作品一覧

  • 夜半の綺羅星(小学館文庫)
    5.0
    1巻583円 (税込)
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 江戸の庶民を描いた心あたたまる時代小説。 辛い生活の合間に、満天の綺羅星を見上げ、幼い達造とおたえは「俺たちの星もあそこにはあるのだろうか」と呟いた。やがて継父と折り合いの悪い達造は身を持ち崩して家を出、今は目明かしの下っ引きとして暮らしていた。江戸の町を跳梁する凶暴な盗賊を追ううちに、その魔手は、仲間の命を奪い、ついには実家にも及んできた。そしておたえは…。前作『しずり雪』に続き、庶民の哀感とひたむきさを描いて感動をよぶ本格的江戸小説。
  • しずり雪(小学館文庫)
    4.3
    1巻671円 (税込)
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 人生の哀感を描き感動に溢れる時代小説集。 老中・水野忠邦の改革が始まり、苛烈な奢侈取り締まりで江戸庶民の心も暮らしも冷え切っていた。幼なじみの小夜と所帯を持ったばかりの蒔絵職人・孝太も、すっかり仕事が途絶え、苦しんでいる。そこへやはり幼なじみの親友が、ご禁制の仕事を持ち込んできた――。切ないほどの愛、友情、そして人情。長塚節文学賞短編小説大賞を受賞した『しずり雪』ほか、短篇三編を収録。珠玉の時代小説はどれをとっても人生の哀感に心が震える。
  • 遙かなる城沼
    -
    1巻759円 (税込)
    人の絆の大切さを描いた時代小説。  館林藩の武士である村瀬家の長男惣一郎は、弟の芳之助や妹千佳、友人の梅次と塾や道場通いを続けていたが、成績優秀な芳之助が藩校に行くことになった。それを妬んだ幼馴染みの寿太郎たちが乱暴し、寿太郎は塾や道場を変え離れていった。父源吾は、罪人を逃したことで家禄を減らされていた。やがて、病に倒れた父に代わって、藩の仕事を行うことになった。  そんなある日、筆頭家老の岸田が殺された。表向きは病死とされた。背景には藩を二分する派閥争いがあり、源吾は牢破りの件もその内紛が関わりがあると、真相を告げたのだった。  やがて、浜田藩への国替えが決まる。子どもの頃から一緒だった綾を嫁に迎え、子どもも生まれた惣一郎は、主君の松平斉厚に従い、家族と浜田へ移った。そこに、生田万の元にはせ参じたまま音信不通となっていた寿太郎からの手紙が届く。そこには、故郷に帰りたいと書かれていた――。  家族や友情の絆の大切さを歌いあげた、長編時代小説。
  • み仏のかんばせ
    4.3
    1巻627円 (税込)
    傷を持つ二人が夫婦になるが…感動人情小説。   貧しい小作の娘だった志乃は、女郎になるのが嫌で江戸に出て行き、首切り浅右衛門のもとで松助という名の「男」として仕えることになった。剣術の腕も磨いていたが、ある日浅右衛門家にとって大切な死人の肝を、強盗に奪われてしまう。責任を取って浅右衛門のもとを去り、名前を戻し針売りの娘として生きはじめた志乃。そこに、志乃が憧れていた壮太があらわれた。「男」として介錯を仕事としてきた志乃はまともな幸せなど考えていなかったが、お互いの気持ちを確かめて、夫婦になった二人。  しかし、壮太にも隠された過去があった――。志乃が奪われた死人の肝を盗んだのが、壮太達だったのだ。そして、仲間の男だった沖次が凶暴になって、江戸の町を震撼させていたのだ。壮太は、沖次と決着を付けようと出かけていく。それを追って、刀を持った志乃が追いかけていく。果たして決着は!?(第一部 「月明かりの面影」)  第二部では、夫婦のその後と沖次の子供が絡んでいく。(「裏庭の陽だまり」)  ささやかな幸せを願う市井の女性が懸命に生きる姿を描いた人情小説。
  • 春告げ坂―小石川診療記―
    3.5
    1巻715円 (税込)
    たとえ治る見込みがなくとも、罪人であったとしても、その命はすべて尊い――。長い長い坂を登り切った先に位置する小石川養生所。身寄りがなく、弱い立場に置かれた人間が集まるこの場所で、医師・高橋淳之祐は日々奮闘していた。ある日入所した老人の秘められた人生が淳之祐の父の死の真相を明らかにするとき、彼の前に進むべき道が現れる。爽やかな感動を呼ぶ「赤ひげ」青春譚。

ユーザーレビュー

  • み仏のかんばせ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    女衒に手込めにされ逃げ出し、男として首切り役人の家で中間奉公する志乃。ある夜、盗賊に襲われ大切な物を奪われてしまい、主に迷惑がかかることを恐れ奉公を辞して、女として針売りになり生きていくことにします。女としての幸せを望むべくもない志乃でしたが、密かに憧れていた壮太が同じ長屋に越してきて…、という話。
     安住さんの静かな筆致の中に志乃の凛とした姿が浮かび上がってきます。辛い過去を背負いながらも何とか生きていこうとする志乃が壮太に出会い、幸せを感じる生活を送ることが出来て本当に良かったと思います。
    そして壮太もまた、何やら暗い影を背負っていました。彼にとっても志乃は、辛いことにも負けず懸命に生きて

    0
    2018年05月07日
  • み仏のかんばせ

    Posted by ブクログ

    鳥羽亮さんとは逆で、なかなか新刊が刊行されない安住洋子さん、「み仏のかんばせ」、2017.12発行、著者の7冊目、デビューが2004年の「しずり雪」、6冊目が2014年の「遥かなる城沼」ですから3年以上の期間をあけての著作ですね。第1部が月明りの面影、第2部が裏庭の陽だまり。首切り役人、山田浅右衛門の元で男(松助)として14歳から24歳の10年間を過ごした志乃という女性の数寄なる生涯を描いた作品です。後に伴侶となる壮太が作品に幅と深みを与えています。読み応えがありました!

    0
    2017年12月28日
  • しずり雪(小学館文庫)

    Posted by ブクログ

    再読なのですが、なぜか私のデータベースの中に初読の時の感想が入っていませんでした。
    調べてみると「やっぱり本を読む人々」の中に書評が残っていました。かなり感激して書いていますが、今回読んでもまさしくその通りという感触ですので、そのまま転記します。

    ====2011年2月6日===
    とても良いです。
    「しずり雪」「寒月冴える」「昇り竜」「城沼の風」の時代小説短編。
    脇役に同じ人物が登場しますが、主人公や内容は異なるので。連作短編という雰囲気ではなく、それぞれ独立した話です。
    表題の「しずり雪」は、晩年の熟成しきった山本周五郎を思い起こさせる、見事な市井もの。でも、女性らしい優しさがあり、模倣

    0
    2016年05月29日
  • 夜半の綺羅星(小学館文庫)

    Posted by ブクログ

    再読です。
    下引きを主人公にした捕物ですが、やはり安住さんは良いです。
    なんとも言えない情感があって、山本周五郎や藤沢周平を思わせるものがあります。
    残念なのはそれらしさが伝わってこないタイトルと表紙ですね。
    それにしても安住さん、2004年に『しずり雪』でデビューして10年。いまだ5作です。文庫化去れたのは4作。あまり沢山書いて荒れるのも困ったものですが、それにしても遅筆です。


    ===================
    11-037 2011/04/20 ☆☆☆☆☆

    どうも、タイトルと表紙の絵で手を出しかねる所もあったのですが、中身の仕上げは見事。やっぱり安住さんは良いです。
    薄雲りの下

    0
    2016年05月29日
  • 春告げ坂―小石川診療記―

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    小石川養生所で働く若き医師、高橋淳之祐。患者を治すことを第一に考えて精進していますが、養生所の現実はなかなか厳しくて看護の人手の面でも薬代等の費用の面でも思うようにはいきません。それでも看護中間の伊佐次や下働きのお瑛等、一生懸命働いてくれる人達に希望を持ちながら、完治が難しい患者と向き合っています。淳之祐の実父と関わりのある者が患者にいると知って淳之祐の心は揺れ動きますが…。
     淳之祐の周囲は優しい人だらけです。養父母は愛情深く接してくれたし、義兄は淳之祐を可愛がってくれました。だから、まっすぐ育ったのでしょうね。彼がこの先蘭学を学び、より腕のよい医者となって人々を救っていく未来が見えてきそう

    0
    2018年02月04日

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