あらすじ
父の急逝により、跡を継ぎ「小石川養生所」の見廻り同心として初出仕した結城長三郎。病を患った貧しい人々を収容する養成所は、与力、同心、医師、看病中間などが支えている。薬の匂いや病人の様子に戸惑う長三郎に、早々、謎めいた紙片で接触がある。生前、何も手ほどきを受けてこなかったが、どうやら亡き父は内部に手下を忍ばせていたらしい。職務怠慢や不正といった悪い噂の絶えない所内で、父は何を探っていたのか……。
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急逝した父親の職を継いだ養生所見廻り同心の結城長三郎が、新米同心として諸々の事件に悩み懊悩し、父親の影を追うように事件に向き合う物語。
何でもお見通しではなく、迷いや不安など抱えながら長三郎が成長していく様が良い。
派手な物語ではないが、相変わらずじっくり人間を描いた読んで安心する小説だった。
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直前に小石川御薬園を舞台にした小説を読んでいた縁で手に取りました。
初めて読む作家さんです。
期待以上に良かったです!
少しずつ真相を探っていく短編連作。
主人公と同じく疑惑を深めながら読み進めました。
ラストは、黒幕の想いが若干拍子抜け感はありましたが、読後感は良かったです。
同僚や上司、看病中間など、主要な登場人物が魅力的でした。出番はあまりなかったけれど、北町の同心・水分様がお気に入り。
長三郎がほのかに想いを寄せるおそのちゃんとの仲も気になります。
なんとなく続きがあってもおかしくない終わり方でした。
まだまだ長三郎の成長を見届けたいので、シリーズ化を希望します。
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重たい人生訓もありながら、さわやかな読後感。砂原作品は、今日のような雨の日の読書があう。ミステリーでありながら、やさしく端正な文章が慈雨のように心に沁み入る。「猫の子なら年寄りにもなろうって年月だよ」「欅は木によって紅葉の色が異なるが…」そうなんだよなー、だから欅の紅葉が一番好き。「来る日も来る日も貧しい病人を診るだけで生を終えるのだと…。診ても診ても終わらない、病も貧しさも」「せめてもう少し、この手に何か掴んでも罰は当たるまいと…、」「捕まえても捕まえても終わらない、悪も咎も…たしかに、時おり気が遠くなり申す」「だからといって、不正をはたらいてよいということにはならない」「先生は世の闇に呑まれてしまったのだな」「ひとの世では、あらゆることが起こり得る。あり得ぬことなどないのだ」裁きもスッキリ。登場人物もキャラ立ちし、新しいシリーズ化かな。
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父の急逝により「小石川養生所」の見廻り同心を継いだ主人公が、患者、看病中間、医師、同僚にまつわる謎を解いていく連作短編形式の作品。
登場人物の造形は悪くない。特にクセ者・水分のレイアウトは面白い。時折見せる風景描写も良い。派手なエンタメ時代物では無く(剣劇シーンも一カ所だけ)、全体を通してしっとりとした情緒が感じられる。
ただ、私の好みからすればミステリーっぽ過ぎる。様々な謎を最後にパタパタ回収していく。全体がそのための物語構成。そこに注力するよりも、もうちょっと人物像は磨いて行けば、もっと良い作品になった気もします。
このエンディングからすれば、これも新しいシリーズかな?「藩邸差配役日日控シリーズ」やシリーズとは言えないけれど「神山藩」ものもあって、ちょっと大変そうですね。
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またまた続編が楽しみな新シリーズ登場。養生所と役人の取り合わせが面白い。水分さん!いいキャラだなー。他にも魅力的な登場人物がたくさん。映像化しても面白そう。
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新たなシリーズ?大岡越前など昭和な時代劇を観ていた世代には身近な小石川養生所を舞台に、細々した出来事から、不穏が積み重なり、それを心根健やかな若手同心=主人公が悩みながらも大きな謎に迫っていく。安定の砂原節が楽しめるので、少し疲れた時やモヤモヤした時に読むと、なんだかスッキリします。
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今までの作品と少し趣が変わり、父の急逝により、若くして小石川養生所見廻り同心となった、結城長三郎事件簿といったところ。赤ひげ診療譚のような人道的見地とはまた別の、小石川養生所もまた人間の光と闇が巣くう社会の一端であることが描かれている。いつもの砂原節は健在だが、「眼の壁」以外は物語が陳腐とまでは言わないが薄いくて中途半端な印象。同心仲間との<さのへ>での会話や、水分丹次郎とのやりとりは面白かった。いつの時代にもSは必要なんだと実感。
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【収録作品】
咳(シワブキ)の咎
眼(マナコ)の壁
五臓の影
亡者の縛
疑惑の檻
無間の傷
闇の果て
小石川養生所が舞台。
同心の父が思いがけず早く亡くなり、覚悟も中途半端なまま跡を継いだ青年・結城長三郎の成長記。
経験がないなりに思慮深い長三郎の姿は好もしい。
長三郎の父親が潜ませたかもしれない密偵は誰なのかという謎が物語を牽引する。上司を疑う葛藤も素直で、その成長する姿を見てみたくなる。シリーズ化するかな。