悲願花

悲願花

770円 (税込)

3pt

あなたの罪は、生き延びてしまったことです。

夜闇に輝くパレード、大好物ばかりのご馳走、笑顔の父と母。
家族で遊園地に行ったあの日、幸子は夢のような時間を過ごした。
そして――
両親は家に火をつけて一家心中を図り、幸子だけが生き残った。

工場の事務員として働き始めた幸子は、桐生隆哉と出会い、惹かれ合うようになる。しかし、幸子は隆哉に「一家心中の生き残り」であることを告げられずにいた。隆哉の部屋で料理を作ろうとした幸子は、コンロの火を見てパニックを起こしてしまう。

過去に決別しようと両親の墓を訪れた幸子は、雪絵という女性に出会う。
「あたしが、子供たちを殺したんです」
子供たちを乗せた車で海に飛び込み、一家心中を図ったシングルマザーの雪絵は、生き残ってしまったのだという。

彼女は、墓地から蘇った母だった。

雪絵との運命的な出会いにより、幸子の人生が大きく動き出す。

そして、加害者と被害者の思いが交錯した時、衝撃の真実が明らかになる――

『闇に香る嘘』『黙過』『同姓同名』で最注目の乱歩賞作家が放つ慟哭のミステリー!!

※この作品は単行本版として配信されていた作品の文庫本版です。

...続きを読む

詳しい情報を見る

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

悲願花 のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    なんちゅうシチュエーションを考えるのか…
    無理心中の生き残りとは…
    それも2人。
    無理心中され、唯一生き残る。
    無理心中をはかったが生き残る。
    主人公は、自分以外、家族全員亡くなった前者。
    被害者と加害者という相反する2人やけど、これもいつひっくり返るか分からんねんな。
    「"加害者&quo

    0
    2023年12月29日

    Posted by ブクログ

    『あなたの罪は、生き延びてしまった事です』
    一家心中の被害者と加害者、2人の女性が出会う時、いったい何が起きるのか。

    作者の下村さんは、よくこの様なシチュエーションが生み出せますね、凄いです。

    様々な思惑や過去の経緯など、見えていた景色が、ラストで一変します。
    まさに、オセロで盤面が黒から白に一

    0
    2023年12月24日

    Posted by ブクログ

    幼い頃、両親による一家無理心中に巻き込まれ、ひとり生き残ってしまった女性。彼女は最愛の両親に殺されかけた記憶を抱え、他人への信頼や愛情を疑いながら生き続けた。

    そんな主人公が偶然出会ったのは、無理心中で娘を殺害したが、自らは生き残り、懲役刑を終えた女性。主人公は自分の過去を隠し、彼女に接近する。

    0
    2021年09月24日

    Posted by ブクログ

    文庫帯に書かれている各感想が、決して誇張ではないと実感できる傑作。
    圧巻なのは、終盤での墓場のシーン。
    まさに、オセロで黒が白に次々と反転するかのよう。
    さらに、主人公たちに希望を持たせる爽やかなエピローグ。
    著者の巧まざる技と仕掛け(ある個所で、主人公と同様気づかなかった)に、やられた!との充足し

    0
    2021年07月06日

    Posted by ブクログ

    腰壁のような帯には思わず読んでみたくなるようなコメントが散りばめられている。
    読んでみたらまさにそのとおり!

    主人公の幸子は一家心中の生き残り・・・
    人と付き合うにも必ず自分の過去のネガティブな部分が邪魔をする。
    自分の過去との訣別のため家族が眠る墓へと向かう。
    そこには、過去に一家心中を図り生き

    0
    2021年03月13日

    Posted by ブクログ

    下村敦史『悲願花』小学館文庫。

    一家心中で生き残った被害者と加害者の双方の苦しみをテーマにしたミステリー小説。

    後半の全ての予想を覆す展開には驚いた。そして、後を引くような結末。重いテーマなのに取りこぼしも無く見事に昇華させた著者の手腕には感服した。

    夫婦のいさかいが絶えず、裕福でない家庭に育

    0
    2021年03月10日

    Posted by ブクログ

    面白かった。ミステリーだけど、感動もある。幸子のように、残された側だって辛いかもしれない、けど私は、心中せざるを得ない状況にいた加害者たちの気持ちも何もなくわかる気がした。共感はできないかもしれないけど理解はとてもできる。だからこそ、私は雪絵や幸子の両親たちを全力を責めることなどできないなと思う。そ

    0
    2025年10月07日

    Posted by ブクログ

    幼い頃、貧しい暮らしの中で家族と出掛けた遊園地。
    両親はいつもと違い穏やかで、夢のような時間だった。
    そして、幸せな時間の後に両親は一家心中を図った。
    何かそのことに違和感を抱いていた幸子だけが生き残った。
    17年後の幸子は事務員として働いていたが、両親への恨みを抱えたままだった。
    お見合いパーティ

    0
    2025年09月03日

    Posted by ブクログ

    ある5人家族が火事による一家心中を図った。小学生の幸子が一人生き残った。十七年後に家族の墓で一人の女性・雪絵と出会うが、雪絵には子供3人と心中を図った過去があった。さらに子供のうち一人・美香が生き残っていた。被害者、加害者の立場で苦しむ幸子、雪絵。さらに衝撃の事実が明らかになる。

    0
    2024年02月01日

    Posted by ブクログ

    何かの被害に遭ったとき、腹を立てるのも、悲しむのも当然の感情です。苦しいのも当然です。しかし、憎しみからは決して平穏は生まれません。どうか、増悪に囚われ、大事なことを見誤らないでください。p254

    0
    2023年10月23日

悲願花 の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

小学館文庫 の最新刊

無料で読める 小説

小説 ランキング

下村敦史 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す