きらん風月

きらん風月

1,881円 (税込)

9pt

筆という卵が生み出すのは、武者か美女か、それとも鬼か。東海一の文化人と、松平定信の交流が心を揺さぶる。──直木賞受賞第一作!

かつては寛政の改革を老中として推し進めた松平定信は、60を過ぎて地元・白河藩主の座からも引退した。いまは「風月翁」とも「楽翁」とも名乗って旅の途次にある。その定信が東海道は日坂宿の煙草屋で出会ったのが栗杖亭鬼卵。東海道の名士や文化人を伝える『東海道人物志』や尼子十勇士の物語『勇婦全伝絵本更科草子』を著した文化人だ。片や規律正しい社会をめざした定信に対し、鬼卵は大坂と江戸の橋渡し役となる自由人であり続けようとした。鬼卵が店先で始めた昔語りは、やがて定信の半生をも照らし出し、大きな決意を促すのだった……。

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  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    講談社
  • ページ数
    256ページ
  • 電子版発売日
    2024年01月23日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    4MB

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きらん風月 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    ええか、世の中の大半の揉め事はな、振り上げた拳の下ろしどころを見失うことで起きる。せやけどお前の言う通り、黙っていればええというわけやない。言わなあかんこともある。
    窮屈な世の中で物を言うには、身を守ることを忘れたらあかん。言って、殺されたんでは元も子もないからな。その為には、相手に拳を振り上げさせ

    0
    2024年06月15日

    Posted by ブクログ

    とても面白かった。
    舞台は江戸時代なんだけど
    ジャーナリズムのあり方、
    クリエイターの生き方、
    ジェンダー、
    老いへの向き合い方など
    今に通じるテーマが
    自然に盛り込まれていました。
    登場人物も皆、魅力的。

    0
    2024年05月27日

    Posted by ブクログ

    江戸時代の上方の文化人、栗杖亭鬼卵の半生を描いた物語。
    様々な人との出会い、愛する妻との死別、天明の大飢饉を経て、彼が本当に表現したかったものが明らかになる。
    それを隠居後の松平定信に語るという舞台設定が、より鬼卵の訴えたいことが伝わってくる。
    永井さんの人物の描き方が本当に好きなんだよなー。
    鬼卵

    0
    2024年03月20日

    Posted by ブクログ

    直木賞受賞後の第1作。「木挽町のあだ討ち」が大傑作だったので期待して拝読。前作を超える傑作とまでは言わないが、時代小説を牽引する作家の一人になった印象をもった。恥ずかしながら栗杖亭鬼卵は知らなかったが、禁欲政治を断行した松平定信との老いてからの邂逅談という設定も面白く、歴史好きにはたまらなく興味深い

    0
    2024年03月18日

    Posted by ブクログ

    大飢饉続発による財政逼迫、田村意次政策による庶民の幕政不信。それらの政治課題に対して老中として真っ直ぐに取り組んだ一方で、圧政が過ぎるとの誹りを受けた松平定信が、政務を退いてのちに戯作者栗杖亭鬼卵と交わる。己の施した政への市井の評価は如何なるやと気になる定信に、自らの生い立ちを語りつつ臆することなく

    0
    2024年10月02日

    Posted by ブクログ

    風流人と朴念仁のスリリングな会話、楽しい。「暇にあかせてようけ本を読んで、物を書いて、頭でっかちになっている世のはみ出し者」文人墨客。社会にゆとりなくなっている現代ても棲息出来てるかな。「耐え忍んだかて禄は増えない。とは言え、ただ怠けるのも、それはそれでしんどい。せやから楽しいことをせい。それはいず

    0
    2024年06月13日

    Posted by ブクログ

    「白河の清きに魚も棲みかねて もとの濁りの田沼恋しき」で有名な松平定信は隠居し、今はお忍びの旅の途中。家臣に案内されて、日坂宿で煙草屋営む浮世絵師であり戯作者でもある栗杖亭鬼卵(りつじょうていきらん)を身分を隠したまま訪れる。規律正しい社会を目指した定信の問いに、鬼卵は自由人として生きて来た来し方を

    0
    2024年06月07日

    Posted by ブクログ

    寛政の改革の松平定信と栗杖亭鬼卵。
    この時代の生きる苦しさを描きつつも読後感は良かったです。
    「世は意のままにならぬもの。…さすればこそ、時に風月を愛で、詩文や物語を読んで思いを馳せて楽しみ、日々の憂さを晴らすのです。そして明日を生きる力にする。」
    ほんとにその通りです。

    0
    2024年05月28日

    Posted by ブクログ

    若い頃に経験した武士に対する理不尽な思いをずっと抱えて、何者にもなることができない焦りも抱えながらも、多くの心優しき人や愛する者との関わりで、悲しみや挫折を乗り越えてきたのだな、最後は何者かになれたのだなと思いました。

    0
    2024年05月12日

    Posted by ブクログ

    高校の時、私は日本史の歴史の授業ではいつも睡魔に襲われていた。その結果、歴史上の人物が時代ごとに区分できていない。
    主人公の鬼卵は転居を繰り返しながら、様々な文化人と出会い記録を残していく。
    日本史を熟睡で過ごしていたので、松平定信と上田秋成が同じ物語の中に登場するのに驚いた。
    本を読むことは、知識

    0
    2024年04月19日

きらん風月 の詳細情報

  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    講談社
  • ページ数
    256ページ
  • 電子版発売日
    2024年01月23日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    4MB

閲覧環境

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