無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
明治の東京を舞台に、霊が見える大学生の啓吾と、怪異を見たいけれど見えないお坊ちゃまの正周コンビが出遭う様々な事件を描く。
上野戦争で亡くなった役人が、今わの際に助けた少女と妻を探して欲しいと啓吾に頼む
祈る猫に宿ったのは、行方知れずとなった息子を探す花魁の霊
十二階に展示された貴族の娘の写真が笑うという。その写真には別の貴族の娘が囚われていて…。
啓吾が正周を出会うきっかけとなった、敬語にしか見えない糸
十年ぶりに見つかった貴族の娘は何か様子が変で…。
啓吾が霊や怪異を見て、そこから正周と共に調査をして事件を紐解くという構図。
少々上手く行きすぎな感はあるが、啓吾が新聞社でアルバイトをしているというのも調査の手助けとなっているし、啓吾の叔父が僧侶で正周の実家である連翹寺家と縁があるというのも様々な縁に繋がっているのでやりすぎ感じはない。
何より正周が気持ちの良いお坊ちゃまで、わがままというよりは天真爛漫な感じなので、霊は見えないけれど何か護られている感じがある…と思っていたら、正にその通りだった。
見えないけれど、勘が良く素直な正周にはいろいろ感じるものがあるようで、そこも事件の謎解きや決着に上手く絡んでいる。
全編通じて、禿の皐月、または凛の半生が見えてくる。正周とは違うタイプだが、彼女もまた護られている人だった。なのにその人生は正周とはまるで違う。
母の教えにより霊が見えることを隠してきた啓吾が、正周と出会ったことによって正周には隠さずにいられるようになり、正周もまた、ただの恵まれた人生だけではなかったことが分かった。
生まれも育ちも違う二人の関係性が良かった。よくある、お坊ちゃまに振り回される庶民という構図とも違っていて読んでいて心地よかった。
峯斎先生ともども、その後再会があるのかが気になる。
この終わり方は続編があるのかどうか。
Posted by ブクログ
霊が視える帝大生の啓吾と視えない心霊研究者の正周が
織りなす、明治後期の帝都怪異譚の連作集。
第一話 ロマン髑髏・・霊に憑かれ、掘り出してしまった髑髏。
その侍の霊の頼み事は妻と助けた女の子の行方を探すこと。
第二話 祈り猫・・・元・花魁の霊が憑いた祈り猫の頼み。
火事場から去った息子と共に逃げた少女の行方は如何に。
第三話 笑う写真・・・浅草・凌雲閣の写真展で写真が笑う?
そしてある令嬢が倒れる。撮影したのはあの少女なのか?
第四話 桐箱の糸・・・5年前の啓吾と正周の出会いの話。
桐箱の金色の糸が繋ぐ縁。視える者と祓える者の因縁。
第五話 生きていた令嬢・・・7歳で行方知らずとなった令嬢が
突然現れた。まさか、あの少女?やりきれない悲劇。
終 めぐる糸・・・事件の後日の啓吾と正周の会話。
「何となく、あの人とはまた会う気がします」
縁の糸は、めぐる。
江戸は遠くなりにけりな感のある明治時代後期ではあるが、
かつての時代の残滓が所々で見受けられる。
更に、文明開化以後の東京の姿。新しい身分に貧富の差、
廃仏毀釈後の影響、新聞社や写真館、そして学制。
帝大生の二人。霊が視える啓吾と視えない子爵家の正周。
巻き込まれる怪異譚にはミステリーとファンタジー、
そして人情物が混在している。
序盤からの数話は、あっけないほど分かり易い内容だったが、
実はフラグが隠されている。終盤に至る展開でそれらが
露わになり、なんかウザいボンボンの正周の良い人ぶりが
出てきて祓う能力まで示される妙。
また、新聞社の上条、寿照尼と占部峯斎などの個性的な
人物たちが登場し、物語を引き締め、複雑な様相が発現する。
要所に登場する皐月。彼女の正体がわからぬままの終焉は
消化不良なので、続編が出ることを期待します。
めぐる糸の縁が彼女にも繋がっていますように。
Posted by ブクログ
明治時代。帝大生の啓吾には霊が視えた。周りの目を気にして視えないふりをしていた彼だったが、子爵家の次男坊である正周と出会ったことで変わる。正周は霊を視ることはできないものの怪異に興味を持ち、そして悪しきものを祓う力を持っていた。二人の青年が数々の怪異に出会い、その謎を解きほぐしていく優しい読み心地の作品です。
連作短編集で、それぞれの物語は緩やかに繋がっていく展開です。人々の間に張り巡らされた糸のような「縁」もまた物語の中核。何かの導きのようにして出会ってしまった啓吾と正周。好奇心と行動力が旺盛な正周をやや疎みつつも、友人でいることに安らぎを覚えている啓吾の様子にほっとします。このコンビ、良いよなあ。
怪異を巡る謎も、恐ろしいようでありながらも穏やか。「生きていた令嬢」が一番はらはらさせられますが、恐ろしいのは怪異の方じゃないよね。そしてあの人の行方がとても気になるのだけれど。続編に期待かな。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
小説・文芸
試し読み
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸