小説・文芸 - 中央公論新社 - 中公文庫作品一覧

  • まんぷく旅籠 朝日屋 ぱりとろ秋の包み揚げ
    3.3
    お江戸日本橋に、ちょっとワケありな旅籠が誕生!? 料理屋「夕凪亭」の娘ちはるは、雇われ人の裏切りで両親と店を失い、長屋でひとり借金苦に喘いでいた。そこに元火付盗賊改の工藤怜治が現れ、借金を清算してしまうと、日本橋室町に新しくできた旅籠「朝日屋」を手伝うようちはるに迫るが、ちはるには素直に頷けない事情があり……。 お腹も心も満たされる「朝日屋」の物語、ここに開店! ●主要登場人物● ちはる――17歳。いまはなき料理屋「夕凪亭」の一人娘 工藤怜治――28歳。朝日屋の主。元は腕利きの火付盗賊改で熱血漢 慎介――54歳。朝日屋の料理人頭。朝日屋の前身である料理屋「福籠屋」の主で、料理の腕前はピカイチだったが…… たまお――31歳。水茶屋の茶汲み女。外見はおっとりしているが、客あしらいがうまい。過去に悲惨な事件を経験している 綾人――16歳。乙姫一座の女形。かつての奉公先で事件に遭い、怜治に救われた過去を持つ 慈照――27歳。眉目秀麗な「天龍寺」の住職。幼い頃からちはるに目をかけている。甘党 柿崎詩門――24歳。火付盗賊改で、怜治の元同僚。怜治と違い、品のいい優男だが有能
  • わざと忌み家を建てて棲む
    4.0
    「幽霊屋敷って一軒だけで充分に怖いですよね。それが複数ある場合は、どうなんでしょう」 知り合いの編集者・三間坂が作家・三津田の元に持ち込んだのは、曰くある物件を継ぎ接ぎした最凶の忌み家、そしてそこに棲んだ者達の記録。誰が、何の目的でこの「烏合邸」を作ったのか? 怖すぎると話題になった三津田信三の「幽霊屋敷」怪談、再び! 〈解説〉松原タニシ
  • 御蔵入改事件帳
    -
    長崎奉行の任を解かれ小普請入りした荻生但馬は、船宿の二階で三味線三昧の気ままな日々を送っていた。しかし、公平で人情味溢れる仕事ぶりが長崎でも評判だった男を幕閣も放っておかず、新役の御蔵入改方頭取に任命する。南北町奉行所や火付盗賊改が取り上げない訴えや未解決事件を探索する御蔵入改方は、但馬を入れてもたったの五人。頭取自身が「一癖も、二癖もある面白い奴ら」と評するはみ出し者たちが、各々の特技を活かし、難事件に挑む! 【目次】 第一話 消えた花嫁 第二話 吝嗇の夢 第三話 木乃伊取り 第四話 名門の穢れ
  • CAGE 警察庁科学警察研究所特別捜査室
    3.5
    この中の誰かが刑事、誰かが犯人。 そして、誰かが存在しない。 連続殺人犯が逃走中のある日。相良と琴平は男に車で連れ去られそうになっていた女子大生・菜実を助ける。安心する菜実をよそに、相良は男に囁きかける。「君がいつもやってることを、僕たちに見せて」。豹変した相良の様子に恐怖する菜実。それを見て、男たちは笑みを浮かべる――。驚愕のラストが待ち受ける連作ミステリー。
  • おいしい給食
    3.7
    映画化決定! 市原隼人主演で人気の笑って泣ける学園グルメエンタメ! ハンサムだが無愛想な数学教師・甘利田幸男。彼の唯一の楽しみは「給食」だ。鯨の竜田揚げ、ミルメーク、冷凍ミカン、ソフトメン――。構成を見極めバランス良く味わう甘利田に対し、彼を挑発するように斬新な方法で給食を食す生徒が現れた。甘利田はその生徒・神野をライバル視し勝手に勝負を仕掛けるが……。
  • 出張料亭おりおり堂 月下美人とホイコーロー
    3.3
    「おりおり堂」に仁が戻り、山田澄香はまさかの「喪女」卒業か――と思われたが、今度はおじゃま虫が現れた。仁の弟で橘グループ総帥候補・孝だ。会社へ戻るよう仁を説得するため「料理を教えてほしい」と店に乗り込んできたのだ。しかしこの男、全く料理をしたことがなくて……。 孝&虎之介の料理修業開始!?
  • お春
    -
    浅草花川戸の乾物問屋の一人娘・お春。 美しい母は度重なる浮気の末、父とは別の男の胤を宿し、流産で死んだ。 懶惰な母親を嫌悪し、北国屋の家から解放されたいと願うお春だったが、 ある夜部屋に忍び込んできた番頭の伝九郎に体を許してしまい――。 「夢のような愚かさを書いてみたい」 橋本治が『刺青』にはじまる谷崎潤一郎文学をオマージュした、愚かしく妖しい少女の物語。
  • 恋と掃除と謎解きと ハウスワーク代行・亜美の日記
    3.0
    夫の不倫 お墓問題 職場のセクハラ 意外と(?)鋭い推理力で日常の事件を解き明かす! 家事代行会社でアルバイトをする大学生の樋口亜美。ある日、派遣された河西家の妻・ともみから、息子のつぶやいた謎の言葉、そして夫の浮気疑惑について相談を受ける。深まる謎に悩む亜美だが、憧れの男子との会話の中に思わぬヒントが……? 日常の事件を解き明かす、ハートウォーミングミステリ全三篇。
  • 快楽一路 恋は灰になるまで
    -
    人生一〇〇年時代に突入し、熟女と老女の境界線はなくなった。六十代はもちろん、七十代八十代でも熟女であり続ける女性たち。世間の思惑など気にしない。残り時間は限られている。女をおりない熟女たちは恋人とのセックスをむさぼる。快楽一路で生きるのが悪いのかと問い掛けるその心情を抉った迫真のノンフィクション話題作!(『快楽II』改題)
  • 出張料亭おりおり堂 夏の終わりのいなりずし
    3.2
    「必ず戻る」その言葉を残し、仁が京都へと旅立ってから一年半。彼を待ち続けた山田澄香はついに仁を探しに行くことを決意する。だが仁は京都ではなく大阪、それもなぜか大衆演劇一座の賄いを作っていた!? 澄香は仁を「おりおり堂」に連れ帰ることができるのか。謎の新キャラも登場し、シリーズは新章突入へ。
  • 銀色のマーメイド
    4.4
    あの「マカン・マラン」の原点がここに! 人気キャラ・シャールさん初登場作品です。 自分の泳ぎばかり考え、周囲に興味がなかった龍一。しかし主将で幼馴染みのタケルがいなくなったことで退部者が相次ぎ、水泳部は降格の危機を迎える。残ったのは「プール好き」のアニオタ&水中歩行要員のみ。部の存続のため部員集めに奔走する龍一は、市民プールで水中を滑降するように泳ぐ“人魚”を見つけた。それは同じクラスの謎めいた美少女・雪村襟香で……? 『快晴フライング』改題
  • イカロスの彷徨 警視庁捜査一課刑事・小々森八郎
    -
    都内路上で、筆舌に尽くしがたい残酷な拷問を受けた男性の死体が発見された。直ちに捜査本部が設置され、迷宮入り事件を担当していた小々森たち捜査一課特命捜査対策室四係にも、捜査への応援命令が下る。同じ頃、繁華街で新型覚醒剤が大量に出回っていると噂になっていた。一見、無関係と思われた二つの事件には意外な接点が!? 文庫書き下ろし
  • わたしの 「もったいない語」辞典
    3.0
    「銀幕」「ペーペー」「Gジャン」「アンドロイド」「達者で」――など「あまり聞くことのなくなってきた“もったいない”言葉」を、自身の体験談とともに厳選。作家・文学者・俳人など言葉のプロ150人が選んだ言葉に込められた想いに、共感するもよし、新たな発見を見出すもよし。どこから読んでも楽しいエッセイ集。 <“もったいない語”の例> 「朝ぼらけ」……横文字にはない感覚(逢坂剛) 「恐れ入ります」……礼を失しない交渉術(岸本葉子) 「光栄です」……謙虚な姿勢を表現(佐藤智恵) 「シャレ」……=「親父ギャグ」にあらず(南伸坊) 「せどり」……知識と経験で転売 今は昔(北原尚彦) 「底力」……爆発させれば夢は叶う(市川染五郎) 「到来」……はるか遠くの美味しさ(小川洋子) 「鳴かぬなら…」……嘘もおもしろい(阿刀田高) 「ハンサム」……立ち居振る舞いも問われた(プチ鹿島) 「一っ走り」……自然で粋で頼もしい(福原義春) 「フィルム」……栄華極めた絶滅危惧種(手塚眞) 「まあ大変」……大事装った趣深い造語(泉麻人) 「万年筆」……書き癖に染めて楽しく(高野史緒) 「民芸」……「嬉々」が包み込む風景(ねじめ正一) 「利休鼠」……感性豊か 和の色名(里中満智子)
  • 出張料亭おりおり堂 コトコトおでんといばら姫
    4.1
    天才イケメン料理人・橘仁が訪問先で料理を提供する「出張料亭」。その助手として恋心を抑えつつ働いてきた山田澄香は、仁の背負う重い過去を知り、衝撃を受ける。そして突然起きた悲劇によって、店は休業の危機に――。試練のとき、仁と澄香が選んだ道とは? 感動のおいしいシリーズ第三弾!『出張料亭おりおり堂』改題
  • 僕とおじさんの朝ごはん
    3.9
    1巻770円 (税込)
    ケータリング業者の水島健一は何事にも無気力な四十四歳。病死に見せかけ楽に死ねる「薬」の都市伝説に翻弄される人々を横目に、手抜き調理で依頼をこなす日々だ。しかし、ある生意気な少年・英樹との出会いが健一の料理を変えていく。それと同時に「薬」の噂とも向き合うようになるが……。真摯に生きることを拒んできた大人と、生死をまっすぐに見つめる少年の交流が胸をうつ感動長篇。
  • テミスの求刑
    3.4
    手には大型ナイフ、血まみれの着衣。殺人現場付近の監視カメラは敏腕検事・田島の衝撃の姿を捉えていた。絶対的な証拠が揃う中、田島は無実を訴えたきり口を閉ざす。田島の下で働いていた検察事務官・星利菜は、真相を明らかにするために彼と法廷で対峙するが……。島は本当に罪を犯したのか? 過去の冤罪事件に隠された、悲しき真実とは? リーガルミステリーの傑作、ついに電子化。
  • 井伊一族 直虎・直政・直弼
    3.0
    井伊家存亡の窮地を救った女地頭・直虎。徳川四天王の一人・「赤鬼」直政。江戸末期の大老・直弼――。平安期に浜名湖北方の井伊谷に定着し、南北朝、戦国を生き抜いた井伊氏は、幾度も没落の危機に瀕しながら、なぜ徳川譜代筆頭の彦根藩主へと昇り詰めることができたのか? 一族の盛衰を辿り、千年の名門の真実に迫る、書き下ろし歴史評伝。
  • 隼別王子の叛乱
    4.0
    ヤマトの大王の想われびと、女鳥姫と恋におちた隼別王子は大王の宮殿を襲う。愛と権力を賭けた血なまぐさい叛乱の夢は、大王の前にあっけなく破れ、隼別は女鳥姫とともに誅殺される。かつて宝塚でも上演され、劇画化もされた、「古事記」の中の濃密な物語。
  • おいしいものは田舎にある 日本ふーど記
    -
    食の先覚者・薩摩鹿児島から、馬肉・昆虫食の木曽信濃、山鍋と海鍋が併存する秋田へ。風土と歴史が生み出す郷土食はどう形成され、どう変貌したのか。日本全国、見て飲んで食べ尽くして考える旅のエッセイ。 『日本ふーど記』を改題し、〈改版にあたって〉を付しました。 《目次》 薩摩鹿児島――幸あり南方より来たる 群馬下仁田――コンニャク・エネルギー不変の法則 瀬戸内讃岐――パスタ文化食べ歩きリサーチ 若狭近江――頽廃の美味は古きワインで 北海道――国境演歌味覚変幻 土佐高知――初鰹たたく気分は“いごっそう” 岩手三陸――日本ホヤスピタリティー考 木曾信濃――何でも食べてやろう 秋田金沢日本海――山と里なべもの裏オモテ 博多長崎――ちゃんぽんと唐様で書く三代目 松阪熊野――ふだらく赴粥飯法 エピローグ/東京――二〇〇年前のファースト・フード 文庫版あとがき 改版にあたって
  • 棟居刑事の凶縁
    -
    群馬県榛名山中から、白骨化した女性の死体が見つかった。二十五年前、当時大学生であった三人が轢き逃げを隠すために埋めた死体である。医師、エリート銀行マン、流行作家となった彼らを突如襲う恐怖。その最中、三人のうちの一人が銀行強盗に殺害される。果たして、この死には二十五年前の怨念が込められているのか――。
  • 母の遺産 新聞小説(上)
    4.0
    1~2巻770円 (税込)
    八十歳を過ぎた母が骨折をして病院に運び込まれたその日、美津紀は夫・哲夫の引き出しから花柄のティッシュ入れを見つける。施設に入った母に時間を奪われ続け、美津紀は思う。「ママ、いったいいつになったら死んでくれるの?」親の介護、夫の浮気、忍び寄る更年期、老後資金の計算……実体験を交えて赤裸々に描き大きな話題を呼んだ、大佛次郎賞受賞作。
  • あかりの湖畔
    3.8
    大きな湖のほとりにある「お休み処・風弓亭」の三姉妹。 次女の悠は女優志望、高校生の花映も外の世界に憧れ、一人長女の灯子だけが、生まれ育ったこの場所でいつまでも変わらぬ生活を望んでいた。 ある日、姉妹の前に一人の青年が現れる。「運命を変える」出会いが、封じられた記憶を揺さぶって……。 大切な家族だからこそ、打ち明けられない秘密がある。 人生の小さな分岐点を丹念に描き、心を静かにふるわせる傑作長編小説。

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  • うつけの采配(上)
    4.0
    祖父は毛利元就、父は吉川元春、叔父は小早川隆景。恵まれた血統は吉川広家にとっては重圧でしかない。だが第一次朝鮮出兵直後、老いた隆景に呼び出され、毛利百二十万石の未来を託されることに。一方、秀吉亡き後の伏見では、加藤清正ら武闘派と石田三成ら吏僚派らが衝突を繰り返していた。そんな中、徳川家康が不穏な動きを見せ始めるが……。

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  • 人影花
    3.8
    見知らぬ女性からの留守電、真実を告げる椿の花、不穏に響く野鳥の声……ささいなことから平和な日常が暗転し、足元に死の陥穽が開く。戦慄に満ちたオリジナル短篇集。没後なお読者を惹きつけてやまない今邑ミステリの精華がここに。

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  • 幻視時代
    3.6
    撮影時点の四年前に亡くなっていた同級生が写りこんだ古い写真。これは心霊写真か、それとも……? 同じ文芸部から美少女高校生作家として鮮烈なデビューを飾った彼女の、突然の怪死には、何が隠されていたのか。二十二年後に集まった部員たちによる怒濤の推理合戦が、いま始まる!

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  • 金雀枝荘の殺人
    3.6
    完全に封印され「密室」状況となった館で起こった一族六人殺しの真犯人は、いったい誰だったのか。事件から一年後、真相を探るべく館にやってきた兄弟たちは推理合戦を繰り広げる。そして、また悲劇の幕が開いた……。恐怖と幻想に満ちた本格ミステリー。

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  • 煌夜祭
    4.3
    生物も住めぬ死の海に浮かぶ十八諸島。〈語り部〉たちが島々を巡り集めた物語を語り明かすため、年に一度、冬至の晩に開かれる煌夜祭(こうやさい)。今年もまた、〈語り部〉が語り始める。人を喰らう恐ろしくも美しい魔物の物語を。夜が更けるにつれ、物語は秘められた闇へ……。第2回C★NOVELS大賞受賞作に書き下ろし短篇「遍歴(ピルグリム)」を収録。

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  • 時鐘館の殺人
    3.6
    作家、評論家をはじめミステリーマニアの集まる下宿屋・時鐘(とけい)館。編集者の催促を前に「原稿は一枚も書けていない。勝手ながら『消失』する」との手紙を残し、締め切り直前の老推理作家が姿を消した。翌朝、発見された不格好な雪だるまに彼の死体が。犯人は編集者なのかそれとも…。マニアたちの展開する華麗でシビアな推理の行方は? 傑作ミステリー短篇集。

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  • 盗まれて
    3.6
    ゴースト・ライターだった夫が、本当に「幽霊」になってしまった!! 困り果てる売れっ子作家に、夫の幽霊から電話が……(「ゴースト・ライター」)。中学時代の同級生から、十五年の歳月を越えて送られて来た手紙(「時効」)。ミステリーはいつも電話と手紙によって運ばれる。傑作推理短篇集。

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  • i(アイ) 鏡に消えた殺人者 警視庁捜査一課・貴島柊志
    3.6
    作家・砂村悦子が殺された密室状態の部屋には、鏡の前で途絶える足跡の血痕が。遺された原稿には、「鏡」にまつわる作家自身の恐怖が自伝的小説として書かれていた。鏡のなかから見つめているのは、死んだはずの「アイ」――!? 貴島刑事が鏡に消えた殺人者に挑む、傑作本格ミステリ。

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  • つきまとわれて
    3.6
    別れたつもりでいても、細い糸が繋がっている。ハイミスの姉が結婚をためらう理由は別れた男からの「幸せな結婚ができると思うな」という嫌がらせの手紙だったというが……。表題作のほか、幼い頃に家出した母に纏わるあり得ない記憶を辿る「帰り花」、ある絵画に隠された秘密に迫る「吾子の肖像」など前の作品の人物が登場する異色の短編集。〈解説〉千街晶之

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  • わたしの献立日記
    4.1
    女優業がどんなに忙しいときも台所に立ちつづけた著者が、日々の食卓の参考にとつけはじめた献立日記。工夫と知恵、こだわりにあふれた料理用虎の巻。〈解説〉平松洋子
  • 渇望 女たちの終わらない旅
    4.0
    年齢に、どこまで抗えるのか、抗うべきなのか? 五十路の坂を迎えようとするなか、「性」の歓びを知った女たち26人の証言から綴った、衝撃のレポート。
  • 幕末銃姫伝 京の風会津の花
    4.0
    戊辰戦争末期、自ら銃を取り大砲を指揮して戦った女性がいた――激動の幕末を生き抜き、自らの手で未来を切り拓いた山本八重の前半生を描く歴史長篇。

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  • 沖縄文化論-忘れられた日本
    4.2
    歴史に翻弄されつつ古代日本の息吹を今日に伝える沖縄文化。その源に潜む島民の魂を画家の眼と詩人の直観で把えた名著

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  • 歌舞伎町セブン
    4.2
    歌舞伎町の一角で町会長の死体が発見された。警察は病死と判断。だがその後も失踪者が続き、街は正体不明の企業によって蝕まれていく。そして、不穏な空気とともに広まる謎の言葉「歌舞伎町セブン」……。『ジウ』の歌舞伎町封鎖事件から六年。再び迫る脅威から街を守るため、密かに立ち上がる者たちがいた。戦慄のダークヒーロー小説。〈解説〉安東能明

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  • 色ざんげ
    3.7
    処女をうばわれた十五の春。置屋に売られた十六歳の朝。運命の男との出会い、世を沸かせたあの殺傷事件。出所後、つかの間の幸せ。そして今――伝説の“悪女”阿部定の恋の軌跡を男たちの視点で描く。辻原登と丸谷才一、二人の読み巧者に絶賛された連作短篇小説集。

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  • 白骨の語り部 作家六波羅一輝の推理
    3.6
    1~6巻754~880円 (税込)
    民話の郷・遠野の山奥で死後一年が経過した白骨死体が発見された。DNA鑑定の結果、遺体は旧家に暮らす美しき四姉妹の次女のものと判明するが、遺体発見の前日まで彼女は生きていた!? ミステリ作家・六波羅一輝が遠野の伝承を繙き、呪われた旧家をめぐる惨劇の真相に迫る! 作家・六波羅一輝シリーズ開幕。〈解説〉杉江松恋

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  • 尖閣喪失
    3.8
    中国・台湾が領有権を主張する尖閣諸島。中国が実力行使に出た時、日本は……。政治的影響を睨みつつ展開される水面下での熾烈な駆け引きと日中の軍事作戦の行方を、迫真の筆致で描く。

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  • 動機、そして沈黙
    3.6
    時効まで二時間となった猟奇犯罪「平成の切り裂きジャック」事件を、ベテラン刑事が回想する。妻と戯れに推論を重ねるうち、恐ろしい仮説が立ち上がってきて……。表題作ほか、妄執、エロス、フェティシズムに爛れた人間の内面を、精緻なロジックでさらけだす全六作品。

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  • ハング
    3.9
    宝飾店オーナー殺人事件の再捜査を行った警視庁捜査一課の堀田班は、自供により容疑者を逮捕した。だが直後に班は解散を命じられ、公判では自白強要があったと証言されてしまう。歪んでいく真実、蝕まれていく日常。刑事たちは仲間を、愛する人を巨大な闇から守ることができるのか。誉田作品史上、もっともハードな警察小説。

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  • 御隠居忍法7 魔物
    -
    十二年に一度の奉納試合。前回その凶猛な剣で二人を殺して優勝した斎木源助が、再び出場する。不穏な空気の中、剣術道場の意地と遺恨がぶつかり合う。その立会人は、草深い奥州に隠居した元幕府御庭番、ご存じ鹿間狸斎。試合の陰に仕組まれた大きな陰謀に巻き込まれていく……。好評シリーズ第七弾!

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  • 検証・真珠湾の謎と真実 ルーズベルトは知っていたか
    3.5
    ルーズベルトは日本の真珠湾攻撃を事前に察知していたのか。戦史研究の第一人者たちが米公文書、日本側史料、当事者の証言を精査し、あの日の実像に迫る。

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  • イタリア キレイに生きる秘訣
    -
    勝ち負けや流行なんて関係なし。キレイへの第一歩は自信を取り戻すことから始まる。食事・美容から会話・仕草・立ち振る舞いまで、たくましくも思いやりのあるイタリア女性の生き方をお手本にしてみませんか? 私だけの魅力を発見し、さらに磨きをかければ、いっそう輝きを増すにちがいありません。イタリア発のユーモアあふれる渾身の書き下ろし。

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  • ぼくらはみんな、ここにいる
    4.1
    全国大会での優勝経験もある、光が丘中学校吹奏楽部の夏の合宿先に選ばれたのは、神主島という、島原半島のほど近くに浮かぶ小さな島だった。しかし、この島で充実した合宿生活を送るはずだった彼らを待ち受けていたものは……。壮大な運命に立ち向かう少年少女たちを描いた、著者渾身の感動巨篇!

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  • 予告探偵 西郷家の謎
    3.3
    それは大戦の傷跡がまだ深く残る一九五〇年十二月、三百年以上続く由緒ある旧家、西郷家に届いた一通の手紙から始まった。便せんに書かれた“すべての事件の謎は我が解く”の一文。それが意味する「謎」とは――。本格推理の名手が“難攻不落のトリック”をひっさげて読者に挑む、新しいエンターテインメント意欲作!

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  • 夢は枯れ野をかけめぐる
    3.3
    四八歳、独身。早期退職をして静かな余生を送る羽村祐太のもとには、なぜか不思議な相談や謎が寄せられる。「老い」にまつわる人間模様を、シニカルな語り口と精緻なロジックで本格ミステリに昇華させた、西澤ワールドの一つの到達点。

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  • 妖説 源氏物語 壱
    4.5
    すでに光源氏が世を去りし、この御代。宮中を彩る殿上人が二人いた。物静かな源氏の子、薫中将。そして活発で無頼を気取る、同じく孫の匂宮。ともに亡き光源氏の影から逃れられない血の宿命。その彼らに、奇怪な魑魅魍魎たちが襲いかかる! 陰陽師白鴎とともに、平安の闇と謎に挑む彼らだが……。華麗にして不可思議な「妖説 源氏物語」ここに開幕。

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  • 木枯し紋次郎 中山道を往く(一)倉賀野~長久保
    -
    破れ合羽に破れ笠、錆朱色の長脇差をさして、唇に五寸の長楊枝。木枯しの音も寒々と、中山道に孤影をひいて、独り旅往く紋次郎。時代小説の不朽の名作、「木枯し紋次郎街道シリーズ」第一弾。

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  • 保科正之言行録
    -
    兄家光の遺命を受けた正之は、四代将軍家綱の輔弼役を忠実に果たして徳川幕政を文治主義体制に導いていった。その行動は誠実無私、家臣や領民に対しては寛容と仁心をもってことにあたり、彼の清廉な精神は会津士魂として後世まで多大な影響をもたらす。晩年、盲い、血を吐きながらも惑乱することなく最後まで使命をつとめた不世出の名君は、堂々たる死への準備を整える。保科正之。彼こそ幕政時代の理想の政治家であった。

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  • 廃帝綺譚
    4.0
    遠く異朝をとぶらえば、元の宮廷に隠されたマルコ・ポーロのもう一つの見聞録『驚異の書』とジパングの神の珠。珠の放つ蜜色の光に、元と明の廃帝たちは何を見たのか。近く本朝をうかがうに、配流の後鳥羽院に神の珠が見せたのは、幼くして散ったあの兄宮なのか。『安徳天皇漂海記』につらなり、どこまでも滅びによりそう夢幻の物語。

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  • 日本アルプス殺人事件
    -
    エリート官僚の娘・門脇美紀子。彼女に求愛する三人の前途有望な三人の男たち。その男のうちの一人が何者かにホテルで殺害され、恋のゲームは死のゲームへと変貌を遂げていくのだった。

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  • 大人にも子供にもおもしろい本 虹の町の案内板
    5.0
    大人も楽しめるこどもの本100冊。こどもも大人も一緒に楽しむことができる物語、親が子に読みきかせたくなる本の数々をあたたかい文章で紹介。

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  • 総司残英抄
    -
    その名も高い、新選組一番隊組長、沖田総司。足早に幕末の混乱期を駆け抜けた、剣豪と言うにはあまりに爽やかな素顔とその剣を鮮やかに描く連作集。

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  • 総司はひとり
    5.0
    文久二年、春のことだった。眼前に迫るひとりの武士……。沖田総司は初めて人を斬った。苦悩の運命に翻弄される、天才剣士の生涯を渾身の筆で描く。

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  • 切り札 トランプ・フォース
    3.3
    超国家的対テロ用特殊部隊「トランプ・フォース」。国際的なテロの増加を受けて極秘に結成されたこの部隊に、一人の日本人が加わった。佐竹竜、拳法の達人である。実直な商社マンだった彼が、なぜ、いかにしてこのような生き方を選んだか。男の覚悟と決心を描く重量級バトル・アクション小説、第一弾!『トランプ・フォース 切り札部隊』改題

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  • 惜別の海(上)
    5.0
    天正十三年(一五八五)秀吉が関白に就き、天下統合の速度を増していく中、地侍で石工衆差配の大森六左衛門は、聚楽第(じゅらくてい)御構(おかまえ)の普請に駆り出されていた。娘の於根と通じ合う十蔵、十蔵を妬み出世の野心を抱く以蔵らを従える六左衛門だが、権勢を肥大化させる秀吉の黒い影が迫る……。秀吉の「朝鮮出兵」に巻き込まれる人々を描く渾身の長編小説。

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  • 衝動買い日記
    3.7
    「えいっ!買った」。体脂肪計に腹筋マシーン、時計、財布、トランクス、猫の家からご存じ挿絵本まで全24アイテム、衝動的買い物の顛末日記。巻末に「衝動買い」結果報告を付す。

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  • 準備だけはあるのに、旅の
    -
    響きわたる時報はしつこさを増し、「生意気女」は次々と殺される。支配を強める「むじゃき大王」を残し、私たちは旅立つことができるのだろうか? 現代女性のカオス的苦境をポップに描く長篇ファンタジー続篇。

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  • 私は作中の人物である
    -
    小説のなかの「私」とはいったい誰のことなのか――ものの名称、物語、語り口……小説にまつわる要素あれこれを鮮やかに料理するパスティーシュ短篇集。

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  • 御隠居忍法6 恨み半蔵
    -
    草深い奥州に隠居した元幕府御庭番・鹿間狸斎。彼のもとに、二代目服部半蔵が遺した呪いの書が、かつての上役から届く。その争奪戦に巻き込まれ、贋医者の汚名を受けて投獄された狸斎はその謎に迫れるか? 黒幕の狙いは? 痛快さの中にも「惻隠の情」(縄田一男氏の解説より)漂うシリーズ第六弾!

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  • 御隠居忍法3 鬼切丸
    -
    伊賀者の子孫・鹿間狸斎は四十で家督を子に譲り、草深い奥州、笹野に住み着いた。しかし、静かに暮らしたいという願いとは裏腹に様々な事件が降りかかってくる・・・奥州寒村の隠居所に暮らす伊賀者の子孫は、いかに難事件を解決するのか。天下一の勇士と呼ばれた男の差料を巡る騒動を描く「鬼切丸」他、鹿間狸斎の才覚と手腕を活写する。狸斎のとぎすまされた気と技がこの世の悪を断つ!

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  • 御隠居忍法
    -
    間諜・伊賀者の子孫であり昌平坂学問所の秀才・鹿間狸斎が訪れた奥州の山村。そこには奇妙な事件が渦巻いていた。人気シリーズ開幕!

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  • 玄庵検死帖 皇女暗殺控
    -
    長崎で蘭医の勉強をしていた逆井玄庵。ところが皇女和宮降嫁の行列に主治医兼護衛役として任命され、京に呼び戻されてしまう。不服ながらも上意には逆らえず、宮に同行する玄庵だったが、その裏には恐ろしい陰謀が仕組まれていた! 窮地に立たされた玄庵は……!?

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  • 犬大将ビッキ
    3.0
    子供のいない著者夫婦の家にやってきたパピヨン犬ビッキ。同じ頃、生活を共にすることになった実母と義母。失われゆく家族の絆と温もりを描いて静かな感動を誘う書き下ろしエッセー

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  • 強毒 病院探偵水本玲
    -
    フィギュアの女王が大事故に巻き込まれ大怪我を負う。手術はいったん成功したように見えたが、傷口が正体不明の人食いウィルスに冒され、下腿部切断の危機に。唯一の治療薬である血清を求めて、水本玲は東奔西走する。果たしてこれは謀略なのか、真犯人は? 事件の裏に潜む巨悪に玲は敢然と立ち向かう。

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  • 海野十三 戦争小説傑作集
    -
    戦争の足音が近づく昭和十二年から昭和十九年に発表された珠玉の短篇集。戦争の不条理を訴えるものや、現在のミサイル戦を予見する異色作品を多数収録。

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  • 海東青 摂政王ドルゴン
    3.0
    北京へ、そしてまだ見ぬ大地へ――遼東の地から大空に翔けあがる鷹の如く、ドルゴンは関を超え、大帝国清を築いた。満州の長ヌルハチの子として八旗を束ね中華統一をなした男の生涯。

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  • 花輪大八湯守り日記 艶福地獄
    5.0
    義による私闘を咎められ、勘当同然に山深き温泉の湯守となった新庄藩士・花輪大八。その肘折の湯に不思議な女の一群が現れた。率いるのは奇怪な技を使う医師。それを機に、鄙びた湯町を二分し新庄城下をも巻き込む騒動が引き起こされる。一方、大八には見合い話が持ち込まれ……。大八、女に惑う!?

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  • 雨の匂い
    4.0
    癌で入院中の父親と寝たきりの祖父、二人の介護とアルバイトで日々をすごす大学生の柊一。塗装工だった祖父の代理で、ある家の塀塗りを引き受けるが、同じ頃、謎めいた少女・李沙と出会って関係を深めていく。やがて町内で放火事件が発生し……。降りしきる雨の中で育まれていくのは愛か、殺意か。著者真骨頂の切ないミステリー。

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  • 陰陽 祓師・鬼龍光一
    3.6
    若い女性を陵辱のうえ惨殺する異常な事件が東京の各所で発生した。捜査にかりだされた警視庁の富野は、現場に毎度現れる黒ずくめの人物に気づく。その男の名は、鬼龍光一。「祓師」という怪しい肩書きに警戒する富野だが、いつの間にか絶妙な協力関係で事件の真相へ迫ることになる。警察小説と伝奇小説が合体した、今野敏ならではのエンターテインメントシリーズ第一弾。

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  • 暗い落日
    4.0
    私立探偵の真木は、実業家・磯村の依頼を受けて、十九歳の劇団研究生・乃里子の行方を捜し始めた。調査が進むに従って、バーの女、ボーイフレンドの父と関係者が相次いで殺され、一族の暗く重い過去が真木の前に現れる。

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  • 安徳天皇漂海記
    4.0
    壇ノ浦の合戦で入水した安徳天皇。伝説の幼帝が、鎌倉の若き詩人王・源実朝の前に、神器とともにその姿を現した。空前の繁栄を誇る大元帝国の都で、巡遣使マルコ・ポーロは、ジパングの驚くべき物語をクビライに語り始める。時を超え、海を越えて紡がれる幻想の一大叙事詩。第19回山本周五郎賞受賞作

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  • ワタシの生活<微>向上作戦
    4.0
    「飲み代を図書券で払ったことがある」「体が細く見える水着を買ってきたら、そのぶん足が太く見えた」「つきあっていた男の部屋のトイレットペーパーはイチゴ柄だった。その日に別れを告げた」・・賢く、楽しく、たくましく、こんな時代を生き抜くOL委員会員一万人の知恵と現実。

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  • ゆきずりの唇
    2.0
    50歳を前に、藍沢晶子は夫の優秀な部下で娘の婚約者でもある村瀬一史を誘惑する……。この20歳下の青年の態度に晶子は戸惑い、翻弄される。家族を捨てるのか、男に捨てられるのか?

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  • もぐら新章 血脈
    4.5
    1~4巻748円 (税込)
    ITベンチャーの雄・仲井啓之が、自社システムの試験中、予期せぬ誤作動によって爆死した。事件性を疑う警視庁は、同社と関わりが深い沖縄県にサイバー犯罪対策課・益尾徹を派遣。一方、「もぐら」こと影野竜司の息子・竜星は今や沖縄で高校生となり戦いと無縁の生活を送っていたが、次第に深刻化する事件が、彼の眠っていた本性を呼び覚ます!
  • 楠木正成(上) 新装版
    完結
    3.0
    時は鎌倉末期。幕府の命数はすでに尽き、乱世到来の情勢下、大志を胸に雌伏を続けた男がひとり――。その名は楠木正成。畿内の流通を掌握した悪党は、倒幕の機熟するに及んで草莽の中から立ち上がり、寡兵を率い強大な六波羅軍に戦いを挑む。日本史上屈指の軍事的天才と称される武将の真の姿を描く、北方「南北朝」の集大成たる渾身の歴史巨篇。 【目次】 第一章 悪党の秋 第二章 風と虹 第三章 前夜
  • 道誉なり(上) 新装版
    3.0
    毀すこと、それがばさら――。六波羅探題を攻め滅ぼした足利高氏(のち尊氏)と、政を自らつかさどらんとする後醍醐帝との暗闘が風雲急を告げる中、「ばさら大名」佐々木道誉には、毀したいものがあった。数々の狼藉を働きつつ、時代を、そして尊氏の心中を読む道誉。帝が二人立つ混迷の世で、尊氏の天下獲りを支えながらも、決して同心を口にしようとはしなかったが……。 【目次】 第一章 激流 第二章 京より遠く 第三章 いかなる旗のもとに 第四章 征夷大将軍 第五章 猿の皮
  • 悪党の裔(上) 新装版
    4.0
    播磨の悪党の首魁には大きすぎる夢だった。おのが手で天下を決したい――楠木正成と出会った日から、大望が胸に宿った。軍資金を蓄え兵を鍛えて時を待ち、遂に兵を挙げた。目指すは京。倒幕を掲げた播磨の義軍は一路六波羅へと攻め上る。寡兵を率いて敗北を知らず、建武騒乱の行方を決した赤松円心則村の生涯を通じ人の生き方を問う感動巨篇。 第一章 遠い時 第二章 意 地 第三章 妖霊星 第四章 決 起 第五章 原野の風 第六章 遠き六波羅
  • たそがれてゆく子さん
    4.3
    男が一人、老いて死んでいくのを看取るのは、本当によかった。 夢に見た専業詩人の生活、ぽっかりとした自由。 もんもんと考え、るると書く。 カリフォルニアのキャニヨンを犬どもを従えひたすら歩く。 料理や洗濯は、しないことにすぐ慣れた。 山賊のように台所で立って食べた。卵ばっかり食べていた。 ひとりの肩にのしかかるローンに光熱費、熊本地震、石牟礼道子さんのこと、末っ子の結婚、 そして……日本に帰ろう。 「みんなホルモンのせいでしたと、今は言い切りたい」―― 女のための戦記『閉経記』から五年。 書くことで生き抜いてきた詩人の眼前に、今、広がる光景は。
  • ウマし
    3.3
    ウマし、マズしと味わって、咀嚼し、ハマる、懐かしむ。 うなぎ、スナック菓子、エナジードリンク。チーズ、きのこ、マーマイト、山椒。あんこの甘さ、地ビールの苦み。 食の記憶、異文化の味。そして、卵へのただならぬ愛着。 「あたしは、カリフォルニアロールである」。 海をまたいだ往来の果て、母/妻/娘の役目をいよいよ終えて、詩人の言葉がほとばしる。 胃の腑をゆさぶる本能を賞味すべし。滋養あふるる偏愛のエッセイ。
  • 春を恨んだりはしない 震災をめぐって考えたこと
    3.0
    〈あの時に感じたこと〉が本物なのだ。記憶を、感覚を、薄れさせてはいけない。 東日本大震災発生後間もなく、自ら車を駆って被災した各地をめぐり、見て、語らい、思考した、唯一無二のリポート。
  • 嘘ばっか 新釈・世界おとぎ話
    4.0
    自己プロデュースに長けた野心的なシンデレラ、きりぎりすの奏でる音色に心動かされるあり、おじいさんのこぶを愛するおばあさん……。誰もが知っているおとぎ話が、佐野洋子一流のユーモアと毒がたっぷり加わって様変わり。面白くてちょっぴり怖い、二十六篇の絵入りパロディ集。 【目次】 シンデレラ/ありときりぎりす/浦島太郎/おおかみと七ひきの子やぎ/白雪姫/羽衣/くらげとさる/ヘンゼルとグレーテル/マッチ売りの少女/つるの恩がえし/マリアの子/こぶとりじいさん/花咲かじいさん/親指姫/ラプンツェル/かちかち山/ブレーメンの音楽隊/眠り姫/養老の滝/かえるの王さま/星のターラー/あほうどり/三びきの子ぶた/舌切りすずめ/ハーメルンの笛吹き/赤ずきん 「きれいごと」が嫌いな人 岸田今日子/「思い込み」を壊された 村田沙耶香
  • 屋根裏博物館の事件簿
    3.4
    1巻748円 (税込)
    渋沢栄一の孫・敬三が作った私設博物館では民具の蒐集、研究と「日本民俗学」の研究が新たに進められていた。山形の奇妙な婚礼絵馬、南伊豆の不穏な正月行事を調査するのは、幼い頃、敬三に拾われた記憶喪失の少女・あづみ。相棒の林常彦とともにこの博物館に持ち込まれる謎を解く中で、あづみ自身の封印された記憶が蘇る――。
  • 私の彼は腐ってる
    4.0
    1~2巻748~792円 (税込)
    祖父の死で天涯孤独になった揚羽。その時、約束通り迎えにきてくれた許婚の伊織と同居するが、なぜか彼は広い洋館で姿を見せない。執念で探し出し問い詰める最中、伊織の腕がぼとりと落ちた。「じつは私、ゾンビなんです」まさかのカミングアウトと、スライム、吸血鬼たちに実は囲まれていた揚羽の運命と恋愛成就は!?
  • 盤上の向日葵(上)
    4.1
    1~2巻748~770円 (税込)
    2018年本屋大賞2位! 著者渾身の慟哭のミステリー、ついに文庫化! 平成六年、夏。埼玉県の山中で白骨死体が発見された。遺留品は、名匠の将棋駒。叩き上げの刑事・石破と、かつてプロ棋士を志した新米刑事の佐野は、駒の足取りを追って日本各地に飛ぶ。折しも将棋界では、実業界から転身した異端の天才棋士・上条桂介が、世紀の一戦に挑もうとしていた――
  • これでよろしくて?
    3.8
    些細なことでもよくってよ。日々の「?」をまな板に載せ老若女女が語らえば――女たちの不思議な集まりに参加することになった主婦菜月は、奇天烈な会合に面くらう一方、日常をゆさぶる出来事に次々見舞われて……。幾多の難儀を乗り越えて、菜月は平穏を取り戻せるのか!?夫婦、嫁姑、親子、同僚。人とのかかわりに、ふと戸惑いを覚えてしまう貴女に好適。コミカルなのに奥深い、川上弘美的ガールズトーク小説。
  • この色を閉じ込める
    3.4
    恐怖度&驚愕度No.1 『ため息に溺れる』大幅超えのラストがあなたを待ち受ける。 立川署の刑事である薫と赤川は、管轄内で死亡した神田歩美の日記を見つける。そこに記されていたのは我が子の成長記録。歩美の息子・春樹は、日記が書かれる十年前に死んだはずなのに――。不審に思った二人は、歩美が暮らしていた二荘村を訪れる。だが滞在中、村内で殺人事件が発生。住人たちからは「犯人は春樹だ」という声が……。
  • 洋菓子店アルセーヌ ケーキ作りは宝石泥棒から
    3.7
    1~2巻748~792円 (税込)
    恋人の浮気発覚でボロボロの陽咲は、その傷を癒してくれたケーキの美味しさに感動し洋菓子店「アルセーヌ」で働くことに。だがこの店、どこか怪しい? ガタイのいい焼き菓子担当、見た目美少女の男子高校生バイト、腕はピカイチだけど口が悪いパティシエの大空と、三人のイケメン店員には、実は《裏稼業》があり……。
  • 魂の沃野(上)
    3.0
    戦国の世に百年にわたり独立国家を形成した日本史上の事件・加賀一向一揆を小説に取り込む ――北方謙三が数十年来抱えていた構想がついに結実し、血潮たぎる物語が誕生! 著者自ら「わが心の記念碑」と語る歴史巨篇。 本願寺蓮如との邂逅から、守護・富樫政親との交流、風谷党の旗揚げまで……かの地に燃え広がった真宗の炎と、複雑に交錯する武士・門徒の思惑の中で、戦い、信じ、己の道を見出していく、ある地侍の熱き青春を描き切る!
  • 戦友たちの祭典
    -
    太平洋戦争を生き延びてから波瀾万丈の人生を送ってきた山鹿俊作は、九十を過ぎ穏やかな余生を送っていた。ある日、音信の途絶えていたかつての仲間・青柳雅次が訪ねてきた。二人と共に海軍戦闘隊を組んでいた中原友和の曾孫が、何者かに狙われているという。戦争の終末期、中原の身を捨てた敵機への体当たりによって、必死の戦場を生き延びた山鹿と青柳。かつての仲間の遺言に応えるため、修羅の巷へ向かうのだった。我々には、無限の夢を抱えながら逝った戦友たちの分まで、闘い抜く義務がある! 〈解説〉折笠由美子 【目次より】 永遠の軍神 老骨の闘魂  行方不明の代走  三角敵性関係  共猫  ミッドウェイの教訓  余裕ある敗率  怨族の相伝  立ち直る未来  追放運動の開幕  殺意の山影  永遠の旅人
  • レギオニス 勝家の決断
    3.8
    織田家の軍団長(レガトゥス・レギオニス)で、最後に生き残るのは誰だ? 北陸の平定を任された柴田勝家は、手取川における上杉謙信との合戦中、ついに羽柴秀吉と袂を分かつ。織田家中で、ともに長く信長を支えてきた林秀貞や佐久間信盛の失脚に伴い、はからずも筆頭家老へと上り詰める勝家。そして、本能寺にて信長死す――。清洲会議を経て、信長の妹・お市を妻とした勝家に、いよいよ、秀吉との決戦の日が近づいていた。 武将たちの出世争いを描き、働くすべての人が感涙必至の大好評戦国絵巻、ここに完結。「戦国の家は、まるで現代の会社だ!」
  • から揚げの秘密 ひぐまのキッチン
    3.4
    人見知りの性格が災いしてか、就活をことごとく失敗していた「ひぐま」こと樋口まりあが、米、粉、砂糖などを扱う小さな食品商社「コメヘン」に入社して9か月――。 大学で学んだ応用化学とはまったく結びつかない社長秘書の仕事に四苦八苦。加えて、ろくにキッチンに立ったことなどなかったのに、社長を訪ねてくる友人や取引先を相手に、料理をふるまわなければならないこともあり……。 「はいよ」が口癖の社長・米田をはじめ、自称「倉庫番」の管理部長・安藤、嫁ぎ先からときどき電話をかけてくる元先輩秘書の吉沢など、心温かな人々に囲まれ順調な日々を送りつつ、「自分にはなにか足りない」とも感じていたまりあの頭のなかで、あるアイデアがふくらんでいく。 新人キマジメ秘書が奮戦する、ほっこり美味しいお仕事小説。 【目次】 筍はいちはやく 一一一個のフォーチュンクッキー 恋と野心とギムレット 冷やし葛うどんにあったか赤飯 そばのおいしい時期 から揚げの秘密
  • 吾輩はライ麦畑の青い鳥 名作うしろ読み<『名作うしろ読みプレミアム』を改題>
    3.5
    名作の“急所”はラストにあり。「へそをなでています」「南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏。難有い難有い。」――意外と知らない唐突、納得、爆笑!? な終わりの一文。『西遊記』『吾輩は猫である』から『ライ麦畑でつかまえて』まで、世界の名著一三七冊をうしろから味わう型破りなブックガイド。 『名作うしろ読み プレミアム』を改題。
  • 名作うしろ読み
    3.4
    名作は“お尻”を知っても面白い!「神に栄えあれ」「下痢はとうとう止まらず、汽車に乗ってからも続いていた」――さて、この二つの文章は何という作品のラストでしょう?『雪国』『ゼロの焦点』から『赤毛のアン』まで、古今東西の名作一三二冊を最後の一文から読み解く、丸わかり文学案内。文豪たちの意外なエンディングのセンスをご覧あれ。
  • 猫がかわいくなかったら
    3.3
    1巻748円 (税込)
    定年まで、あと四年――。長らく会社の花形部門で働いてきた吉岡だが、ここ数年はデータ管理の閑職についている。年齢なりに、体調ははっきりと怪しくなってきた。娘が就職して家を出た今となっては、妻の多恵子と共に静かに老いていくだけの毎日だ。ところが、近所に住む望月夫妻が二人とも入院したことから、状況が一変。彼らが飼っている老猫をどうするかを巡って、町内は大騒ぎとなる。望月夫妻が住むアパートの大家も、警官も救急隊員も生活支援課も、救いの手を差し伸べようとはしない。ある理由から、この猫を引き取ることができない吉岡と多恵子の選択は……。 誰もが身につまされること間違いなしの、ユーモアと愛情に満ちた人間ドラマ。 【目次】 日曜日に (その1)/他生の縁/望月盛衰史/日曜日に (その2)/吉岡家の猫/猫に通う/祇園精舎の鐘の声/里親さがし/最後に見た姿/奇特な人/深き淵より/静かな夜のために
  • 『夫の墓には入りません』〈『嫁をやめる日』を改題〉
    3.8
    ある晩、夫が急死。これで嫁を卒業できると思いきや、舅姑や謎の女が思惑を抱えて次々押し寄せる。“愛人”への送金、墓問題、介護の重圧……がんじがらめな夏葉子の日々を変えたのは、意外な人物と姻族関係終了届!? 婚姻の枷に苦しむすべての人に贈る、人生逆転小説。『嫁をやめる日』を改題。 さだまさし氏 熟読&痛感! 「人生の荷物が多ければ多いほど、この本は笑えて泣けて、ホッとする。」 夫が亡くなった時点で、自分は誰の妻でもなくなり、晴れて自由の身だと思っていた。 だが、どうやら違うらしい。今もこれからも「高瀬家の嫁」なのだ。それも、夫が生きていた頃より、もっとずっと明確に。 (本文より)
  • 幕末疾風伝
    3.5
    時は幕末。倒幕だ佐幕だ攘夷だ開国だ、と意識の高い周囲の連中のなかで逼塞していた浪人・松浦佐太郎は、とある縁で助けた男に「勤皇の志士」という言葉を吹き込まれ、覚醒する。だが、高杉晋作、坂本龍馬ら名だたる英雄から思いを託され維新を最後まで見届けようとした佐太郎は、革命の渦中で大きな矛盾に気づいてゆく…。
  • ひぐまのキッチン
    3.5
    「ひぐま」こと樋口まりあは23歳。学業優秀だったにもかかわらず、人見知りの性格が災いしてか、就活をことごとく失敗し、冴えない日々を過ごしていた。 そんなある日、祖母の紹介で、商社の面接を受けることに。そこは、米、粉、砂糖などを扱う、「コメヘン」という小さな食品商社だった。食品商社なら、大学で学んだ応用化学の知識を生かせるのではないかと意気込むまりあだったが、採用はよもやの社長秘書。 入社したまりあは、通常の秘書業務に加え、ときに取引相手に、ときに社長の友人に、料理をふるまうことになる――。 数々の児童文学賞を受賞した著者が贈る、心にも「おいしい」お仕事小説。 【目次】 商社コメヘン 引き継ぎのお好み焼き 苦しまぎれのTKG 愛しのオムライス つめたいおにぎり ふるさとの鬼まんじゅう
  • 亀と観覧車
    3.3
    ホテルの清掃員として働きながら夜間高校に通う涼子、16歳。家には、怪我で働けなくなった父、鬱病になった母がいて、生活保護を受けている。ある日、クラスメイトからセレブばかりが集う「クラブ」に行かないかと誘われる。守らねばならないものなど何もなく、家にも帰りたくない。ちょっとだけ人生を変えてみようと足を踏み入れた「クラブ」には、小説家だという初老の男がいた。生きることを放棄しかけている親を受け入れ、人と関わらず生きる日々を夢見てきた涼子は、自らの人生に希望を見出すことができるのだろうか――。33万部超のヒットとなった『ピース』の著者が、原点に戻って描き上げた、一筋縄ではいかない一気読み「純愛」物語! 彼女は何をしたのか――このラスト、あなたならどう読む?

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