安住洋子の作品一覧
「安住洋子」の「しずり雪(小学館文庫)」「遙かなる城沼」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「安住洋子」の「しずり雪(小学館文庫)」「遙かなる城沼」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
小説・文芸
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Posted by ブクログ
女衒に手込めにされ逃げ出し、男として首切り役人の家で中間奉公する志乃。ある夜、盗賊に襲われ大切な物を奪われてしまい、主に迷惑がかかることを恐れ奉公を辞して、女として針売りになり生きていくことにします。女としての幸せを望むべくもない志乃でしたが、密かに憧れていた壮太が同じ長屋に越してきて…、という話。
安住さんの静かな筆致の中に志乃の凛とした姿が浮かび上がってきます。辛い過去を背負いながらも何とか生きていこうとする志乃が壮太に出会い、幸せを感じる生活を送ることが出来て本当に良かったと思います。
そして壮太もまた、何やら暗い影を背負っていました。彼にとっても志乃は、辛いことにも負けず懸命に生きていこうとする眩しくも放っておけない存在だったのかもしれません。
子どもにも恵まれ、壮太に看取られ最期を迎えた志乃は幸せだったはず。
静かでしっとりとしたお話でした。安住さんの新作、本当に良かったです。
Posted by ブクログ
再読なのですが、なぜか私のデータベースの中に初読の時の感想が入っていませんでした。
調べてみると「やっぱり本を読む人々」の中に書評が残っていました。かなり感激して書いていますが、今回読んでもまさしくその通りという感触ですので、そのまま転記します。
====2011年2月6日===
とても良いです。
「しずり雪」「寒月冴える」「昇り竜」「城沼の風」の時代小説短編。
脇役に同じ人物が登場しますが、主人公や内容は異なるので。連作短編という雰囲気ではなく、それぞれ独立した話です。
表題の「しずり雪」は、晩年の熟成しきった山本周五郎を思い起こさせる、見事な市井もの。でも、女性らしい優しさがあり、模倣ではない独自の感性が光ります。
最後の「城沼の風」は藤沢周平の「蝉しぐれ」的な武家物。運命に翻弄されながらも、凛として生きる若い武士とその妻を見事に描いています。
世は時代小説ブーム。本屋にはこれでもかと並んでいますが、濫造で底の浅いものがほとんど。
それらとは一線を画し、乙川優三郎さんなどと比肩する作家さんのようです。
逆境の中でも、どこか明るさのある物語なのも好感が持てます。
Posted by ブクログ
再読です。
下引きを主人公にした捕物ですが、やはり安住さんは良いです。
なんとも言えない情感があって、山本周五郎や藤沢周平を思わせるものがあります。
残念なのはそれらしさが伝わってこないタイトルと表紙ですね。
それにしても安住さん、2004年に『しずり雪』でデビューして10年。いまだ5作です。文庫化去れたのは4作。あまり沢山書いて荒れるのも困ったものですが、それにしても遅筆です。
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11-037 2011/04/20 ☆☆☆☆☆
どうも、タイトルと表紙の絵で手を出しかねる所もあったのですが、中身の仕上げは見事。やっぱり安住さんは良いです。
薄雲りの下の景色の様にしっとりとしたトーンで、各所で見せる描写の見事さは周平を思わせます。
設定や流れは最初に読んだ安住作品「日無坂」に良く似ていますが(出版順から言えば「日無坂」が似ているのですが)、各々の登場人物が、たとえば荒んでいたり、いい加減だったりしても、その奥底に優しさを持っている所に共感が持てます。この、人を見る優しさが安住作品の特長かもしれません。
これで全作品読んでしまいました。
早く次作が出ないかな。でも遅筆のようだし、当分期待できそうもありませんが。。。
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Posted by ブクログ
小石川養生所で働く若き医師、高橋淳之祐。患者を治すことを第一に考えて精進していますが、養生所の現実はなかなか厳しくて看護の人手の面でも薬代等の費用の面でも思うようにはいきません。それでも看護中間の伊佐次や下働きのお瑛等、一生懸命働いてくれる人達に希望を持ちながら、完治が難しい患者と向き合っています。淳之祐の実父と関わりのある者が患者にいると知って淳之祐の心は揺れ動きますが…。
淳之祐の周囲は優しい人だらけです。養父母は愛情深く接してくれたし、義兄は淳之祐を可愛がってくれました。だから、まっすぐ育ったのでしょうね。彼がこの先蘭学を学び、より腕のよい医者となって人々を救っていく未来が見えてきそうです。爽やかな物語でした。