父のおともで文楽へ

父のおともで文楽へ

770円 (税込)

3pt

3.7

父と私と文楽。共感度100%の家族小説。

母の3回忌の法要で、佐和子は実家を訪ねた。久しぶりに顔を合わせた父・敬一郎から文楽を観に行こうと誘われる。仕事が休みの土曜日、小学生の娘・梨々花は別れた夫・義彦との面会日で家にない。「面白いぞ」と敬一郎は言うが、半信半疑で国立劇場へ向かった。
演目は『心中天網島』だった。天満で紙屋を営む治兵衛が曾根崎新地の遊女と恋仲になり、妻子を捨てて心中するという筋書きだ。治兵衛は、妻のおさんへの未練も断ち切れず、遊女の小春との心中も踏ん切りがつかない。佐和子はまったく共感できなかった。そんな佐和子に、「また付き合え」と敬一郎は言った。
ニューヨーク州の弁護士資格も持ち、アメリカで仕事をする予定の義彦が、梨々花を連れていきたいと言い始めた。佐和子は梨々花を手放したくないが、契約社員としての収入は多くなく、夫からの養育費に頼る身だ。そんな中、敬一郎から検査入院をすると連絡が入る。
37歳でシングルマザー、派遣社員の佐和子には、精神的にも経済的にもゆとりは少ない。公私に亘って、課題が山積みだったが……。

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父のおともで文楽へ のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2023年06月29日

    かわいい表紙なのに、内容はドキッとする。

    親の老いは切実な問題。
    いくつになっても父の娘への愛は変わらないのが
    ありがたくて切ない。

    0

    Posted by ブクログ 2020年09月12日

    初読み作家さん
    なんとなく惹かれて購入したのだけど、予想以上に良かった。
    じわりと誰にでも訪れるであろう不幸が佐和子に忍び寄ってくるのだけど、それがリアルで身がすくむ。明日は我が身的な感覚だ。
    それでも文楽に癒され、前向きに少しずつ好転していく様はとても気持ちがよく、ラストも必ずしもハッピーエンドで...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2023年02月04日

    面白かった。主人公の設定が自分と同世代で、自分と境遇は違うが、分かる分かるこの感じ…と、つい感情移入できるほど描写が丁寧。割と身近にこういう人いそうだな、と思う。この主人公の世代ならではの、家族との関わり方、家族への思い、みたいなものも、分かるなあ、、と頷いてしまう。文楽には全く興味がなかったけれど...続きを読む

    0

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