桑田光平のレビュー一覧
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ネタバレアフリカ文学が6冊邦訳され飛びついた。コンゴ(共和国の方)のマバンクの小説は、不思議な味わい。句点が1つもない文章は特徴的で、170冊以上あるという文学作品のタイトル等をちりばめたのは、知っていればニヤリとしてしまうが実験小説風ではない。登場人物が語る話は、割れたグラス(ノートの書き手)の手によって奇妙な語り口で記録され、いろんな小話に引き込まれる。なんか面白くて離れがたい雰囲気がある。後半では「ツケ払いお断り」という名前のバーに入り浸る割れたグラスがとうとう自らの人生を語り始めるという話。独特の味わいで気に入った。6回の配本、全部読み切りたい。
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ネタバレ20年前のコンゴ共和国(本作発表は2005年)
港町ポワントノワール(←実在する)のバー「ツケ払いお断り」が舞台。主人公《割れたグラス》はバーとその常連客たちとの日々をノートに書き留めていく。
本作は誰も本名ではなくバーの主人も仮の名前《頑固なカタツムリ》と呼ばれ、バーの客たち、《パンパース男》、《印刷屋》、《蛇口女》そして主人公《割れたグラス》の人生が綴られていく。
例えば、法がないの?というぐらい人が言ったことだけで牢屋行きになって人生詰んでしまうという現代日本からすると異界の出来事のような内容。
人口の多数がキリスト教だそうですが呪術も混じって土着的なものを感じました。紙面下の注 -
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コンゴ共和国(元フランス領。元ベルギー領はコンゴ民主共和国)の湾岸都市ポワント=ノワールの中でも下町トロワ=サン地区のバー「ツケ払いお断り」で、常連客の一人<割れたグラス>は、経営者<頑固なカタツムリ>から頼み込まれてバーのこと、バーの常連客のことをノートに書いている。
「ツケ払いお断り」は、開店時に不道徳としてカトリック団体から反対運動がおきたくらいだ。<頑固なカタツムリ>は断固として店を続け、ついには大臣も口を挟む騒動となった。
そのときのスピーチが有名になり、嫉妬した大統領が「自分のためにそれ以上の名言を考えろ!」と知識人、官僚たちを招集した。だがそれらを片っ端から「ダメだ、次!」とぶっ -
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Posted by ブクログ
芥川賞や直木賞なんて世界の文学賞のうちに入るのだろうか?日本の作家が書いた日本語の小説しか対象になっていないのに。なんてことを思ったけれども、読んでみました。今年も話題になっているのは、もちろんノーベル文学賞。村上春樹さんがとるかどうか、メディアで騒がれました。この本を読むとわかるのですが、その根拠になっているのがカフカ賞。この賞をとった人が二人、ノーベル文学賞をダブル受賞しているんだそうで、まだ受賞してないのが村上春樹なんだそうです。カフカ賞はチェコ語の翻訳が一冊は出ていないと受賞できないそうで、村上春樹がとった2006年は『海辺のカフカ』が翻訳された年。タイトルがよかった?
そのノーベル -
Posted by ブクログ
ネタバレジャケ買いしたくなるような、印象的な装丁。
現代アフリカ文学の最前線を紹介するシリーズが刊行された。その第1回配本が本書。
著者のアラン・マバンクは、コンゴの出身… と聞いても、地名は聞いたことがあって、はて、どこだっけ? となる。今、コンゴという国はコンゴ川をはさんで2つある。あぁ、かつてのザイールか?! と、とにかくアフリカ大陸の現状について、己の無知蒙昧を恥じることになる。
まずは、コンゴがどういう歴史を辿り、今は南の旧ベルギー領のコンゴがあり、戦争と疫病で近年話題だなと認識、それに対して本書の著者マバンクの出身は旧フランス領の小さいほうのコンゴだ。川を挟んで、船で20分の対岸 -
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