作品一覧

  • 割れたグラス
    4.0
    1巻2,288円 (税込)
    現代アフリカ文学の最前線を紹介する、新海外文学シリーズ《アフリカ文学の愉楽》創刊! 小社の海外文学路線を切り拓いた《世界幻想文学大系》、のちのブームを決定づけた《ラテンアメリカ文学叢書》の刊行開始から約半世紀。 これまで日本で語られることの少なかった20世紀後半から現代までの芳醇なアフリカ文学の世界を本格的に紹介すべく、そして遠く離れた日本の読者が抱くアフリカへの印象をより豊かなものとすべく、《アフリカ文学の愉楽》が刊行開始! 第1回配本は、現代アフリカ文学随一のヒップスター、コンゴ共和国出身のアラン・マバンクによる代表作! コンゴ共和国の港湾都市ポワント=ノワールの下町にあるバー"ツケ払いお断り"。 バーの主人《頑固なカタツムリ》からの依頼で、《割れたグラス》はバーとその常連客たちとの日々を思いのまま1冊のノートに書き留めていくことになる。 何枚ものオムツを穿いた《パンパース男》、フランスかぶれの寝取られ《印刷屋》、誰よりも長く放尿できると豪語する《蛇口女》など、いずれ劣らぬ酔客たちの奇怪な逸話が次々とノートに綴られていく。 やがて、《割れたグラス》は自身についても書きはじめるのだが……。 作家としてはじめてコレージュ・ド・フランスの招聘教授に着任、また国際ブッカー賞の選考委員を務めるなど、現代アフリカ文学の最重要作家のひとりとして活躍の場を世界的なものへと広げている、アラン・マバンクが放つ驚異の傑作がいまここに! フランコフォニー五大陸賞をはじめ数々の文学賞を受賞、ルノドー賞最終候補作にして、英国ガーディアン紙が選ぶ「21世紀の100冊」にも選出された、酔いどれたちのめくるめく狂想曲!

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  • 世界の8大文学賞 受賞作から読み解く現代小説の今
    値引きあり
    3.7
    1巻880円 (税込)
    芥川賞、直木賞からノーベル文学賞まで。8つの賞から、文学の最先端が見えてくる! 世界中の文学賞は、こうやってできていた! 史上初の世界の文学賞ガイドが登場。『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』の翻訳で知られる都甲幸治を中心に、芥川賞作家や翻訳家、書評家たちが集まって、世界の文学賞とその受賞作品について熱く語る1冊。芥川賞、直木賞、ノーベル文学賞といったメジャーなものから、各国の代表的なものまで。歴史あるものや最近設立されたもの、賞金が1億円を超えるものや1500円くらいのもの。世界に数多く存在する文学賞のなかから、とびきりの8つを選びました。受賞作品の解説にとどまらず、受賞作品の傾向分析や、あっと驚く選考の裏話までもが飛び出し、あなたの知的好奇心を大いに刺激します。これ1冊で、文学賞の発表シーズンが何倍も楽しくなる!カバーイラストは『刀剣乱舞』のキャラデザでおなじみの、しきみが担当。

ユーザーレビュー

  • 割れたグラス

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    アフリカ文学が6冊邦訳され飛びついた。コンゴ(共和国の方)のマバンクの小説は、不思議な味わい。句点が1つもない文章は特徴的で、170冊以上あるという文学作品のタイトル等をちりばめたのは、知っていればニヤリとしてしまうが実験小説風ではない。登場人物が語る話は、割れたグラス(ノートの書き手)の手によって奇妙な語り口で記録され、いろんな小話に引き込まれる。なんか面白くて離れがたい雰囲気がある。後半では「ツケ払いお断り」という名前のバーに入り浸る割れたグラスがとうとう自らの人生を語り始めるという話。独特の味わいで気に入った。6回の配本、全部読み切りたい。

    0
    2025年05月23日
  • 世界の8大文学賞 受賞作から読み解く現代小説の今

    Posted by ブクログ

    本屋で見つけて、編者が都甲幸治ってこともあり、是非読みたいと思って入手。最近特に、洋邦問わず文学賞が気になるってこともあり、これもとても楽しく読ませてもらいました。方々で言われていることだけど、ノーベル賞より注目すべき文学賞は、あれもこれもあるってことですね。実際には”8大”文学賞では決してないけど、芥川賞と直木賞の章も設けられていて、それはそれで日本人なら気になるものではあるし、ちょっとした息抜きみたいにもなっていて、高感度高しでした。毎度のことながら、また読みたい本・作家がたくさん見つかって、嬉しい悲鳴再び。

    0
    2018年05月10日
  • 割れたグラス

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    20年前のコンゴ共和国(本作発表は2005年)

    港町ポワントノワール(←実在する)のバー「ツケ払いお断り」が舞台。主人公《割れたグラス》はバーとその常連客たちとの日々をノートに書き留めていく。

    本作は誰も本名ではなくバーの主人も仮の名前《頑固なカタツムリ》と呼ばれ、バーの客たち、《パンパース男》、《印刷屋》、《蛇口女》そして主人公《割れたグラス》の人生が綴られていく。

    例えば、法がないの?というぐらい人が言ったことだけで牢屋行きになって人生詰んでしまうという現代日本からすると異界の出来事のような内容。

    人口の多数がキリスト教だそうですが呪術も混じって土着的なものを感じました。紙面下の注

    0
    2025年10月10日
  • 割れたグラス

    Posted by ブクログ

    酔っぱらいが書き記したという体裁の、酔っぱらった文章、自分も酔っぱらいながら読んだけど、おもしろい!
    句点が一つもなくすべて読点で続いていく文体、膨大な先行作品の引用は慣れるまでは戸惑うが、いつの間にか酔っぱらいの饒舌な語りのようなスピード感を爽快にすら感じていました。
    初めての感じだなあ。

    0
    2025年08月16日
  • 割れたグラス

    Posted by ブクログ

    酒場の常連が酔っ払いの話などをノートに書き留めた、という体のアフリカ文学の小説。
     非常に衒学的、かつアフリカ的な作品だが、「アフリカ的」な文学とは、アフリカ的猥雑さ(呪術的、部族的)と、西欧との搾取の関係性、反発と依存が混ざりあったものだと思う。
     男が酒場で語りたがるのは大体が愚痴と決まっており、プライベートなものである。この小説は男たちの哀歌がテーマなのだ。そんな男たちの悲しくも滑稽なさまを前述の衒学的な部分とアフリカ文学的なもので味付けしている作品だ。

    0
    2025年07月05日

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