小説作品一覧
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3.8明治二十三年、ミナこと皆川真次郎は西洋菓子店を開いた。店には、旧幕臣の「若様組」の面々や、女学校に通うお嬢様・沙羅が甘い菓子と安らぎを求めてやってくる。しかし平和そうに見える世の中に、不穏な空気が漂いはじめていた。数年以内に“戦争”が始まるかもしれない――。 明治になって現れた「成金」のひとり、小泉琢磨は、戦へと突き進む一派の意向を押さえるべく動いていた。が、このままでは開戦派のやりたいようになってしまうという懸念から、今いる仲間以上に人を集めようと考える。 その秘策がなんと、「若様たちのお見合い」だったのだ! はたしてその成り行きは――?
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4.0この三日間で、木はその女にちょっと惚れてしまった。女にほとんど興味のない木には、それはひどく珍しいことだ――。 その女、「K」の調査を依頼された「裏」の世界の探偵、木。依頼の内容は、Kが隠し持っているというお宝を見つけ出してほしいというものだった。 三年前に発生し、闇に葬られた丸山組組長誘拐事件。多額の身代金をうけとった李という男が、事件から間もなく、白骨となって東京湾に浮かんだという。Kは李の恋人だったのだ。 Kは恋人を殺し身代金を独り占めした悪女か、それとも恋人を思いつづける聖女か。逆転につぐ逆転に一気読み必至の長編ミステリ!
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3.7明治二十三年、ミナこと皆川真次郎は西洋菓子店を開いた。店には、旧幕臣の「若様組」の面々や、女学校に通うお嬢様・沙羅が甘い菓子と安らぎを求めてやってきた。その少し前――。徳川の世であれば、「若殿様」と呼ばれていたはずの旧幕臣の子息・長瀬とその友人は、暮らしのために巡査になることを決意。今は芝愛宕の巡査教習所で訓練を受けていた。ピストル強盗の噂が絶えない物騒な昨今、教習所でも銃に絡む事件が起きた。若様組の他、薩摩出身者、直参で徳川について静岡に行った士族たち、商家の子息たち、さまざまな生徒に、何やら胡散臭い所長や教員を巻き込んで、犯人捜しが始まる。大好評『アイスクリン強し』の前日譚。
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3.0【担当編集ノート】三浦佑之さんといえば、大ベストセラー『口語訳 古事記』の著者にして現代古事記研究を牽引する人です。お嬢さんの三浦しをんさん曰く「コジオタ(古事記オタク)」。その三浦さんの主張の核心こそ「『記紀』の呪縛からの解放」です。簡単にいえば「多くの人は『古事記』と『日本書紀』を似たようなものと考えがちだが、それは大きなまちがい。ふたつの書物はまったく別の意図をもって編纂されたと考えるべきで、その証拠が出雲神話とよばれるものである」ということ。古事記は、上・中・下の3巻から成り、神々のことは上巻において大河小説のように語られます。そのなかで、出雲神話と呼ばれる部分はおおむね以下の部分です。1)アマテラスの弟スサノヲが高天の原を追放され、出雲の国の肥の河の上流にやってきて、コシノヤマタノヲロチを退治し、生贄になって喰われるはずのクシナダヒメ(櫛名田比売)を助けて結婚し、子孫が繁栄する話。2)スサノヲから数えると7代目にあたる子孫オホナムヂが傷ついたウサギを助けたり、命を狙う兄たちから逃れて根の堅州国に行くなどの試練と成長を語る冒険物語。3)オホナムヂがなぜかスサノヲの娘スセリビメと結ばれ、スサノヲからのさまざまな試練を克服し、最後には、スサノヲのもつ呪宝を奪いスセリビメを連れて地上にもどる話。4)逃げるオホナムヂに向かってスサノヲが「大国主」となって地上を支配しろと祝福し、オホナムヂは地上にもどって兄たちを追い払う。スサノヲのことば通りにオホクニヌシとなって地上の主として君臨する話。5)地上の王となったオホクニヌシと女たちをめぐる物語、および国作りを助ける神の話。オホクニヌシとその子孫たちの栄華。じつはこのほとんどが『古事記』のみにある記述であり、『日本書紀』の正伝(書紀の編者が、正統な伝えとして採用した本文)には存在しないのです。なぜ『古事記』にだけ出雲神話があるのか、またそれに続く、俗に「国譲り神話」と称される出雲の滅びの物語にはなにが隠されているのか? ここに徹底的に焦点を絞りながら『古事記』神話、ひいては古代における日本列島の姿を考えてみたいというのが、三浦さんのもくろみです。本書は三浦さんの古事記研究生活50年余の総決算ともいうべき一書です。広く江湖の諸子に問うしだいです。
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-不法滞在外国人問題が深刻化する近未来東京。爆発的に急増した身寄りのない混血児たちは「ホープレス・チャイルド」と呼ばれ、その多くが犯罪者となっていた。彼らが巣食う東新宿はスラムと化し、いつしか、街は「B・D・T」と呼ばれた。無法地帯となった最も危険な街で、私立探偵ヨヨギ・ケンが依頼された仕事は、失踪したホープレス出身の女性歌手の捜索だった――。女の足跡を追うケンを次々と襲うトラブル、そしてケンの目の前に、その巨大な組織が正体を現す! 圧倒的なスピード感で描く、傑作冒険アクション。――『B・D・T[掟の街]』 ムービーアイランドと称される人工島を拠点に映画産業が隆盛を誇り、一方で「ネットワーク」と呼ばれるテレビ産業が人々の生活を支配する近未来、新東京。報道を牛耳るネットワークで視聴率のために殺人予告が横行するなか、引退した私立探偵のヨヨギ・ケンはかつての友人の依頼を受け、新東京に舞いもどる。予告された殺人は仕組まれた陰謀なのか? 調査を進めるケンが行き着いたのは、人工島・ムービーアイランドだった――。パンドラの匣を開けたケンに容赦の無い運命が迫る。深まる謎、鮮烈なアクション。一気読み冒険エンターテインメント! 『B・D・T [掟の街] 』続編。――『影絵の騎士』
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3.5数々の逸話を残す史上屈指の陰陽師、安倍晴明。その晴明が、もし女性だったら――。 法師陰陽師として、自由気ままに暮らしていた若き晴明。久しぶりに都に戻ってくると、師匠の賀茂忠行が急に体調を崩してしまう。大内裏で何か起きていると気づいた晴明は、自らを男と偽り、宮中に入り込むのだが……。 陰陽道の師・忠行。兄のような賀茂保憲。晴明に寄り添う妖狐・雨暗。生意気な天才・蘆屋道満。そんな平安の優男たちとともに、女・晴明は怪異に挑んでいく。
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4.7上司のパワハラに耐えかね、世話になった先輩が会社を去った。もし僕が先輩を庇っていれば、去り行く彼女に声をかけていれば…あるいは何かが違ったのだろうか? そんな後悔を引きずったままクリスマスイブを迎えた僕は、気づけば知らない他人に乗り移っていた。 イジメられている高校生、幼馴染と疎遠になり寂しさを感じる小学生、妻を亡くしひとりで暮らすおじいさん。様々な人のクリスマスイブを体験することで、僕は自分に足りなかったものを見つめ直すことになる。
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5.0『私を消してくれませんか』 ある雨の日、僕は橋の上で幽霊に出会った。サキと名乗る美しい彼女は、自分の名前以外何も覚えていないらしい。 ・一日一時間。 ・『またね』は言わない。 二つのルールを決めた僕らは、サキを消すために日々を共に過ごしていく。父しかいない静かな家、くだらない学校、大人びていく幼馴染。全てが息苦しかった高一の夏、幽霊の隣だけが僕の居場所になっていって……。 ねえ、サキ。僕は君に恋するごとに“さよなら”の意味を知ったよ。 衝撃的な内容で発売直後から話題沸騰し、大ヒットとなった『ひきこもりの弟だった』から二年半――今、葦舟ナツが綴る、《別れ》の意味を問う、新たな衝撃作。
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4.2NHK〈ラジオ深夜便〉の人気コーナー、ついに書籍化! 病気、事故、災害、あるいは、失恋、挫折、そして孤独…… 人生における受け入れがたい現実に直面した時、人は絶望します。 古今東西の文豪たちもまた、例外ではありません。 絶望に行き当たり、絶望を見つめ、絶望の中で書き留められた珠玉の言葉たち。 本書では、そんな文豪たちの「絶望名言」から、 生きるためのヒントを探します。 [登場する文豪たち] カフカ ドストエフスキー ゲーテ 太宰治 芥川龍之介 シェークスピア [内容紹介] 『絶望名言』――おかしなタイトルですよね。 『希望名言』なら説明は不要ですが、 『絶望名言』だと 「なんでそんなものを?」と思う人が多いかもしれません。 でも、失恋したときには 失恋ソングにひたりたくなるように、絶望したときには、 絶望の言葉のほうが、心にしみることがあると思うんです。 私自身も、そういう体験をしました。 絶望したときに、救いとなったのは、 明るい言葉ではなく、 絶望の言葉でした。 (著者/本書「はじめに」より)
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4.3「死ぬくらいなら、僕にならない?」――生きることに絶望した立井潤貴は、自殺寸前で彼に救われ、それ以来〈高木健介〉として生きるように。それは誰も知らない、二人だけの秘密だった。2年後、ある殺人事件が起きるまでは……。 高木として殺人容疑をかけられ窮地に追い込まれた立井は、失踪した高木の行方と真相を追う。自分に名前をくれた人は、殺人鬼かもしれない――。葛藤のなか立井はやがて、封印された悲劇、少年時代の壮絶な過去、そして現在の高木の驚愕の計画に辿り着く。 かつてない衝撃と感動が迫りくる――緊急大重版中『15歳のテロリスト』に続く、衝撃の慟哭ミステリー最新作!
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4.0復讐に燃える一寸法師!? 大学進学をきっかけに折り合いの悪い両親が暮らす佐渡を離れて以来、一度も実家には戻らず、大学卒業後もバイト暮らしを続けている涼子。 そんな彼女のもとに、ある日届けられたのは、亡くなった祖父が涼子に遺してくれたという古い木箱。 そこにはおとぎ話に出てくるような小槌と小さな姿の青年が入っていた! 一寸法師だと名乗る青年(小さいけれど美形)は、涼子のことをかつて仕えた姫の生まれ変わりだと言い、青年を粗末に扱った両親やら殿やら鬼やらに復讐せんと燃えていた。 封印していた木箱をうっかり壊してしまった涼子は、一寸法師の暴走を止めるために同居をする羽目に!?
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3.9みんなよりちょっとだけ頭がよい小学四年生少女・理桜は、担任の先生のお願いで、不登校の少女・さなかの家を訪れる。 しかしさなかは既に大学院を卒業し、数学者の肩書きを持つ超・天才少女! 手玉に取られくやしい理桜は、マウントを取るべく不用意に叫ぶ。 「あんた、友達居ないでしょ!」 かくして変な天才少女に振り回される『友達探求』の日々が始まるのだった……。 野崎まど新装版シリーズ、「友情」の極意をお届けする第5弾!
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4.0※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気シリーズ「乙女の本棚」第12弾は坂口安吾×イラストレーター・夜汽車のコラボレーション! 小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。 好きなものは呪うか殺すか争うかしなければならないのよ。 師匠の推薦で、夜長姫のために仏像を彫ることになった耳男。故郷を離れ姫の住む村へ向かった彼を待っていたのは、残酷で妖しい日々だった。 ノスタルジーを感じさせる美しい作品で大きな話題を呼んでいるイラストレーター・夜汽車が坂口安吾を描く、珠玉のコラボレーション・シリーズです。 自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。
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4.5日本一の超劇団『パンドラ』の入団試験を乗り越えた青年・数多一人。しかし、夢見たその劇団は、ある一人の女性によって《壊滅》した。 彼女は言った。 「映画に出ませんか?」と。 言われるがまま数多は、彼女と二人きりでの創作をスタートする。 彼女が創る映画とは。 そして彼女が、その先に見出そうとするものとは……。 『創作』の限界と「その先」に迫る野崎まど新装版シリーズ・最終章!! 『2』が、全てを司る。
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4.4美術(アート)という名のタイムカプセルが、いま、開かれる――。日本が誇る名画『風神雷神図屏風』を軸に、海を越え、時代を超えて紡がれる奇跡の物語! 20××年秋、京都国立博物館研究員の望月彩のもとに、マカオ博物館の学芸員、レイモンド・ウォンと名乗る男が現れた。彼に導かれ、マカオを訪れた彩が目にしたものは、「風神雷神」が描かれた西洋絵画と、天正遣欧少年使節の一員・原マルティノの署名が残る古文書、そしてその中に記された「俵…屋…宗…達」の四文字だった――。織田信長への謁見、狩野永徳との出会い、宣教師ヴァリニャーノとの旅路……天才少年絵師・俵屋宗達が、イタリア・ルネサンスを体験する!? アートに満ちた壮大な冒険物語!
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3.8○著者の言葉「働く現場でしか学べないことがたくさんあると思っています。育った環境も、考え方も、年齢も違う職場の中で揉まれることが、人として成長させてくれると思っています。しんどいけれど喜びもある、それが職場。そこにある感動を小説にしたいと考えました。」桂望実 ○単行本時帯推薦文より 「一丸となって」でも「勧善懲悪」でもない感動的な人間ドラマがここにはある。まさに極上のエンタテインメントだ。松田哲夫(編集者・書評家) ○内容紹介 ある中堅ホテルを立て直そうと、外からやってきた変わり者の社長が提案したことは「総選挙」! そう、ホテル内の従業員の配置を“選挙”で決めるという斬新な人材シャッフル案でした。しかもそれだけに終わらず、管理職の選挙まで! 果たして従業員の反応は? 今の日本の働く環境の閉塞感を打ち破るお仕事小説。さまざまな年代の男女が抱え働く悩みに答え、働くことの意味、働くことで成長できる喜びを読書で味わえる、お仕事エンタメ作品。
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4.0可瀬理玖は自分の住む町に生きにくさ、息苦しさを感じ、〈ここではないどこか〉に行きたいと思っていた。 上京できれば大学はどこでもよかったのだが、せっかくならと大好きな写真家・渡引クロエが通っていた大学を選んだ。 クロエが立ち上げたという創作サークル「猫を探す人の会」に入り、クロエの人生を追体験することにする。 サークルは見つけたものの、廃部寸前の少人数サークルで活動はほぼゼロ……。 気を落としていると、写真を撮った相手と写真を通して会話ができるという不思議な力を持つ女の子・渡引真白と出会う。 理玖はクロエとそっくりな顔をした真白を見て驚く。なんと娘だったのだ。 真白がサークル「猫を探す人の会」に入ったのは、一度も会ったことのない父を探すためで、 その手がかりがサークル内にあると確信しているという。 理玖は真白の父親探しを手伝うことにしたが、そこにはとある事件が絡んでいて……。 青春恋愛キャンパスミステリー!
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4.0■累計発行部数17万部突破! ■豪華キャストで2020年6月映画公開! 監督:吉田大八 キャスト:大泉洋、松岡茉優、佐藤浩市ほか ■2018年本屋大賞ランクイン。前代未聞の小説が文庫化。文庫解説は大泉洋。 『罪の声』の著者・塩田武士が、俳優・大泉洋を主人公に「あてがき」。 圧倒されるほどリアルな筆致で出版界の<光と闇>を描く!&「速水=大泉洋」が表紙&扉ページの写真を飾る! 主人公は出版大手の「薫風社」で、カルチャー誌「トリニティ」の編集長を務める速水輝也。 中間管理職でもある40代半ばの彼は、周囲の緊張をほぐす笑顔とユーモア、コミュニケーション能力の持ち主で、同期いわく「天性の人たらし」だ。 ある夜、きな臭い上司・相沢から廃刊の可能性を突きつけられ、黒字化のための新企画を探る。 大物作家の大型連載、映像化、奇抜な企業タイアップ。雑誌と小説を守るべく、アイデアと交渉術で奔走する一方、 巻き込まれていく社内政争、部下の不仲と同期の不穏な動き、妻子と開きつつある距離……。 交錯する画策、邪推、疑惑。 次々に降りかかる試練に翻弄されながらも、それでも速水はひょうひょうとした「笑顔」をみせる。 しかしそれはどこまでが演技で、どこからが素顔なのか? やがて、図地反転のサプライズが発動する。 出版業界の現状と未来を限りなくリアルに描いた群像小説は、ラストに牙を剥く! 出版界の未来に新たな可能性を投じる「企画」で、各メディアで話題沸騰! 吉田大八監督で2020年6月映画公開。
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4.5白昼、老人が渋谷のスクランブル交差点で何もない空を指さして絶命した。正光秀雄96歳。死の間際、正光はあの空に何を見ていたのか。それを突き止めれば一千万円の報酬を支払う。興信所を営む鑓水と修司のもとに不可解な依頼が舞い込む。そして老人が死んだ同じ日、ひとりの公安警察官が忽然と姿を消した。その捜索を極秘裏に命じられる停職中の刑事・相馬。廃屋に残された夥しい血痕、老人のポケットから見つかった大手テレビ局社長の名刺、遠い過去から届いた一枚の葉書、そして闇の中の孔雀……。二つの事件がひとつに結ばれた先には、社会を一変させる犯罪が仕組まれていた!? 鑓水、修司、相馬の三人が最大の謎に挑む。感動のクライムサスペンス巨編!
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4.0人類は今、新たな進化の段階に突入している。 産業革命は社会を変えたが、IT革命は人間の心を変えようとしているのだ。 共に働き、共に生活していた「家族」が、都市化や産業化、核家族化を経て崩壊しようとしていた時、IT革命が起きた。 IT革命は社会システムを大きく変えたが、もっとも重要な変化は、人間の脳神経回路を組み替え、愛着システムを変容させたことだ。 通常なら数万年、数十万年のスケールで起きる生物学的な変化が、数十年の間に進行している。 27年ほど前、医療少年院で一人の回避型愛着を示す若者に出会った。 今や、そうした人々は普通の家庭や社会にあふれている。 急激に増えつつある「回避型人類」の特徴は ・単独生活が基本 ・セックスをしない ・子育てに関心がない ・集団への嫌悪と恐怖 ・人より物、物より情報を好む ・ルールと統制を重視する ・キレると何をするかわからない ・蔓延する依存症と刺激中毒 ・突然襲ってくる自殺衝動 ・死を悲しまない そんな「回避型人類」の数が、共感型の旧人類を上回るとき、一体何が起きるのか。 最前線の臨床医が最先端の進化論と出会って辿り着いた、驚愕の未来レポート。
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4.1(上巻)白昼、老人が渋谷のスクランブル交差点で何もない空を指さして絶命した。正光秀雄96歳。死の間際、正光はあの空に何を見ていたのか。それを突き止めれば一千万円の報酬を支払う。興信所を営む鑓水と修司のもとに不可解な依頼が舞い込む。そして老人が死んだ同じ日、ひとりの公安警察官が忽然と姿を消した。その捜索を極秘裏に命じられる停職中の刑事・相馬。廃屋に残された夥しい血痕、老人のポケットから見つかった大手テレビ局社長の名刺、遠い過去から届いた一枚の葉書、そして闇の中の孔雀……。二つの事件がひとつに結ばれた先には、社会を一変させる犯罪が仕組まれていた!? 鑓水、修司、相馬の三人が最大の謎に挑む。 (下巻)失踪した公安警察官を追って、鑓水、修司、相馬の三人が辿り着いたのは瀬戸内海の離島だった。山頂に高射砲台跡の残る因習の島。そこでは、渋谷で老人が絶命した瞬間から、誰もが思いもよらないかたちで大きな歯車が回り始めていた。誰が敵で誰が味方なのか。あの日、この島で何が起こったのか。穏やかな島の営みの裏に隠された巧妙なトリックを暴いた時、あまりに痛ましい真実の扉が開かれる。 ―君は君で、僕は僕で、最善を尽くさなければならない。 すべての思いを引き受け、鑓水たちは力を尽くして巨大な敵に立ち向かう。「犯罪者」「幻夏」(日本推理作家協会賞候補作)に続く待望の1800枚巨編! ※本電子書籍は「天上の葦 上」「天上の葦 下」を1冊にまとめた合本版です。
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-かつて「総会屋」と呼ばれる男たちがいた――。 彼らは闇社会の住人でありながら、上場企業の株主総会に株主として出席し、経営陣を震え上がらせた。壇上の経営陣にイチャモンまがいの質問を突きつけて締め上げる「野党総会屋」がいれば、怒号のようなヤジをとばして彼らの質問を妨げる「与党総会屋」もいた。企業側が、彼らに利益供与をすることと引き換えに、株主総会の円滑な進行を望むことは自然な流れでもあった。 21世紀となった現在では信じられないが、名だたる超一流企業が株式市場のハイエナたちに喰い付かれていた。キリンビール、伊勢丹、イトーヨーカドー、味の素……。 「企業をまわって集金すれば、月に3000万円。最盛期は年収が3億円をゆうに超えていた」と、日本最大の総会屋「論談同友会」の元幹部は言う。 バブル経済に踊っていた金融業界にいたっては、総会屋に喰らい尽くされていたと言ってよい。ガリバーの野村證券は総会屋を優遇し、損失補填を行っていた。第一勧業銀行は歴代トップが大物総会屋との関係を続け、違法に融資された額は300億円にものぼるという常軌を逸した沙汰だった。 なぜ一流企業の経営陣は、闇社会の“呪縛”に絡み取られてしまったのか? 論談同友会の元幹部らの証言をもとにバブルの裏面史を描き出す。
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3.6イタリアのクレモナに住む名ヴァイオリン職人のジャンニは、国際ヴァイオリン製作学校の講師でもある。20年前の教え子であるノルウェー人のリカルドが学校で講演を行い、その夜に殺害されてしまう。そして彼が持っていた、ヴァイオリンに似た楽器ハルダンゲル・フィドルが消えていた。犯人はなぜ、さしたる値打ちもない楽器を奪ったのか? ジャンニは捜査を進める友人の刑事グァスタフェステと恋人のマルゲリータとともに、リカルドの葬儀に参列するためノルウェーへ旅立つ。だが新たな殺人事件が……。人気シリーズの日本オリジナル最新作!
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3.5デビュー以来連続して芥川賞候補になってきた二十代天才女性作家が、沈黙を破り放つ決定打。 作曲に天賦の才をみせる15歳の妹。母語から離れ、自らの言語表現を模索する姉。『肉骨茶』『影媛』で注目を集める高尾長良が音楽の都ウィーンを舞台に繰り広げる待望の本格芸術小説! 芸術の都、ウィーンへ音楽理論の大家である父を尋ねた姉妹。 妹・真名は外界との接触を拒み、内から湧きあがる音楽を汲みだす。翻訳家の姉・有智子はその天分を生かすべく心を砕くが、父の言葉によって絶望と嫉妬を思い知らされる。 音楽が記憶に掬いきれない価値を刻印するなら、言葉は底に穴の空いた器に等しいのか――。 音楽と言葉がぶつかり合う新鋭の傑作。
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4.2少しずつ見えなくなる恐怖と闘う勇気の物語。 子どもはだれだって暗やみがこわい。 でも、マファルダがこわいのは、目のなかにある暗やみだ。 真っ暗闇が訪れるまで、長くてもあと半年――。 ある日、9歳のマファルダは、少しずつ視力が失われる難病と診断される。 目が見えなくなるってどういうことだろう? 目隠しして歩いてみる。暗やみでも歩けるのかどうかを試してみたかったのだ。 暗やみでくらすようになったら、どうすれば色がわかるのだろう? 不安は、どんどんふくらんだ。 それから、マファルダは、やっておきたいことのリストを作り始めた。 少しずつ見えなくなっていく、失明の恐怖を、少女の一人称で語られる物語は、読む人の心を打つ。 作者自身の体験にもとづいた、生に対する痛いほどの愛情がこめられた、感動の物語。
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3.7江戸は両国。暮れても提灯の明かりが灯る川沿いの茶屋は、夜も大賑わい。通りの向こうの見世物小屋では、人形遣いの芸人、月草の名が最近売れてきている。 なんでも、木偶の姫様人形、お華を相方に、一人二役の話芸を繰り広げるのだという。それも、話芸が目当てというより、お華に会いに来るお客が多いというのだ。 何故なら。“まことの華姫”は真実を語る―― 姉を殺したのは、実の父かもしれないと疑う、小屋一帯の地回り山越の娘・お夏。 六年前の大火事で幼な子を失い、諦めきれずに子ども捜しを続ける夫婦。 二年前に出奔したまま行方知れずの親友かつ義兄を探しにはるばる西国からやってきた若旦那。 そして明らかになる語り部・月草の意外な過去…… 心のなかに、やむにやまれぬ思いを抱えた人々は、今日も真実を求めてお華の語りに耳を澄ます。 しかし、それは必ずしも耳に心地よいものばかりとは限らなくて…… 快刀乱麻のたくみな謎解きで、江戸市井の人々の喜怒哀楽を描き出す、新たな畠中ワールド!
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-◆ふらんす堂電子書籍1000円シリーズ ◆第三句集 一瞬にしてみな遺品雲の峰 前の句集を出してから、思いのほか長い月日が過ぎた。途中、母の死をきっかけに句稿を何とかまとめたが、その二週間後に東日本大震災が起きてしまった。今思えば、あの震災は自分の作品を再び見つめ直すための厳しい機会だったのかも知れない。 ◆収録作品より 南風吹くカレーライスに海と陸 さまよへる湖に似てビヤホール 簡単な体・簡単服の中 帰心とは水引草にかがむこと いちじくの火口を覗く夜なりけり 風呂敷は布に還りて一葉忌 海流のぶつかる匂ひ帰り花 病棟は海鳴りのなか神の留守 しばれると皆言ひ交す夜空かな 大空に根を張るつららだと思へ 第57回俳人協会賞受賞! 第10回小野市詩歌文学賞受賞!
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-二人の女性の持つ膨大な情報量がそのまま物語になる 銀座のガス燈通りにあるグリルで待ち合わせた二人の女性は、「鴛鴦(おしどり)道中」や「裏町人生」といった、演歌以前の昭和歌謡をレパートリーとするデュエット。これからホステスの仕事に出る美江子も、同級生の美容師にヘアメイクを施してもらった由加里も、2019年現在の流行の濃過ぎないメイク姿です。彼女たちは食事をしながら、「祇園小唄」「銀座化粧」などをレパートリーにしようかと打ち合わせをして別れます。同居している彼女らは、夜に四谷三丁目の集合住宅で、会話を再開。彼女たちの持つ膨大な情報量がそのまま物語になる構成を楽しんでください。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。文筆家。大学在学中よりライターとして「マンハント」「ミステリマガジン」などの雑誌で活躍。74年「白い波の荒野へ」で小説家としてデビュー。翌年には「スローなブギにしてくれ」で第2回野性時代新人文学賞受賞。小説、評論、エッセイ、翻訳などの執筆活動のほかに写真家としても活躍している。著書に『10セントの意識革命』『彼のオートバイ、彼女の島』『メイン・テーマ』『日本語の外へ』ほか多数。近著に『くわえ煙草とカレーライス』(河出書房新社)、『窓の外を見てください』(講談社)などがある。
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-アントニーはすぐれた武将であり、勇敢で偉大な人間であったが、クレオパトラに恋していた。恋に酔いしれたアントニーは公事を忘れ、ローマに残した妻を忘れて日を過ごす。彼に対する非難の声は高まるばかり。妻ファルヴィアの死の報にもエジプトをはなれない彼は、完全に武将としての生活をすてて、恋のとりこになり終わってしまったかのようにみえた……シェイクスピアの最も油の乗り切った時期の作品の一つ。
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3.5どこにも、逃げられないよ──。 長老との結婚を拒絶する女は舌を抜かれてしまう、という掟のある村で、ある少女が結婚相手として選ばれる「雀」。 ある日突然、武装集団によって、泥に囲まれた島に拉致された女子高生たちを描いた「泥」。 アイドルを目指す「夢の奴隷」である少女。彼女の「神様」の意外な姿とは?(「神様男」)。 管理所に収容された人々は「山羊の群れ」と呼ばれ、理不尽で過酷な労働に従事し、時に動物より躊躇なく殺される。死と紙一重の鐘突き番にさせられた少年の運命は?(「山羊の目は空を青く映すか」)……など。 時代や場所にかかわらず、人間社会に現れる、さまざまな抑圧と奴隷状態。 それは「かつて」の「遠い場所」ではなく、「いま」「ここ」で起きている。 あなたもすでに、現代というディストピアの奴隷なのかもしれない――。 様々な囚われの姿を容赦なく描いた七つの物語。 桐野夏生の想像力と感応力が炸裂した異色短編集。 カバーイラストは、かわいさと残酷性を併せ持った作風で物議を醸すLA在住の画家、Luke ChuehのRough Waters。 解説・白井聡 ※この電子書籍は2017年12月刊行の文春文庫を底本としています。
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-ドナーのパンチが決まり、オデアのからだはロープを背にして急に跳ねかえり、そのまま前方へ頭からリングにころがった。ドナーは八百長試合を裏切ったのだ。だがリング上には見えない死神がいた。オデアは撃たれて死体になっていた!……この表題作のほか、「消えた花嫁」「墓とダイヤモンド」「殺人物語」「検視」「チャーリーは今夜もいない」「街では殺人という」の7編を収録したアイリッシュ短編傑作集。
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-エレベーターの落下事故で富豪の息子が死んだが、銃弾が頭を貫いていた。警察は自殺とみたが、乗り合わせた父は納得しない。1年後、エレベーターに乗っていた全員がその老人の晩餐会に呼ばれた……この表題作のほか、「遺贈」「階下で待ってて!」「金髪ごろし」「射的の名手」「三文作家」「盛装した死体」「ヨシワラ殺人事件」の、都会派アイリッシュのバリエーション豊かな短編8編を収録。
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-赤毛の巨漢で、いささかおっちょこちょいのアイルランド伊達男ガーガン大尉、外交官として名の知れたヒューバート・ウォットン卿、この2人と親交をもつ温厚なポンド氏の3人の話は、いつでも犯罪が話題になる。そして筋が通ったと思うとき、かならずポンド氏のクレームがつく。思ってもみなかった真実が逆説のなかに浮かびあがる。ボルヘスも感嘆したという「三人の騎士」ほか、チェスタートンの逆説が冴えわたる8編からなる短編集。
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-作者ウェルティー(1909~2001)は米国ミシシッピ州の生まれで、O・ヘンリー賞やピューリッツァー賞など受けた最高の女流作家の一人と目されている。今も読み続けられている本作は1953年に『ニューヨーカー』誌に掲載された。初めから終わりまでエドナ・アール・ポンダーという中年女性の饒舌によって成り立ち、一気に読ませる。ミステリー小説ではあるが、単なる犯人さがしで終わるものではない特異さをもつ。「言葉で人を殺せるか?」という副題をもつ。
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-●STORY:中高一貫教育の冷泉学院女子部。中3生の大沢瞳が所属する放課後部活『料理クラブ』には、ロマンチックな伝説が存在する。つくった料理を当日中に片想いの相手に渡せたら、恋は必ず成就する!! 部活の火曜日を歴代部員は“恋曜日”と呼びならわしているのだ。ヒトミも、ひと目惚れの男子部高1生“ヒサト”くんに「恋曜日してみたい」のは山々なのだけれど。実は、プロの料理研究家を母に持つ娘のくせに、料理がド下手。あげくのナリユキで、大失敗作のケーキをカレに手渡す羽目に陥ってしまったのだが。伝説は、真実!? ヒトミの“恋曜日”の結末は!? ●作品MEMO:昭和62(1987)年11月新刊。講談社X文庫ティーンズハートでの花井愛子8作め。8月既刊の『恋電話』に続いての『恋曜日』というタイトルは、のちの『恋織姫』へと展開されてゆくが、物語は各々まったく別の内容でシリーズ連作ではない。「恋曜日』は、女子校の料理クラブが舞台で、かつ母親が料理研究家という設定により、基本的に「料理の登場が多い」花井愛子作品の中でもレシピやコツ、うんちくや雑学などの関連描写が、ダントツに細かい。ラストメッセージページでも神戸生まれ関西人の「タコヤキ愛」を語っているので、画面を拡大してチェックしてみるのもオススメ。令和電子版書きおろし“あとあとがき”付き!! ●WELCOMEBACK:講談社X文庫ティーンズハート電子版では「WELCOMEBACK」をキーワードに昭和平成のヒット作品を順次収録、展開予定。その第1弾配信が、花井愛子の10作『1週間のオリーブ』『山田ババアに花束を』『またたびハウスSTORY』『ジュリエット宣言』『恋電話』『星の恋人たち』『10月のパイナップル』『恋曜日』『淡雪ロマンス』『銀色のボーイ』の同時配信。各作品への感想コメントや今後のラインアップ希望など大歓迎!! ぜひぜひお寄せください。 ●関連アイテム:『ときめきイチゴ時代〈ティーンズハートの1987-1997〉』『ムダな金はつかうな!』『ハナイ式ちょびっとダイエット〈50歳でもラクラクまにあう〉』
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