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角田ワールド全開!「記憶」をめぐる小説集。
<「さがさないで。私はあなたの記憶のなかに消えます」と言って姿を消した妻をさがす旅に出る僕>――(表題作)。<初子さんは扉のような人だった。小学生だった私に、扉の向こうの世界を教えてくれた>――「父とガムと彼女」。<K和田くんは消しゴムのような男の子だった。他人の弱さに共振して自分をすり減らす>――「猫男」。<イワナさんは母の恋人だった。私は、母にふられた彼と遊んであげることにした――「水曜日の恋人」ほか4篇。角田光代の小説世界を存分に味わえる読み応えたっぷりの小説集。
※この作品は単行本版『私はあなたの記憶のなかに』として配信されていた作品の文庫本版です。
Posted by ブクログ 2020年11月21日
8篇からなる短編集
中盤の「水曜日の恋人」を読んだ夜は、似た経験をした小さい頃の思い出で寝れなくなり、「空のクロール」では怒りで寝れなくなり、「地上発、宇宙経由」で別れた恋人を想い、最後の「私はあなたの記憶の中に」では喪失感、孤独感に打ちひしがれるのであった。
短編集って結末がうやむやで終わってしま...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年03月01日
なんかすごく好きだった短編集
短編集はだいたいふわっと終わって物足りない気持ちになることが多いからそんなにすきじゃないけど、これは一作一作ちゃんと完結してる感じがしてよかった
父とガムと彼女
猫男
神様のタクシー
水曜日の恋人
空のクロール
おかえりなさい
地上発、宇宙経由
私はあなたの記憶のなか...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年05月15日
短編集。角田光代の長編の筆力には圧倒されるが、短編もまたいい。香りさえも感じさせるほどの具体的な表現力に脱帽する。
さて表題の作品は、消えた妻を探す夫の物語。夫婦のいくつかの思い出の場所へ出かけるが、そこで出会う暗示的な人達が印象深い。
身近な人が消える。しかし、それによって呼び覚まされていくそ...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年02月01日
もう会えない人、会わなくなった人。そういう人たちとの記憶や思い出。好きな人、嫌いな人、深い繋がりはなくても印象深く記憶に残る人。さまざまな出会いがあって別れがあって振り返った時に思うこと。記憶の中に、心の中に誰かがいるということ。会えなくても、会わなくても思い出せること。だから大丈夫とはなかなかいか...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年01月09日
記憶にまつわる短編集。
たとえ2度と会うことがなくても、その人のことをふと思い出す瞬間があるのなら、その人と繋がっているような気がする。
個人的に好きな話は神様のタクシー。
主人公が考えるより先に行動に移している行動的な女の子だったのが素敵。
おかえりなさい、という話に出てくるおばあさんもなんか好き...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年12月31日
ふとした瞬間に甦るあの時の出来事や言葉や風景。誰もが経験する"記憶のかなた"を、短編の名手・角田光代が奏でる。意外なストーリー展開が生み出す熟練の短編8篇。
果たしてあの時の記憶は、正しい記憶なのか。勝手に結論付けているけど、もうひとつの真実があったのではと思うことがよくある。本...続きを読む
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