秘仏の扉

秘仏の扉

1,700円 (税込)

8pt

直木賞作家が描く、明治開国の仏を巡る群像

200年の間、固く閉ざされていた扉。
それはフェノロサと岡倉天心の手によって開かれた――

飛鳥時代に聖徳太子の姿を模して造られたと言われる、
法隆寺夢殿・救世観音像。
その厨子は鎌倉時代以降、固く閉ざされ、
扉を開けば直ちに仏罰が下ると信じられていた。

「金のために秘仏を見せるというのか」
「支援がなければ、法隆寺はもう保てません」

国内では廃仏毀釈の嵐が吹き荒れ、
しかし、欧米では東洋美術が評価され始めている。
近代化と伝統の狭間で揺れる明治時代に、
秘仏開帳に関わったものたち、それぞれの思いとは。
直木賞作家が描き出す歴史群像劇の傑作。

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秘仏の扉 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    法隆寺夢殿の秘仏・救世観音像。
    千年以上前に作られ、長らく人目に晒されることが
    無かった秘仏の扉が開かれる。時は明治時代。
    それに関わった者たちの人生を描く群像劇の短編連作。
    光の在処・・・小川一眞 矜持の行方・・・九鬼隆一
    空の祈り・・・千早定朝
    楽土への道・・・アーネスト・フェノロサ
    混沌の逃避

    0
    2025年07月04日

    Posted by ブクログ

    「木挽町のあだ討ち」でびっくりしてしまってファンになった作家。数冊読んだがこれはまた面白い。
    奈良の法隆寺夢殿の救世観音像の開帳をめぐる群像劇。読み進めながら主人公は誰か? という思いを何度ももった。フェノロサ、岡倉天心、その他の人たち、そうか固く閉ざされた扉の内にいる観音さまか。
    とにかく群像劇と

    0
    2025年05月07日

    Posted by ブクログ

    久しぶりに小説を読んだ。
    法隆寺夢殿の秘仏である救世観音像に関わった人たちの連作短編集。

    救世観音像の写真を撮り、よく目にする漱石の写真も撮った小川一眞は、尊き何かの持つ残酷さと畏れを救世観音像をみて感じる。
    福沢諭吉と袂をわかった九鬼隆一は、己の矜持を貫くためにもがく。
    近代法隆寺の祖、千早定朝

    0
    2025年04月21日

    Posted by ブクログ

    明治初期。文明開化で欧米化が進み、それまでの日本の伝統などが古臭いと一蹴された時代。折しも国策の勢いで廃仏毀釈が進み、仏像や仏教絵画だけでなく、寺院そのものまで乱雑な扱いを受ける。そんな中、様々な思惑の中で、鎌倉時代以来秘仏とされてきた法隆寺の救世観音像の開陳と撮影が進められる。御雇外国人であるフェ

    0
    2025年04月19日

    Posted by ブクログ

    あまりに面白くて一気読み。
    各主人公の矜持が心に響きました。

    一番読後感が明るく爽やかだったのは、「光の在処」で、一番印象に残ったのは「楽土への道」です。

    廃仏毀釈により、困窮を極めた法隆寺が今では世界遺産。まだ行ったことがないので、ぜひ訪れてみたい場所です。

    0
    2025年03月14日

    Posted by ブクログ

    法隆寺夢殿・救世観音像の開帳に携わった人物たちの生い立ちとその後の人生に与えた影響を人物にスポットをあてて描く。救世観音像のアルカイックスマイルの裏側に隠された深淵を解釈していくストーリは、人生を振り返ることに繋がっていく。
    著者は直木賞受賞後に、また一皮向けた印象で、ストーリテリングの上手さが際立

    0
    2025年02月03日

    Posted by ブクログ

    奈良の法隆寺の夢殿に安置されている秘仏で千年も非公開の救世観音菩薩に関わる数多の人物に関する物語りはダイナミックであり多くの感動を与えてくれた。鎖国から開国した日本からは多くの美術品や仏像が海外に、それをどうするか?救世観音像に関わった人々の人生の物語り一気読みだった!著者の素晴らしい文章力に感謝で

    0
    2025年01月30日

    Posted by ブクログ

    法隆寺が好きなので手に取った。
    フェノロサや岡倉天心、維新による美術品の流出に興味もあったので、それぞれの視点で描かれた内容がとても興味深かった。歴史上の人物も、時代を生きたい生身の人間なんだと感じた。
    古都奈良の古寺、仏像をいま私たちが訪れて見ることができることに感謝。
    それとは逆に、定朝のような

    0
    2025年01月26日

    Posted by ブクログ

    昨秋、救世観音の特別公開を観た。
    表紙裏に記載の文言がすべてを現してるように思えた。
    「まさに国の宝・・・東洋の、世界の宝です」
    「・・・もっと、違うものを想像していた」
    「これは、・・・・恐ろしいものだ。開かぬ方が良かった」
    「早く扉を閉め、夢殿を出たい」
    それにつけても、才能ある方はとんでもない

    0
    2025年01月26日

    Posted by ブクログ

    秘仏と言われた奈良の法隆寺の夢殿救世観音像の厨子が開かれたのは、明治時代。その場に立ち会ったのは、写真家の小川一眞、宮内庁図書頭(ずしょのかみ)であり、臨時全国宝物取調局委員長の九鬼隆一、法隆寺の住職の千早定朝、取調局委員のアーネスト・フェノロサと友人の外国人資産家ビゲロー、宝物調査の責任者の一人の

    0
    2025年09月26日

秘仏の扉 の詳細情報

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