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Posted by ブクログ
重たい人生訓もありながら、さわやかな読後感。砂原作品は、今日のような雨の日の読書があう。ミステリーでありながら、やさしく端正な文章が慈雨のように心に沁み入る。「猫の子なら年寄りにもなろうって年月だよ」「欅は木によって紅葉の色が異なるが…」そうなんだよなー、だから欅の紅葉が一番好き。「来る日も来る日も貧しい病人を診るだけで生を終えるのだと…。診ても診ても終わらない、病も貧しさも」「せめてもう少し、この手に何か掴んでも罰は当たるまいと…、」「捕まえても捕まえても終わらない、悪も咎も…たしかに、時おり気が遠くなり申す」「だからといって、不正をはたらいてよいということにはならない」「先生は世の闇に呑まれてしまったのだな」「ひとの世では、あらゆることが起こり得る。あり得ぬことなどないのだ」裁きもスッキリ。登場人物もキャラ立ちし、新しいシリーズ化かな。
Posted by ブクログ
父の急逝により「小石川養生所」の見廻り同心を継いだ主人公が、患者、看病中間、医師、同僚にまつわる謎を解いていく連作短編形式の作品。
登場人物の造形は悪くない。特にクセ者・水分のレイアウトは面白い。時折見せる風景描写も良い。派手なエンタメ時代物では無く(剣劇シーンも一カ所だけ)、全体を通してしっとりとした情緒が感じられる。
ただ、私の好みからすればミステリーっぽ過ぎる。様々な謎を最後にパタパタ回収していく。全体がそのための物語構成。そこに注力するよりも、もうちょっと人物像は磨いて行けば、もっと良い作品になった気もします。
このエンディングからすれば、これも新しいシリーズかな?「藩邸差配役日日控シリーズ」やシリーズとは言えないけれど「神山藩」ものもあって、ちょっと大変そうですね。
Posted by ブクログ
直前に小石川御薬園を舞台にした小説を読んでいた縁で手に取りました。
初めて読む作家さんです。
期待以上に良かったです!
少しずつ真相を探っていく短編連作。
主人公と同じく疑惑を深めながら読み進めました。
ラストは、黒幕の想いが若干拍子抜け感はありましたが、読後感は良かったです。
同僚や上司、看病中間など、主要な登場人物が魅力的でした。出番はあまりなかったけれど、北町の同心・水分様がお気に入り。
長三郎がほのかに想いを寄せるおそのちゃんとの仲も気になります。
なんとなく続きがあってもおかしくない終わり方でした。
まだまだ長三郎の成長を見届けたいので、シリーズ化を希望します。
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小説・文芸
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