Posted by ブクログ
2021年04月05日
将棋好きなので、タイトルに魅かれて読んでみました。
初めて柚月さんの作品を読みましたが、初めて読むにしてはもったいないと思えるほど面白かったです。将棋ファンにはお馴染みの「居飛車穴熊」「奨励会」「盛り上げ駒」「真剣師」などのワードや実在の人物を連想させる人物が登場するのも将棋ファンにはうれしい限りで...続きを読むす。
将棋のことを知らない人はついていけてるのかと、余計な心配をしてしまいましたが最終的にはそれについては全く問題ないと思えました。
この作品は将棋を題材に扱っているのですが、物語の芯は山中に埋められた遺体は誰なのか?なぜ遺体とともに名匠の駒が埋められていたのか?
という謎を現代における捜査の行方と、上条桂介という異端の棋士の半生を描くことで2つの時間軸から迫る壮大なミステリーになっているからです。二本の直線が交わるとき、まるで連立方程式の解が二本の直線の交点によって導かれるがごとくすべての謎が収束に向かっていきます。
しかしながら、どんどん読み進めても結末がどうなるのかは想像できません。少しづつ確実にゴールに近づいている、それは分かっているがその先に何があるのかは全く分からないといった感覚です。