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新型コロナウイルスの流行で、迷走に迷走を重ねた挙句、東京オリンピックの延期が決定した。国際オリンピック委員会(IOC)がぎりぎりまで延期を口にしなかったのは、秋になるとアメリカでアメリカン・フットボールやバスケットといった人気スポーツが始まるので、テレビ局の放送日程がとれないからだという。
オリンピックは世界中の国が集まって行う「スポーツの祭典」「平和の祭典」であり、そのため開催国では巨額の税金を注ぎ込む。それがアメリカのテレビ局の都合で左右されていいのか。
本書は、オリンピックが「スポーツの祭典」から、単なる巨大なスポーツ興行へと変わってしまった軌跡を丹念に追う。とくにテレビの放送権料という金の卵を産む鶏の存在が、IOCをいかに変えたのかを検証する。
では、開催国の日本は一方的な被害者なのか。そんなことはない。
オリンピックを錦の御旗に、あらゆる強引な手法が駆使された結果、東京都心で最後に残った閑静な地域、神宮外苑は再開発されることになった。その巨大な利権に群がったのは誰か。再開発地域にあった都営アパートは取り壊され、長年住んできた住民たちは移転させられた。「国策に協力する」という名目で……。
このような東京五輪の暗黒面が新聞で報じられることはない。なぜなら、新聞もオリンピックのスポンサーなのだから。
世界中がオリンピックが巻き起こす札束の嵐に巻き込まれている。しかし、忘れてはいけない。そのカネはすべて我々の税金なのだ。一年延期で胸をなでおろしている場合ではない。延期の場合、中止よりもさらに巨額の公費が投入されるのだ。
Posted by ブクログ 2022年12月16日
オリンピック・マネー 誰も知らない東京五輪の裏側。後藤 逸郎先生の著書。オリンピックを見るのは楽しい。オリンピックの存在を頭ごなしに否定する人は少ない。でもオリンピックをお金儲けの道具に使ってオリンピックでお金儲けをしている人たちがいる事実。オリンピックでお金儲けしてオリンピック・マネーに群がる人た...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年11月17日
本文中に
何度も出てくる「国策だから」
に ついつい反応してしまう
オリムピックだけではなく
「お国の為」に
抹殺されたり
生きづらくされたり
暮らしを奪われていく
ものたち
75年前にも
そして
今も
その「しくみ」が
現存していることに
ぞっ としてしまう
「国民一丸となって」
おぉ 怖...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年08月20日
平和の祭典の裏の闇の世界を公開情報を元に暴き出す。延期、マラソン会場移転などドタバタ劇の理由も分かる。
商業主義が時に揶揄されるオリンピック。IOCの錬金術のカラクリそして莫大な放映権料とオリンピックバートナーからのスボンサー料。猛暑予想にも関わらず8月開催にこだわり、マラソンの早朝スタートもでき...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年07月01日
ザハ氏のデザイン、エンブレムの盗作、ブラックボランティア・・。何かと胡散臭い問題つきまとう「東京2020」だが、この本では扱うのはお金の問題。怪しさいっぱいのIOC。招致した側も十分汚い。犠牲者は競技に選手、観客、そして開催都市の住民。招致の裏の目的は何だったのか。開催の裏で霞ヶ丘アパートの強引な立...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年08月03日
IOCという組織がどのようなモノなのか、その背景について知りたい方向けには良い本だと思います。
個人的には、オリンピックを止められない開催地に関して、政治との関係性を軸に、もう一歩踏み込んだ内容があると面白いと感じました。
~初めて知った事~
〇IOCという組織
NPOでありNGOだが、数多くの関...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年07月23日
さらっと一読。
世界の国々がオリンピック開催に対して、その莫大な経費ゆえに市民が反対をとなえ、議会を通らない、ということがおこっているという話。
日本は喜んで賛成してたよね。冷めてる報道はみなかった。インバウンド需要を期待したのか?
新国立競技場は、ラグビーの誘致のために、オリンピック以前から...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年06月19日
スポーツの祭典、感動のオリンピックの違った側面。
いやそちらの方が本質なのかもしれない。だからこそスポンサーのメディアは脚色するのだろう。
光が強ければ、影も濃くなるというのを地でいく。
コロナ禍じゃなかったら興味も無く、知りもしない世界。
巨大組織の利権と迎合する日本のトップ層。
庶民の私と...続きを読む
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