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笑う20世紀(ピンク)
テレビ業界には不思議なルールが存在する…? 笑えるショートショート集 「さぁさ、奥さん。これはお得だよ」 ターミナル駅の出口そば。粗末な台を前にして、髪をぴっちり七三に分けた男が、通行人を相手に大声をあげている。 「とにかく落ちる。よく落ちる。落ちすぎちゃって、ドーモスイマセン!」 『こらーっ。許可を得て商売しているのか! 著作権法違反の疑いがある!』 「やばい。GAGRACの調査員か」 男は舌打ちし、素早く台の上を片付け始める。客たちは右に左にわさわさと揺れる。 ……過去五十年にさかのぼり、すべてのギャグに著作権が認められた。その使用にあたっては著作権料の支払いと、著作権者の表示が必要になるのだ。 (「ギャグ著作権」より) NHK-FM青春アドベンチャーでラジオドラマ化され、絶大な人気を誇った伝説のショートショート集、待望の新作が登場! すべて単行本未収録作品で構成された電子オリジナル。巻末には、著者自身による「自筆解説」が収録されている。 ・ギャグ著作権 ・ビックリスペシャル ・人材の豊富な放送局 ・バラエティ・ショウ ・素人の時代 ●藤井青銅(ふじい・せいどう) 「第一回星新一ショートショートコンテスト」に入選。以降、放送作家兼作家になり、「夜のドラマハウス」「オールナイトニッポン・スペシャル」をはじめ、書いたラジオドラマは数百本にのぼる。元祖「ヴァーチャルアイドル・芳賀ゆい」を伊集院光と共に創ったり、腹話術師いっこく堂の脚本・演出を担当して衝撃的なデビューもプロデュース。日本の国語辞書にはじめて「東洋一」の項目を載せた男、でもある。 -
笑う20世紀(緑)
さびれた温泉地を盛り上げようと老人たちが考え出したのは…? 笑えるショートショート集 「自分の見たい夢を見ることができるなんて、それこそ『夢』みたいな話じゃないか」 おれの唯一の楽しみである日曜の午睡を邪魔した訪問者は、魚のような眼をした男だった。 男は答えた。 「その『夢』を現実にしたのが、我が社の開発した『ドリーム・マシーン』なのです。一本のカセットには、一つの物語が特殊な電磁気によって記録されています。これを機械にセットして、この『ドリーム・バンド』を頭にはめて眠ればいいのです」 (「夢みる瞳」より) NHK-FM青春アドベンチャーでラジオドラマ化され、絶大な人気を誇った伝説のショートショート集、待望の新作が登場! すべて単行本未収録作品で構成された電子オリジナル。巻末には、著者自身による「自筆解説」が収録されている。 ・夢みる瞳 ・LA温泉郷繁昌記 ・北海道株式会社 ・農業後継問題 ・ガト王の靴の ・書評 ●藤井青銅(ふじい・せいどう) 「第一回星新一ショートショートコンテスト」に入選。以降、放送作家兼作家になり、「夜のドラマハウス」「オールナイトニッポン・スペシャル」をはじめ、書いたラジオドラマは数百本にのぼる。元祖「ヴァーチャルアイドル・芳賀ゆい」を伊集院光と共に創ったり、腹話術師いっこく堂の脚本・演出を担当して衝撃的なデビューもプロデュース。日本の国語辞書にはじめて「東洋一」の項目を載せた男、でもある。 -
笑う20世紀(紫)
死の間際、父が言い残したかったのは「ニャンコスター」だった…? 笑えるショートショート集 「な、なんだい。みんな、どうしたんだ?」 譲次は、自分を見つめる母の目が真っ赤に腫れているのに気付いた。あきらかに、それは泣きはらしたあとだった。 「!……ひ、ひょっとして……」 父はゆっくりとうなずいた。 「譲次、おめでとう」 そして、手に持った赤い紙を譲次に示した。 「召集令状だ。《一週間後の午前十時、両国国技館前に参着すべし》とある。相撲取りになって、お国のために尽くしてこい」 (「報国」より) NHK-FM青春アドベンチャーでラジオドラマ化され、絶大な人気を誇った伝説のショートショート集、待望の新作が登場! すべて単行本未収録作品で構成された電子オリジナル。巻末には、著者自身による「自筆解説」が収録されている。 ・無駄のない人生 ・おいしい水 ・大合併 ・美しき夢の家族 ・報国 ●藤井青銅(ふじい・せいどう) 「第一回星新一ショートショートコンテスト」に入選。以降、放送作家兼作家になり、「夜のドラマハウス」「オールナイトニッポン・スペシャル」をはじめ、書いたラジオドラマは数百本にのぼる。元祖「ヴァーチャルアイドル・芳賀ゆい」を伊集院光と共に創ったり、腹話術師いっこく堂の脚本・演出を担当して衝撃的なデビューもプロデュース。日本の国語辞書にはじめて「東洋一」の項目を載せた男、でもある。 -
嗤う身代り地蔵
宮嶋美由紀は愛する夫と2人の息子をもつ平凡な主婦。友人の新居パーティーの席上、思いがけず大学時代の不倫が暴露された。いたたまれず飛び出した美由樹は、その新居がかつて愛した男の家のそばであることに気づく。だが、懐かしさで訪ねたそこは廃屋となり、一体の地蔵が残されているだけだった。バス道路に向いて立つ、謎の地蔵。その足元に落ちていた五円玉を何気なく拾ったが、その後、彼女の身に次々と災難が降りかかって……。 家庭の幸せに安穏とする主婦が陥っていく蟻地獄の恐怖を、戦慄のタッチで描く。長篇サスペンス・ミステリ。 ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。 -
笑う四姉妹 ひとつの庭と四つのおうち
読後、きっとこの笑顔に涙する。 「ゆずのお母さんたちってドラマチックじゃん。この世知辛い東京で、一つの土地に、四人姉妹がそれぞれ家を建てて住んでたんだよ?」。幼馴染みの稲葉亜子に問われ、そんな大げさなと返す信濃ゆず。 漫画家の亜子は最近仕事に行き詰まっており、ゆずの母と三人の伯母たちの話を聞きたいらしい。すると、二人のそばにいた老女がにっこり笑い、ゆっくりと四姉妹の過去を語りだし――。 父の失踪、巨額の借金、仕事と結婚、そして老い。人生はままならないが、四姉妹はいつも笑っていた。七十年以上の時をこえ描かれる家族の物語に涙が止まらない、著者渾身の感動作。 -
笑え!
さっと読めるミニ書籍です(文章量15,000文字以上 20,000文字未満(20分で読めるシリーズ)=紙の書籍の30ページ程度) 【書籍説明】 「フミカの笑顔には魂が宿っていなかった。 まるでそういう仮面でも付けているみたいに見えて、それが俺には恐怖に感じていた。」 東京でサラリーマンとして働く主人公、加藤勇一。 たまたま乗った電車で目の前の座席に座った女性を見て、 一人の少女、フミカと過ごした記憶が蘇る。 【著者紹介】 椎名晴(シーナハル) 1993年、広島県生まれ。落語とカープと駅伝をこよなく愛するヒトミシリ。 著書に「こたつむり彼氏の日記~」、「早朝ブラックパーカー団!」、「死後事-shigoto-シリーズ」がある。 -
笑えよ
成績優秀で常に穏やかな橋立、クラスの中心にいるモテ男・仲平。高2の普通女子・柏木葉へ打ち明けられた彼の「秘密」の告白。報われない3人の奇妙な関係が、始まった。第6回ダ・ヴィンチ文学賞大賞受賞作。 -
笑ってみ。 それだけで楽になる
あなたは絶対に死なないでください。生きることが挑戦だった、24歳の遺書。 自殺未遂、リストカット、オーバードーズ、などを繰り返しながら、精神の病と戦い、様々な困難を克服して生きた愛里沙からのメッセージ! 生きることがつらいすべての人へ! 読者の声 「なぜか涙が止まらなかった。愛里沙さん、ありがとう!」‐24歳/会社員 「言葉から力をもらいました」‐29歳/公務員 「私も病気と闘って生きていきます」‐21歳/フリーター 「自殺するのは弱い人、というのは間違いでした」‐19歳/大学生 「医療機関が助けてくれない現実を知った」‐35歳/大学講師 生きることを支える言葉の杖。 身近において、何度も読んで欲しい。 愛里沙の言葉とドキュメンタリーを収録 -
藁にもすがる獣たち
サウナの客が残していったバッグには大金が!? 持ち主は二度と現れず、その金で閉めた理髪店を再開しようと考える初老のアルバイト。FXの負債を返すためにデリヘルで働く主婦。暴力団からの借金で追い込みをかけられる刑事。金に憑かれて人生を狂わされた人間たちの運命。ノンストップ犯罪ミステリー! <期間限定スペシャル表紙> 2026年12月25日までの期間限定特別表紙です。 2026年12月26日以降は順次、別の表紙に差し替えられます。 ◎9月25日公開の映画原作! ようこそ、狂乱のマネーサバイバルへ 出演:鈴鹿央士 成宮寛貴 森七菜 -
悪い月が昇る
小説投稿サイト〈エブリスタ〉×竹書房が選ぶホラーの頂点 第4回最恐小説大賞受賞作! 脳がザワつく衝撃ラストを見届けよ――。 フリーの編集者・正木和也は妻と五歳の息子・蒼太を連れ、ひと夏を都会の喧騒から離れた避暑地の別荘「カブトムシ荘」で過ごす。 そこは、知人の精神科医が好意で貸してくれた私荘で、妻子が負った列車事故のトラウマを癒すための滞在であった。 時折、失せ物探しや予知など不思議な能力を見せる蒼太。 そして、蒼太にしか見えない友達・コウタ。 正木は別荘のある村の墓地で詩織という少女に出会い、村に伝わる不気味な奇譚、子を攫う妖鬼〈コトリ〉の伝説を知る。 そして始まる村の夏祭り、蒼太が消えた……。 脳を攪乱する衝撃の展開、現実が足元から崩れ去る戦慄のホラーミステリ! *** 寺の掛け軸に記された子をとる鬼【コトリ】の由来—— ある山に鬼がいた。 時折里に下りては子供を攫って食った。母親の嘆き悲しむのを見て己の所業を悔いた鬼は、食った子供に成り代わり、その後母親と共に暮らしたという……。 「ハッピーエンド? これが?」 「母親が鬼と知らなければ。最後まで騙し切れたら、きっとそう――」 世界は、どんな悍ましさも悪も正義になる。 -
悪い弁護士は死んだ
その日は犯罪捜査部のベックストレーム警部にとって、人生最良の日だった。マフィアお抱え弁護士として警察を悩ませてきたエリクソンが殺されたのだ。ベックストレームは部下を率いて捜査を開始。殺害場所は被害者の自宅らしく、死因は鈍器による殴打、部屋からは被害者が発射した銃弾の跡が発見された。だが奇妙なことに、主人が殺害された四時間後に、飼い犬が喉を掻き切られて殺されていたのだ。なぜ犯人はわざわざ引き返して犬を殺したのか。エリクソンを恨んでいた人物は多数いるはずだが……。CWAインターナショナル・ダガー賞最終候補作。 -
わるい奴ら
「この会社は伏魔殿だ。仕掛けられた罠に私は落とし込まれたのだ」ヘッドハンティングされ転職した先は、敵ばかり!?孤立無援の杉谷は、はたしてミッションを遂行できるのか?――「わるい奴ら」「営業は数字です。できないということは、営業本部長から降りるということですか?」ままならない会社の状況と野心家の上司に翻弄され、追い込まれていく安藤。部下を救うため、最後に下した決断はいかに。――「寒冷前線」バーで偶然出会った女性・オードリーと意気投合し、その日のうちに関係を深めたマサハル。オードリーの家で夜中に目を覚ましたマサハルは驚くべき光景を目の当たりにしオードリーの心の闇に触れていく。――「オードリー」「妻が死んだあと、弟が私に『持っている本はすべて棄てていけ!』と言ったんだ……。」妻を失い気を落とす永田。弟の言葉に隠された真意は何だったのか。――「死者の奪還」旧友三人で行った同窓会。亡くなったもう一人の友人・水島の話をしているうちに、三人はその場に水島が存在しているかのような感覚を抱いていき……。――「四人の同窓会」大切な人を亡くした喪失感、組織の檻の中で身動きのとれない息苦しさ、何年経っても癒えない心の痛み。日曜作家・竹本晟一 衝撃のデビュー作。 -
悪い山へとつづく怪
街と山。 人と神。 道なき道を魔が通る――。 禍々しく光る宝石の如き怪を詰め合わせた街と山の怪奇取材録。 平日は街で働き休日は山を駆ける狩人、若本衣織。 二つの顔を持つ著者が街中の奇怪な現象から山の神域で猟師たちが体験した恐怖譚まで、この世の怪を根こそぎ狩り尽くす! 街から里へ、里から山へ。道路から獣道まで、怪異はシームレスに続いていく。 真夜中の住宅街を後ろ向きに練り歩く呪いの神輿。その正体は…「縁起の悪い祭り」 環状交差点の中央の島に猿たちの檻がある。だかそれは誰にでも見えるものではなく…「ラウンドアバウト・モンキーハウス」 シルバー人材センターから交番に派遣されている老人と新聞配達の少年の交流。だがそこには違和感が…「交番の南雲さん」 廃団地の窓からそよぐ白い腕の噂。かつて団地の住人だった二人の少年が確かめた真相は…「置き去りの腕」 学校になかなか馴染めない少女にできた友達ノンちゃん。だが保護者会で意外な事実が判明して…「やってきた子供」 母が一人で暮らす田舎の古家。「宮さん」が屋根を修理してくれているというのだが、姿が見えず…「屋根上の修理車」 集落の皆から畜生の家と呼ばれ忌避されている一軒の家。興味をもった移住者が踏み込んだタブーの正体…「畜生の家」 獣害を訴える集落の家屋。調査に訪れた業者が見た戦慄のケモノの姿…「空回る足音」 立ち入るどころか見上げることすら禁じられている家の裏山。その理由とは…「悪い場所へと続いています」 死の気配が漂う場所に見える幻の扉。山で扉が開くのを見た猟師は…「黒い扉」 山で煙草を吸うのに火を忘れた男。山中を浮遊する人魂の火を借りることを思いついて…「人魂たばこ」 罠にかかって死んだ猪の口から洩れる不気味な歌。首を落とすと鼻から白いモノが…「山中蟲」 ほか、禍々しすぎる全17話収録! -
悪だくみ 「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞
安倍首相の「腹心の友」がつかみ取った52年ぶりの獣医学部新設。そのレールを誰が敷いたのか? 浮かび上がる米留学以来の“義兄弟”関係、夫人たちのサークル、教育にはびこる政・財・官の利権構造──「政治とカネ」問題で当代一の著者が徹底取材で核心を説き明かした。2018年大宅壮一ノンフィクション賞受賞。 解説・石井妙子 【目次より】 第1章 第二の加計学園 第2章 悪友サークル 第3章 加計の野望 第4章 海外戦略の手助け 第5章 政治とビジネス「商魂」 第6章 国家戦略特区というレール 第7章 下村文科大臣の献金疑惑 第8章 前川の乱「疑惑の核心」 第9章 内閣府VS文科省 第10章 延期された学部の設置認可 終章 政権延命の末 ※この電子書籍は2017年12月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
ワルツ【上中下 合本版】
終戦直後の新宿。街の殆どが瓦礫と化し、明日の行方も見えぬ混乱の中、三人の男女は出逢う。 僅かな金と煙草で組事務所の襲撃を請け負った特攻崩れの城山龍治。朝鮮人であることを隠しながら頭脳と美貌でのしあがろうとする林敬元。 疎開先で強姦されそうになり東京へ流れてきた天涯孤独の生娘・岡崎百合子。 苛酷な運命に抗いながら見えない糸で絡まり合っていく三人の壮絶な人生を描破し、人間の本性と闘争、そして底知れぬ恋情を塗り篭めた昭和スペクタクル小説! 花村文学史上最強のエンタメ小説、合本版登場! ※本電子書籍は「ワルツ 上・中・下」を1冊にまとめた合本版です。 -
ワルツはあなたとともに
ひさしぶりにウェスコット家の人々が集うクリスマス。エリザベスは弟のリヴァーデイル伯爵夫妻に招待されていた。大勢の親族のなかで、ホッジズ男爵ことコリンが居心地悪そうにしているのが気がかりで声をかける。コリンはエリザベスの弟の結婚相手のきょうだいだ。2人はおしゃべりに夢中になり、気づけば互いに特別な想いを抱くようになる。 コリンはかねてより美しく慈悲深い、年上のエリザベスに憧れを抱いていた。家族と疎遠で孤独な生い立ちだった彼だが、エリザベスと過ごす時間を通して家庭を築くことに意義を感じるようになる。 一方エリザベスは魅力的なコリンの若さをあまりにまぶしく感じ、彼と近づきすぎないよう決意する。かつての不幸な結婚生活から愛を信じられなくなっていた彼女だったが…… -
ワルツを踊ろう
容疑者は村人全員! ? 20年ぶりに帰郷した了衛を迎えたのは、閉鎖的な村人たちの好奇の目だった。 愛するワルツの名曲〈美しく青きドナウ〉を通じ、荒廃した村を立て直そうとするが……。 雄大な調べがもたらすのは、天啓か、厄災か⁉ 著者史上最狂・最悪のどんでん返しミステリ! 「まっさらで読めば、滝川野菜のところで おりょ?と騙されます。 あーラッキーだなー自分。最高に楽しんじゃいました。」 新井見枝香(三省堂書店) ●あらすじ 金も仕事も住処も失った“元エリート”溝端了衛が帰った故郷は、7世帯9人の限界集落に成り果てていた。 携帯の電波は圏外。住民は曲者ぞろい。地域に溶け込もうと奮闘する了衛の身辺で、不審な出来事が起こりはじめ……。 -
ワル・ドクター 矯正医官シロウ
「犯罪者かどうかなんて知るか。俺の患者だ」 同僚の尊厳を守るため教授をブン殴り、 大学病院を追われた外科医・神志那士朗(こうじなしろう)。 職を失った士朗に舞い込んだのは、 刑務所で受刑者を診る医師”矯正医官”への誘いだった。 すべてのドアや引き出しに鍵がかかり、 医療者同士で名前を呼ぶことも避けられる。 これまでの病院とは全く違う環境に足を踏み入れた士朗を さっそく待っていたのは、受刑者による刑務官刺傷事件。 十年を過ごした刑務所を出たくないと零す患者、 罪を犯した弟のために治療同意はできないと言われ、死に瀕している患者……。 塀の外からは「犯罪者を救うべきなのか?」と問われるが、 患者であり受刑者である彼らと向き合ううち、 士朗の瞳には再び医師としての矜持が宿る。 己の正義のためには力づくでも道を切りひらく 型破りなニューヒーロー、誕生! 『このクリニックはつぶれます!』の著者による、かつてない刑務所医療小説。 《もくじ》 一話 来訪者 二話 大和医療刑務所 三話 塀の外へ 四話 家族 五話 矯正医官・神志那士朗 六話 Dr. プリズン -
わるもん
【第42回すばる文学賞受賞作】――純子ちゃんもあるやろ、お父さんに有罪だしたこと。硝子職人の父はいつの間にか「箕島家」から取り除かれてしまった。工場(こうば)で汗を流して働く以外は縁側から動かず、家族を見なかった父はどこへ行ったのだろう。笑顔が増えた母、家には寄り付かない姉の鏡子と祐子。ときどき現れる「ミシマ」さんという男性。純子だけが母の視線を受けながらずっと家にいる。大好きなレーズン、日課の身長測定、ビーカーで飲む麦茶、変わらない毎日の中、あるときから純子は父の「コンセキ」を辿り始める。日本のどこかで営まれる家族の愉快でちょっと歪んだ物語。 -
割れたグラス
現代アフリカ文学の最前線を紹介する、新海外文学シリーズ《アフリカ文学の愉楽》創刊! 小社の海外文学路線を切り拓いた《世界幻想文学大系》、のちのブームを決定づけた《ラテンアメリカ文学叢書》の刊行開始から約半世紀。 これまで日本で語られることの少なかった20世紀後半から現代までの芳醇なアフリカ文学の世界を本格的に紹介すべく、そして遠く離れた日本の読者が抱くアフリカへの印象をより豊かなものとすべく、《アフリカ文学の愉楽》が刊行開始! 第1回配本は、現代アフリカ文学随一のヒップスター、コンゴ共和国出身のアラン・マバンクによる代表作! コンゴ共和国の港湾都市ポワント=ノワールの下町にあるバー"ツケ払いお断り"。 バーの主人《頑固なカタツムリ》からの依頼で、《割れたグラス》はバーとその常連客たちとの日々を思いのまま1冊のノートに書き留めていくことになる。 何枚ものオムツを穿いた《パンパース男》、フランスかぶれの寝取られ《印刷屋》、誰よりも長く放尿できると豪語する《蛇口女》など、いずれ劣らぬ酔客たちの奇怪な逸話が次々とノートに綴られていく。 やがて、《割れたグラス》は自身についても書きはじめるのだが……。 作家としてはじめてコレージュ・ド・フランスの招聘教授に着任、また国際ブッカー賞の選考委員を務めるなど、現代アフリカ文学の最重要作家のひとりとして活躍の場を世界的なものへと広げている、アラン・マバンクが放つ驚異の傑作がいまここに! フランコフォニー五大陸賞をはじめ数々の文学賞を受賞、ルノドー賞最終候補作にして、英国ガーディアン紙が選ぶ「21世紀の100冊」にも選出された、酔いどれたちのめくるめく狂想曲! -
我、鉄路を拓かん
海の上に、陸蒸気を走らせる! 明治の初めに、新政府の肝煎りで、日本初の鉄道が新橋~横浜間に敷かれることになった。そのうち芝~品川間は、なんと海上を走るというのだ。この「築堤」部分の難工事を請け負ったのが、本書の主人公である芝田町の土木請負人・平野屋弥市である。勝海舟から亜米利加で見た蒸気車の話を聞き、この国に蒸気車が走る日を夢見ていた弥市は、工事への参加をいち早く表明する。与えられた時間はたった二年余り。弥市は、土木工事を生業とする仕事仲間や、このプロジェクト・チームを事実上率いている官僚の井上勝、そしてイギリスからやってきた技師エドモンド・モレルとともに、前代未聞の難工事に立ち向かっていく。来たる2022年10月14日は、新橋~横浜間の鉄道開業150年にあたる記念すべき日。この日を前に刊行される本書は、至難のプロジェクトに挑んだ男たちの熱き物語であり、近代化に向けて第一歩を踏み出した頃の日本を、庶民の目で見た記録でもある。 -
われらが痛みの鏡
かつて傷痍軍人エドゥアールの仮面造りを手伝った無口な少女ルイーズも、いまでは30歳になり、教師をするかたわら、週に一度、近くのレストランでウエイトレスをしていた。だが常連客のひとりである老医師の奇妙な願いに応えてから、次々に驚くべき事件に巻きこまれてゆく……歴史ミステリ三部作待望の完結篇! -
我らがパラダイス
細川邦子(48)は兄・三樹男(53)に憤っている。父・滋(82)の面倒をみるというから、兄夫婦に実家を明け渡したのに、父のぼけがはじまった途端、兄嫁・登喜子(56)が家出をしたというのだ。嫁にガツンと言えない頼りない兄に父を任せるわけにいかない……期せずして、邦子の介護の日々が始まった。 田代朝子(54)は看護師の仕事を辞し、寝たきりの母・チヅ(78)の介護中。そこに、リストラされた弟・慎一(53)が転がり込んできた。職探しもしない弟のために家計は逼迫、朝子は広尾にある高級介護付きマンション「セブンスター・タウン」で働きはじめる。 丹羽さつき(52)はセブンスター・タウンの従業員。80間近の父・貢と、母・ヨシ子はともに元気で、周囲にうらやましがられるほどだったが、父にがんが見つかり、闘病むなしく死去。母の老いもにわかに進み、さつきの平穏な日々は終わりを告げた……。 坂道を転げ落ちるように悪化する父の認知症。より時給のいいパートを探し、セブンスター・タウンで働きはじめた邦子が目にしたのは、入居費8000万円をやすやすと支払い、ホテル並みの施設で悠々と暮らす豊かな老人たち。母を手頃な施設に入れることに決めた朝子も、老いた母と困窮していくさつきも、自らの状況と、セブンスター・タウンの住人たちとの「格差」に愕然とする。いつしか3人は力を合わせ、親を空き部屋に住まわせたり、ぼけた入居者と自分の親をすりかえたり、それぞれの危機を乗り越えるため、一世一代の「計画」を企てる! はたして「貧者の逆転劇」の結末は?? -
われらがボス
吐く息も凍る一月のアイソラ――六人の男女は溝の中で折り重なるように息絶えていた。刑事たちも思わず眼をそむけるこの残酷な大量殺戮は、数日後行われた一人の男の供述によって、驚くべき真実を暴き出した。拮抗するギャング団の三つどもえの抗争が生んだ、この血塗られた殺人の真相とは? -
我らが緑の大地
森のあらゆる生物が襲い来る! 植物の「魔の手」から 逃れられるか!? 人類の命運を託されたのは、 ワーママ研究者と、その息子 震撼のパニックサスペンス! スタートアップ企業・グリーンプラネットに勤める村岡野乃は、植物の「会話(コミュニケーション)」について研究している。コマツナは虫にかじられると毒を合成したり、SOSを出して虫の天敵を呼び寄せたりするなど、植物もほかの生物と同様、驚くべき知性を持っていることがわかってきた。ある日、農場の視察に訪れた企業の社員が、改良された大豆を食べて緊急搬送される事件が発生。さらには、原因不明の山火事や、飢えて狂暴化した猿による襲撃、森を走る「謎の野人」の目撃情報など、奇怪な出来事が相次いでいた。野乃は一連の事件を「植物による反乱」ととらえ立ち向かおうとするが……? -
我ら級友たち
青春、それはどんなに奔放自由であっても一抹の憂愁が通底している。自己の存在感や充実感を求めて夢を追い夢に縋り、そして、そのぬかるむ夢に躓き足を掬われ、傷ついてよろける。それでも並大抵でない再起を目指して再びチャレンジする。 プロのジャズピアニストを志しながら、突発性難聴を患って夢を絶たれた茉莉。 幼くして父親を亡くし、母親に早く楽をさせたいと、高校を出て直ぐに印章彫刻師の職に就いた謙一。 ラグビーのスクラムに潰されて首の骨を折り、二十二歳で早逝した達哉。 子供の頃から野球に夢中になり、女子プロ野球リーグ誕生と同時にプロの投手となった由香。 自分を裏切った男を刺して刑務所に入った孤児のホステス遼子。 達哉の葬儀の後で言った謙一の言葉が象徴的である。 「人間、生きている時間じゃ無くて、何を思い、何をしたかが問題なのだ。如何に納得した充実感を持ち乍ら生きるかが重要なのだ。自分の信じるものに向かって闘い続けることが生きるということだ!」 -
われらの狩りの掟
◆ふらんす堂電子書籍1000円シリーズ ◆第三歌集 ウェルニッケ野に火を放てそののちの焦土をわれらはるばると征く 私にとって歌とはずっと、失われたもの、決して手に入らないものへの思いを注ぎ込む器だった。それが、この歌集を手に取ってくださった人が抱え持つ喪失や希求と響きあうことがあればと願うのみである。 (あとがき) ◆自選五首 無傷であることに傷つく葉桜の下あたらしい帽子を被り 光年という距離を知りそれさえも永遠にほど遠いと知った 奈落その深さをはかりつつ落ちてゆくくれないの椿一輪 ハーブティーにとかすはちみつひと匙の慈悲それで人は生きられるのに みなそこのさくらよさくら海が陸はげしく侵し尽くした春の -
われらみな、星の子どもたち
どこ行ったって、へこたれんと生きていく。 それが能登の人間や――。 懸命に生きようと見上げた空には、いつも「星」があった。 父が語り始めた、波瀾万丈の生涯を送った一族の物語とは――。 人生の輝きが胸を打つ、感動のファミリーストーリー。 2024年元日、能登半島に震度7の地震が襲った。大阪で暮らすホテルマン・星場恵介は、故郷で震災が起こったことを入院中の父に伝えた。 能登半島で生まれ育った両親は戦後、若くして大阪に出、今は二人とも入院生活をしている。同じ病院にいながら会うことのできない両親を案ずる恵介に、父はこれまで語らなかったふるさとでの母との思い出、そして故郷を離れ波瀾万丈の人生を送った一族の話を語り始めた。 著者渾身の新たなる代表作。 -
われら闇より天を見る
2023年本屋大賞翻訳小説部門第1位 自称無法者の少女ダッチェスが住む町に帰ってきた30年前の事件の加害者。彼の帰還は、ダッチェスを苛烈な運命へ巻き込んでいく。 -
我々の死者と未来の他者 戦後日本人が失ったもの(インターナショナル新書)
なぜ日本人は、気候変動問題に対する関心が低いのか。そのヒントは司馬遼太郎や村上春樹らの小説、さらに『鬼滅の刃』『虹色のトロツキー』『満州アヘンスクワッド』などの漫画作品にあった。「未来を変えること」と「過去を新たに見出すこと」は別のものではない。両者は同じ対象を二つの側面から眺めたのであり、その視線は緊密に結びついている。哲学から現代思想、文学、サブカルチャーにまで精通する著者が、日本人が切り捨ててきた<我々の死者〉、そして〈未来の他者〉をキーワードに、過去・未来と現在との「分断」の正体を暴く。