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「同じ男とはうち、一度しか寝えへん」そんな女と、どう付きあう?
新境地を切り開いた傑作青春小説!
釜ヶ崎のドヤ街に暮らす僕に、奇妙な依頼が舞いこんだ。
金持ちの奥さんの話を小説に書けば、三百万円もらえるというのだ。
ところが彼女は勝手気儘で、身の上話もデタラメばかり……。
彼女はなぜ、過去を語らないのか。
そもそもなぜ、こんな仕事を頼んでくるのか。
渦巻く謎に揉まれながら、僕は少しずつ彼女の真実を知っていく。
※この電子書籍は2011年5月により筑摩書房より刊行された単行本を、文春文庫より文庫化したものを底本としています。
Posted by ブクログ 2019年09月16日
再読。
結子の一代記という記憶でしたが、全然違った。
貧困とハンディキャップの問題を絡めた、二人の男女の切ないストーリー。
掴みどころのない結子という女。
富豪の妻の彼女の出自が明らかになるにつれ、彼女を見る目が変わります。
ストーリーテラーの礼司にも何かあると思いながら、そこに行き着くまでの間...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年09月16日
90年代中盤の関西を舞台にした、骨太な人間物語。全部読んでからもう一度見返すと、冒頭の木之下教授の手紙がこの本の全てを語っているような気がします。「この女」だけでなく「この男」、いや、登場人物すべての人生に波乱万丈と哀愁と激情がが入り混じり、その全てを恐らくは"時代"が押し流して...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年06月27日
久しぶりに一生懸命読む本に出会いました。森絵都さんは前に一度何かを読んだ記憶がありますが、その時こんな感じはありませんでした。ブラリぶらりとあっちこっち揺れながらどこかに向かうこの二人はとても魅力的です。
映画にするなら結子は誰なんかな?不良っぽさがあって色気があって…上野樹里さん、完璧じゃないです...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年07月22日
森絵都のこの女を読みました。
大学を出ていながら、釜ヶ崎のドヤ街で暮らす主人公礼司に奇妙なバイトの依頼が来ます。
ホテルの経営者二谷からの妻結子の自伝を小説として書いてほしいという依頼なのでした。
早速その依頼を受けて、その結子という女性へのインタビューを始める礼司なのでしたが、結子は自分の生い...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年06月18日
中学以来に読む森絵都。
懐かしくってうまく引き込まれていって序盤からわくわくしながら読んだ。
すごい。
この時代の背景と、主人公、結子、大ちゃん、松ちゃん、敦、ビリケン男たちの葛藤と強さが交差して面白かった。
強くてかっこよくて憧れる。
最後まで読んだあとにエピローグを読んでもう一回12章まで戻...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年10月10日
小説とは経験ではなく想像力から成るものだ。僕は自分の貧困な発想を呪った。語彙の乏しさを、構成力の欠落を、「あほんだら」を「亜本田ら」と変換するワープロの知的レベルを呪った。
価値のない過去なんかない。どんな人生かて、世界にひとつの物語を持っとる。物語にする価値を持っとるわ。
そう考えると、人の生涯を...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年03月25日
絵都さんは「女子供」向けのイメージが強いが実はそうではなく性別に捉われず硬軟自在に人間を真正面から描くことの出来る実力派。
だがそれにしても今回の舞台は釜のドヤ、そのディープさに西村さんの本?と表紙を見直すことも暫しの異質な作品。
設定は1995年でワーキングプア問題にカルトをも絡ませ更に震災前夜の...続きを読む
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