検索結果

  • わるじい義剣帖 : 1 またですか
    続巻入荷
    4.3
    元目付で剣の達人である愛坂桃太郎は、愛する孫の桃子の平穏のため、奇妙な事件の数々を解決してきた。しかし、ある事件をきっかけに、桃子は母親の珠子といっしょに同心の雨宮五十郎の役宅に身を寄せることになった。どこか満たされない日々を送る桃太郎は、八丁堀の雨宮家に並んで建つ長屋で人殺しが起きたことを知る。愛する孫のため、頼りにならない雨宮に代わって事件を解決するべく、桃太郎は老骨に鞭打ち立ち上がる! 孫を背負って悪を斬る、大人気時代小説シリーズ、待望の新シリーズ開幕!
  • 継ぐ者
    NEW
    4.0
    織田信長が今川義元を討ち取った桶狭間の合戦の後、松平元康は今川家からの独立を決意する。家康と改名し、人質になっていた妻の瀬名と嫡男竹千代(のちの信康)を今川家から取り戻した彼は、息子を信長の娘と結婚させて織田家と同盟を結ぶ。そして家康は、遂に遠江の攻略を開始する。だが、今川の血を引く妻と、義父信長に憧憬を抱く息子は、家康の思いとは次第に離れていく……。著者渾身の傑作歴史長篇。解説・細谷正充
  • 大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう
    3.9
    1~12巻660~789円 (税込)
    江戸の両国橋近くに住むおゆうは、老舗の薬種問屋から殺された息子の汚名をそそいでほしいと依頼を受け、同心の伝三郎とともに調査に乗り出す……が彼女の正体はアラサー元OL・関口優佳。家の扉をくぐって江戸と現代で二重生活を送っていたのだ――。優佳は現代科学を駆使し謎を解いていくが、いかにして江戸の人間に真実を伝えるのか……。ふたつの時代を行き来しながら事件の真相に迫る!
  • 姉川忠義 北近江合戦心得〈一〉
    3.9
    第六天魔王・信長の首、頂戴つかまつる!  元亀元年(一五七〇)六月二十八日(新暦七月三十日)、浅井・朝倉勢と織田・徳川勢が激突した姉川の合戦が、弓の名人・与一郎の初陣だった。父・遠藤喜右衛門が壮絶な戦死をしてから三年、家督を継いだ与一郎と、郎党の大男・武原弁造は、主君・浅井長政率いる四百の兵とともに巨大な山城・小谷城の小丸に籠っていた。まさに風前の灯だった。長政には、信長の妹で正室の於市との間に、五歳の長女・茶々以下三人の女子があり、於市ら四人を織田方に投降させるという。だが、十歳の万福丸と乳飲み子の万寿丸は、信長とは血の繋がりがない。信長は決して男児を許すまい。万福丸を連れて落ち延びよ。主命とはいえ、浅井家が果てようという時に、自分一人生き残るなど、与一郎には、及びもつかない。だが、死にゆく主人から嫡男を託されて、古風も美意識も矜持も吹き飛んだ。浅井家再興がなるまで守り抜く。与五郎と改名させた万福丸を弟に仕立てて、小谷城脱出を決行する与一郎。供は、元山賊の頭目・武原弁造ただ一人。天正元年(一五七三)旧暦八月二十八日未明、三人は敦賀を目指して出立した。
  • 真田武士心得〈一〉 右近純情
    3.5
    井原戦国三部作、新シリーズ連続刊行! 【2カ月連続刊行!】【「井原戦国三部作」新シリーズ、堂々の開幕!】 真田昌幸の家臣だった鈴木主水は、名胡桃城事件の責任を取って立ったまま切腹して果てた。その正妻・志野も夫の後を追って殉死。遺児である鈴木小太郎には、真田家家臣団から厳しい目が向けられていた。 真田信幸に仕えることとなった主人公・鈴木小太郎(のちの鈴木右近)は、父母の無念を晴らすべく、怨敵・中山九兵衛を追う。恩義ある真田信幸夫妻への忠誠と両親の仇討ち、二つの本懐を全うしようとした右近が貫いた「純情」とは――。 「三河雑兵心得」「北近江合戦心得」シリーズに続く「井原忠政戦国三部作」となる「真田武士心得」シリーズが堂々の開幕! 叔父の裏切りで全てを失った鈴木右近。心に誓ったのはただ一つ、両親の無念を晴らすための復讐だった。孤児となった彼を拾い、その成長を温かく見守る主君・真田信幸夫妻。主への忠義と仇討の狭間で、ひとりの若者が己の信義を貫くため、野太刀を振るう。激動の戦国時代を駆け抜ける男の、熱き魂の成長物語が今、幕を開ける! 鈴木右近、主君のためなら命も惜しくはない。 ただ、親の仇を討つまでは――。
  • 木挽町のあだ討ち(新潮文庫)
    4.6
    雪の夜、木挽町の芝居小屋の裏手で、菊之助なる若衆が果たした見事な仇討。白装束を血に染めて掲げたるは父の仇、作兵衛の首級(しるし)。二年後。目撃者を訪ねる武士が現れた。元幇間、立師、衣装部屋の女形……。皆、世の中で居場所を失い、悪所に救われた者ばかり。「立派な仇討」と語られるあの夜の〈真実〉とは。人の情けと驚きの仕掛けが、清々しい感動を呼ぶ直木賞・山本周五郎賞受賞作品。(解説・中島かずき)
  • 魔食 味見方同心(一) 豪快クジラの活きづくり
    3.3
    魚之進のもとに嫁いできたおのぶは、より積極的に事件の解明に関わるようになった。そして早速、二人で小網町を歩いていると、「クジラの活きづくり」の話を聞きつける。あまりに豪快で突拍子もない料理の仕方に、魚之進は味見方としてほっておけなくなる。奉行の筒井に報告すると死人も出ているという。相談の上、クジラ肉を商う「海獣屋」という店のことを魚之進が調べてみることに……。大人気「味見方同心」、待望の新シリーズ開始!
  • 【合本版】NARUTO―ナルト― 秘伝シリーズ 全6冊
    -
    【小説版登場!】原作の「その後」が描かれた珠玉の6冊、NARUTO―ナルト― 秘伝シリーズ合本版!! 【収録作品】カカシ秘伝 氷天の雷/シカマル秘伝 闇の黙に浮ぶ雲/サクラ秘伝 思恋、春風にのせて/木ノ葉秘伝 祝言日和/我愛羅秘伝 砂塵幻想/暁秘伝 咲き乱れる悪の華 【合本版限定特典】岸本斉史先生描きおろしカバー用イラスト/カバー下表紙用名場面イラスト/紙版初版限定しおり用イラスト
  • 武家女人記
    NEW
    -
    江戸時代、さまざまな身の上を生きる武家の女性たちを、山本周五郎賞作家があざやかな筆致で描く、傑作時代小説集。 馬廻りを務める高梨家の娘・織江は、縁談の話が来てもおかしくない年齢になっている。あるとき彼女は、城下のはずれで行われる荒神さまの祭礼に出かけるのだが、思わぬ事態になり・・・・・・(「ぬばたま」)。 茅乃の夫・保科定八は勘定方の下役頭を務めているが、このところ顔色が冴えない。ある日彼女は夫から、藩政に関わる一大事を知らされて・・・・・・(「背中合わせ」)。 中老を務める小野寺家に嫁いだ雪絵は、兄から若い長身の男を小者として抱えるよう頼まれる。この男の出現が、彼女に思いがけぬ影響を与えていく(「嵐」)ほか全七話。  収録作品:ぬばたま/背中合わせ/嵐/緑雲の陰/深雪花/縄綯い/あねおとうと 【著者略歴】 砂原浩太朗(すなはら・こうたろう) 1969年生まれ。兵庫県神戸市出身。早稲田大学第一文学部卒業。2016年「いのちがけ」で第2回決戦!小説大賞を受賞。21年『高瀬庄左衛門御留書』で第9回野村胡堂文学賞、第15回舟橋聖一文学賞、第11回本屋が選ぶ時代小説大賞を受賞。22年『黛家の兄弟』で第35回山本周五郎賞を受賞。他の著書に『藩邸差配役日日控』『霜月記』『夜露がたり』『浅草寺子屋よろず暦』『雫峠』『烈風を斬れ』『冬と瓦礫』など。
  • 天下の値段 享保のデリバティブ
    4.3
    1巻1,900円 (税込)
    江戸も令和も、国家の命運は米価で決す! 世界初の先物取引所で繰り広げられる、享保の知られざる米騒動――大坂商人vs.将軍吉宗。究極の頭脳戦の行方はいかに!? 時は江戸時代、天下の台所――大坂堂島には全国から米が集まり、日々、値が付けられ膨大な取引がされていた。特に盛んだったのが、先々の米価を扱う先物取引(デリバティブ)。商人たちは紙と筆と頭脳を用い、利鞘の多寡で泣いたり笑ったり。 一方の江戸では、将軍吉宗はじめ、幕閣たちは忸怩たる思いを抱いていた。米価の変動はすなわち武士の年貢収入の変動であり、あろうことか、それらを商人たちが汗もかかず、意のままに決めている。そんな不実の商いは許すまじ、と堂島を支配すべく動き出すのだが……。 市場の自治を守らんとする大坂商人たちと、武士の誇り(とお金)を懸けた江戸幕府との究極の頭脳戦!
  • 三河雑兵心得 : 1 足軽仁義
    値引きあり
    3.7
    喧嘩のはずみで人を殺め、村を出奔した18歳の茂兵衛は、松平家康の家来である夏目次郎左衛門の屋敷に奉公することに。だが時悪しく一向一揆が勃発。熱心な一向宗門徒である次郎左衛門は主君に弓引くことを決意する。立身出世どころか謀反人になってしまった新米足軽・茂兵衛の運命やいかに!?
  • 妾屋昼兵衛女帳面 完結八巻セット【電子版限定】
    4.0
    上田秀人の傑作時代小説『妾屋昼兵衛女帳面』シリーズ8タイトルが電子版限定で、合本になって登場! ※本書は、『妾屋昼兵衛女帳面』シリーズ一巻~八巻を1冊にまとめた電子書籍限定の合本版です。 世継ぎなきはお家断絶。苛烈な幕法に苦しむ大名旗本は、秘かに妾屋を訪れた。そんな稼業を営む山城屋昼兵衛の元に、ある日、仙台藩主の側室の求めが。だが、それを機に将軍継嗣にも絡む大規模なお家騒動が勃発。巻き込まれた昼兵衛は、側室を守る大月新左衛門と共に、大藩との熾烈な暗闘を繰り広げる。 人気沸騰の著者が放つ新シリーズ第一弾!(『妾屋昼兵衛女帳面 側室顛末』より)
  • わるじい慈剣帖 : 1 いまいくぞ
    4.1
    あの「わるじい」が還ってきた! 孫を背負って悪を斬る、大人気シリーズが復活。なんと、前シリーズ最終巻で江戸を発ってから五日後には舞い戻っていた。「桃子、じいじはいつでも側にいるぞ」可愛い孫を守るため、唸れ、枯れ葉の剣!
  • NARUTO―ナルト― 新伝 合本版
    -
    【小説シリーズ全4冊合本版】六代目火影カカシの忍び旅を描く『木ノ葉新伝 湯煙忍法帖』、木ノ葉隠れの里に設けられた〈親子の日〉を巡る忍親子の短編集『ナルト新伝 親子の日』、サスケとサラダたち新第七班との共同任務を描く『サスケ新伝 師弟の星』、紛糾する五影会談でシカマルの活躍を描く『シカマル新伝 舞い散る華を憂う雲』。親世代と子世代をテーマにした「NARUTO―ナルト―新伝シリーズ」全4冊がひとつに! 【合本版限定特典】紙版初版限定しおり用イラスト
  • うつけ屋敷の旗本大家
    値引きあり
    3.3
    大矢家当主・小太郎は、堅物の朴念仁。甲府から五年ぶりに江戸へ帰ると、博打で借金を作った父・官兵衛が、返済のために邸内で貸家を始めていた! しかも住人は、借家で賭場を開くゴロツキや、倒幕思想を持つ国学者など曲者揃い。そんな時、老中から条件付きで、小太郎の出世を約束してもらうのだが――。常識破りの親子バディシリーズ始動!
  • 読楽2025年7月号
    続巻入荷
    -
    【豪華執筆陣!】今野敏 柏井壽 門田泰明 サメマチオ  【特別読み切り】 今野 敏 エス 乱闘騒ぎで暴力団と一緒に検挙された中に、若手の日下部刑事がいて─ 柏井 壽 三日月旅館 上司の東山が民泊に試泊することとなり、はるかは一足先に京都へ戻る 【最終回】 矢月秀作 警視庁特務部逮捕特科アレストマン 2 二人の怪物が対峙し、雨夜に肉と骨の衝突音が響く! 【連載小説 警察&ミステリー】 小路幸也 HOTEL NIGHTHAWKS 中山七里 正義の銃弾 【連載小説 社会派サスペンス】 城山真一 溶かし屋 【連載小説 歴史&時代】 あさのあつこ おもみいたします 参 篠 綾子 反魂香 門田泰明 汝 戟とせば 拵屋銀次郎半畳記 【連載小説 風味絶佳】 吉田篤弘 月とコーヒー 【マンガ】 サメマチオ 追読人間臨終図巻
  • 破斬 決定版~勘定吟味役異聞(一)~
    -
    1~8巻770円 (税込)
    兄の急逝で家督を継いだ旗本・水城聡四郎は、将軍家宣側近の儒者・新井白石によって、勘定吟味役に取り立てられる。勘定に疎い聡四郎だったが、巨額の金が動いた普請に目をつけたことから、見えざる敵が蠢きだす。はたして幕府に巣食い、蜜を吸っていた者とは――。聡四郎が襲い来る刺客に一放流で立ち向かう! 聡四郎シリーズの「原点」が決定版として登場。
  • 落としの左平次
    続巻入荷
    3.9
    佐々木清四郎は、齢十八歳。定町廻り同心となり三年がたつが、まだ見習い同然の扱いだ。そんなある日上役に呼ばれ、左平次預かりの命を受ける。左平次は、優秀な廻り方で「落としの左平次」と呼ばれていたが、理由あって引退、今は町人の身分だという。どうやら亡くなった清四郎の父親の元同僚らしい。早速、娘の亡骸が運びこまれた番屋で清四郎は左平次に怒鳴られるが──厳しくも温かく鍛えられながら、清四郎は一人前の同心を目指して奔る! 鰻丼、錦糸丼など美味しいご飯も沢山登場するノンストップエンターテインメント時代シリーズ、堂々たる幕開け。
  • 潜入 味見方同心 全六冊合本版
    値引きあり
    -
    大人気シリーズ「味見方同心」が帰ってきた! 同心の兄・波之進の後を継いで味見方となった弟・月浦魚之進は南町奉行から密命を受ける。将軍暗殺計画の気配があり、毒見役の鬼役とは別に、城内に忍び寄る悪事を阻止してほしいというのだ。気弱な魚之進にそんな大役が務まるのか? 兄の後家・お静への思いが募るなか、魚之進は美味で怪しい江戸の食べ物を追う! 【収録作品】 『潜入 味見方同心(一) 恋のぬるぬる膳』 『潜入 味見方同心(二)陰膳だらけの宴』 『潜入 味見方同心(三) 五右衛門の鍋』 『潜入 味見方同心(四) 謎の伊賀忍者料理』 『潜入 味見方同心(五) 牛の活きづくり』 『潜入 味見方同心(六) 肉欲もりもり不精進料理』 【南町奉行所・味見方とは?】 江戸市中の食べ物の動向を探る特別役職。水戸藩が南町奉行所に働きかけてつくらせた。同心の月浦魚之進のみが味見方を拝命する過酷な一人役。横行する悪質な抜け荷の現状把握がもともとの目的だったが、捜索の間に様々な食にまつわる事件が発生する。初代味見方の月浦波之進は何者かにより暗殺、それを弟の魚之進が引き継いだ。兄弟の努力と活躍によって悪事は暴かれ、魚之進は兄・波之進の仇を討った。 「味見方同心 潜入篇」全6巻までの顛末は、「隠密 味見方同心」全9巻をお読みください。面白さと美味しさが倍増します!!
  • 【合本版】NARUTO―ナルト― 真伝シリーズ 全3冊
    5.0
    【小説版登場!】真実を見通す瞳を持ち、希望と絶望の挟間に生きた兄弟。イタチの過去と、サスケの未来を解き明かす、NARUTO―ナルト― 真伝シリーズ合本版!! 【収録作品】イタチ真伝 光明篇/イタチ真伝 暗夜篇/サスケ真伝 来光篇  【合本版限定特典】岸本斉史先生描きおろしカバー用イラスト/カバー下表紙用名場面イラスト/紙版初版限定しおり用イラスト
  • 大奥づとめ―よろずおつとめ申し候―(新潮文庫)
    4.1
    上様の寵愛こそすべて、とは考えなかった女性たちがいた。御手つきとは違い、昼間の仕事に励んだ「お清」の女中たち。努力と才覚で働く彼女たちにも、人知れず悩みはあって……。里に帰れぬ事情がある文書係の女、お洒落が苦手なのに衣装係になった女、大柄というだけで生き辛い女、負けるわけにはいかぬが口癖の女。涙も口惜しさも強さに変えて、溌剌と自分らしく生きた女たちを描く傑作。(解説・細谷正充)
  • 旅立ち寿ぎ申し候<新装版>
    4.0
    絶体絶命の紙問屋、大逆転の妙手は!? 時は、大老井伊直弼が惨殺され、動乱の気配が漂う幕末。 紙問屋永岡屋で誠意一筋、長年精勤してきた勘七は、主人善五郎の強い望みで跡を継ぎ、若旦那となった。 その勘七に小諸藩の上屋敷奉行高崎から大きな初仕事が舞い込む。藩札作りだ。 小諸藩は明君の呼び声高い藩主がおり、政は安定、財も潤沢らしい。藩札作りには二千両も支度してあるという。 幸先のよい出だしを切った、勘七がそう思ったのも束の間、商売仲間である醤油問屋広屋の浜口儀兵衛から、藩主が亡くなったと耳にする。 胸に不安が膨らむ中、ある夜、永岡屋が盗賊に襲われてしまう。盗賊はなんと高崎の配下だった。 配下は藩札と版木を入れた行李を盗んで姿を消したのだ。 襲われた際の傷がもとで、命を落とした善五郎を悲しむ暇もなく、主人として小諸藩に赴き、商いを質す勘七。 だが、新任の上屋敷奉行は「賂を受けていた前任の空の商い」として、二千両を踏み倒しにきた。 絶体絶命の危機に瀕した勘七に大逆転はあるのか? 幕末の三舟こと勝麟太郎や豪商高島屋嘉右衛門らの協力を得ながら、命を懸けて再建を図る勘七の懊悩と奮闘を、直木賞作家が瑞々しく描く。 商人道小説の傑作! ※この作品は過去に単行本として配信されていた『福を届けよ 日本橋紙問屋商い心得』 の文庫版となります。
  • NARUTO―ナルト― イタチ真伝 光明篇
    4.5
    【小説版登場!】うちはイタチ、四歳。戦争の地獄をその眼に焼きつけた少年は決断する。この世から一切の争いを無くす、と。サスケ誕生、友・シスイとの出会い、忍者学校、下忍、中忍、そして暗部。うちは一族初の火影の夢に向かって、イタチは栄光の道をひた走る。その先に闇が広がっているとも知らず…。真伝シリーズ第一弾!
  • 蔦屋
    3.9
    2025年、NHK大河ドラマは「べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~」。 その主人公である江戸の出版プロデューサー・蔦屋重三郎の波瀾万丈人生を描く、傑作歴史長編小説! 寄る年波には勝てず、店仕舞いしようとしていた地本問屋・丸屋小兵衛のもとを、才気迸る若い男が訪ねてくる。この店に毎年二十両払うから、雇われ人となって自分を手伝ってほしい、という申し出に面食らう小兵衛。 「一緒にやりませんか。もう一度この世間をひっくり返しましょうよ」 その男こそ、吉原随一の本屋、飛ぶ鳥を落とす勢いの蔦屋重三郎だった――。 飲むときはとことん飲み、遊ぶときはとことん遊ぶ。商売の波に軽々と乗り、つねに新しいものを作りたい、と意気込む重三郎。重三郎の周りには、太田南畝、朋誠堂喜三二、山東京伝、恋川春町ら売れっ子戯作者や狂歌師が出入りするが、腐れ縁の絵師・喜多川歌麿には、特別な感情をもっている。 やがて松平定信による文武奨励政治が始まると、時代の流れは予期せぬ方向へ――。 蔦屋重三郎の型破りの半生を、父親ほども年が離れた小兵衛を通して描く。最強バディが江戸の街を闊歩する、極上エンターテインメント小説。 単行本を大幅に改稿し、著者によるあとがき「文庫化までの長い言い訳」を特別収録。 単行本 2014年4月 学研パブリッシング刊 文庫版 2024年10月 文春文庫刊 ※この電子書籍は、文春文庫版を底本としています。
  • 東海道五十三次殺人事件 歴史探偵・月村弘平の事件簿 新装版
    3.0
    名探偵のご先祖は八丁堀同心! 旧街道の宿場町で 連続殺人!? 大人気時代小説家が挑む 現代ミステリー、シリーズ開幕! 連続殺人のカギは〈裏街道〉!? イケメン探偵が謎に迫る! 歴史研究家の月村弘平は、雑誌の取材で訪れた箱根の旧街道で〈変な恰好〉をした男性の死体を発見する。 続いて、静岡の宿場町でも殺人事件が。その頃、月村の恋人の警視庁捜査一課の刑事・上田夕湖も北品川で見つかった男性の絞死体の捜査を進めていた。 事件をつなぐ共通点は“東海道五十三次“と見立てた月村は真相に迫るため、さらに西へ向かうが…。
  • 銀河鉄道の父
    4.3
    第158回直木賞受賞作、待望の文庫化! 『銀河鉄道の夜』『注文の多い料理店』など数多くの傑作を残してきた宮沢賢治。 清貧なイメージで知られる彼だが、その父・政次郎の目を通して語られる彼はひと味違う。 家業の質屋は継ぎたがらず、「本を買いたい」「製飴工場をつくってみたい」など理由をつけては、政次郎に金を無心する始末。 普通の父親なら、愛想を尽かしてしまうところ。 しかし、そんなドラ息子の賢治でも、政次郎は愛想を尽かさずに、ただ見守り続ける。 その裏には、厳しくも優しい“父の愛”があった。やがて、賢治は作家としての活動を始めていくことになるが――。 天才・宮沢賢治を、父の目線から描いた究極の一冊。
  • 霜月記
    NEW
    -
    名判官だった祖父・失踪した父・重責に戸惑う息子――町奉行を家職とする三代それぞれの葛藤を描く。 18歳の草壁総次郎は、何の前触れもなく致仕して失踪した父・藤右衛門に代わり、町奉行となる。 名判官と謳われた祖父・左太夫は、毎日暇を持て余す隠居後の屈託を抱えつつ、 若さにあふれた総次郎を眩しく思って過ごしている。ある日、遊里・柳町で殺人が起こる。 総次郎は遺体のそばに、父のものと似た根付が落ちているのを見つけ、また、 遺体の傷跡の太刀筋が草壁家が代々通う道場の流派のものではないかと疑いを持つ。 さまざまな曲折を経て、総次郎と左太夫はともにこの殺人を追うことになるが、 果たして事件の真相と藤右衛門失踪の理由とは。 第165回直木賞、第34回山本周五郎賞候補『高瀬庄左衛門御留書』の砂原浩太朗が描く、 令和の時代小説の新潮流「神山藩シリーズ」第三弾。 ~「神山藩シリーズ」とは~ 架空の藩「神山藩」を舞台とした砂原浩太朗の時代小説シリーズ。 それぞれ主人公も年代も違うので続き物ではないが、統一された 世界観で物語が紡がれる。
  • 隠密 味見方同心(一) くじらの姿焼き騒動
    3.8
    南町奉行所きっての腕利きと噂される臨時回り同心・月浦波之進に特命が下った。「江戸の食いもの屋の動向を探れ」と。調べに必要な飲み食いの掛かりは、すべて請求できるという。十手を羽織の下に隠し、隠密捜査を始める波之進。―その折、金貸しが殺された。生前にその男が告げたある料理。波之進は、その料理を手がかりに、下手人を捜す。謎をはらんだ珍妙な食物が次々登場。軽妙洒脱、仰天推理の傑作時代小説開幕!
  • 商う狼―江戸商人 杉本茂十郎―(新潮文庫)
    3.9
    江戸の金の流れを握る。それはお上を動かす力になる――。甲斐の農家から出て江戸で名を挙げた茂十郎は、永代橋の崩落事故で妻子を失ってしまう。だが悲嘆を糧に、茂十郎は立ち上がる。大胆不敵な資金集め、流通の構造改革、旧弊の刷新。すべては江戸の繁栄のために――。既存の枠を超えた発想と、強引なまでの辣腕で「狼」と畏怖され、歴史の闇に消えた謎の経済人を描く。新田次郎賞受賞。(解説・本郷和人)
  • 勘定侍 柳生真剣勝負〈一〉 召喚
    3.4
    大坂商人、柳生一族の陰謀に巻き込まれる! 時は寛永十三年――江戸城黒書院に呼び出された、惣目付を務める柳生但馬守宗矩。 上段の間の襖が開くと、老中の堀田加賀守より、「役目に奨励をもって、四千石を加増する」との旨が伝えられた。 本禄の六千石と合わせて、ついに一万石となり、晴れて大名となった柳生家。 だが、宗矩の顔は沈んでいた。 大名を監察する惣目付が、大名になっては都合が悪いためだ。 案の定、宗矩は即日惣目付を解かれ、監察される側に回されてしまう。 惣目付時代に買った恨みから、痛くもない腹まで探られてはかなわない。 なにしろ旗本から大名になれば、典令や家政が大きく変わるため、隙を生みやすいのだ。 一族最大の危機から逃れるべく、策を講じなければならなくなった宗矩は、なかでも武士が苦手とする金勘定が危ういと考え、ある秘策を思いつく。 なんと、大坂一と言われる唐物問屋淡海屋七右衛門の孫である一夜を召し出すという。 いったい柳生家と一夜は、どんな関わりがあるのか? 武士となった一夜に、宗矩の嫡男である十兵衛は、柳生家の者として剣術を身につけよと新陰流を指南するが……。 果たして一夜は柳生家を救えるのか? 痛快時代小説シリーズ第一弾!
  • 二月二十六日のサクリファイス
    4.1
    1巻2,200円 (税込)
    二・二六事件の“真の犠牲(サクリファイス)”は誰だったのか――石原莞爾とともに事件の捜査をすることになった憲兵隊員を通して軍や国家の“歪み”を描き出す、衝撃の長編歴史小説。侍従武官長として天皇に近侍している本庄繁陸軍大将を義父に持ち、蹶起した青年将校ともつながっていた山口一太郎大尉。二・二六事件の重要容疑者である彼の調査を憲兵隊員・林逸平が任せられるも、なぜか戒厳司令部参謀・石原莞爾が協力すると言い出してきた。獄中でも、ストーブのある部屋での兵器の開発を許される山口を取り調べるも――。正義とは何か、国家としての大義はどこにあるのかを鋭く突き付ける、著者渾身の勝負作!
  • 朝日文庫時代小説アンソロジー 母ごころ
    -
    絵師の千鶴は、駿河屋惣兵衛の依頼で妾お仙の亡くなった母の似絵を描くことに。目の前にいない人を描くのは初めてで、千鶴はお仙に母のことを尋ねるが……(永井紗耶子「母の顔」)。第一線の女性作家らが「母」をテーマに織りなす珠玉の6編。文庫オリジナル。
  • 戦端 武商繚乱記(一)
    3.5
    大坂・東町奉行所の同心、山中小鹿(やまなか・ころく)は、上役の筆頭与力・和田山の娘をわけがあることを 承知で娶ったにもかかわらず、裏切られてしまう。妻の不貞を許せなかった小鹿は、 義父の和田山に妻を公然と突っ返すという方法に及ぶ。これが原因で、東町奉行所内では、 同僚たちからも距離を置かれて居心地がよくない日々を過ごしていた。 鬱憤をはらそうと大坂の遊郭に足を向けたものの、なぜか客引きをされない。 理由は、大商家が「総揚げ」すべての見世を貸し切っていたからだ。 その商家の名は、淀屋。西国三十藩以上の年貢米を大坂へ廻送、売る権利を持ち、莫大な富を得ていた。 淀屋に借金をする大名もあらわれ、参勤交代の折には淀屋に寄って挨拶をするほどの力関係に至る。 幕府も忸怩たる思いで、ついに時の老中首座・土屋相模守が手を打つことに。 一介の同心・小鹿は、商魂たくましい上方の豪商と武士の沽券をかけた争乱に巻き込まれていく。 吉川英治文庫賞受賞作家が送る新機軸の書下ろし時代小説、堂々開幕!
  • 札幌誕生
    4.2
    すべてはここからはじまった――幕末から大正にかけて、未知の土地・北海道にわたり、近代都市・札幌を作った、島義勇、内村鑑三、バチラー八重子、有島武郎、岡崎文吉の熱き物語!
  • 羆撃ちのサムライ
    4.0
    時は幕末。箱館戦争で敗れ、傷を負いつつも蝦夷の深い森へ逃げ延びた八郎太。だが、そこには──全てを失った男が、厳しい未開の大地で羆撃ちとなり、人として再生していく本格時代小説!
  • 恋の川、春の町 江戸戯作者事情
    3.5
    駿河小島藩に仕える倉橋寿平には、もう一つの顔がある。「恋川春町」の名前で滑稽本を執筆する江戸で人気の戯作者だったのだ。浮世を楽しむため、さまざまな女性のもとを渡り歩く春町のもとに、突如として幕府の大物・松平定信から呼び出しの文が届く。倹約を旨とする幕府の方針に、春町の著作はそぐわないと判断されたのだ――。戯作者の矜持を胸に、命がけの洒落で権力に挑んだ粋人の生涯を描く軽妙洒脱な時代小説。
  • 陳平 劉邦の命を六度救った「知謀の将」
    4.5
    項羽との覇権争いに勝った劉邦の下には、名軍師張良と並び称されるもう一人の「知謀の士」がいた――その名は陳平。貧しい家の生まれながら、天下に志を立てようと考えた彼は、初め項羽に仕えていた。しかし、ふとしたことで怒りを買い、誅殺されそうになる。そこで項羽を見限る決意をし、故郷から連れてきた若者とともに劉邦の下へ身を寄せる。劉邦との対面で策略を進言した陳平は、実力を高く評価され、やがてめきめきと頭角を表わすようになる。項羽と軍師の范増を離間させたり、項羽軍に包囲された城からの脱出劇を演じたり、まともに戦えば勝ち目のない韓信を、巡幸を装って捕えたりするなど、見事な「奇策」を展開し続けた。そして、結果的に劉邦の命を六度救う、劉邦軍になくてはならない軍師になるのだった。本書は、劉邦亡き後も、右丞相に昇って国家の重鎮となった陳平の波瀾に満ちた生涯を余すところなく活写した評伝小説である。

    試し読み

    フォロー
  • 東京の謎(ミステリー) この街をつくった先駆者たち
    4.3
    『家康、江戸を建てる』『東京、はじまる』など、江戸・東京に深い造詣をみせる筆者が、東京の21の地域について過去と現在とを結び、東京の「謎」を解き明かす。 はじめに なぜ東京を「とうきょう」と読んではいけないのか 第一章 東京以前 第一回 なぜ源頼朝は橋のない隅田川を渡ったのか 第二回 なぜ大久保長安は青梅の山を掘ったのか 第三回 なぜ麹町は地図の聖地になったのか 第四回 なぜ浅草は東京の奈良なのか (新書のための書き下ろし) 第五回 なぜ勝海舟はあっさり江戸城を明け渡したのか 第二章 東京誕生(明治以後) 第六回 なぜ銀座は一時ベッドタウンになったか 第七回 なぜ三菱・岩崎弥太郎は巣鴨を買ったのか 第八回 なぜ早矢仕有的は丸善を日本橋にひらいたのか 第九回 なぜヱビスビールは目黒だったのか 第十回 なぜ「東京駅」は大正時代まで反対されたか 第十一回 なぜ野間清治は講談社を音羽に移したのか 第三章  関東大震災 第十二回 なぜ後藤新平は震災復興に失敗したのか(新書のための書き下ろし) 第十三回 なぜ日比谷は一等地の便利屋なのか 第十四回 なぜ新宿に紀伊國屋書店があるのか 第十五回 なぜ五島慶太は別荘地・渋谷に目をつけたのか 第十六回 なぜ堤康次郎は西武池袋線を買ったのか 第十七回 なぜ羽田には空港があるのか 第四章  戦後 第十八回 なぜトットちゃんには自由が丘がぴったりだったか 第十九回 なぜ寅さんは葛飾柴又に帰って来たのか  第二十回 なぜピカチュウは町田で生まれたのか 第二十一回 なぜ代々木の新国立競技場は案外おとなしいのか むすび なぜ江戸は首都になったのか
  • おもちゃ絵芳藤
    5.0
    第七回歴史時代作家クラブ賞作品賞受賞作。 江戸っ子に人気を博した浮世絵。絵が好きで、絵を描くこと以外なにもできない絵師たちが、 幕末から明治へと大きく時代が変わる中、西欧化の波に流され苦闘しながらも絵を描き続ける姿を描く長篇小説。 文久元年(1861)春。大絵師・歌川国芳が死んだ。 国芳の弟子である芳藤は、国芳の娘たちに代わって葬儀を取り仕切ることになり、 弟弟子の月岡芳年、落合芳幾、かつては一門だった河鍋狂斎(暁斎)に手伝わせ無事に葬儀を済ませた。 そこへ馴染みの版元・樋口屋がやってきて、国芳の追善絵を企画するから、絵師を誰にするかは一門で決めてくれ、と言われる。 若頭のような立場の芳藤が引き受けるべきだと樋口屋は口を添えたが、暁斎に「あんたの絵には華がない」と言われ、愕然とする――。 人徳はあるが、才能のなさを誰よりも痛感している芳藤。 才能に恵まれながら神経症気味の自分をもてあましていた芳年。 時代を敏感に察知し新しいものを取り入れるセンスがありながら、己の才に溺れた芳幾。 “画工”ではなく“アーティスト”たらんとした暁斎。 4人の個性的な絵師たちを通して、死ぬまで絵筆をとろうとする絵師の執念と矜持に迫る力作。 解説・岡崎琢磨 ※この電子書籍は2017年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 人撃ち稼業
    3.4
    時は天保十二年。丹沢で熊獲り名人と呼ばれている玄蔵は、恋女房の希和とふたりの子どもと共に幸せに暮らしていた。そんなある日、御公儀徒目付の多羅尾と名乗る武士が突然玄蔵の元にやって来て、「お前、江戸に出て武家奉公をしてみないか」という。どうやら己の鉄砲の腕が欲しいらしい。とんでもないと断ろうとした玄蔵だが、「お前の女房は耶蘇なのか」と脅され、泣く泣く多羅尾と共に江戸へ……。孤立無援の玄蔵を待ち受けている苛酷な運命とは!? 人気作家による、手に汗握る熱望の書き下ろし時代小説、新シリーズ。
  • NARUTO―ナルト― シカマル新伝 舞い散る華を憂う雲
    4.6
    【小説版登場!】五影会談で生じた同盟の亀裂が第五次忍界大戦の引き金に! 同時にシカマルと家族の間にも、ある理由からすれ違いが生まれてしまう…世界と家族、どちらも平和に導くためにシカマルが打つ最上の一手とは!
  • 横濱王
    4.1
    今の日本に、こんなリーダーがほしかった!  昭和13年、青年実業家の瀬田修司は横濱に降り立った。関東大震災から復興した横濱は、ジャズが流れモガ・モボが闊歩する華やかな文化あふれる国際都市。折しも日中戦争が始まり、軍需景気にあやかりたい瀬田は、横濱一の大富豪である原三渓からの出資を得ようと、三渓について調べ始める。  実業家としての三渓は、富岡製糸場のオーナーであり「生糸王」の異名を持っていた。関東大震災では、復興の先頭に立ち私財をなげうって被災者の救済にあたった。また、稀代の数寄者として名を馳せ、茶の湯に通じ、「西の桂離宮、東の三渓園」と言われる名園を築いた文化人。前田青邨や小林古径など、日本画家の育成を支援……と、いくら調べても交渉材料となるような醜聞は見つからず、瀬田は苛立つ。  やがて「電力王」として知られる実業家、松永安左ヱ門に会った瀬田は、松永の仲介で三渓に会うことが叶う。  三渓園の茶室を訪れた瀬田は、そこで原三渓と話を交わしたことで、少しずつ考えを変えていく。  実は少年時代、瀬田には三渓にまつわる忘れ得ぬ記憶があった……。 ※この作品は過去に単行本版として配信されていた『横濱王』の文庫版となります。
  • わるじい秘剣帖 : 1 じいじだよ
    3.6
    元目付の愛坂桃太郎は、不肖の息子が芸者・珠子に作らせた外孫・桃子に出会い、その可愛らしさにメロメロになってしまう。孫可愛さのあまり、常に孫を背中に背負って、子守りをする毎日。ところが、日本橋きっての売れっ子、珠子の周囲では、なぜかトラブルが多発。母子を守るため、桃太郎の秘剣が唸る! 待望の新シリーズ始動!
  • 妻は、くノ一
    3.5
    失踪した美貌の新妻、織江の正体はくノ一だった。国破りを企てる元藩主の懐刀と公儀隠密のくノ一、夫婦の契りを結びながらも会うことを許されない彦馬と織江のせつなく燃える愛。
  • 吉宗の星
    -
    八代将軍吉宗は いかにして生まれたのか 権謀術数で摑んだ天下の先に見た〈星〉とは!? 「畢竟、これは『人は何のために生きるのか』 を問う物語なのである」大矢博子(書評家・解説より) 瞬く星となり 見守っております 紀州藩主・徳川光貞の三男として生まれながら、生母・紋の身分の低さゆえに、虐げられた扱いを受けた新之助。 しかし、五代将軍綱吉から「高みに登れ」と声を掛けられ、運命は激しく動き出す。 新之助の思いと野心に応え、乳兄弟の星野伊織と鉄海和尚は秘密裡に工作を重ねる。 やがて、新之助は紀州藩主、将軍の座を摑むが、そこには新たな試練が。
  • 木挽町のあだ討ち 無料お試し版
    無料あり
    4.3
    1巻0円 (税込)
    「ああ……あの仇討ちを見たかって。ええ、見ましたよ」 ある雪の降る夜に芝居小屋のすぐそばで、美しい少年・菊之助によるみごとな仇討ちが成し遂げられた。 父親を殺した下男を斬り殺し、その血まみれの首を高くかかげた勇姿はたくさんの人に目撃され、木挽町の語り草となった――。 二年のち、菊之助の知人だという若侍が芝居小屋で働く人々に仇討ちの詳細をたずねにくる。 木戸芸者、殺陣師、衣装係、小道具、筋書……、仇討ちの現場に居合わせた人々が自身の来し方を織り交ぜながら語る「木挽町のあだ討ち」の顛末、そしてその真相は――。 2022年上半期直木賞候補作『女人入眼』で大注目の著者による2023年1月刊行の最新長篇のなかから、第一幕を特別無料配信します。 *本稿は校了前のデータをもとに作成しています。そのため、刊本とは一部内容が異なる場合がございます。予めご了承ください。

    試し読み

    フォロー
  • 青二才で候
    -
    大藩藤堂家に仕える澤村甚九郎は、病弱な兄に代わり江戸藩邸出仕を命じられた。伊賀十五家のひとつとはいえ、所詮は貧しい下級藩士。旧い組織の中で汲々と生きる人生にうんざりしていた若い彼は、江戸で立身出世を目論む。だが、夢見ていた甘い思惑は外れ、じゃじゃ馬で鳴らす姫様の守役にされてしまい、困惑する甚九郎だが!? 文庫書き下ろし
  • 憧れ写楽
    4.4
    蔦屋が隠した謎の絵師、写楽の真実とは? 多くの傑作を残し、約10ヵ月で姿を消した「東洲斎写楽」。 この謎多き絵師にふたたび筆をとらせたい老舗版元の主・鶴屋喜右衛門は、「写楽の正体」だと噂される猿楽師、斎藤十郎兵衛のもとを訪れる。 だが、斎藤の口から語られたのは、「東洲斎写楽の名で出た絵のうち、幾枚かは某の絵ではない」「(自分は)本物の写楽には及ばない」という驚愕の事実。さらに斎藤が「描いていない」絵のなかには、写楽の代表作とされる「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」も含まれていた。 写楽はふたりいた――。そう知った喜右衛門は、喜多川歌麿とともにもう一人の写楽探しに乗り出す。しかし、写楽を売り出した張本人である蔦屋重三郎が妨害しはじめ……。果たして、本物の写楽の正体とは。そして、蔦屋重三郎と写楽との関係とは。 大田南畝、山東京伝、歌川豊国など、この時代の文化人たちも次々と登場! 蔦屋重三郎を主人公とする2025年大河ドラマ「べらぼう」と共通する世界で繰り広げられる時代ミステリです。
  • 悪党(上)
    -
    河内の〝悪党〟楠木正成。幕府に従わないために〝悪〟と決めつけられた男が本拠・赤坂荘で行う政は、銭を中心とする、誰もが等しい、武士の支配とは異なるものだった。その政を己の力が及ぶ範囲で守ろうとしていた正成の目標は、ある日、一人の男と出会うことで様変わりした。護良親王――今上帝の第三皇子である。彼と志を共にし、日本全土から武士の支配を取り除くため、弟・正季や幼馴染みの山の王、猿楽師らと共に強大なる敵に挑む! 熱き大河歴史小説、誕生。全二冊。
  • 悪血
    -
    人は、おのれの血にどこまで縛られるのか? 高名な日本画家の家系に生まれながら、ペットの肖像画家に身をやつす時島一雅は、かつてない犬種を開発中というブリーダーの男に出資を申し出る。血の呪縛に悩みながら血の操作に手を貸す矛盾。純白の支配する邪悪な世界への憧憬。制御不能の感情が、一雅を窮地へと追い込んでいく――。ホラーサスペンスであり動物パニック小説であり芸術小説でもある、門井慶喜の意欲作! 『血統(ペディグリー)』を改題。
  • 朝嵐
    3.4
    齢十七で九州を平定。 島流し先を支配して叛逆。 弓矢だけで軍船を撃沈。 名を源鎮西八郎為朝。 この男こそ日本史上最強。 「こやつは武士として使い物にならぬ」。その一言が男を怪物へと変貌させた。源八郎為朝。異常な弓の鍛錬を続けたこの男は、父に送りこまれた九州を齢十七で平定し、「鎮西八郎」と呼ばれ日ノ本を震撼させた。やがて巻き起こる天下を二分する保元の乱。為朝の前に立ちはだかるのは平清盛、そして唯一彼が恐れた兄・源義朝であった。 源平の時代を駆け抜けた最強の武士の生涯を描く、驚愕の弓豪歴史小説!
  • 浅草寺子屋よろず暦
    3.9
    「本屋が選ぶ時代小説大賞」など数々の賞を受賞し、直木賞候補にもなった『高瀬庄左衛門御留書』から3年。スリリングかつ心震える新たな傑作時代小説が誕生。世の中には決して見過ごせないことがある。浅草の寺子屋を舞台に、師弟、親子、兄弟、幼なじみ……明日にむかい、ともに懸命に生きる。人間の縁と心の機微を濃やかに深く描く感動作。大滝信吾は、ゆえあって旗本である兄の紹介で、浅草寺の境内にある正顕院で寺子屋を開いている。源吉や三太、おさよなど大半は町人の子だ。穏やかな春の日、子どもたちと縁側で握り飯をほおばっていたとき、源吉の姉が駆け込んできた――大切な人を守るため、信吾は江戸の闇と真っ向から闘う。浅草の四季を背景に、家族や友人、下町の人情に支えられながら、信吾が天命を見つけ、成長するさまを圧倒的な筆力で描く。
  • 足利の血脈 書き下ろし歴史アンソロジー
    3.7
    新書『応仁の乱』がベストセラーになって以降、関心が集まっている「足利氏」は、NHK大河ドラマ『麒麟がくる』でも注目された。本書は、戦国を語る上で欠かせない「足利氏」をテーマに、7名の歴史時代作家が書き下ろした短篇小説を収録したアンソロジー。著者は、2020年上半期の直木賞を受賞した川越宗一をはじめ、大人気シリーズ「口入屋用心棒」の著者の鈴木英治、2020年の中山義秀文学賞を受賞した木下昌輝など、ベテランから新進気鋭まで、実力派ばかり。これまで戦国史を語る上で、メインで書かれることがなかった「足利氏」を軸に、この時代の画期となる出来事を時系列で描いていくことによって、“もう一つの戦国史”が浮かび上がる。 ■目次 ●第一話 早見俊 ◎嘉吉(かきつ)の狐――古河(こが)公方家誕生 ●第二話 川越宗一 ◎清き流れの源へ――堀越(ほりごえ)公方滅亡 ●第三話 鈴木英治 ◎天の定め――国府台(こうのだい)合戦 ●第四話 荒山徹 ◎宿縁――河越夜合戦 ●第五話 木下昌輝 ◎螺旋(らせん)の龍――足利義輝弑逆(しいぎゃく) ●第六話 秋山香乃 ◎大禍時(おおまがとき)――織田信長謀殺 ●第七話 谷津矢車 ◎凪(なぎ)の世――喜連川(きつれがわ)藩誕生 ●コラム 喜連川足利氏を訪ねて――栃木県さくら市歴史散歩 収録作品は、いずれも書き下ろし!
  • 安土唐獅子画狂伝 狩野永徳
    3.7
    「貴様に絵を頼みたい」。織田信長からの依頼は、計百枚にも及ぶ安土城障壁画だった。一世一代の大仕事に意気込む狩野永徳だが、信長の要求は果てしなく高い。己の魂を筆にのせた迫真の絵は、果たして覇王を納得させることができたのか? 天才絵師の孤独な闘いを描いた、絵師小説の決定版!
  • 穴屋でございます
    3.0
    〈どんな穴でも開けます 開けぬのは財布の底の穴だけ〉──本所で珍商売「穴屋」を営む佐平次(さへいじ)のもとには、さまざまな穴を開けてほしいという難題が持ち込まれる。今日も絵師を名乗る老人が訪れた。ろうそく問屋の大店に囲われている絶世のいい女を描きたいので、のぞき穴を開けてほしいという。用心のため、佐平次は老人の後を尾ける。奴の正体は? 人情溢れる筆致で描く連作時代小説。(『穴屋佐平次難題始末』改題)。【解説】杉江松恋
  • 妖ファンタスティカ 書下し伝奇ルネサンス・アンソロジー
    4.0
    「夢みる力」を復活させんと、想像力の可能性に挑んだ13編の書下し作品を、ぜひお楽しみあれ! ●巻頭言より 去る三月に本書と同じ「操觚の会」同志諸氏の協力で伝奇時代小説のアンソロジー「伝奇無双」(戯作舎)を電子書籍で上梓したが、その僅か一ケ月後にさらなる伝奇時代小説のアンソロジー「妖ファンタスティカ」をこうして紙媒体で刊行できるのは、伝奇ルネサンスを提唱した者として望外の歓びである。支持して下さった皆様にお礼申し上げる。 伝奇ルネサンスなる言葉に初めて接した方も多いと思うので、まず伝奇ルネサンスとは何かを手短に説明しよう。 伝奇ルネサンスとは一言で言えば作家の想像力を無限大にまで広げんとする企みである。 かつて國枝史郎・角田喜久雄・吉川英治らの働きで伝奇小説は時代小説の代名詞にまでなった。 (中略) しかし万人がメディアとなり、読書が娯楽の王座を退いた現在、伝奇は過去のコンテンツと化したかにも見える。夢想も荒唐無稽も破天荒も過去の概念と成り果てたかのようだ。いつの間にか作家も読者も「夢見る力」を信じなくなり、想像力の可能性を語ることを躊躇うようになってしまったのだろうか。 否。「夢見る力」は失われたのではない。そこにあるものが見えていないだけなのだ。 伝奇ルネサンスとは「夢見る力」を復活させるための試みである。それは崇拝する者を失って深い眠りに就いた物語の神々を復活させんとする十九世紀の魔術結社「黄金の夜明け」団の儀式にも似ている。 その意味で伝奇ルネサンスを「魔術」と呼んでもいいだろう。奇しくも本アンソロジーの参加作家は十三名。中世ヨーロッパで魔女集会に集った者たちの数である。 されば宣言しよう。 ここに伝奇は甦り「夢見る力」はこれより大なる復活を遂げん、と。
  • いい湯じゃのう(一) お庭番とくノ一
    3.8
    1~3巻660~709円 (税込)
    上さまの肩凝りで江戸が危機に!? 人気時代作家によるユーモア時代小説シリーズ開幕! 八代将軍・徳川吉宗は、ひどい身体の凝りに悩まされていた。熱海の湯を江戸に運ばせることで、その苦しみを癒していたが、どうしたわけか、急に湯が届かなくなる。さらに熱海だけでなく、草津、箱根の湯にも異変が起きたらしい。吉宗の一大事に、湯の中では最強のお庭番・湯けむり権蔵と、すご腕だけど玉の輿狙いのくノ一が調査へと向かうことに。一方、江戸では独自の「湯の神信仰」を説く天一坊なる者が現れ、町奉行の大岡越前がその素性について探索を始めるが……。新聞連載で話題の新シリーズ第1弾。
  • 家康、江戸を建てる
    4.1
    天正十八年、家康は関白・秀吉から関東二百四十万石への国替えを要求された。そこは、水びたしの低湿地が多い広大な土地。家臣団の猛反対をよそに「関東には、のぞみがある」と受け入れた家康。貧村・江戸を本拠と定め、街づくりに着手。利根川東遷、神田上水、江戸城築城……日本史上最大、驚天動地のプロジェクトが始まった! ピンチをチャンスに変えた究極の天下人の、面目躍如の挑戦を描く快作誕生!
  • 戦神の裔
    4.5
    何者でもない己を変えるため、越えねばならぬ壁ならば越えてみせる! 幼き頃に平氏に家族を殺され、自由を奪われた源九郎義経。「平氏以外は人ではない」という世の中に強い怒りを覚えるも、兵の一人も持たない無力さを痛感していた。弁慶、佐藤兄弟、伊勢三郎――九郎の元に集う郎党たちも、己の境遇を恨む者ばかり。やがて訪れた挙兵の時。獣すら降りられぬ鵯越の崖の上で、男たちの叛逆心が燃え上がる。
  • 戦始末
    3.5
    関ヶ原の合戦後に、西軍で唯一領土を減らされなかった所以とされる「島津の退き口」。70万石を守ることにつながった義弘のその手並みとは! はたまた、織田信長最大の窮地をまさに身を挺して救った羽柴秀吉の「金ヶ崎の退き口」。後に天下取りを競い合う、明智光秀や徳川家康も共に戦ったという奇跡の真相とは!──ほかに柴田勝政、馬場信春、堀秀政、石田三成、高橋紹連ら7人の武将たちが負け戦を「始末」して、あるいは出世の糸口をつかみ、あるいは華々しく散っていった「殿軍戦」を描いた戦国小説集!
  • 戦百景 長篠の戦い
    4.3
    戦国最強の騎馬軍団を膨大な数の鉄砲で打ち負かしたとされる「長篠の戦い」。 だがそこには、それぞれの武将の深い思惑が働いていた。 長篠城の奥平信昌はどうして武田を裏切って徳川方についたのか。 内藤・馬場・山県ら武田の勇将たちは無駄な特攻をなぜ敢行したのか。 家康・酒井忠次主従は何を期して奇襲軍を出したのか。 信長が仕掛けた罠とは何だったのか。 勝頼は絶対的に不利な状況で、なぜわざわざ攻撃を仕掛けなければならなかったのか。 そして、長篠の戦いの最大のヒーローとも言える奥平勢の足軽・鳥居強右衛門の活躍とは。 最強合戦の真実に迫る書下ろし歴史小説!
  • 戦百景 大坂夏の陣
    3.5
    慶長20年(1615年)3月、戦乱の気配が再び漂い始める。前年の暮に成った、いわゆる「大坂冬の陣」の和議が早くも崩れようとしていた。和議の条件で棄却された二の丸、三の丸の堀や柵が再建され始めていたのだ。それに対し徳川方は、牢人の解雇か豊臣家の移封を求めるが、豊臣家はそれを拒否。徳川と豊臣はついに手切れとなった。総勢15万を下らない徳川方に対し、豊臣方はその約半分。しかも「冬の陣」のときと違って、堀のない城では豊臣方は打って出るしかないのだ。──緒戦で命を懸けて戦う後藤又兵衛や藤堂高虎、浅野長晟。豊臣を滅亡させることを躊躇う徳川家康。牢人集を制御できない大野治長。乾坤一擲を狙う真田信繁。呪縛を乗り越えようとする豊臣秀頼。諸将の思惑が入り乱れるなかで、いよいよ戦乱の世の終止符が打たれる!
  • 池波正太郎と七人の作家 蘇える鬼平犯科帳
    4.3
    永遠のヒーロー「鬼平」再来! 人気作家7名が、伝説の男に新たなる命を吹き込みます。 池波正太郎が長谷川平蔵を主人にした短篇小説「浅草・御厨河岸」を書いたのは、昭和42(1967)年のこと。 オール讀物12月号に掲載されたその短篇は大きな反響を呼び、「鬼平犯科帳」としての連載が始まりました。 「鬼平」誕生50周年を迎えた2017年。この記念すべき年に、7人の作家が「鬼平」へ新たな命を吹き込みます。 逢坂剛は「逢坂・平蔵シリーズ」の特別版、上田秀人は武家という官僚社会で生きる平蔵の立場を、諸田玲子は妖盗・葵小僧と鬼平の再対決、風野真知雄は人気シリーズ「耳袋秘帖」鬼平版。 門井慶喜が木村忠吾の食欲の夏を描けば、土橋章宏は平蔵と料理人の味対決、梶よう子は史実の長谷川平蔵に迫ります。これらの短篇に加え、池波正太郎が自らベスト5に選んだ鬼平作品の中から「瓶割り小僧」を特別収録。 各作品に池波正太郎のカット画を使用した、豪華な競作短編集をお楽しみください。
  • 維新始末
    3.3
    老中・水野忠邦による天保の改革から二十年。黒船来航以降、恐慌を来す江戸の町を、勤王の志士を騙る剣呑な浪人たちが跋扈するようになっていた。さらにその黒幕には、薩摩藩の巨魁の影が…。失われた秩序を取り戻すべく、我らが榊扇太郎が江戸の顔役たちとともに立ち上がる!「闕所物奉行 裏帳合」シリーズに連なる、待望の文庫書き下ろし。
  • 異端児 稀代のリーダー 平成建設・秋元久雄の生き方
    -
    「カリスマ」「異端児」「型破り」……そう呼ばれ続けている男がいる。無謀といわれながら大工や職人を自前で育成、徹底して内製化を追求するという独自のスタンスで、建設業界に常に存在感を放つ平成建設。その創業者で社長の秋元久雄だ。東大や京大、東京芸大などの新卒者が、大工や職人として入社を切望するほどの平成建設。「エリート大工集団」をつくり上げ、「部長は部下の選挙で決める」「社員が社長を査定する」など、独自の考え方で組織をつくり上げ、率いている秋元。彼はいかにしてそのような企業をつくり上げたのか。ウエイトリフティングでオリンピックを目指した青春期。独自の視点とアプローチからトップセールスの座を勝ち取った営業マン時代。「腕の良い大工を育成したい」という強い願いから建設会社を立ち上げ、日本建築文化のすばらしさを継承し、国内外に発信し続ける現在……。秋元が、「異端児」「カリスマ」と呼ばれるゆえん、その生き方、常識破りといわれる経営手法を、脚本家としても注目されている文筆家が独自の視点から取材、いきいきとした文章で伝える。
  • 猪之噛
    5.0
    東京から福岡の山奥に移住し、猟師として生活している明神マリア。 猟友会の会長・吉中剛太郎と、ここ最近感じている山の違和感について話していた。なぜか、山から獣の気配が消え去っている――、と。 ある日の帰り道、マリアは森からかつてない強い気配を感じ、身構える。 それは、この五年の猟師経験で見たこともないような巨大な猪から発せられたものだった。 後にその正体は、江戸時代から言い伝えが残る金色の猪「イノガミ」だと、剛太郎に教えられる。 過疎に苦しむ村で、恐怖と葛藤を抱えながら自然と向き合う猟師たち、そして平穏な暮らしを願う村人たち。 伝説の猪との対峙の先に見えるものとは。 手に汗握る猟師と害獣の死闘を描く、著者初の現代小説! 【著者略歴】 矢野隆 やの・たかし 1976年福岡県生まれ。2008年『蛇衆』で第21回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。21年『戦百景 長篠の戦い』で第4回細谷正充賞、22年『琉球建国記』で第11回日本歴史時代作家協会賞作品賞を受賞。他の著書に「戦百景」シリーズ、『覚悟せよ』『琉球建国記 尚円伝』『籠城忍 小田原の陣』『匣真演義 姫賊 僑燐伝』『籠城忍 上田城攻防戦』など多数。
  • いのちがけ 加賀百万石の礎
    4.3
    前田利家の忠臣・村井長頼が命を懸けて貫いた武士の本分。 加賀藩の祖・前田利家が流浪した若きころから大名になった後まで付き従った、股肱の臣・村井長頼。桶狭間、長篠、賤ヶ岳、……名だたる戦場を駆け抜け、利家の危難を幾度も救う。主君の肩越しに見た、信長、秀吉、家康ら天下人の姿。命懸けでで忠義を貫き通し、百万石の礎を築いた男を端正な文体で魅せる傑作。 『高瀬庄左衛門御留書』で話題の著者、鮮烈デビュー作!
  • 茨鬼 悪名奉行茨木理兵衛
    4.0
    天明の大飢饉、老中松平定信の「寛政の改革」失敗と、日本中の経済がどん底の時代。伊勢三十二万石の藤堂家も莫大な借金に喘いでいた。藩主高嶷は藩政改革を決意し、若き下級武士の茨木理兵衛を勘定方に大抜擢。実績を上げ、瞬く間に農政の重職・郡奉行に出世する理兵衛。着実に実績をあげる彼だが、藩の財政赤字は酷くなるばかり。彼はついに、財政再建の秘策「地割」敢行を決意する。だが門閥重臣たち旧弊勢力が理兵衛の前に立ち塞がる。さらに、藩全体を揺るがす大事件が――。感涙必至の歴史長篇。
  • うかれ堂騒動記 恋のかわら版
    -
    かわら版屋のお転婆が引き起こす珍事件!? 17歳の一穂は、黒目がちの目がくりくりと大きい。なのに、たいそうなお転婆。せっかくの整った顔立ちが台無しだ。その一穂、事情があって、かわら版屋〈うかれ堂〉を営むおじさんの市右衛門と一緒に働いている。今日も今日とて、工房を構える日本橋の〈うかれ長屋〉でご飯を食べていると、北町奉行所の同心・吉田主計が様子をうかがいにやって来た。一穂と幼馴染の吉田は、事件のネタを〈うかれ堂〉のために漏らしてくれているのだ。そのかわりに一穂と市右衛門は、江戸市中で見聞きした物事を報告し、時には探索を手伝っている。十手こそ渡されてはいないが、吉田とは持ちつ持たれつの間柄というわけだ。そんな吉田が持って来たのは、新任与力の水野左衛門が一穂と直に話してみたいという、呆れた私事。ところがいざ会ってみると、なぜだか、北町奉行の小田切土佐守と寺社奉行の青山下野守の政争につながるネタを追う羽目に……。挙句の果てには、とんでもない大騒動になって!? 『幕末ダウンタウン』で第十二回小説現代長編新人賞、『ぴりりと可楽!』で細谷正充賞を受賞した実力派時代作家、初の文庫書き下ろし! (底本 2022年5月発行作品)
  • 歌川国芳猫づくし
    3.9
    天才絵師と猫。江戸の怪事件を解く! 今なお人気の歌川国芳が風刺画、春画、滑稽画を引っ提げて江戸の怪事件に出くわす! 猫を愛した天才が活躍。『耳袋秘帖』の著者が描く、ユーモア溢れる短編集。 美人画、春画、幽霊画、ご政道批判の風刺画まで。 黒船来航の時代に八面六臂の活躍を見せた天才絵師・歌川国芳。 個性派揃いの弟子たちと、八匹の猫に囲まれながら遭遇するのは、金魚偏愛者や贋国芳、葛飾北斎の娘や歌川広重も登場する怪事件ばかり。 謎と老いらくの恋が絡み合う――人気時代作家待望の短編集。 解説・金子信久
  • 唸る長刀
    -
    気は優しくて力持ち。15歳の大石進は、身長2メートル、体重120キロの大男。筑後柳川藩の剣術・槍術指南役の跡取りだが武芸試合で呆気なく敗北を喫し、勘当されてしまう。強くならなければ、武士ではいられない。もがく進の前に現れたのは、一人の少女……。剣豪・大石進が自分の型を極めるまでを描いた爽快・歴史エンタテインメント小説!
  • 当たらぬが八卦 占い同心 鬼堂民斎
    3.8
    易者にして隠密同心、双つの顔を持つ江戸の新ヒーロー登場! 市中を騒がす悪事も色恋も、筮竹(ぜいちく)と名推理で一刀両断! 「悩み解決します」の看板を掲げ、芝金杉橋を中心に座る易者・鬼堂民斎(きどう・みんさい)。二枚目なのに女房には逃げられ、同じ長屋に住む艶(あで)な元深川芸者・亀吉姐さんにも相手にされない34歳。だが、その正体は南町奉行所の隠密同心であった。二本差しを筮竹に持ち替え、市井を賑わす恋の悩みや悪巧みをバッサリ大解決!を目指すのだが……情味豊かなユーモア満載の人気シリーズ全5巻一挙電子化、鮮烈の第1弾!
  • 占い同心 鬼堂民斎【合冊版/全5巻】
    -
    易者にして隠密同心、双つの顔を持つ江戸の新ヒーロー! 市中を騒がす悪事も色恋も、筮竹(ぜいちく)と名推理で一刀両断!  「悩み解決します」の看板を掲げ、芝金杉橋を中心に座る易者・鬼堂民斎(きどう・みんさい)。 二枚目なのに女房には逃げられ、同じ長屋に住む艶(あで)な元深川芸者・亀吉姐さんにも相手にされない34歳。 だが、その正体は南町奉行所の隠密同心であった・・・! 情味豊かなユーモアと推理が冴える、人気シリーズ全5巻の合冊版!
  • 裏用心棒譚一 茜の茶碗
    3.0
    武士としての矜持と理不尽な主命への反骨。その狭間で揺れ動く男の闘いを描いた、痛快娯楽時代小説!。 当て身一発で追っ手を黙らす。小宮山一之臣は、盗賊からの信頼が篤い凄腕の見張り役だ。しかし彼は実は相馬中村藩士。城から盗まれた茜の茶碗を捜索するという密命を帯びていたのだ。将軍から下賜された品だけに露見すれば藩は取り潰される。小宮山は浪人になりすまし任務を遂行するが――。非情な武士の階級社会とは対照的に、小宮山一之臣を支える盗賊たちの信義。そして彼を慕う、美しい女掏摸お梗。その結束が最後に田沼主殿頭をさえ唸らせる。
  • 雲州下屋敷の幽霊
    4.3
    女の怖さ、儚さ、したたかさ、危うさ――。 江戸時代に起こった事件をモチーフに紡がれた珠玉の5篇。 単行本『奇説無惨絵条々』を文庫化にあたり改題。 「雲州下屋敷の幽霊」雲州松平家前当主・宗衍の侍女となったお幸は、 どんな酷い仕打ちを宗衍に受けても、恨む素振りを見せない。 業を煮やした宗衍が思いついたのは、彼女の背に刺青を入れさせることだった……。 「女の顔」南町奉行所の将右衛門は、 材木問屋の娘・お熊が夫に毒を盛った事件で下女のお菊を取り調べる。 彼女が頑なに口を割らない裏には恐るべき事実があった。 「夢の浮橋」見世物小屋一座の智は若い男に頼まれて、身の上話をはじめる。 貧乏漁師の家から吉原に売られた彼女は、 花魁の八橋姐さんに可愛がられていたが……。 ほかに「だらだら祭りの頃に」「落合宿の仇討」を収録。 解説・田口幹人(書店人) ※この電子書籍は2019年2月に文藝春秋より刊行された単行本『奇説無惨絵条々』を改題した文庫版を底本としています。
  • ええじゃないか
    4.2
    大政奉還前夜、史上最大の乱痴気騒ぎはなぜ起こったのか。やくざ者に老婆に童、新米御庭番と御用町人。三河国吉田宿に降った数枚の御札が、彼らの命運を、そして天下をも混沌の渦に陥れていく―― 作家生活10年目に切り拓く新境地。人智を超えた運命の交錯が、歴史を、物語を駆動する!
  • 絵ことば又兵衛
    4.3
    1巻1,800円 (税込)
    最近の学説では「浮世絵の祖」といわれ、また「奇想の絵師」のひとりとして江戸絵画で注目の絵師・岩佐又兵衛を正面から描く、力作長編。 母のお葉とともに暮らす又兵衛は、寺の下働きをしていたが、生来、吃音が激しく、ままならぬ日常を送っていた。そんなある日、寺の襖絵を描きに来た絵師・土佐光信と出会い、絵を描く喜びを知る。 その後、自分の出自を知らぬ又兵衛は何者かに追われ京に移るが、新たに狩野派で学ぶ機会を得て、兄弟子でもあり師ともいえる狩野内膳と出会い、更なる絵の研鑽を積む。しかしある日、何者かに母を殺される。 その後もなんとか絵の道で生きていた又兵衛だったが、じつは自分の父は荒木村重であること、母だと思っていたお葉はもともと乳母で、しかも彼女を殺した首謀者が村重だったことを知る。 母を想い、父を恨み、人と関わることも不得手な又兵衛にあるのは、絵だけだった――。
  • 江戸一新
    3.9
    難事業に立ち向かった叩き上げの天才―― 老中・松平信綱は何故「知恵伊豆」と称されたか? 明暦3年(1657)1月、江戸が燃え尽きた――。のちに言う「明暦の大火」である。日本史上最大、世界史的に見ても有数の焼失面積と死者数を出したこの大惨事に立ち上がった男がいた。代官の息子に生まれながら、先代将軍・家光の小姓から立身出世を遂げた老中・松平伊豆守信綱。その切れ者ぶりから「知恵伊豆」と呼ばれた信綱は、町奴の長兵衛を「斥候」として使いながら、「江戸一新」に乗り出した。現在の東京に繋がる大都市・大江戸への「建て替え」が始まったのだ。 読売新聞連載「知恵出づ 江戸再建の人」より改題。 目 次 第一章 大火発生 第二章 復興開始 第三章 米の値段 第四章 復興景気 第五章 抗 争 第六章 大移動 第七章 討ち入り 第八章 遷 都
  • 江戸城仰天 大奥同心・村雨広の純心 新装版
    5.0
    紀州、尾張、水戸の忍者が江戸城に集結!? 痛快時代エンタメ 御三家の野望に必殺の一撃! 江戸城が血の海に――!? 月光の剣vs.謎の能面忍者! 将軍・徳川家継の命を狙い、次期将軍の座を狙うのは紀州藩・徳川吉宗だけではなかった。尾張藩の徳川吉通、水戸藩の徳川綱條ら御三家が、手下の忍びを江戸城に潜入させ城内を大混乱に陥れる。大奥年寄・絵島の怪しい動きに加え、大奥同心たちに立ちはだかるのは紀州、水戸のくノ一や能面の忍者・無阿弥。村雨が命を懸ける最後の戦いが始まった!
  • 江戸の闇風 黒桔梗 裏草紙
    4.0
    美人常磐津師匠・お沙夜の裏稼業は、大泥棒。ある時お沙夜は借金に苦しむ兄妹を助けるが、直後にその兄が何者かに殺されてしまう。きな臭さを感じ、相棒の彦次郎らと真相を探るうちに、八千両という大金の怪しい動きに気づく。あわよくばと大金を狙うお沙夜一味を待ち受けていたのは、江戸を揺るがす大悪党だった――。手に汗握る痛快時代小説。
  • 江戸美人捕物帳 入舟長屋のおみわ
    3.4
    北森下町にある長屋の大家の娘・お美羽は容姿端麗でしっかり者だが、勝ち気すぎる性格もあって二十一歳で独り身。父親に代わり、店賃を取り立てて、住人の世話をしている。ある日、小間物屋の悪い噂を耳にした。白黒つけなければ気がすまないお美羽は、密かに恋心を寄せる浪人の山際と手を組み、真相を探っていくが……。痛快な時代ミステリー!
  • 遠謀 奏者番陰記録
    4.0
    書き下ろし時代小説の雄・上田秀人、文春文庫初登場! 由井正雪の乱の真相に迫る、スリリングな快作。 三代将軍、家光の治世下。水野備後守元綱は父が陪臣に降格されたものの、その処置に引け目を感じた家光に厚遇され奏者番となった。 そんな折、牢人となっていた林右近は水野家に召し抱えられ、足軽並みの低い身分だったがその働きぶりを上司に認められ、奏者番の重要な補佐役、下調べを行う留役に取り立てられる。 水野備後守は、奏者番として失態を犯すが松平伊豆守信綱に助けられ、以後、伊豆守に服従するようになった。 時代は移り、家光が死去。四代将軍家綱の治世となった折も折、由井正雪の乱が起こる。 備後守は、由井正雪の弟子でありながら、その謀叛の計画を密告したことで旗本に取り立てられた者たちの初お目見えの奏者番を担当することになった。ところがそのうちの一人、奥村八右衛門は謁見の場にも病気を理由に現れなかった。不審に思った備後守は、右近に奥村の身辺調査を命じる。だが、彼の仲間も兄弟も、久しく八右衛門の姿を見ていないという……。 由井正雪の遺書、そこに記されていた紀州大納言頼宣の名、そして姿を見せぬ奥村八右衛門。由井正雪の乱の裏には、“知恵伊豆”松平信綱の驚くべき遠謀があったのだった。
  • 閻魔裁き ㈠ 寺社奉行脇坂閻魔見参!
    完結
    3.0
    播州竜野藩の藩主、脇坂淡路守安董は、寛政三年に二十四の若さで、幕府の重鎮である寺社奉行に抜擢された。寺社奉行の権限は広く、しかも坊主や神職という海千山千の連中を相手にしなければならない。怪しい金色の出世不動像や、神社の境内に丑の刻になると、女が集団でいっせいに押しかけ、藁人形を打ちつけ去っていく丑の刻参りなど、問題は山積み。家臣の鶴田風二郎、亀山雷蔵の「風神雷神コンビ」を従え、「神も仏もおれが裁く!」と豪快に成敗する。待望の新シリーズ、ついに開幕!!
  • 初秋の剣 大江戸定年組
    5.0
    ※本書は、2011年に二見書房から配信された『初秋の剣 大江戸定年組1』に、書き下ろしの「夏木権之助の猫日記(一) 化け猫の妻」を加えた作品となります。 書き下ろし以外は同一の内容となりますので、購入時はご注意ください。 少年時代からの悪友3人組、元・同心の藤村・大身旗本の夏木、商人の仁左衛門は豊かな隠居生活のため、男だけの隠れ家を作ることにした。物件を探し始めた矢先、商人の女房の誘拐事件に巻き込まれて……。
  • 初秋の剣 大江戸定年組1
    3.7
    三人の男は職を退いた。町方同心の藤村慎三郎、三千五百石の旗本夏木忠継、町人の七福仁左衛門。旧友の三人はまだまだ気力体力ともに充分で、さてこれからどう生きるかと思案。三人の願いは、いい景色の中で暮らすこと。手頃な隠れ家〈初秋亭〉を根城に、江戸市中の厄介事解決に乗り出した。手前の女房がさらわれまして──初めての事件は、豪商からの突飛な話で始まった。 時代小説の実力派が挑む市井小説の傑作!
  • 大江戸墨亭さくら寄席
    3.0
    両国橋の袂で駆け出しの噺家小太郎は唖然とした。胸に響く声と話芸で聴衆を沸かせていたのは、幼馴染の代助だったのだ。三年ぶりの再会に、代助は妹のお淳が重い病で二十両必要だと漏らす。破天荒で人を屁とも思わぬ十六歳だが、妹にだけは滅法優しい。二人は診療代を稼ごうとするも四苦八苦、小太郎は師匠で江戸随一の噺家仙遊亭さん馬を担ぎ出そうとするが……。感涙必至の青春時代小説
  • 大江戸落語百景 たぬき芸者
    5.0
    江戸の北、月の名所道灌山にある小さな豆腐料理屋。主の茂作が店仕舞いをしようという時、二人連れの男が暖簾をくぐった。料理と酒に加えて芸者を呼んでくれと言われ、調子よく返事をしたはいいが、すでに月見の頃は過ぎ、芸者は皆出稼ぎ中。その時、外を小さな狸(たぬき)が横切った。芸者に化けてほしいと言うと、驚いたことに「あたいでよければ」と……。風野亭〈読む落語〉第三席!
  • 角を曲がれば謎がある 大奥様陽だまり事件帖
    -
    四百五十石の旗本・羽鳥弥左衛門利宣(はとりやざえもんとしのぶ)の母、嬉代(きよ)は六十三になる寡婦で、屋敷の離れに住んでいる。 良家の子女に書を教えたり、句会を催したりして過ごしているが、頭の回転が早く、人の機微にも通じ、洞察にも優れているので、様々な人がなにかと相談事を持ち込んで来る。 当主の弥左衛門は、人は好いが優柔不断で、日頃から嬉代に頭が上がらない。妻女の民江(たみえ)は、嬉代の大胆な行動に戸惑いがちだ。嫡男(孫)の俊之輔(しゅんのすけ)は、おとなしく、学問所に通っている。孫娘の那美(なみ)は、旗本の姫としては、活発で、早とちりもあるが聡明。嬉代と波長が合い、時に持ち込まれる相談事の解決の手伝いをしている。 嬉代主催の俳諧の集いに来ていた町名主、三左衛門(さんざえもん)が、大工の棟梁の耕吉(こうきち)が愛用の道具箱を盗まれ、困惑しているという話をする。耕吉は若くして棟梁になって、評判も良く、道具を大事に使っていた。道具箱がなくなっては、仕事にならない。 腕が良くて仕事が早い耕吉は、手間賃も比較的安いので、他の棟梁連中から妬み嫉みを受けることもあった。そういう連中の誰かの嫌がらせだと考えているらしい。だが盗まれたという証拠もない。役人は取り合ってくれない。興味を覚えた嬉代が乗り出したところ、意外な事実が明らかになった。子供たちの親を思う心と、職人気質の大工同士が引き起こした小さな事件が四方丸く収まって、めでたしめでたし。そして、また、新たな相談が嬉代のもとに……。江戸の町で起こる、小さな事件が老女の機転と洞察力で、丸くおさまり、今日も江戸は平和に暮れてゆく。
  • 大奥騒乱 伊賀者同心手控え 〈新装版〉
    3.5
    目に余る横暴、このままにはしておけぬ。田沼意次に反旗を翻した松平定信は、大奥を取り込むことで田沼失脚を画策。腹心のお庭番を差し向ける。危難を察した大奥も黙ってはいない。表使い大島が、御広敷伊賀者同心御厨一兵に反撃を命じた。幕府二大権力、そして大奥女中たちの主導権争いが激化。事態が混迷を極めるなか、忍びの誇りをかけた死闘が始まる! 疾走感あふれる痛快時代活劇。〈新装版〉
  • 大ぼら吹きの城
    4.5
    出世のために、信長の無理難題を乗り越えろ! 今川義元率いる軍勢が、三河から尾張へと侵攻せんとする頃。小者頭の藤吉郎は、清洲城で見かけた美しい娘に、身分も顧みず求婚していた。 浅野又右衛門の養女・於禰に、「儂は天下人になる男じゃ!」と吠えてみたものの、にべもなく振られる始末。 今川との戦いに際し、織田信長に同道するが、出世はなかなか見込めない。 だが、西美濃侵攻に際し、信長から木曽川の川筋衆の主・蜂須賀小六の調略を命じられる。 川筋衆を味方につければ、犬山城攻略は圧倒的有利に運ぶ。 千載一遇の機会を得た藤吉郎は、小六の許へ乗り込むが、信長を嫌う小六は一筋縄ではいかなかった──。
  • 奥様姫様捕物綴り : 1 甘いものには棘がある
    3.0
    1~3巻770~792円 (税込)
    美濃御丈藩藩主の正室・彩智は美貌のうえ、剣の腕も天下一品。おまけに好奇心も人一倍旺盛で、娘の佳奈を巻き込んで、いろんなことに首を突っ込むのが得意だ。そんな折、御丈藩出入りの菓子舗・満月堂の羊羹を食べて体調が悪くなる者が続出する。懇意にしている常陸谷原藩の側室・初音までも、満月堂の菓子を食べて具合が悪くなったと聞いた彩智は、佳奈とともに持ち前の好奇心で事件の真相を調べ始める。奥方様と姫様が手を組んで難事件を解決していく痛快時代小説新シリーズ開幕!
  • 「おくのほそ道」殺人事件 歴史探偵・月村弘平の事件簿
    3.0
    実は芭蕉は○○だった――歴史の謎を暴く事件発生!? 東京の下町・深川で身元不明の死体があいついで見つかった。体内からは毒物を発見、殺人と断定され、警視庁捜査一課の女性刑事・上田夕湖が捜査に当たる。夕湖の恋人で、「おくのほそ道」の俳聖・松尾芭蕉の取材をしていた歴史研究家の月村弘平は、事件の裏に芭蕉が関係していると推理するが……時代小説の鬼才が放つ本格派トラベル・ミステリー! 【目次】第一章 芭蕉庵から始まる/第二章 深川の芭蕉史料館/第三章 怪しい館長/第四章 しのぶ文知摺の里の殺人/第五章 バスツアー出発/第六章 四十年前の平泉/第七章 さかのぼる謎
  • 密封 奥右筆秘帳(一)
    3.6
    立花併右衛門は江戸城の書類決裁に関わる奥右筆組頭。権勢を誇った田沼意次の孫意明の死亡届を見て、12年前の田沼意知刃傷事件に疑念をはさむ。その帰路、何者かの襲撃を受け、隣家の次男柊衛悟を護衛につけるも、2人はすでに幕政の闇の渦中にあった。読み応え抜群、気鋭の新シリーズ開幕。2009年この書き下ろし時代小説がすごい! 第1位。(講談社文庫)
  • おさがしの本は
    3.7
    1巻660円 (税込)
    和久山隆彦の職場は図書館のレファレンス・カウンター。利用者の依頼で本を探し出すのが仕事だ。だが、行政や利用者への不満から、無力感に苛まれる日々を送っていた。ある日、財政難による図書館廃止が噂され、和久山の心に仕事への情熱が再びわき上がってくる……。様々な本を探索するうちに、その豊かな世界に改めて気づいた青年が再生していく連作短編集。
  • 鬼神
    4.0
    平安最強のエリート部隊VS人非ざる者たち。 今、最も熱い歴史小説! 大力の青年・坂田公時は武士になるため都へ上る。初めて知る身分の境に戸惑う彼は、ある日「鬼」の噂を耳にする。一方、神の棲まう山・大江山では食糧たる獣たちが姿を消す。頭目の朱天は仲間たちのため、盗みを働く決断を下す。人と、「鬼」と呼ばれる者たち。二つの魂が交錯する時、歴史を揺るがす戦が巻き起こる!
  • 御広敷用人 大奥記録 1
    -
    梅沢富美男さん絶賛の「水城聡四郎」シリーズ、完全劇画化。八代将軍・徳川吉宗は、贅沢三昧を繰り返す大奥の粛清に取り掛かり、勘定吟味役として利用していた水城聡四郎を御広敷用人に抜擢。しかし、吉宗の密命を実行せんと突き進む聡四郎の前に、巨悪が立ち塞がる。聡四郎の剣は、闇を切り拓けるか!? 1~10話収録。
  • 女の陥穽~御広敷用人 大奥記録(一)~
    4.0
    八代将軍となった徳川吉宗は幕政改革に乗り出した。手はじめは贅沢三昧をしてきた大奥の粛清。そのため以前、勘定吟味役として利用していた水城聡四郎を御広敷用人として登用した。吉宗の密命を実行せんと調べ始めた聡四郎の前に「影」が立ち塞がる。一放流の達人、聡四郎は密命を成し遂げられるのか。待望の「水城聡四郎」新シリーズが壮大なドラマとともに登場。
  • 御広敷用人 大奥記録【分冊版】1
    -
    1~12巻88円 (税込)
    八代将軍となった徳川吉宗は、幕政改革の手始めに、贅沢三昧を繰り返す大奥の粛清に取り掛かる。そのため吉宗は、以前に勘定吟味役として利用していた水城聡四郎を御広敷用人に抜擢。しかし、吉宗の密命を実行せんと突き進む聡四郎の前に、またしても巨悪が立ち塞がる。聡四郎の一放流は、闇を切り拓けるか…!? 第1話。
  • お髷番承り候一 潜謀の影
    3.8
    将軍の身体に刃物を当てることが唯一許されるだけに、かえって絆が深くなるお髷番(まげばん)。四代家綱は、秘命を託すのに最適なこの役に、かつてお花畑番として寵愛した深室賢治郎を抜擢した。謹慎が解け、帰藩する紀州大納言徳川頼宣の、「我らも源氏でございます」という言葉の真意を探らんがためだった。務めを遂げんとする賢治郎の前に、将軍位略奪を巡る徳川家重鎮らの姦計が立ちはだかる!
  • 表御番医師診療禄1 切開
    3.6
    表御番医師として江戸城下で診療を務める矢切良衛。ある日、大老堀田筑前守正俊が若年寄に殺傷される事件が起こり、不審を抱いた良衛は、大目付の松平対馬守と共に解決に乗り出すが……。

最近チェックした作品からのおすすめ