藁にもすがる思いで連絡を入れると、面接場所に指定されたのは、なんと錦糸町のパチンコ屋!? 数々のミッションをなんとかクリアして、入社が認められた里美に与えられたのは「アクシデントディレクター」という聞き慣れないお仕事だった――。 確率に異常にこだわる社長の油炭、かわいいけれど戦闘能力の超高い女子中学生・クロエとともに、里美はクライアントからの依頼を遂行していくが、あるとき「偶然屋」たちの前に、悪魔のような男の存在が浮かび上がる……。 ブラックユーモアミステリーの名手が本領発揮! こんな展開、予測不能!! 『ドS刑事』シリーズで人気の著者、新たなる代表作。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた作品の文庫版となります。 -
月の下のカウンター
お燗酒のようにじんわり温かい気持ちに。 太田和彦はふとつけたテレビや雑誌の中で実に心地よく居酒屋にいざなってくれる、そればかりか、一度この人と飲みたいなぁと思わせる魅力がある。今回はその大田和彦をもっともっと好きになる彼の本音やルーツまでがわかる一冊である。 気になる居酒屋を取材して、紹介するまでの裏話もまるで、一緒に行っているかのような優しげな描写である。 なかでも、椎名誠氏から依頼を受けて「本の雑誌」に掲載された、 『居酒屋「べからず」集』『居酒屋評論家の本音』『最後の晩餐の前日のメニュー』などは、まさにフアンが大喜び間違いなしであろう。 かと思えば、故郷への想い、街歩き、旅のこと、父のこと、祖父のことなど太田和彦その人そのものをたっぷりと味わっていただける構成になっている。 まるで御燗した日本酒がじわーっと身体に染み渡っていくような温かい気持ちになる叙情あふれるエッセイ集である。 -
悲願花
あなたの罪は、生き延びてしまったことです。 夜闇に輝くパレード、大好物ばかりのご馳走、笑顔の父と母。 家族で遊園地に行ったあの日、幸子は夢のような時間を過ごした。 そして―― 両親は家に火をつけて一家心中を図り、幸子だけが生き残った。 工場の事務員として働き始めた幸子は、桐生隆哉と出会い、惹かれ合うようになる。しかし、幸子は隆哉に「一家心中の生き残り」であることを告げられずにいた。隆哉の部屋で料理を作ろうとした幸子は、コンロの火を見てパニックを起こしてしまう。 過去に決別しようと両親の墓を訪れた幸子は、雪絵という女性に出会う。 「あたしが、子供たちを殺したんです」 子供たちを乗せた車で海に飛び込み、一家心中を図ったシングルマザーの雪絵は、生き残ってしまったのだという。 彼女は、墓地から蘇った母だった。 雪絵との運命的な出会いにより、幸子の人生が大きく動き出す。 そして、加害者と被害者の思いが交錯した時、衝撃の真実が明らかになる―― 『闇に香る嘘』『黙過』『同姓同名』で最注目の乱歩賞作家が放つ慟哭のミステリー!! ※この作品は単行本版として配信されていた作品の文庫本版です。 -
帝都の用心棒 血刀数珠丸
刀を持たぬ剣術遣いと刀剣蒐集妖女との邂逅。 藤田五郎翁は刀を手にし、表に飛び出した。斬殺された男ふたりが道端に倒れている。 傍に立ち、血刀を提げた巨漢が唸り声を上げた。転瞬、ふたつの刃が火花を散らす。それも束の間、巨漢が隙を突き、姿を消した。 残された藤田が目にしたのは、亡骸の首元に彫られた蜘蛛の入墨、周囲に転がる数珠玉だった……。「立て続けに妖刀が出没して、人を斬っている」との噂を聞いた、東京帝国大学理学部教授の山川健次郎は、事件の真相を突き止めてほしいと、加能碧一と行成光雄に依頼した。 ふたりは、梁山泊屋敷と呼ばれる〔水城よろづ商会〕に出入りする用心棒コンビなのだ。刀を持たない剣術遣いの碧一と、二振の短刀と棒手裏剣を全身に仕込んでいる光雄は早速、刀剣蒐集家ウィルソンの邸へ赴いた。 ウィルソンが蔵で保管していた四谷正宗こと源清麿が血染めになっていたのだという。刀の装飾には蜘蛛が施されていたらしいが、前の事件を鑑みると、近頃一部の富裕層を取り込みつつある謎の組織〔蜘蛛の会〕を主宰し、人知を超えた力を使うと言われる妖女、多摩峰トワ子が関係しているのか? 剣光疾り、太刀風駆ける、書き下ろし大正ノワール日本刀アクション! -
ロックンロール
めっちゃおもろい! 半自伝的青春小説。 木村勇太、25歳。夢は映画監督。 今は売れない劇団をやりながら、大阪市K区寿町でバーを経営している。 ある日の閉店間際、「冬音」という見慣れぬ美女が店にやってきた。 ストリッパーだという彼女は、勇太にストリップ劇場で前座をやってほしいと頼むのだった。なんとか劇場を満員にしたい、力を貸してほしいと――。 そこから勇太たち劇団員4人の、場末の劇場を舞台にした、笑いあり、涙ありの悪戦苦闘の日々が始まった! 「悪夢」シリーズで大人気の作家が描く、“めっちゃおもろい!”半自伝的青春小説。 これって一体……どこまで実話なん? -
パーフェクト・クオーツ
北の後継者暗殺の裏側を描いた衝撃作! 読書メーターなど、ネット・レビューでも「名作」と賞される大藪春彦賞受賞作『スリー・アゲーツ』に続く、待望のシリーズ最新作! 日本と北朝鮮、二つの国に二人の子を遺して男は死んだ。 米国国防総省(ペンタゴン)直轄の情報機関に所属する葉山隆(はやまたかし)の元に、男から52本もの古いカセット・テープが届く。 録音されていたのは男の告白。北の情報機関〈三号庁舎〉の一員として知るかぎりのすべてを語った内容だった。 その中で、北の完璧なるスパイ“石英(ソギョン)”の存在が明かされる。そして大がかりな情報網を統べるというもう一人の大物スパイ“カタツムリ”。 北が作った精巧な偽ドル紙幣“スーパーK”の流通を阻止しようと米韓合同で行われたソウルでの摘発作戦は、米韓に多数の死者を出すというさんざんな結果に終わったが(前作)、その原因は、米韓の情報網に開いた巨大な穴からの情報漏洩だったという。 葉山はその巨大な穴に、石英とカタツムリが関与していると見て、調査を始める。 一方、米日の経済制裁に反発して、北朝鮮は突然、国境近くの経済特別区・開城(ケソン)工業団地を封鎖した。 巨額の投資をしていた京星(キョンソン)グループの代表・重貞高平(しげさだたかひら)は、一千億ウォンに及ぶ損失を取り返すべく、米日にある取引を持ちかける。 その内容とは、北の後継者の一人だった“ヨハン”亡命の手引きだった。 ヨハンは、北朝鮮が国を挙げてアメリカを標的とする大量殺戮兵器を開発しているという確実な証拠を握っていた――。 「他の血を残しておけば、それは必ずや新たな災いを呼び起こす。誰かがその血を利用しようとするからだ」 日本人の想像を絶する北朝鮮という国の実態。 米韓の隙を突いてマレーシアの空港で起こる“ヨハン”暗殺事件。そして切り札をなくした取引の行方は? -
私はあなたの記憶のなかに
角田ワールド全開!「記憶」をめぐる小説集。 <「さがさないで。私はあなたの記憶のなかに消えます」と言って姿を消した妻をさがす旅に出る僕>――(表題作)。<初子さんは扉のような人だった。小学生だった私に、扉の向こうの世界を教えてくれた>――「父とガムと彼女」。<K和田くんは消しゴムのような男の子だった。他人の弱さに共振して自分をすり減らす>――「猫男」。<イワナさんは母の恋人だった。私は、母にふられた彼と遊んであげることにした――「水曜日の恋人」ほか4篇。角田光代の小説世界を存分に味わえる読み応えたっぷりの小説集。 ※この作品は単行本版『私はあなたの記憶のなかに』として配信されていた作品の文庫本版です。 -
不在者 家裁調査官 加賀美聡子
三億円の遺産がかかった失踪事件を追う! さいたま市の古い荒ら屋で、老婆が亡くなった。中原トミ、九十七歳。夫に先立たれて三十年、一人でつましく暮らしていたトミには三億円の遺産があった。 相続人は三人の孫たち。しかし、「三男の子の薫にすべての遺産を与える」と書かれた遺言書が見つかった。薫は就職して二年目に失踪しており、二人の孫は遺産を得ようと、薫の失踪宣告を申し立てる。 さいたま家庭裁判所の家事調査官・加賀美聡子は、薫が生死不明になった時期を特定するため、彼の消息を調べ始める。その中で浮かび上がってきたのは、幼少時から児童養護施設で育ち、母親の咲江に歪な形で支配されてきた、薫の壮絶な人生だった―― 一方、東京家裁の離婚調停で“替え玉事件”が発生する。愛人の子を妊娠した妻が出頭させたのは“偽物の夫”だった。 欲にまみれた人々の争いの渦中に身を置きながら、調査を進めていく聡子が辿り着いた衝撃の真実とは。 『誤算』で注目を集めた稀代のストーリーテラーが放つ、緊迫のクライム・サスペンス。 -
父のおともで文楽へ
父と私と文楽。共感度100%の家族小説。 母の3回忌の法要で、佐和子は実家を訪ねた。久しぶりに顔を合わせた父・敬一郎から文楽を観に行こうと誘われる。仕事が休みの土曜日、小学生の娘・梨々花は別れた夫・義彦との面会日で家にない。「面白いぞ」と敬一郎は言うが、半信半疑で国立劇場へ向かった。 演目は『心中天網島』だった。天満で紙屋を営む治兵衛が曾根崎新地の遊女と恋仲になり、妻子を捨てて心中するという筋書きだ。治兵衛は、妻のおさんへの未練も断ち切れず、遊女の小春との心中も踏ん切りがつかない。佐和子はまったく共感できなかった。そんな佐和子に、「また付き合え」と敬一郎は言った。 ニューヨーク州の弁護士資格も持ち、アメリカで仕事をする予定の義彦が、梨々花を連れていきたいと言い始めた。佐和子は梨々花を手放したくないが、契約社員としての収入は多くなく、夫からの養育費に頼る身だ。そんな中、敬一郎から検査入院をすると連絡が入る。 37歳でシングルマザー、派遣社員の佐和子には、精神的にも経済的にもゆとりは少ない。公私に亘って、課題が山積みだったが……。 -
藤子・F・不二雄のまんが技法
超人気まんが創作の秘密を大公開! 「ドラえもん」の作者はどうやってまんがをかいているのか? 豊富で具体的な作例を交えながら、作者自身によって明かされる、創作の秘密とテクニック!! まんがに限らず、映画、小説、シナリオなど、物語作りに関わるすべての人に役立つ「奥義」が、きわめて分かりやすく説かれた著者唯一の本格的まんが入門書。『藤子・F・不二雄大全集』にも収録されている名著・『藤子・F・不二雄 まんがゼミナール』の文庫版。「ぼくのミニまんが履歴書」「藤子・F・不二雄〈略年譜〉」ほか文庫版だけの資料も収録。(解説:里中満智子) -
遊戯神通 伊藤若冲
天才絵師の素顔と技法に迫った長編小説。 若冲没後百年を経た明治37年、セントルイス万博に〈若冲の間〉というパビリオンが出現する。この時〈Jakuchu〉の名を世界に広めたのは誰だったのか? 京都の図案家・神坂雪佳は、若冲の末裔という芸者から〈若冲の妹〉と呼ばれた美しい女性の話を聞く。 宝暦13(1763)年、京都錦の青物問屋〈枡源〉に、一人の少女がやってきた。主の若冲が飼う鶏や、珍しい鳥、美しい毒草などの世話をするために。美以という名の少女の体からは不思議な芳香が漂っていた。その匂いに、若冲はかつての異国の女の面影を重ね合わせながらも、美以を自分の弟に嫁として与えてしまう。若冲を慕う美以は、以後〈若冲の妹〉として思いを秘めたまま生きていくことになる。 『動植綵絵』の完成間際に、錦市場を揺るがす事件が起こり、弟が謎の死を遂げる。彼は本当は若冲の何だったのだろうか。さらに天明の大火による被災……だが、若冲が本来の絵師として蘇生するのはそれからだ。そして、いつも傍らには〈妹〉の姿があった。 心の中の〈奇〉を描かずにはいられなかった絵師、若冲。時空を超え魅了し続けるその素顔と秘密に、江戸と明治の二つの時代軸で迫った長編小説。 ※この作品は過去に単行本版として配信した『遊戯神通 伊藤若冲』の文庫版です。 -
姉上は麗しの名医
イケメン侍のコンビが難事件を見事に解決! 剣術道場の若先生こと、瓜生清太郎は二十三歳。鍼治療で不在がちの老師範代わりに、毎日洟ったれの少年たちを指南している。 今日もみっちり稽古をつけてやると、清太郎の技を見て、「強い男と見込んだ」という、小間物問屋の息子・直二から相談を持ちかけられた。 話によれば、「最近、家の近くで野良犬がたくさん死んでいる。死に方からすると、たぶん毒を食べさせられた」らしい。 つまりは、憎っくき犯人を懲らしめてほしいようだ。 一方、町奉行所の定廻り同心・藤代彦馬は、二十五歳。 三年前に家督を継いで、十手を預かる身となり、休みもなく働き通し。 いま携わっているのは、医者が誤って毒を飲み、死んでしまった事件だ。 不審な点がいくつもあるが、奉行所は理由もなしに、探索を打ち切ってしまったという。 納得のいかない彦馬は、腕の立つ女医者の真澄に知恵を借りようと、清太郎の家にやって来た。 真澄は、清太郎が自慢する姉なのだ。 事件の経緯を聞き、訝しさを感じた真澄は、清太郎と彦馬が止めたのにもかかわらず、独自に探索に乗り出す。 が、真澄は行方不明に……。 -
北前船用心棒 赤穂ノ湊 犬侍見参
塩の浜を血に染めた犬侍の凄絶な立ち合い! 元禄14年春、播州赤穂に向け、摂津を出港する千石船があった。船の名は蓬莱丸、乗組員は素性の知れない面々ばかりで、白い柴犬を連れた千日前伊十郎と名乗る犬侍まで乗り込んでいる。生類憐みの令のもと、お犬様を手にかければ首が飛ぶ。打擲できない犬を従えた犬侍は最強の用心棒だった。 息が詰まるようなご時世に、将軍交代を望む声が出始める。候補は二人、紀伊國屋文左衛門が推す紀伊藩主綱教と大坂の豪商・三代目鴻池善右衛門がよしとする甲府藩主綱重だ。一方、伊十郎と二人、赤穂に先乗りした蓬莱丸の炊・権左は、次席家老・大野九郎兵衛に体よくあしらわれていたが、伊十郎の人柄に魅了された筆頭家老・大石内蔵助の妻りくのとりなしで、ようやく二家老の信頼を取り付ける。 胸襟を開いた大石によれば、松の廊下の刃傷事件の背後で糸を引いていたのは犬侍だという。塩受け取りの当日、潮が満ち始めた塩田の浜に甲斐犬を従えた犬侍・黒虎毛が立ち塞がる。身構える柴犬シロ。得意の石つぶてを握りしめる権左。ついに、伊十郎の龍王剣音無しの秘太刀が虚空に舞った。 -
陽だまり翔馬平学記
巨悪の老中に狙われた軍学者と姫の運命は? 軍学者の沢村翔馬は、公家の姫・由布の護衛として、江戸の一軒家で暮らしている。口うるさい老侍女のお滝も一緒だ。翔馬が開く私塾は、飢え死にしそうな若い浪人が弟子入りしたり、やくざの親分が講義の邪魔をしたりで、毎日なにかと忙しい。そんなある日、翔馬とお滝は一瞬の隙をつかれ、由布を何者かに誘拐されてしまう。最近、明国復興を目指し、徳川幕府に援軍を要請しているという鄭成功からの使者が江戸市中を荒らしているらしいが、なにか関わりがあるのか。過去に起こった騒動で、翔馬に深い恨みを抱く老中の松平信綱が、腹心の朽木誠一郎へ密命を下したのか?巨悪の権謀術数に伝家の宝刀を一閃、絶体絶命の危機を乗り越えろ! 沢村翔馬……元摂津国伊丹藩士で、林羅山の弟子。宝刀「鬼丸」を持つ。 由布……書道と和歌、お菓子作りが得意な姫。 お滝……京都びいきで、江戸の悪口を言う。野郎歌舞伎を観るのが趣味。 朽木誠一郎……林羅山の弟子で、翔馬に敵愾心を抱く。 松平信綱……老中次座。「知恵伊豆」と呼ばれる。保科正之の失脚を企む。 保科正之……陸奥国会津藩藩主。徳川幕府最高実力者。 高館孝直……伊丹藩藩主高館孝元の嫡男。蛮勇を振るう。 -
教師 宮沢賢治のしごと
教師・宮沢賢治の感動の授業を再現! 月の夜、そば畑の花があまりに美しいので、一人でそこで泳いでしまう先生でした。 いつも服やズボンのポケットの中を、何かしらない宝物でいっぱいにしている先生でした。 私が、この今の人生を全部投げ出してでも、生徒になって習いたかった先生でした。(略) その先生の名は花巻農学校教諭宮沢賢治。この世で一番美しい、あの物語「銀河鉄道の夜」を書いた作者です。(本文より) 大正10年から15年まで、宮沢賢治は故郷・花巻の農学校で教鞭をとった。 公式だけでは絶対に解けない代数の問題。 生徒たちを二班に分けて競わせた英語のスペリング競争。 土壌学の授業では、地球の成り立ちをまるで詩のようにうたいあげ、肥料学では、一枚の細胞絵図から生命の記憶を説き起こす。 そして、まだ生まれたばかりの『風の又三郎』や『春と修羅』の作品群を生徒たちに朗読して聞かせたという国語の授業――。 教え子たちの心に忘れがたく刻まれた幻の授業がよみがえります! -
ザ・ギフト 聖夜の奇跡の物語
聖夜に見つける、心を震わせる贈り物とは。 なんでも一番を求め、仕事に猛進するルー・サファーン。さらなる昇進のチャンスをものにしようとますます多忙を極め、愛する妻や子供たち、親兄弟と向き合う時間も余裕もない。「自分のクローンがいたらいいのに――」。 クリスマスが間近に迫ったある朝、ルーは会社の前に座る同世代のホームレスにふと目を留め、なんの気まぐれか手にしていたコーヒーをプレゼントする。さらに行きがかり上仕事まで世話するが、その男ゲイブの超人的な仕事ぶりは、ルーに恐れと不安を抱かせ、苛つかせていく。この男は何者なのか――。 そんな折、ライバルの企みで窮地に陥り、私生活でも重大な岐路に立たされているルーに、今度はゲイブがある“贈り物”をする。それは、不思議な錠剤だった。その薬を服用すると・・・・・・。 ゲイブは一体何者なのか? 人生において本当にかけがえのないものとは? 誰もが自らの人生と重ねあわさずにはいられない、現代版『クリスマス・キャロル』。ベストセラー作家が描く、聖なる季節の奇蹟の贈り物。 -
横山光輝の『史記』で学ぶ故事成語
漫画「史記」を読み故事成語の由来を知る! “背水の陣”“左遷”“馬鹿”“臥薪嘗胆”等々・・・これらの言葉の成り立ちは、「史記」から生まれたとは、ご存じでしたか?? 本書は、そういった言葉が成り立ったエピソードを漫画とコラムで紹介しています! 漫画版「史記」は歴史家として名高い司馬遷の記した中国史「史記」を、漫画界の巨匠・横山光輝が完全コミック化したものです。そしてその中から」今なお言葉として生き続けている故事成語成り立ちのエピソードを厳選して収録し、注釈を加えて一冊に纏めたのが本書です。 悠久なる中国の歴史に思いを馳せコミックを楽しみ、知を手に入れられるこの一冊。ぜひ、あなたの書庫に加えて下さい。 ※底本総ページ288ページ フィックス型EPUB114MB(校正データ時の数値) 【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 -
眺めのいい部屋売ります
M・フリーマン、D・キートン主演映画原作。 モーガン・フリーマン、ダイアン・キートン主演、2016年1月公開予定の映画『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』の原作小説。 NYイースト・ヴィレッジに建つエレベーター無しの古いアパート。45年間、5階の部屋に住み続ける画家のアレックスと元教師のルースは、子どもには恵まれなかったものの55年間連れ添い、12歳のダックスフント・ドロシーと幸せで穏やかな日々を送っていた。 ただひとつ、大きな問題が。足腰の弱くなってきた夫婦とドロシーにとって、5階までの階段をのぼることが辛くなってきたのだ。そこで二人は住み慣れたこの部屋を売り、エレベーター付きの物件を購入する計画を立てた。昔は下町だったイースト・ヴィレッジも今ではおしゃれなエリアとなり、二人の部屋にもちょっとした値がつくようになっていた。 ところがアパート内覧会の前日、なんとドロシーが急病に!さらにマンハッタンのトンネルの真ん中でテロ騒ぎが勃発。緊急手術が必要になったドロシーの容態は?テロの動きは?そして不動産交渉の行方は? 夫婦と愛犬が直面した危機と彼らの絆を描く、スリリングでチャーミングなハートフル・コメディ。 -
エッフェル塔くらい大きな雲を呑んでしまった少女
フランス発、笑って泣ける怒濤のコメディ! ハンサムな航空管制官レオは、オルリー市街の理髪店で髪をカットされながら、理髪師の老人を相手に語りはじめた。レオによると、アイスランドで起きた火山噴火の影響でヨーロッパ中の空港が閉鎖された日、プロヴィダンスという名の美女が勤務先の空港管制塔に突然現れた。なぜかビキニ姿の彼女は、「モロッコの病院にいる娘の容態が悪化したので会いに行きたい。いますぐ離陸許可を出してもらいたい」と訴えたという…。 デビュー作『IKEAのタンスに閉じこめられたサドゥーの奇想天外な旅』がフランスでベストセラーとなり、衝撃のデビューを飾った驚異の新人ロマン・プエルトラス。彼の第2作は、前作同様、炸裂するだじゃれやきわどいジョークにおなかを抱えて笑わせられ、気づくとほろりとさせられている怒濤のコメディ。深刻な話こそ笑い飛ばしてしまえ、という著者の挑戦的な試みに、あなたもきっとハマるはず!? -
ハンサムガールズ
八十年代を彩った森瑤子作品、復刊第一弾! 高校時代、同じ演劇部に所属していた女友だち五人。外資系の会社で働きながら劇作家を目指す聖衣子、劇団で芝居をやっているサキ、雑誌編集者で未婚のシングルマザー真利江、エステティックサロンでインストラクターをする羊子、裕福な家庭で育ったピアノバーの演奏者・伊佐子。 二十代も半ばを過ぎた今でも、つかず離れずの友情を育む彼女たちは、定期的に近況を報告し合っていた。ある春の夜、「これぞと自慢できる男を同伴して、サキの舞台を観にいく」と約束した彼女たち。男でつまずき生き方に悩み、痛みを抱えながらも、自立した女として生きていきたい――。 いくつもの出会いと別れを経験した女性たちが、いつしか知的で美しいハンサムガールへと華麗に変貌していくオムニバス長編。 各章ごとに、彼女たちそれぞれの生き方が綴られ、女性なら必ず共感出来る章、生き方があるはずです。 -
食というレッスン(小学館文庫)
【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 上司の奢りで初めて鮨屋に入り、いきなりアワビを注文してしまった、あの日。高級フレンチで食前酒を聞かれ、思わずコーヒーを頼んでしまった、あの日。誰もが、そんな苦い食体験を重ね「大人」になっていく。カップラーメンに胸ときめかせた子供時代、恋に仕事に振り回され食事は二の次だった二十代。三十歳を超えてから、ようやく落ち着いて「食」と対峙できるようになった。美味しいものを見極め、美味しくいただくとは、どういうことか。大人になった今こそ食のレッスンを始めませんか。まずは、一流店と呼ばれる、あのお店を訪ねて-。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。 -
くちびるに歌を
青春小説の新たなるスタンダードが電子化! 長崎県五島列島のある中学合唱部が物語の舞台。合唱部顧問の音楽教師・松山先生は、産休に入るため、中学時代の同級生で東京の音大に進んだ柏木に、1年間の期限付きで合唱部の指導を依頼する。 それまでは、女子合唱部員しかいなかったが、美人の柏木先生に魅せられ、男子生徒が多数入部。ほどなくして練習にまじめに打ち込まない男子部員と女子部員の対立が激化する。 一方で、柏木先生は、Nコン(NHK全国学校音楽コンクール)の課題曲「手紙~拝啓 十五の君へ~」にちなみ、十五年後の自分に向けて手紙を書くよう、部員たちに宿題を課していた。 提出は義務づけていなかったこともあってか、彼らの書いた手紙には、誰にもいえない、等身大の秘密が綴られていた--。 -
小説 あらしのよるに
著者自らが書いたベストセラー絵本の小説版!嵐の夜、仲間からはぐれて逃げ込んだ小屋で、オオカミのガブとヤギのメイは出会う。暗闇の中、2匹はお互いの姿を見ることもなく、夜通し語り合い、心を通じ合わせる。「嵐の夜に」の合言葉を決めて、翌日、会うことになった2匹だったが、白昼の下、自分たちが「食うものと食われるもの」であることを知る。それでも魅かれ合うガブとメイだったが、天敵同士のオオカミとヤギの群れは2匹に非情な命令を下すのだった。300万部のベストセラー絵本の著者が、新しいエピソード、異なる結末で描いた小説。「この小説だけに、本当のラストが書かれている」(著者) -
ゆるふわ天上人と地底人 ~住む世界が違うのに出会ってしまったあの子と私~
格差から希望をえぐり出す満身創痍エッセイ! 「この世には、無数の格差がある。 生まれた瞬間から、いや、生まれる前から。 そして、死ぬその時まで。いや、死んでからも格差はある」(まえがきより) 経済格差、教育格差、見た目格差、体験格差、体力格差、情報格差、所属格差、子持ち格差・・・・・・ 持つものと持たざるもの。強者と弱者。天上人と地底人。 「ないものにされる痛み」の可視化をモットーに、 社会問題からエンタメまで発信する 地方貧困家庭出身のヒオカ氏、4冊目の著書。 著者は大学に進学し、社会に出て様々な世界を“越境”する中で、 世界には持つものと持たざるもの、強者と弱者がいると知る。 地上を見上げる自分はまるで地底人、そして対極にいるのは、天界に住む(ように見える)天上人たち。 著者は子ども時代の「毎日が臨戦モード」の日々から解放されたはずなのに、 今、病院で「深呼吸して」と言われても、できないという。 選べない生い立ちで一生モノの後遺症が残り、 経済的不安が思考を支配する世の中でも、 著者は自分を生きなおし、社会に風穴を開けるのを諦めない。 敷き詰められたあらゆる格差をひとつひとつ取り出し、見つめ、 そこから希望をえぐり出すーー満身創痍エッセイ。 -
トクシツ 東京地検特別執行チーム
逃亡被告人を追うこの職業は実在する! 東京地検の特別執行担当・通称「トクシツ」。逃亡被疑者・逃亡被告人・とん刑者たちを捜し、身柄を確保して収容する者たちだ。 かつて、そこでエースと呼ばれていた検察事務官の目黒は4年ぶりに現場に復帰し、保釈中の匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)の頭目・蒲生の監視をしていた。 目的は証拠隠滅阻止のほか、政財界の有力者との接触現場を記録すること。だが突然、謎の男たちが蒲生を襲撃、目黒が救助に向かうも、混乱の最中に逃走を許してしまう。以降、蒲生は身を隠しながら部下を使い、襲撃を命じたと思われる人物たちに報復を開始。蒲生の動きに疑問を感じた目黒は捜査に没頭するあまり、危機が訪れて――。 追跡専従班が掴んだ驚きの真相とはいったい何か? 逃亡した被告人等の捜査を行う、実在の職業を描いた著者渾身のクライムサスペンス! -
14歳、明日の時間割
奇跡の中学生作家による小説第2弾が文庫化! 文学界騒然の中学生作家による第2弾小説が、待望の文庫化。新人小説家のデビュー作としては異例のベストセラーとなった『さよなら、田中さん』の続編を希望する声が多い中、「これだけ、と思われたくないのでまったく違う作品を書きます」と始まった挑戦。何度もハードルの高い宿題、改稿を乗り越えたあげく、ますます進化し、ますます面白くなった、彼女でしか書き得ない珠玉の短編集です。今回の舞台は、中学校。時間割に見立てた7編の短編では、鮮やかに現代人の想いを描写し、現役中学生の目を通してのエピソードや人々の心情が、いたるところで手に取るようにリアルに感じられる展開に。思わず共感し、爆笑し、懐かしく想い、目からウロコが落ち、ハッとさせられ、そしてホロッと泣いてしまう生き生きとした描写の数々。 今青春時代のまっただ中にいる方はもちろん、学生時代が遠い昔という大人や、遥か彼方という熟年世代まで、全世代が心から愉しめる一冊です。まっすぐに胸に刺さる「生きる」ということ。泣いて笑える短編全7編のほか、巻末には書き下ろし短編『歳月』を特別収録。作家としての進化を感じさせる作品になっています。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『14歳、明日の時間割』 の文庫版となります。 -
特定しないでください
彼女の身に、いったい何が起こったのか――。 無名の新人作家である“私”のもとに舞い込んだ、とあるアイドルの行方調査依頼。どうやら、そのアイドルが所属していたのは『メンバーの中に人殺しがいる』という噂が流れ、現在はメンバー全員が失踪してしまっている曰く付きのグループらしい。 編集者からの催促を受け、次回作の企画に悩んでいた“私”は、半信半疑のまま彼女の行方を追ってみることにしたのだが……。 彼女の身に、いったい何が起こったのか。観客の証言、メンバーの裏アカウント、インタビュー音源などの断片から真相を浮き彫りにしていく、著者渾身のヒトコワ×ミステリー。 -
午前二時不動産の謎解き内覧
ワケあり物件の謎を解く、それが入居の条件。 「私と一緒に、ワケあり物件の謎を解いていただく。これが、入居の条件です」 三軒茶屋のはずれ、深夜二時から四時の間だけ灯りがともる「午前二時不動産」。 店主の青年・柏原泉は、迷い込んだ客たちにぴったりの格安物件を紹介してくれる。 ただし、入居に際しては条件が一つ。それは泉とともに、その物件にまつわる謎を解くことだ。 愛するハムスターを亡くした女性の最大の後悔とは。タワマンの一室に届き続ける匿名の手紙の差し出し人は? 部屋をアート作品のように彩り亡くなったおじいさんが遺した、謎の言葉の意味とは。 部屋に秘められた想いが、悩める人々の背中をそっと押してくれる。 ようこそ、勇気をもらえる謎解き内覧へ。 【第一章 ハムスターを追いかけた部屋】 渋谷区、広尾駅徒歩6分、1K、家賃47,000円、告知事項あり 【第二章 名無しの手紙が届く部屋】 江東区、豊洲駅徒歩12分、28階2LDK、家賃95,000円、告知事項あり 【第三章 魔法の箱が開く部屋】 世田谷区、千歳烏山駅徒歩13分、2K、家賃80,000円(但し残置物引き取りの場合35,000円) -
星になれない君の歌
この涙を、私は一生忘れない。 「このまま死にたくなかったら、俺に協力して。お願い!」 夭折した幼馴染み・拓朗の幽霊に体を乗っ取られた都萌実は、あの世とこの世の境目に連れて来られてしまう。 生前ソングライターを目指していた拓朗は、片思いしていた人へ贈る歌を作っている最中に亡くなってしまい、どうしてもそれを完成させたいらしい。 幽霊という存在に恐怖が拭えない都萌実だったが、姉弟同然に育った拓朗に“お願い”と言われたら断れない。 こうして都萌実は拓朗とひとつ屋根の下、一緒に歌を作ることになり――。 幽霊となった幼馴染みと過ごす最期の日々。ラストは涙、感動の物語! -
落語小説集 子別れ
直木賞作家による、落語「人情小説」集! ●子別れ 腕の良い大工だが呑兵衛の熊五郎。呑み過ぎないよう妻のおとくに釘を刺されていたが、棟梁に前借りした50万円を、遊郭ですべて溶かしてしまった。愛想をつかしたおとくは、一粒種の亀吉を連れて出て行ってしまう。 ●景清 腕のいい鏨彫り物師だった定次郎は、目の病を患い、わずか半年で失明してしまった。かつての仕事への未練を捨てられず、目の病に御利益があるという赤坂の圓通寺の日朝さまに、願掛け参りを始める。 ●後家殺し 刃物研ぎ宿「研ぎ常」の親方である常吉の強みは、声の良さにある。義太夫の師匠中堀十元に、熱心に稽古をつけてもらっていた。天保三年六月、常吉は運命の女に出会う。 ●火事息子 蔵前天王町の大身札差・伊勢屋四郎左衛門は、従弟で質屋を営む伊勢屋藤右衛門の息子・藤三郎を溺愛していた。火消しに憧れる藤三郎のために、四郎左衛門は火の見やぐらを建設し、半鐘番に就けるよう根回しをした。 ●柳田格之進 彦根藩納戸役を免職となった柳田格之進は、浅草馬道の碁会所で質屋、万屋源兵衛と対局し意気投合する。対局はその後、万屋の離れにて行われることになり、二人の関係は、八月の十五夜まで盤石だった。 ※この作品は単行本版『後家殺し』として配信されていた作品の文庫本版です。 -
お願いおむらいす
疲れた心に沁みる、美味しい連作短編小説。 ★「お願いおむらいす」 音楽への夢を捨てきれないまま、追い詰められて就職した太一。音楽雑誌の出版社に就職したはずが、全然違う仕事に就くハメに。それでも頑張ってしまうマジメな太一が気づく大切なこととは。 ★「キャロライナ・リーパー」 久しぶりに会う大好きな姉と疎ましい父親。突然聞かされた姉の悲しいニュースに、心は乱れる。対照的に歩んだ女性の生き方、悩みをホロ苦く描く。 ★「老若麺」 ラーメンの名店「紅葉」ぐるフェス店を任された天翔と崇。だが、どうしてもあの味を出せず客は集まらない。そんなとき事件が起こり、ある秘密が解き明かされることに。 ★「ミュータントおじや」 美優は自他共に認める崖っぷちアイドル。大ファンだという女子中学生と出会い、行きがかり上その子の面倒をみることに。自分を押し殺して生きてきた美優の思いとは。 ★「フチモチの唄」 50代後半にしてまさかのリストラになってしまった浩。大切な家族を守り切れない自分に苛立つ。最愛の母の命が長くないことを知り、彼が下した決断とは……。 秋のある日、「ぐるフェス」に集う人々の人生模様を生き生きと描く。心がほわっと温まる全5編。 ※この作品は単行本版『お願いおむらいす』として配信されていた作品の文庫本版です。 -
70歳のたしなみ
大ベストセラーが文字大きめで文庫化! “人生100年時代”の現代では、70代こそ人生の黄金時代です!「今さら」「どうせ」と自分をおとしめるのはもうやめて、若いうちから“黄金の70歳代”を迎える準備をしましょう。超人気ベストセラー『女性の品格』の著者が、《上機嫌にふるまう》《人は人、自分は自分》《若い人をほめる》など、人生の後半生をポジティブに生きる32の具体的なヒントを伝授。30代~90代まで男女さなざまな読者から「元気をもらった」「親にプレゼントしたい」「前向きに生きられるようになった」とたくさんのハガキやお手紙が届き、大反響です。 また著名人から次のような推薦の言葉も届いています。 ◎上野千鶴子さん(東京大学名誉教授)「『上機嫌』がいいですね。私も『明るい』『楽しい』老後より『機嫌よく』過ごす老後が目標です」 ◎あさのあつこさん(作家)「70歳になっても80歳になっても人としてのたしなみを生き方によって新しく得ることができることを教えてもらえました」 ◎三砂ちづるさん(津田塾大学学芸学部教授)「70代のための本かもしれないけれど、心安らかにその時を迎えられるよう、ぜひ70代より若い人にこそ読んでいただきたい」 ※この作品は単行本版『70歳のたしなみ』として配信されていた作品の文庫本版です。 -
跳べ、栄光のクワド
伝説のフィギュアスケーターの真の姿とは? 日本のフィギュアスケーターなら誰もが目指す憧れの舞台、全日本フィギュア選手権。さらに、今回の大会はオリンピックの出場権がかかる、とても重要な試合。 そんな大切な試合の直前、男子ショートプログラムの2日前に、男子レジェンドスケーターが忽然と消えた。「ショートの試合の前には必ず戻りますから、探さないでください」という書き置きを残して……・。 レジェンドスケーターが全日本フィギュアを前に失踪!? そこから物語はスタートする。試合のジャッジ、フィギュアを報道するアナウンサー、選手の身体をケアするトレーナー、選手にとって一番近い存在の母親、そして振付師。それぞれの目線から、彼について、そして今回の事件についての考察が始まる。次々とその波紋は広がっていき、それぞれの心に彼の姿、彼への想い、そして、新たな絆といえる感情が生まれていく。立場は違えど、共通するのは彼への熱い気持ち。また、「推し」をもつファンの心情も描かれる。 そして、渦中の彼の行方は……。 主役を支える人々のお仕事小説でもあり、人間ドラマでもあり、成長物語でもある。読後爽快な、スポーツエンタテイメント小説です。 -
万葉集歌解き譚
万葉集の歌の数々が味わえる!新シリーズ。 日本橋の伊勢屋で奉公する助松には、父親の大五郎がいた。しかし、一年半前に伊勢屋の仕事で富山に出かけたまま、行方不明になっていた。父は、助松に日記を残していた。このことは決して他人に話さないように言われた。日記には和歌らしきものがいくつも書かれている。 伊勢屋の一人娘しづ子は助松より六歳上で、和歌が好きで賀茂真淵に学んでいた。そして、店の大切な客人である占い師の葛木多陽人も和歌に造詣が深かった。多陽人は京都生まれの京都育ちで、回りがぽかんと見惚れてしまう程の美男子だった。 助松は、二人に事情を知らせずに日記に記された歌の意味を少しずつ、教わっていた。 ある日、体調を崩した大友主税という若い侍を助けたことがきっかけで、しづ子に和歌を学びに主税が訪れるようになった。しかし、主税がしづ子に近づいたのは別の理由があったのだった。 その後、しづ子は密かに姿をくらましてしまう。 大五郎としづ子の失踪には、関連があったのだ。 日記に記された和歌の数々には、どんな意味があったのか。 一連の謎は解き明かされるのか――。 万葉集の和歌が面白さが判る、新シリーズ! -
ぼく、ドラえもんでした。
涙と笑いのドラえもん声優26年うちあけ話。 ドラえもんの声を演じ続けて26年。2005年の声優交代の直後から、とめどなく溢れ出る思いを、約1年かけ、自ら綴った感動秘話。 パイロットフィルムに「一目ぼれ」した出会いの瞬間から、テレビ、映画と怒濤のような大ブームへと走り続けた日々、世界中の人々との出会いや、藤子・F・不二雄先生の思い出など、本人にしか決して語れない、涙と笑いに溢れた、ここだけのうちあけ話が満載。 さらに、自らの生い立ちや、「ドラ声」とからかわれ、くじけた心を勇気に変えてくれた母の言葉。入院、手術を経て、辞めようと決意する心の動き。随所に語られる、これからの世代や、若い母親、子どもたちへの温かいまなざし…。 本書は、テレビ放送の黎明期から女優として活躍してきた大山のぶ代さんの、芸能生活50年の節目に書かれた自伝でもあり、その半分以上の間、大山さんのドラえもんといっしょに生きて来た私たちすべての心の奥深くに響く一冊です。 「大山さんはドラえもんをやりながら、日本中の子どもたちのお母さんでもあった。」(黒柳徹子) 「大山さん。私たちのドラえもんでいてくださって、本当にありがとうございました。」(辻村深月) -
小倉昌男 祈りと経営~ヤマト「宅急便の父」が闘っていたもの~
ヤマト「宅急便の父」が胸に秘めていた思い。 2005年6月に亡くなったヤマト運輸元社長・小倉昌男。 「宅急便」の生みの親であり、ビジネス界不朽のロングセラー『小倉昌男 経営学』の著者として知られる名経営者は、現役引退後、私財46億円を投じて「ヤマト福祉財団」を創設、障害者福祉に晩年を捧げた。しかし、なぜ多額の私財を投じたのか、その理由は何も語られていなかった。取材を進めると、小倉は現役時代から「ある問題」で葛藤を抱え、それが福祉事業に乗り出した背景にあったことがわかってきた――。 著者は丹念な取材で、これまで全く描かれてこなかった伝説の経営者の人物像に迫った。驚きのラストまで、息をつかせない展開。 ※本書は過去に単行本版として配信された『小倉昌男 祈りと経営~ヤマト「宅急便の父」が闘っていたもの~』の文庫版です。 -
おれたちをまたぐな! わしらは怪しい雑魚釣り隊
進化も成長もしないまま遂にシリーズ第6弾。 おれたちが必死で釣った魚は、猫もまずいといって跨いでいく―― 米子の海岸で手作りテントを建設し、富山湾ではホタルイカ掬いに精を出す。 八丈島の堤防ではムロアジ大漁に歓喜の雄叫びをあげたのだが、秘島・青ヶ島ではなんと監禁状態に! 進化も成長もしないまま、遂にシリーズ第6弾! ※この作品は『おれたちを跨ぐな!~わしらは怪しい雑魚釣り隊~』(単行本版)の文庫版となります。 -
永遠に解けないパズル
大ベストセラー作家の青春小説! いつの間に、ぼくらの目は曇っていくのだろう? 会えなくなるとわかっていても、ぼくは君を守りたかった‥‥。 その日、映画の脚本家になることを夢見ていたぼく(佐々時郎/ジロ)は、駅前通りの本屋さんで『ハリウッドで脚本家になるための近道マップ』という名前の翻訳本を立ち読みしていた。 600ページもある高価な本だったから、夏休みに入った最初の日から毎日店に通って、少しずつ全ページを読破する計画だった。 その日も本に没頭していると、急に肩を叩かれ、ぼくは飛び上がった。 (本屋の親父さんについに見つかった!) 恐る恐る振り返ると、そこに彼女がいた。 南川桃(モモ)。 同じクラスにいたけど、一度も口をきいたことがない女の子。 女子のヒエラルキーでも頂点にいるのが当たり前のようなその子が、そのあとぼくに頼んできたのは、伝記を書くことだった。 「伝記? 誰の?」 「わたしの」と、彼女は言った。 『いま、会いにゆきます』『恋愛寫眞 もうひとつの物語』『そのときは彼によろしく』『こんなにも優しい、世界の終わりかた』―― 市川拓司×小学館の大ベストセラー小説群に加わった傑作です! ※この作品は『MM』(単行本版)の文庫版となります。 -
脱出老人 フィリピン移住に最後の人生を賭ける日本人たち
高齢化社会の将来を占う渾身ルポルタージュ。 一年中温暖、物価は日本の3~5分の1、やさしく明るい国民性、原発ゼロ、年の差婚当たり前。日本で寂しく貧しく苦しい老後を過ごすなら、いっそのことフィリピンで幸せな老後を送りたいと、日本脱出の道を選んだ高齢者たちは少なくない。はたして、老後の楽園はフィリピンにあるのだろうか。 果たして、現実は……。 恋人候補200人のナンパおじさん、19歳の妻と1歳の息子と、スラムで芋の葉を食べて暮らす元大手企業サラリーマン、東日本大震災を機に、東北から原発ゼロのフィリピンに移住した夫婦。ゴミ屋敷暮らしだった母親をセブ島に住まわせる娘、24歳年下妻とゴルフ三昧の元警察官。90歳の認知症の母親をフィリピン人メイドと介護する夫婦、「美しい島」で孤独死を選んだ元高校英語女性教師……。さまざまな「脱出老人」のジェットコースター人生を、開高健ノンフィクション賞受賞作家が、フィリピン&日本で3年間にわたり徹底取材した衝撃のノンフィクション。 「老後の幸せ」「人間の幸福感」とは何かを浮き彫りにする、話題作。 解説は、映画監督の崔洋一。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『脱出老人』の文庫版となります。 -
緑と赤
ふたつの国の狭間で揺れる、迷う、恋をする。 二〇一三年の夏、在日韓国人の大学生・知英はパスポートを取得した。表紙の色を見て、改めて自分の国籍を意識する。町ではヘイトスピーチのデモに遭遇し、戸惑う。「なにじん」なのか、居場所はどこにあるのか、友人と分かり合えないのはなぜか。自分に問い続ける知英は少しずつバランスを失っていく。K‐POPファンの梓、新大久保のカフェで働く韓国人留学生のジュンミン、ヘイトスピーチへの抗議活動に目覚める良美、日本に帰化したのち韓国で学ぶことを選んだ龍平、そして知英。ふたつの国で揺れる五人の男女の葛藤と再生を描く。 -
遙かなる城沼
人の絆の大切さを描いた時代小説。 館林藩の武士である村瀬家の長男惣一郎は、弟の芳之助や妹千佳、友人の梅次と塾や道場通いを続けていたが、成績優秀な芳之助が藩校に行くことになった。それを妬んだ幼馴染みの寿太郎たちが乱暴し、寿太郎は塾や道場を変え離れていった。父源吾は、罪人を逃したことで家禄を減らされていた。やがて、病に倒れた父に代わって、藩の仕事を行うことになった。 そんなある日、筆頭家老の岸田が殺された。表向きは病死とされた。背景には藩を二分する派閥争いがあり、源吾は牢破りの件もその内紛が関わりがあると、真相を告げたのだった。 やがて、浜田藩への国替えが決まる。子どもの頃から一緒だった綾を嫁に迎え、子どもも生まれた惣一郎は、主君の松平斉厚に従い、家族と浜田へ移った。そこに、生田万の元にはせ参じたまま音信不通となっていた寿太郎からの手紙が届く。そこには、故郷に帰りたいと書かれていた――。 家族や友情の絆の大切さを歌いあげた、長編時代小説。 -
野村の遺言
野村野球の真髄、最初で最後の本格捕手論。 「キャッチャーは試合の脚本家。脚本がだめではいい作品は生まれない」と、名捕手不在のいまのプロ野球を憂う著者が、「これだけは言いのこしておきたい」ことは何なのか。 真のプロフェッショナルを知る著者が、これこそ捕手の醍醐味と言われる「配球」と「駆け引き」について、知られざるエピソードと勝負の法則、名捕手の条件を語り尽くす。 文庫版スペシャル「野村克也×山崎武司のぼやき&言いたい放題対談」を特別収録! ※本書は過去に単行本版として配信された『野村の遺言』の文庫版です。 -
ロンドン・デイズ
演劇人生の核となった、泣き笑い留学日記。 イギリスでの俳優教育の何百年にもわたる蓄積をもらってこようと、ロンドンのギルドホール音楽・演劇学校に留学することにした鴻上尚史氏。英語で行われる授業に備えてみっちり勉強し、準備は万全――のはずだった。が……、そこは、想像をはるかに超える“英語の戦場”だった! 日本ではすでに名の知れた演出家にして作家である著者が一念発起、39歳で挑んだ1年間のロンドン留学。聞き取れない英語に苦戦しながら、イギリスはじめ世界各国から集まった20歳前後の俳優志望者たちとともに、ぴちぴち黒タイツを身につけ、学校生活に邁進していく。真剣に“鬼ごっこ”をし、歌い、踊る。週末ごとに動物園に行き、そこで観察してきた動物の真似を大真面目に披露する。さらには布になったり、火になったり、新聞紙と一体になったり――。たまに演出家としての視点が顔を出すものも、あくまでも生徒に徹し、悩み、考え、イギリス流ワークショップに取り組んでいく著者の、素直で涙ぐましい姿が、独特のユーモラスな文体で綴られる。一方で、時折浮き彫りになるイギリスの階級制度や差別意識。そして、著者が思う、俳優という職業の厳しさと残酷さ、素敵さ。その後も演出家として日本の演劇界をリードする著者の心の原点となった泣き笑い奮闘記。若いクラスメイトたちとともに汗を流した、愛しい日々の記録である。 文庫化にあたり、文庫の装画も担当した、ラーメンズ・片桐仁との特別対談も収録。 -
風の向こうへ駆け抜けろ
爽涙!スポーツ小説の大傑作、待望の文庫版を電子化! 芦原瑞穂(18歳)は地方競馬界にデビューした、数少ない女性騎手。敬愛する亡き父親への思慕から競馬界に身を投じた。だが、彼女の受け皿となったのは今にもつぶれそうな「藻屑の漂流先」と揶揄される寂れた弱小厩舎。そこにいる調教師、厩務員たちは皆それぞれが心に傷を抱え、人生をあきらめきったポンコツ集団だった。 弱小厩舎のため強い競走馬も持てず、さらなる嫌がらせを受け、困っていた矢先に出合った一頭の馬。虐待により心身共にボロボロだったこの馬も懸命な介護と歩み寄りにより、生まれ変わったかのような素晴らしい競走馬に変貌を遂げる。当初は廃業寸前だった厩舎も、瑞穂の真摯な努力と純粋な心、情熱から、徐々に皆の心は一つとなり、ついには夢のまた夢である狭き門、中央競馬の桜花賞を目指すまでになる。が、その行く手には様々な試練が待ち受ける。温かな絆でつながった彼らの運命は…? 偏見、セクハラ、虐待、裏切り、老い…。様々な理由から心に傷を抱え、人生をあきらめかけている人間達の起死回生ストーリー。人は何歳からでも成長できる、そして人生はやり直せる。すべての方々に読んでいただきたい、人生への応援歌となる1冊です。 -
猿蟹 saru・kani
騙した奴から奪い取れ! コンゲーム小説。 蟹江静子は、老人ホームに入るために貯めた1千万円を、遠藤を首領とする詐欺グループに騙し取られてしまった。それを知った八原みちるは、蟹江に金を取り返そうと提案する。みちるは、以前悪人をターゲットにして金を奪っていた詐欺師だった。 昔の仲間を集めて動き出したみちるが、遠藤に持ちかけるのは投資事業。バイオ発電に金を出させて、遠藤の分も奪おうと言うのだ。そこに、みちるを昔から追う警視庁の染田刑事が身辺を嗅ぎ回ってきた。さらに、謎の女性“河原崎聖子”が登場! 一体勝つのは誰なのか。 ミステリー界の奇才による、書き下ろしコンゲーム小説! -
かみがかり
髪型を変えれば、人生は前向きになる! 学校職員の須川沙紀は、気が弱くて後輩にも強いことがいえない性格で、仕事はできるのだが回りからなめられていた。しかも、ワンマン経営を行っている理事長の命令で、架空の議事録作成もさせられていた。これは、理事長の横領や背任を正当化することになっていた。思い切って髪形を変えようとした沙紀は、初めての理容店に行ってみる。睡魔に襲われて起きた沙紀の眉毛は、これまでと違ってきりっと細く吊り上がっていた。すると、周囲の人間の反応が変わってきた……(「眉の巻」)。 ひとり暮らしの岩瀬かえでは、帰宅したマンションで泥棒と鉢合わせしてしまう。恐怖の中で犯人は撃退したが、その日は会社の同僚の家に泊まった。翌日、自宅の錠を変えベランダに防犯対策を施したかえでは、髪形を変えることにした。雨に降られて雨宿りしたのが理容店だったため、そこで髪を切ったのだが、気持ちよく寝ているうちにオドロキの髪になっていた ……(「守の巻」)。 仕事で追い込まれている人も、私生活が冴えない人も、髪形を変えれば人生は前向きになる!ある町の女性理容師の店で始まる、胸のすくような6つの物語。『わらの人』を改題しました。 -
わたし、型屋の社長になります
会社再建に奮闘する女性社長のお仕事小説! 広告代理店のOLだった花丘明希子は、脳出血で復帰できなくなった父親に替わって、花丘製作所の社長になった。しかし、会社は大幅な売り上げ減で、銀行からは借入金の返済を求められ、融資に駆け回ることに。また、同業者からの引き抜きで、5人の社員が去って行った。 そんなときに、大手の山洋自動車から連絡が入った。いったんは、ライバル企業に発注されていたラジエターキャップに不備があり、仕事が回ってきたのだ。 しかし、技術的にクリアしなければいけない大きな課題が立ちはだかっていた。 駄目なら、さらに手を掛ける。不可能を可能にするまで。 社員の総力を結集しての努力は実るのか。 ひたむきに取り組む女性社長の奮闘と、製造業の心意気を描いた、中小企業応援小説! -
アンダーリポート/ブルー
衝撃の結末が加わった傑作長編小説の完全版。 15年前、ある地方都市のマンションで男が撲殺される事件が起こった。凶器は金属バット。死体の第一発見者は被害者の隣人で、いまも地方検察庁に検察事務官として勤める古堀徹だった。事件は未解決のまま月日は流れるが、被害者の一人娘・村里ちあきとの思わぬ再会によって、古堀徹の古い記憶のページがめくれはじめる――。 古堀は事件当時、隣室に暮らすちあきの母親・村里悦子と親しい間柄だった。幼いちあきを預かることも多く、悦子が夫の暴力にさらされていた事実や「もし戒める力がどこにも見つからなければ、いまあなたがやろうとしていることは、あやまちではない」という彼女の人生観に触れる機会もあった。その頃の記憶にはさらにもう一人の女性の存在もあった。女性はある計画について村里悦子を説得したはずだ。「一晩、たった一度だけ、それですべてが終わる」と。 よみがえる記憶を頼りに組み立てたひとつの仮説――交換殺人という荒唐無稽な物語が、まぎれもない現実として目の前に現れる! サスペンスフルな展開に満ちた長編小説『アンダーリポート』に加えて、新たに衝撃的なエンディングが描かれた短編小説『ブルー』を初収録した完全版。 -
史上最強の内閣
国家の危機に、真の内閣が立ち上がった! 北朝鮮が、日本にむけた中距離弾道ミサイルに燃料注入の報が! 中身は核なのか? それとも……。 支持率低迷と経済問題で打つ手なしの政権与党・自由民権党の浅尾総理は、本物の危機に直面し「本当の内閣」に政権を譲ることを決意した。 アメリカですら「あないな歴史の浅い国」と一蹴する京都の公家出身の二条首相は、京都駅から3輛連結ののぞみを東京駅までノンストップで走らせたかと思えば、その足で皇居に挨拶へ。何ともド派手な登場の二条内閣は、早速暴力団の組長を彷彿とさせる広島出身の防衛大臣のもと「鉄砲玉作戦」を発動する。果たしてその結末やいかに? 「こんな内閣があったら……」書店員さんたちの圧倒的支持を受けた痛快作が待望の文庫版を電子化。 笑って笑って、涙する、史上初の内閣エンタテインメント!! -
からいは うまい
辛味にこだわる作家シーナのピリヒハ紀行、待望の文庫版を電子化。 “からいはうまい、うまいはえらい”と辛味食材にこだわり続ける椎名誠氏の初の極辛追跡紀行、待望の文庫版、電子化なる。トウガラシ大国韓国へ初上陸。キムチ、カルビにプルコギ、冷麺、ビビンバ、チジミにケジャンと韓式食の辛味の真髄を味わい尽くす旅は2千キロに及ぶ。さらに世界の屋根チベットの辛味食に挑み、とって返してわが日本のワサビと辛味大根を体験。食味学の大家・小泉武夫東京農大教授の「辛味食文化入門」を付す丸ごと1冊極辛本。) 【ご注意】※この作品はレイアウトの関係でお使いの端末によっては読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 ※この作品はカラー写真が含まれます。 -
400年の時の旅江戸東京博物館(小学館文庫)
【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 第一部では、江戸・東京の歴史を物語る貴重な資料や復元模型を展示している江戸東京博物館を通して、各時代の政治経済や文化、娯楽、庶民の生活を振り返ることができる。そこには、日々の生活を楽しみながら生きる人々の元気な姿があった。第二部では、“幕府のしくみ”や“江戸の食文化”“女性のオシャレ”“江戸の歌舞伎”“昭和のくらし”など江戸・東京を楽しむためのとっておき話11篇も収録している。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。 -
奥の細道温泉紀行(小学館文庫)
【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 全行程2400キロ、160日間の「奥の細道」の途上で芭蕉が出会った温泉。全力で芭蕉が書き残した言霊はいまも濃密に奥の湯に宿っている。文人温泉王・嵐山光三郎が不朽の紀行文の足跡を辿り、芭蕉の言霊に挑みながら道筋にある温泉を訪ねた。「細道」各地のガイドの他、名湯、秘湯、山の湯など全40湯を紹介する湯けむり行脚。「奥の細道」はゆっくり温泉に浸かりながら、美味しいご馳走のように、少しずつ楽しもう! ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。 -
涅槃の月 おんな隠密闇裁き
結衣は殺された家族の仇を討てるのか。 五年前に源太と江戸に逃げてきた三村結衣は、徳蔵親方に拾われ、仏壇師の仕事で暮らしていた。 しかし、結衣には殺された家族の仇を討つという思いがあった。 下沢藩の御馬頭取の家に生まれた結衣は、聡明で身体能力にも優れていたため、隠密となっていた。そんなある日、他の何人かの隠密の家と同様に、一晩で家族を皆殺しにされたのだ。何者がいったいなぜ? 修復した仏壇を納めにいった先で、父の部下が不審死したことを知り、事件について調べ始めると、しだいに、藩の中枢にいる者による不正の数々が明らかになってきた。そして主流派と反主流派の争いに留まらない、権力維持のための黒い構図も、見えてきた。結衣たち家族の殺害も、藩の不正を調べていたことが背景にあったことがわかってくる。 自ら家屋に忍び込み、闇の核心に迫っていく結衣は、何者かに付け狙われ壮絶な斬り合いとなる。 仏壇の前で、復讐を果たすために人を殺してもいいのかどうか思い悩む結衣。また、江戸で再会した藤代弥一郎への思いも再び募って……。 はたして、結衣は家族の仇を討つことができるのか。 新進気鋭による書き下ろし時代小説、熱く登場! -
星に願いを、月に祈りを
「100回泣くこと」作者の新たなる代表作! 小学生のアキオ、大介、麻里は、夏の学童キャンプで、夜、ホタルを見るため、宿を抜け出し、川に向かう。ようやく川にたどり着いた3人は、偶然ラジオから流れる謎の深夜放送を耳にする。その後、中学で野球部に入ったアキオは、一学年先輩の放送部員・里崎さんを好きになるが、告白できないまま、時間が経過する。高校生になったアキオは、夏休みに、かつてのキャンプ場を訪れ、再び謎のラジオ番組を聞き、あることに気づく。そして、さらなる時間が流れ、アキオたちは大人になった。物語は、大きく動き始める――。 -
幸せまねき
あなたたちがいたから、家族になれた。 学校でいじめにあっている長男・翔(11歳、小学五年生)は、家では不機嫌。自分が欲しがって飼った犬の散歩にも行かない始末だ。息子を心配するママ・小絵(38歳、専業主婦)は、家庭の事情にまったく関心をしめさないパパ・真太郎(45歳、会社員)にあきれ果て、テニスコーチと不倫に走る。思春期の長女・穣(17歳、高校二年生)も同じ高校に通う問題児とつき合いだした。 今にも崩壊しそうな中山家。 一家の一大事に、ペットの三毛猫ミケ(2歳・メス)とコーギーのタロウ(1歳・オス)が立ち上がる。果たして一家の命運は? 『万寿子さんの庭』の注目作家が描く、愛と絆の物語。 -
オケ老人!
「ちょんまげぷりん」作者が描く平均年齢世界最高齢(?)のアマオケ交響曲! 老人ばかりで構成された平均年齢おそらく世界最高齢のアマ・オーケストラ「梅が丘交響楽団」(略称・梅響)に、ひとりの高校教師・中島が間違って入り込んでしまったところから物語は始まります。 彼は、全く演奏など論外のはずの土下手くそな「オケ老人」たちのなかで勿論一番若く、力も備わっていると目され、いきなり指揮者になってくれと皆から懇願されます。 その後、彼が本当に門を叩きたかった同じ町にある人気のアマオケ「梅が丘フィル」(略称・梅フィル)との確執、梅フィルの怜悧で完璧主義のコンマス・大沢が熱望するロシアの人気指揮者・ゴルゴンスキーの来日騒動などを経て、日本・ロシアの国家機密の情報漏洩にまで話は大きく展開していきます! -
歌舞伎町のミッドナイト・フットボール -世界の9年間と、新宿コマ劇場裏の6日間-
異能の音楽家が綴るエッセイ第二弾 21世紀日本を代表するカルチャー・ヒーローとなった菊地成孔が、1996年から2004年の間に書いたさまざまな領域についてのエッセイ・評論をコンパイルし、その合間に新宿歌舞伎町のホテルで過ごした6日間の記録が挿入される、という形式の異色エッセイ。音楽の、文学の、映画の、セックスの、料理の、言語学の、精神分析の、格闘技の、愛と憎しみと生と死の、憂鬱と官能にまみれたアマルガム。饒舌なトリックスターにしてエレガントアンニュイの司祭、菊地成孔が贈る、『スペインの宇宙食』に続く第二エッセイ集。 「2004年4月23日午前7時30分。 少なくとも今の僕にとって、地球は新宿歌舞伎町を中心に回っている。あらゆる人々の欲望と、悲しみと、快楽と、絶望と希望を、平然と乗せて」(本書より) -
ビネツ-美熱-
青山の高級エステ『ヴィーナスの手』。敏腕オーナーの京子にヘッドハントされた麻美は辣腕エステティシャンとして頭角を現し始める。この店にはかつて加藤サリというカリスマエステティシャンがいた。そのサリは六年前、何者かに自宅で殺害されたという。生まれ持った「手」の適性と高い技術、人間性も含めて〈サリの再来〉と賞される麻美。だが麻美は密かにサリを超えたいと願うようになる。京子の夫で健康食品会社社長の安芸津弘庸や、その愛人でキャバクラ嬢のアリシア、ヴィーナスの手の客で日常に満たされぬ思いを抱くOL・舞、麻美の同僚・結花と真子、そして弘庸と前妻との子で謎めいた美青年・柊也などの人物たちが複雑に関わりあいながら、物語は展開する。 -
メイド・イン・オキュパイド・ジャパン
占領下の日本、音楽に魅せられた青春の記録。 敗戦後の「占領下の日本」で民間貿易が再開された1947年からサンフランシスコ講和条約が発効した52年まで、日本からの輸出品には「MADE IN OCCUPIDE JAPAN」の刻印を打たなければならなかった。そんな時代に青春の日々を生きた著者は〈メイド・イン・オキュパイド・ジャパンの申し子の一人なのだ〉。そしてこの本は〈アメリカびいきの、アメリカコンプレックスという悲しい性を払拭しきれない私の「センチメンタルで客観性を欠いた、自己確認のための回想」なのである。〉 * サツマイモ好きのアメリカ兵(1945)/ジェームス・カーンにもらったサンドウィッチ(1945)/「ベイスボール、ベイスボール」(1946)/シアーズ・ローバック(1948-50)/イッツ・マジック(1948-50)/歌うラグビー部員(1950)/進駐軍専用キャバレー福生<ローズ・マーダー>(1950-51)/ジョン・ウェインじゃあるまいし(1951)/ワゴン・マスターズ入団記念日(1952)/陸軍中野刑務所(1952)/アーニー・パイル劇場大行進(1953)/神々の住む家(1953-54)/定期入れのガールフレンド(1953)/ジャズ喫茶<銀座テネシー>(1954)/さて、それからというものは(1955~) * 高校在学中から進駐軍まわりのバンドに入り演奏、1952年にワゴン・マスターズに入りリードボーカルとして活躍、レコードデビュー。歌手としてヒットを連発、その後俳優としても数多くの作品に出演。本書は一時代を築いたスターの唯一の自伝である。 本文中に和田誠の挿画16点を収録。装丁も和田誠。 -
私たちは25歳で死んでしまう
この異常が、私たちの日常。 未知の細菌がもたらした毒素が猛威をふるい続け数百年。世界の人口は激減し、人類の平均寿命は25歳にまで低下した。人口減を食い止め都市機能を維持するため、就労と結婚の自由は政府により大きく制限されるようになった。そうして国民は政府が決めた相手と結婚し、一人でも多く子供を作ることを求められるようになり――。 結婚が強制される社会で離婚した夫婦のその後を描く「別れても嫌な人」。子供を産むことが全ての世の中で“子供を作らない”選択をした夫婦の葛藤を描く「カナンの初恋」など、異常が日常となった世界に生きる6人の女性たちの物語。 -
サラバ!
ベストセラー!第152回直木賞受賞作! 僕はこの世界に左足から登場した――。 圷歩は、父の海外赴任先であるイランの病院で生を受けた。その後、父母、そして問題児の姉とともに、イラン革命のために帰国を余儀なくされた歩は、大阪での新生活を始める。幼稚園、小学校で周囲にすぐに溶け込めた歩と違って姉は「ご神木」と呼ばれ、孤立を深めていった。 そんな折り、父の新たな赴任先がエジプトに決まる。メイド付きの豪華なマンション住まい。初めてのピラミッド。日本人学校に通うことになった歩は、ある日、ヤコブというエジプト人の少年と出会うことになる。 -
城下町
加藤清正が仕掛けた熊本城最大の謎に挑む! 「諸国の城を見聞してまいるのだ!」 江戸城の天守を再建すると言い出した八代将軍・徳川吉宗の鶴の一声で突然、御城奉行に任じられた旗本の一色駿之介。 許嫁・結実との祝言を挙げる暇もなく、中間の金作を供として、涙ながらに肥後熊本へ出立する羽目に……。 着いたら着いたで、公儀隠密に間違われるわ、人さらいに巻き込まれるわ、ついには藩主・細川家の御家騒動にまで足を突っ込むことになるわで……。 『城下町事件記者』で活躍する遊軍新聞記者・一色駿作のご先祖様が難事件の謎を叩っ斬る! 奉行から読むか、記者から読むか? 「城下町・一色家シリーズ」の江戸時代版! -
無事に返してほしければ
連続誘拐! 翻弄される警察。 かつて川でおこった事故で行方不明になっていた長男を誘拐したという一本の電話が、平穏だったはずの一家に波紋を投げかける。あの日、川に行かなければ……。妻は不倫していたのか? あの子は自分の子なのか? 俺が殺してしまったのだろうか? 疑惑と後悔が渦巻く中、警察が待機している自宅から、長女までもが連れ去られてしまった。ヒステリックになる妻。立ち尽くす夫。無力な警察官たち。 やがて事件は思ってもみなかった展開を次々と迎えていく。まさに予測不能!一気読み必至。反転しながら連鎖していく誘拐が誘拐を誘う、連作ミステリー。 ※この作品は単行本版として配信されていた作品の文庫本版です。 -
小説 心が叫びたがってるんだ。
『あの花』チームが贈る、青春アニメ小説版。 言葉は人を傷つける――幼いころ、何気なく口にした言葉がきっかけで家族がバラバラになってしまった成瀬順は、突如現れた“玉子の妖精”にお喋りを封印する呪いをかけられてしまう。それ以来、トラウマを抱え目立たないように生きてきたのだが、クラスメイトの拓実、菜月、大樹と共に「地域ふれあい交流会」の実行委員に選ばれてしまった。さらには出し物に決まったミュージカルの主役にまで抜擢されて……。優しさゆえに本音を口にしない拓実、不器用だった過去の恋愛に悩み続ける菜月、甲子園を期待されながら肘を壊した大樹、それぞれが葛藤と苦悩を抱えながら成長への一歩を踏み出す、感動の青春群像劇。大ヒット映画「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」を生み出したスタッフが再び集結し、秩父を舞台に感動のドラマを繰り広げる劇場作品「心が叫びたがってるんだ。」を完全小説化。原画&劇中カットを収録したスペシャルカラー16ページ付き。 -
彼女の存在、その破片
兄を殺した女? 彼女のことを聞きたいの? 〈僕〉は、失踪した恋人を探して彼女の生涯にかかわった男女を訪ね歩く。 「ルリは少女娼婦みたいだった。幼気(いたいけ)な、大胆な、ちょっと痛ましい」 「ルリを見ていると、心を鷲づかみにされる。うっかり油断すると、彼女の存在感に巻きこまれそうな感じなんだよ」 「るりは、本質的にこわいもの知らずな女なのよ」 「るりに触られると、どんなに疲れているときも、からだの隅々まで欲望で満たされた。どこまでも貪欲になれそうだった」 「るりはサーカスの綱渡りの少女、みたいな感じ? 安全ネットなしの」 彼らが語る、これが、あなたなの? それは彼らの心の、割れた鏡に映し出された、無数の破片のようだ。 * 何かの予兆のように、〈あなた〉の複雑な過去と、天才少年ピアニストだった〈僕〉の挫折と後悔に満ちた半生が響き合う。それから〈僕〉は、少しずつ〈あなた〉のもとに近づいていく。〈あなた〉の後ろ姿を見ながら少しずつ。そこには、僕のピアノ、少年時代の調べが響きつづける。 -
スパムリコール
『ゲノムハザード』と対をなす記憶ミステリ。 その日のことは忘れない――誕生日を迎える娘・真希が事故に遭って、病院に運びこまれたという知らせが。そのことを境にすべてが一変した。吉祥寺にある病院に娘は入院していなかった。妻・伊都子には連絡さえつかない。もちろん自宅にも妻娘は不在で、飼い犬までも姿を消していた。妻の謎めいた書置き以外は、保管しておいた預金通帳も実印も家の権利書も会社名義の貴重品も見当たらず、さらには二年前に起業した南新宿のオフィスもスタッフも、すべてが消え去っていた。突如として四十二年間の人生と自らの存在が奪われてしまったその日から、麻宮達彦の孤独な闘いが幕を開ける。 娘が通う絵画教室の画家、闇金融の取り立て、高校の制服姿の女、弁護士事務所の旧友、美術商の女、バーテンダーの男……誰ひとりとして信じられず、不鮮明な記憶と知覚崩壊に翻弄されるなか、やがて麻宮達彦本人に妻殺しの容疑がかけられる――。 ノンストップでたたみかけられる謎の果てに、主人公は“日常”を取り戻すことができるのか? 西島秀俊主演で映画化された著作『ゲノムハザード』と対をなす、記憶が崩れた男の闘いをサスペンスフルに描いた、司城志朗氏の傑作ミステリ! -
ご縁おむすび屋 青が咲く
あなたに良縁、お運びします。 江戸の片隅で、婚活から祝言まで縁組相談に乗っているお結は〈ご縁おむすび屋〉の主。 短所も欠点も見当たらないのに、不思議と良縁に恵まれない男女ばかりが頼みにやって来る。 今日も干鰯問屋の重太郎が相談に訪れた。 若旦那曰く、「何度か見合いして、仲よくなった相手もいたけれど、なぜか途中で上手くいかなくなってしまう」という。 一見すると、容姿も生まれも稼ぎも、すべて可もなく不可もないのに、だ。 お結は何が悪いのだろうと首を傾げつつも、重太郎の好みに合いそうな、小間物問屋の娘お初を紹介することに。 お見合いの場所は、たまにお結がおむすびを握らせてもらって小銭を稼いでいる料理屋〈春屋〉と決まった。 〈春屋〉の善吉は繊細な気遣いで客に合った料理を出すので、きっとうまくいくと安心していたが……。 江戸の町に幸せの涙が溢れる人情小説。 -
私のジェームス・ディーン
谷川俊太郎全小説。 詩人谷川俊太郎には決して多くはないが知られざる小説作品がある。たとえば表題作「私のジェームス・ディーン」は約60枚(×400字)の中篇(あるいは長めの短篇)小説、この作品は当時の総合雑誌「知性」1957年1月号に掲載された。 若きジミーをめぐる男女と愛車ポルシェ・スパイダー311、そして悲劇の事故死――彼の短いが鮮烈な生涯を見事に描いた傑作である。さらに2000年代に書かれた二作の短篇がくる。「小説・高田」は高橋源一郎・平田俊子と競作した〈言葉のトライアスロン〉に収められた短篇小説(2003)、「虎白カップル譚」(2014)は佐野洋子の傑作絵本『100万回生きたねこ』に捧げたトリビュート短篇。つづいて江戸川乱歩編集の伝説のミステリー雑誌「宝石」に発表された二十数篇のショートショート(1960年代)。そのほかにもショートショート作品の別バージョン「ラジオドラマ版」と「テレビドラマ版」や「ジェームス・ディーンへ」という追悼詩も特別収録。谷川ファン垂涎のオリジナル文庫である。 (底本 2025年11月発売) -
たとえば、葡萄
ひたむきに生きる現代の大人女性への応援歌。 まったく先の見えない状態で会社を辞めてしまった美月(28歳)。折悪しく時代はコロナ禍に向かってまっしぐら。閉塞感、不安感でいっぱいの時、転がり込んだのは母の昔からの友人・市子(56歳)の家。昔なじみの個性の強い大人達に囲まれ一緒に過ごすうち、真っ暗闇の絶望の中にいた美月は徐々に上を向く。 誰の心にも存在する将来への恐れや不安、葛藤……。自分と格闘する美月を周囲の大人達は優しく見守る。さりげなく、自然に、寄り添うように。 何度も心が折れそうになりながらも、やがて美月はひょんな出会いから、自分自身の夢と希望を見つけていく……。 今や歴史の一部になりつつあるコロナ禍の時代とそこに生きる人々を描き、改めて人との絆、働くとは、生きるとは、をさりげなく優しく感じさせてくれる作品。そして、登場人物たちは、大島作品好きならたまらない「あの」人々。 心に刺さる、巻末の有働由美子さんの解説原稿も必読です! ※この作品は過去に単行本として配信されていた『たとえば、葡萄』 の文庫版となります。 -
タスキメシ
駅伝×料理、ベストセラー小説待望の文庫化。 陸上の名門高校で長距離選手として将来を期待されていた高3の眞家早馬(まいえそうま)は、右膝の骨折という大けがを負いリハビリ中。そんな折、調理実習部の都と出会い料理に没頭する。一学年下で同じ陸上部員の弟・春馬、陸上部部長で親友の助川、ライバル校の藤宮らは早馬が戻ってくることを切実に待っている。しかし、そんな彼らの気持ちを裏切って、心に傷を抱えた早馬は競技からの引退を宣言する。それぞれの熱い思いが交錯する駅伝大会がスタートする。 そのゴールの先に待っているものとは……。 高校駅伝、箱根駅伝の臨場感溢れる描写とともに、箱根駅伝を夢見て長距離走に青春を捧げる陸上青年それぞれの思いと生き様が熱く描かれる。青年達の挫折、友情、兄弟愛……。熱い涙、しょっぱい涙、苦い涙、甘い涙が読む者の心を満たします。 読後は爽快感と希望に溢れる熱血スポーツ小説です。 -
運命の子 トリソミー 完全版
障害者受容の在り方を問う小児外科医の記録。 人間の生命は、両親から一本ずつ染色体を受け継ぎ誕生しますが、染色体が三本に増えている病気がトリソミーです。異常のある染色体の番号により、「13トリソミー」「18トリソミー」「21トリソミー(別称・ダウン症)」などがあります。13トリソミーの赤ちゃんは心臓の奇形や脳の発達障害があるため、半数が1か月ほどで、ほとんどが1歳までに亡くなってしまいます。本書は、小児外科医である著者が「地元の主治医として13トリソミーの赤ちゃんの面倒をみてほしい」と近隣の総合病院から依頼され、朝陽(あさひ)君とその両親に出会うところから始まります。朝陽君の両親は我が子を受け容れ、自宅へ連れて帰り、愛情を注ぎます。そして、障害児を授かったことの意味を懸命に探ります。著者は朝陽君の自宅への訪問を繰り返し、家族と対話を重ねます。また、そのほかの重度障害児の家庭も訪れ、「障害児を受容する」とはどういうことかを考えます。やがて、朝陽君の母親は、朝陽君が「家族にとっての幸福の意味」を教えてくれる『運命の子』であることに気づきます。出生前診断の是非が問われる中、本書は「命を選ぼうとする考え方」に大きな一石を投じる一冊です。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『運命の子 トリソミー』 の文庫版となります。