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外部からおそいかかる時代の狂気、あるいは、自分の内部から暗い過去との血のつながりにおいて、自分ひとりの存在に根ざしてあらわれてくる狂気にとらわれながら、核時代を生き延びる人間の絶望感とそこからの解放の道を、豊かな詩的感覚と想像力で構築する。『万延元年のフットボール』から『洪水はわが魂に及び』への橋わたしをなす、ひとつながりの充実した作品群である。
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Posted by ブクログ
キレキレのオーケン中期。 文の生々しさと滑稽さのバランスが絶妙で、作中の作者の分身に愛おしさを感じる。 当時のコテコテ多弁気味“私小説風小説”の作品群の中、表題の通り救いを求める作者の魂に触れた気がした一冊。
われらの狂気を生き延びる道か術かがこの本(とかこうする行為)、ていう話。(しらんけど)実は意味もなく恥ずかしいけど大江健三郎の作った言葉の端々にはハッとこれだよと気付かせられるおれなので、恥ずかしいけど(にかいいった)☆5つにしまつ。恥ずかしいのはシャイだからです。しるかー
初期の短中編5編が入っている。この大江健三郎さんの独特の文体は初めて読んだときはまどろっこしくて戸惑ったが、慣れてくると逆にこの詳細な遠回しな比喩含めた文体が、気持ちよくなってきてこれじゃないと駄目だなと思ってしまうほどだ。 どの作品も興味深かったけど、「走れ、走りつづけよ」が自分的にはブラックユー...続きを読むモア的にも感じ、大変面白かった。 「核時代の森の隠匿者」は名作【万延元年のフットボール】の後日談的な話なので、さきに【万延~】を先に読むのをお勧めします。
人間の内奥に居座る、根源的な黒いものを「狂気」として捉えている。 福永光司著の「荘子」にて、人間は非合理で混沌な存在であると述べられているのを思い出したが、この説明のつかない非合理性は「狂気」の表出ではないだろうか。 詩、私小説、エッセイを総合した、40年前の短編・中編集でありながら、「新しい」文...続きを読む学の試みだと思う。 「走れ、走りつづけよ」も好きだが、やはり最後の中編「父よ、あなたはどこへ行くのか」は難解ながらも味わったことのない読書体験を得られた。掴みきれていない部分もあるので、必ず読み直したい。
5本の短編(中編)集。それぞれの物語にて人間のグロテスクな内面が描かれている。どの作品も面白かった!
時代の疾走感を感じる、難解さは日本トップクラスの暗号小説群。 「みずから我が涙をぬぐいたまう日」とセットでどうぞ。
おほきな疲労感とともに 狂気を書く。その点では『ねじまき鳥クロニクル』とおなじだが、前者は社会の狂気。こちらは個人の狂気だ。 しかも、こちらの狂気は説明的な人工の(=絵空事の)狂気なのだ。人間に直に根ざした狂気とは感じられない。 一文がながながしい変革期の文体。それは、大江がのちに『さような...続きを読むら、私の本よ!』で書いたとほりだ。《あなたの出発時の文章はスッキリして、書いてることがよくわかった、いまはゴテゴテしている。それは批評家が賞めてるような、あなたに豊かな資質があるということじゃなくて、いま何を書いたらいいかわからないから、形容詞の煙幕を張ってということじゃないのか?》 「核時代の森の隠遁者」は『万延元年のフットボール』の後日談。表題作は、父と天皇へ結びつく中篇だが、長すぎる内容は食傷気味になった。
3.11以降のこの時代に、この時期の大江を読むことには感慨を覚える。核の時代の孤独と閉塞感は今に通じる感覚があるのではないか。恐怖によってのみ連帯する人々の中で自由とは狂気と同義なのだろうか。 しかし、詩篇を核とした大江流の私小説が見事に結実し、見事な完成度を誇る作品群である。
今回も重かった…。もう自己欺瞞と障害を持った子供から逃げられません。 考えて考えて、考え続けていることの副産物。 10.06.20
<目次> 第一部 なぜ詩でなく小説を書くか、というプロローグと四つの詩のごときもの 第二部 ぼ自身の詩のごときものを核とする三つの短編 走れ、走り続けよ 核時代の森の隠遁者 生け贄男は必要か 第三部 オーデンとブレイクの詩を核とする二つの中編 狩猟で暮らしたわれらの先祖 父よ、あなたはどこ...続きを読むへ行くのか? a 裏 b 表
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大江健三郎
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