検索結果

  • ごりょうの森
    -
    高木幸次郎は50歳。京都で飲食店を経営している。行きつけの小料理屋で女将から紹介された女性が、死んだはずの女とうり二つで思わず息を呑んだ。白いエプロンをつけた彼女は、肩まである髪の毛と、見ただけでわかる滑らかな肌を持っていた。あの人……美也は自分よりも10歳年上。しかし、目の前にいる彼女は30代に見える。生きていたとしてもこんなに若いわけがない。名前は佐藤琴子。彼女はかつて愛した人の娘だった。彼女の母・美也は高木の父の愛人。高木は2人の関係を母親に告げ口し、全てをぶち壊しにしたのだ。その後、美也は亡くなっていた。狂おしいほどに求めた女性の生き写しと出会い、気持ちが抑えられなくなった高木は、妻子がいるにもかかわらず、琴子に溺れていき……。

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  • さいはての家
    3.7
    家族を捨てて逃げてきた不倫カップル(はねつき)。逃亡中のヒットマンと、事情を知らない元同級生(ゆすらうめ)。新興宗教の元教祖だった老齢の婦人(ひかり)。親の決めた結婚から逃げてきた女とその妹(ままごと)。子育てに戸惑い、仕事を言い訳に家から逃げた男(かざあな)――「家」はいつもそこにあり、なにも言わず受け入れてくれる。安息を手に入れたはずの住人たちはやがて、奥底に沈む自身の心の澱を覗き込むことになる。傷ついた人々が、再び自分の足で歩きだすまでを「家」とともに描く連作短編集。
  • 朔が満ちる
    4.3
    1巻850円 (税込)
    サバイブ、したのか? 俺ら。家族という〈戦場〉から。史也の中で鮮烈に残る映像は、父を殺そうと振り上げた斧だ──。痛みを伴う読書体験の先に、かけがえのない希望を見せてくれる、直木賞作家の真骨頂!《解説・早見和真》
  • 桜の首飾り
    3.9
    烈しくも切ない、桜と人生をめぐる7つの物語。あたたかい桜、冷たく微笑む桜、烈しく乱れ散る桜……桜の季節に、人と人の心が繋がる一瞬を鮮やかに切り取った、感動の短編集。ステージママを嫌う子役の女の子(「初花」)、謎多き愛人をめぐる二人の男(「花荒れ」)、見知らぬ女性から「青い桜の刺青の標本を探して」と頼まれる大学資料館のアルバイト(「背中」)……現代に生きる男女の幻想、羨望、嫉妬、自己回復、そして成長を、気鋭の作家が描き出す。
  • 桜の下で待っている
    3.5
    面倒だけれど愛おしい―― 「ふるさと」をめぐる感動の物語。郡山、仙台、花巻……桜前線が日本列島を北上する4月、新幹線で北へ向かう男女5人それぞれの行く先で待つものは――。実家との確執、地元への愛着、生をつなぐこと、喪うこと……複雑にからまり揺れる想いと、ふるさとでの出会いをあざやかな筆致で描く。注目の気鋭作家が丁寧に紡いだ、心のひだの奥底まで沁みこんでくる「はじまり」の物語。解説/瀧井朝世
  • さよなら、ニルヴァーナ
    3.6
    1巻815円 (税込)
    あの子は、どこから戻れなくなったんだろう── 小説家志望の女と、少年犯罪の加害者・元少年Aとの運命の出会い 東京で働きながら小説家を目指していた今日子は、震災が起こった翌年に夢を諦め、母のすすめで実家に戻る。 妹とその夫、娘との二世帯住宅の生活に倦み疲れながらも、小説を諦めきれない。 そんな中、過去に凶悪犯罪を起こした少年Aが地元にいるという噂を耳にする。 そしてパソコンなどを検索して知った少年Aの姿に急速に惹かれていく。 一方、神戸生まれで、東京に住む十七歳の莢(さや)も、少年Aを崇拝し、「聖地巡礼」と称して事件現場などを訪れていた。 また少年Aに当時七歳の娘を殺された母親は、息子、夫とともに同じ場所にとどまり、一見平穏そうに見える暮らしを送っていたが、教会の人間から、Aのファンの話を聞かされる。 少年犯罪の加害者、被害者遺族、加害者を崇拝した少女、その運命の環の外にたつ女性作家……それぞれの人生が交錯したとき、彼らは何を思い、何を見つけるのか。 著者渾身の長編小説! 作家が書くことに固執するのは、「人間の中身を見たい」からなのだ。これは、小説ノンフィクションのジャンルにかかわらず、作家が持つ病理なのだ。その意味で、私もAの同志なのである──佐藤優氏・解説より
  • さんかく
    3.8
    1巻1,650円 (税込)
    「おいしいね」を分け合える,そんな人に、出会ってしまった。古い京町家で暮らす夕香と同居することになった正和。理由は“食の趣味”が合うから。ただそれだけ。なのに、恋人の華には言えなくて……。 三角関係未満の揺れ動く女、男、女の物語。恋はもういらないと言うデザイナーの夕香。夕香の“まかないが”が忘れられない営業職の正和。食事より彼氏より、研究一筋の日々を送る華。一人で立っているはずだった。二人になると、寂しさに気づいてしまう。三人が過ごした季節の先に待つものとはー。
  • しつこく わるい食べもの
    4.1
    闇カツ、パフェのエロさ、台所の妖怪、緊急事態宣言下のお取り寄せ…。ハンニバル・レクター博士に憧れ、炊飯器を擁護し、要らぬ助言に噛みつき、よく腹を下す。そんな偏屈でめんどくさい食いしん坊作家の自由な日常は、否応なくコロナ禍に侵食されていく。それでも――。あなたとわたしの欲望を肯定する、ひねくれものの力強い応援歌。「小説のイメージと違った」「美食家だと思っていたのに」などなど驚愕と共感の声がどしどし寄せられた食エッセイ! 人気イラストレーター・北澤平祐氏の挿画も多数収録!! ※イラストはモノクロです
  • 失恋ツアーコンダクターの絶頂トラベル
    -
    海の見える豪奢な部屋に通されて最初に用意されていたのは、「ホルモン活性化」のマッサージ。アロマオイルが秘所まで滴り、男の指に甘いツボを捉えられると恥蜜が溢れ出し―「失恋 旅行」とキーワード検索をしていた菜々は「新しい恋を見つける旅」というサイトをある日見つけた。彼に別れを告げられ二ヶ月、思わず「参加」をクリックした―そして、夜。パーティではイケメン・ツアコンで彼女担当の岩崎と、男達が凝視する舞台で…。

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  • シニカケ日記
    3.9
    更年期だと思って不調をほったらかしてたら死にかけた! 今のあなたは元気なのではなく、ただ、今は死んでないだけかもしれない。 「シモの毛は剃っておいたほうがいい」 「気になる不調は胡麻麦茶では誤魔化せない」 「四十代は正真正銘、中年です」 「夫の携帯番号はもしもの時には覚えていないもの」 「パンティーライナーの在処を男は知らない」 「悪意は健康な人の心に宿る」 「もう会いたくない人には会わなくてもいい」 「綺麗になるなら病気だって儲けもの」ーーなど 五十路になって初めて極楽浄土の扉を叩きかけた観音さんが病気後綺麗に生まれ変わって悟った「今気づいておいてよかったこと」
  • 珠玉
    3.7
    国民的歌手だった美しい祖母は、自分とは似ても似つかず超えられない存在。常に比較されてきた歩は他人の目を恐れて目立たぬよう生きていたが、経営するファッションブランドの人気が低迷しデザイナーの相棒にも見限られ、最悪の状況に陥る。そんな折、仕事を失いかけているモデルの穣司と出会う。歩のブランドの建て直しを穣司は強引に手伝いはじめるが……。弱さを抱えた者たちが成長する姿を丁寧に描いた物語。
  • CAボーイ
    4.3
    外資系ホテルで敏腕ホテルマンとして働いていた入社5年目の高橋治真。彼には、長年胸に秘めていた夢があった。「パイロットになりたい」――。その夢に近づくべく、治真はNAL(ニッポンエアライン)のCA採用試験を受ける。CA配属ではあるが総合職としての募集で、数年勤務した後、希望の部署へ異動できる可能性に賭けたのだ。見事試験に合格した治真は、同期の女性たちと共に訓練期間に入る。 しかし、実は治真には秘密があった。治真の父は、かつてNALで航空事故を起こし引責したパイロットだったのだ。けれど、その事件にはおかしなところがあった――。素性を隠し、有能な「男客」としてスタートを切った治真だったが……。 『校閲ガール』の著者が贈る、笑えて泣ける、新たなお仕事エンタメ小説!
  • 地蔵まつり
    -
    1巻110円 (税込)
    故郷の京都へ久しぶりに帰省した45歳の新田浩人。ちょうど地元では夏祭りが開催されており、そこで幼なじみの朝子と再会することに。隣家に住むボーイッシュな中学生だった彼女は、25年の時を経て艶のある美熟女に変貌していた。なんでも半年ほど前に離婚して、親元のところへ戻って来ているのだという。数日後、お茶菓子を配りに隣家を訪ねた浩人。すると、縁側の方向から「ぁあ……ん」という悩ましげな声が聞こえてきた。息をひそめて近づくと、そこでは何と朝子がオナニーをしていて……。

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  • 時代まつり
    4.2
    雅やかで妖しい古の都、京都。彷徨う魂を鎮めるかのように繰り広げられる数多の「まつり」。再び出会うことを運命づけられた人々は囃子に誘われる。男を裏切った祇園の元・舞妓、理不尽な理由で結ばれなかった男女、ふたりの女とひとりの男の奇妙な三角関係……。褥で交わされた睦言が情念と打算を駆り立てる。「京おんな」の怖さ、切なさ、狂おしさに満ちた極上の官能短編集。
  • じっと手を見る
    3.7
    富士山を望む町で暮らす介護士の日奈と海斗 はかつての恋人同士。ある時から、ショッピ ングモールだけが息抜きの日奈のもとに、東 京の男性デザイナーが定期的に通い始める。 町の外へ思いが募る日奈。一方、海斗は職場 の後輩と関係を深めながら、両親の生活を支 えるため町に縛りつけられる。自分の弱さ、 人生の苦さ、すべてが愛しくなる傑作小説。
  • 寂花の雫
    4.0
    女将の前に現れた謎の男――第一回団鬼六賞作家が描く、美しき京の四季と性愛の極み! 京都大原の山里で一日一組しか客をとらない民宿を営む平本珠子は、夫と実父を交通事故で失って四年、たったひとりで生きてきた。そんな珠子の前に現れたのは、恋人と喧嘩をして男ひとりで宿に泊まることとなった羽賀九郎。羽賀から大原の案内をしてほしいと強引に誘われた珠子の心は揺れて……女の修羅と華を抒情豊かに描き切る性愛小説の傑作。

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  • 情人
    4.0
    笑子が神戸で被災した日、母親は若い親戚の 男・兵吾と寝ていた。男に狂った母、知らぬ顔 の父、引きこもりの兄、職を失った自分――。 悲惨な現実から逃げるように、笑子は結婚し 東京へ。しかし子供ができず、家庭にも確か な居場所を作れない。そんな中、兵吾と再会。 日常に背を向けて情交に溺れてゆく二人を 3・11の激震が襲う。生き場なき女の物語。
  • すきもの
    3.7
    1巻1,980円 (税込)
    令和版 阿部定伝説! !女は、愛した男を殺し、その局部を切断し逃亡した。セックスをしないと、私は生きていけないのです。女性器をもつ者たちの苦痛と苦悩を描いた長編怪作
  • 砂子のなかより青き草 清少納言と中宮定子
    3.6
    美しいあの方のお傍に、恥じることなくいられるだけの強さが、ほしい―― 平安中期、時の帝の寵愛を受ける中宮(平安時代の皇后)定子に仕えることになったなき子(清少納言)。 当時としては「年増」と呼ばれる年齢になってから才を買われて宮中に入ったなき子だが、定子に瞬く間に魅了される。 華やかな宮廷で卑屈に縮こまっていたなき子の心をほぐしてくれた、眩いほどに美しい年下の主人。 「女が学をつけても良いことは何もない」といわれていた時代、共に息苦しさを感じていた定子と清少納言は強い絆で結ばれていくが、定子の父の死によって栄華を誇った一族は瞬く間に凋落していく……。 定子の兄・伊周との身分違いの恋に苦しむなき子、そして紫式部との因縁。 悲運の時代を描いた哀切にして美しい平安絵巻に仮託した、女性の自立の物語。 「わたくしたちがずっとその心を忘れなければ、女が役に就ける御世がきっと来る。この悔しさを、のちの世の女は味わわなくてすむようになる」
  • すみなれたからだで
    3.5
    1巻748円 (税込)
    よく晴れた冬の日、わたしは父を施設へ入居させることを決めた。厳格な祖母が仕切る家で、母の出奔後もひっそりと生きたかつての父。そして今、自分の人生を選び取ることで夫とすれ違いを深めていくわたし。生きるということは、二人の男を棄てることなのだろうか…。手探りで生きる人々の人生に寄り添い描いた作品集。短篇「夜と粥」を増補。
  • ずっとあなたのそばにいるから
    -
    1巻330円 (税込)
    由里は9年間付き合った男と死別した。永遠に続くと思っていた恋だったのに。元彼の会社の同僚の徹とはその告別式で出会った。徹の細やかな気遣いに心も身体も許すようになり、結婚の約束をする由里。けれど、絶頂に達するとき、亡くなったはずの元彼の顔が浮かぶのだった・・・・・・。
  • 晴天の迷いクジラ(新潮文庫)
    4.0
    1巻737円 (税込)
    デザイン会社に勤める由人は、失恋と激務でうつを発症した。社長の野乃花は、潰れゆく会社とともに人生を終わらせる決意をした。死を選ぶ前にと、湾に迷い込んだクジラを見に南の半島へ向かった二人は、道中、女子高生の正子を拾う。母との関係で心を壊した彼女もまた、生きることを止めようとしていた――。苛烈な生と、その果ての希望を鮮やかに描き出す長編。山田風太郎賞受賞作。
  • 西洋菓子店プティ・フール
    4.2
    1巻713円 (税込)
    下町の西洋菓子店を舞台にしたキュートな連作短編集 下町の西洋菓子店の頑固職人のじいちゃんと、その孫であり弟子であるパティシエールの亜樹。甘やかで、ときにほろ苦い連作短編集。 フランス菓子作りを修業したパティシエールの亜樹は、 菓子職人の祖父のもと、下町の西洋菓子店「プティ・フール」で働く。 女ともだち、恋人、仕事仲間、そして店の常連たち―― 店を訪れる人々が抱えるさまざまな事情と、それぞれの変化を描く連作短編集。 巻末にパティシエール・岩柳麻子との対談を収録。 解説・平松洋子
  • 節分まつり
    -
    1巻110円 (税込)
    42歳の作家・田所朝夫が描くのは主に恋愛小説。ヒロインは決まって色白で長い髪を持つ和装が似合う女性ばかり。モデルは学生時代に恋い焦がれていた同人仲間の朝野結子だ。朝夫は取材のため、久しぶりに京都を訪れる。そこで結子と再会。夫は交通事故で亡くなり、今は未亡人となっていた。彼女は朝夫が描いた作品の熱心な読者で、自分がヒロインのモデルになっていたことにも気づいていた。「着物の女と寝たことないんちゃう?」と、まるで誘うように自ら着物を脱ぎ始める結子。小説の中で何度も抱いてきた純粋な“ヒロイン”の淫靡な姿を目の当たりにした朝夫は、興奮を抑えきれなかった。ビショビショになった彼女のアソコからあふれ出す愛液をすすり始め……。
  • セレモニー黒真珠
    3.8
    悲しいお別れを、やさしく見守ってくれるチーム葬儀屋。お葬式のご用命は、真心と信頼の旅立ち・セレモニー黒真珠まで――小さな町の葬儀屋「セレモニー黒真珠」を舞台に、シッカリしすぎなアラサー女子・笹島、喪服が異常に似合う銀縁メガネ男子・木崎、どこかワケあり気な新人ハケン女子・妹尾の3人が織り成す、ドラマティック+ハートウォーミングストーリー。連作短編全6作品を収録。
  • 草原のサーカス(新潮文庫)
    3.9
    大手製薬会社に勤める姉の依千佳(いちか)と、人気アクセサリー作家の妹の仁胡瑠(にこる)。それぞれの道で成功を掴んだ姉妹は、やがて日本を揺るがす治験データ捏造事件、そしてハラスメント騒動を引き起こす。たった一度でも踏み外せば、容易(たやす)く切り捨てられる世の中で、私たちは何を「正しさ」の指標にできるだろう。「間違えた」後も続く自分の人生と、傷ついた心への向き合い方を渾身の力で問う長編小説。(解説・芦沢央)
  • そこびえ 上
    -
    1~3巻110円 (税込)
    東京の小さな出版社に勤める46歳の北本雅治は、大晦日に京都を訪れた。本来なら家族で過ごす時期であったが、どうしても出席しなければならないパーティがあったのだ。しかし当日になって、そのパーティが突然中止となる。暇になった雅治は京都の八坂神社にて開かれる「をけら詣り」を見学しに行く。そこで、ふとしたことから真砂という30歳半ばの着物姿の美女と知り合い、「今から家に来ない?」と誘われるのだった。雅治を部屋に招いた真砂は、自ら着物の帯を解いて脱ぎ始め……。

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  • 宙色のハレルヤ
    3.7
    1巻1,800円 (税込)
    たとえままならずとも。あたたかな恋の旋律 人を好きになること。その人のなかに飛びこんでいくこと。 あんな怖いことをよくやったね自分。 「好きだ」と言ってくれる男性と結婚するも、少しずつすれ違っていく心に気づかないふりをして生活を続けようとする「私」に、海辺の別荘で出会った隣人の画家を忘れられない「私」……。 恋に落ち、人を愛することに決まったかたちなどない。 目の前の気持ちに、ただ必死に追いつこうとする人々の姿を描いた6編の短編を収録。 一筋縄ではいかない、珠玉の恋愛小説集。
  • タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース
    4.1
    1巻1,496円 (税込)
    とある団地で5歳上の姉・七海と暮らすみかげ。父とは死別し、母は数年前に出て行ったきり。家計を支える姉に心苦しさを覚えながらも、ぜんそく持ちで、かつ高校でいじめに遭い定時制高校に通っていることもあり、自分の無力さにうちひしがれて、未来に希望が持てず「死」に惹かれはじめる。そんな彼女の前に団地警備員を名のる奇妙な老人・ぜんじろうが現れ、みかげの日常が変わっていく――刊行前から全国の書店員さんたちの熱い感想が続々。新たな夜明けをもたらす、温かさあふれる長編小説。
  • 太陽の庭
    3.9
    一般人には存在を知られず、政財界からは「神」と崇められている、永代院。地図に載らない広大な屋敷に、当主の由継を中心に、複数の妻と愛人、何十人もの子供たちが住まい、跡目をめぐって争っていた。そんな中、由継の息子・駒也は、父の女・鞠絵に激しく惹かれてゆく。許されぬ愛は、やがて運命の歯車を回す。破滅の方向へ――。「神」と呼ばれた一族の秘密と愛憎を描く、美しく、幻想的な物語。
  • 高瀬舟にて
    -
    羽田は53歳の弁護士。被告人の母親である45歳の青木美喜と関係を持ってしまった。被告人の青木猛は前妻の息子で、父親である美喜の夫・三郎を殺害。その弁護を頼まれたのが羽田だった。依頼人と男女の関係になるなど御法度だとはわかっているが、羽田は美喜と関係を持ってから、自分が若返っていくのを感じていた。彼女はとにかくセックスが好きで、これほど男のものをしゃぶるのが好きな女は自分の知る中でいなかった。一度挿入したペニスでも喜んで口に入れる。45歳という年齢に相応しく尻には肉が付いていたが、腰は十分にくびれ、乳房は揺れるほど大きい。バックから突く時に見える背中は何より美しく、白くて1点のシミも吹き出物もないほど。羽田は美喜との情事に溺れていく。しかし、美喜と猛には秘密があって……。

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  • 七夕まつり
    -
    1巻110円 (税込)
    大学時代から京都に移り住んだ笹原は、場末のスナックで牧村彩音と知り合う。和服が似合う清潔感溢れる年下の彼女に惹かれて、肌を重ねるようになった。いつしか結婚を意識するようになるが、両親の激しい反対に遭い、2人は離ればなれに。笹原は転職して東京に戻り、別の女性と結婚。愛娘をもうけた。数年後、京都出張の際に足を伸ばした映画館で、偶然にも人妻となった彩音と再会する。それから年に1回、七夕の夜に逢い引きをするようになった。しかし、妻に彼女の存在がバレてしまい、笹原は別れを決意する。最後の夜。まるで織り姫と彦星のように、笹原と綾音は互いの体を慈しみ、激しいセックスを繰り広げていき……。
  • たまのこし
    -
    朽木朝雄は49歳のデザイナー。ミュージシャンを目指して上京してからは実家と没交渉だった。その後、夢に破れて結婚し、子供もいたが、今は離婚して独り身だ。昨年、父が70歳で亡くなった。父は朝雄の母が亡くなったあと、年が離れた後妻の珠世と結婚した。父の葬式で初対面した年下の継母に呼び出され、朝雄は今宮神社にやってきた。彼女は現在42歳。藤色のワンピースの上にブラウンの薄手のコートを羽織っている。肩の上で髪の毛を切りそろえており、ワンピースのスカートの裾から、黒いタイツにつつまれたふくらはぎが見えた。年齢よりも幼く見える。美人というより、丸顔で愛嬌があり、可愛らしい雰囲気だ。改めて話してみると、珠世はミュージシャンを目指していた学生時代の朝雄を知っていて、初恋の相手だったという。「ずっとこうしたかった」と彼女に激しく求められて……。

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  • 超怖い物件
    3.8
    古民家を買った男は、なぜ家の中にある氷室のことが気になってならないのか(宇佐美まこと「氷室」)。自殺した妹の部屋が、しばらく後に訪ねていくと、元通りに復元されている(神永学「妹の部屋」)。家の中に真ん中にある座敷牢は、誰を閉じ込めるためのものだったのか(黒木あるじ「牢屋」)。その家は、何か変だ(平山夢明「ろろるいの家」)。 当代随一の作家たちが紡ぐ、「超怖い」物語。
  • 帝国の女
    3.6
    「帝国テレビジョン」で働く女たちの日々は、世間の認識とは裏腹に、華やかさから程遠い。倒れるまで奮闘する宣伝部・松国、仕事以外はまるでダメなプロデューサー・脇坂、倦怠に沈む脚本家・大島、刺青持ちのマネージャー・片倉、憧れの人と出会う日を夢見るテレビ誌記者・山浦。ままならないことばかり。それでも私たちはこの仕事が好きだ。5人の切実さが胸に迫る連作短編集。
  • 手のひらの楽園(新潮文庫)
    4.0
    父のことは知らない。物心つく前に死んだらしい。長崎県の離島・松乃島で母子家庭に育った友麻は、本土にある私立夕陽ノ丘高校エステ科に進学するため島を離れた。その数日後、母は失踪した。帰省の折に予期せぬ出会いから母の秘密を知り、足下がぐらりと揺れる友麻。だが厳しい現実を突きつけられても友麻は自分を信じ友人に支えられ歩んでいく。繊細な十代の姿を描き出す、感涙の青春小説。(解説・栗田有起)
  • トリニティ(新潮文庫)
    4.0
    1巻935円 (税込)
    仕事、結婚、男、子ども……私はすべて手に入れたい。欲張りだと謗られても――。1960年代、出版社で出会った三人の女。ライターの登紀子は、時代を牽引する雑誌で活躍。イラストレーターの妙子は、才能を見出され若くして売れっ子に。そして編集雑務の鈴子は、結婚を機に専業主婦となる。変わりゆく時代の中で、彼女たちが得たもの、失ったもの、そして未来につなぐものとは。渾身の長編小説。(解説・梯久美子)
  • 鳥辺野心中
    3.3
    中学校教師の樋口は、ある女生徒の母の死をきっかけに、彼女と急接近をし、やがて愛を告白される。 その思いを拒みきれずにいた樋口だったが、周囲に流されるまま同年代の女性と見合い結婚をする。 女生徒とは関係が途絶えたはずだったが……。 京都・鳥辺野を舞台にあぶり出される男と女の業を描いた傑作長編。 〈解説〉角田龍平
  • 鳥辺野心中
    3.8
    1巻1,320円 (税込)
    「この坂で転ぶと三年以内に死にます」京都東山・三年坂の言い伝えが現実のものに。樋口が女子校の教師になって二年目の夏、教え子・音葉の母親が自殺する。このとき放った一言、そして5年後の再会により、樋口の人生は音も立てずに崩れていく。男のずるさ、女のこわさ、エゴイズムを描き切り、生と死をあぶり出す衝撃作!
  • 同級生はAV男優!? ~カメラの前で感じちゃった~
    -
    えっ?? 嘘っ!! 玲奈は、息を呑んだ。――鈴森君?? 何で??――画面の中で女優に潮を吹かせていた「男優」は、間違いなく、玲奈が知っている男だ。高校時代、真面目だった彼に会いたくて、偶然を装いサイン会に出かけた彼女は「男優」の一輝に誘われる。訪ねた先の事務所では……極上のAV性技と、後輩の持つビデオカメラが待っていた!

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  • 憧憬☆カトマンズ
    4.1
    29歳の、私たち。派遣の生き方、正社員のやり方、仕事か恋か、外見か内面か、悩みは尽きない年頃だけど、それでもウルトラハッピーに生きていく! 爆笑ガールズトーク満載、読めば元気が出ること間違いなし!
  • どうしてあんな女に私が
    3.4
    作家の桜川詩子は、醜い容姿がコンプレックス。それなのに、デブスな春海さくらは男達を手玉に取って、女神扱い。さくらを題材に小説を書くため詩子は、彼女の友人、母親など四人の女を取材するが――。“どうしてあんな女に私が負けるのか”。一人の醜女に人生を狂わされた女達の怒りと焦りが決壊する時、この世で最も醜い女の戦いが始まる。
  • 縄 緊縛師・奈加あきらと縛られる女たち
    -
    責め縄、狂い縄――― 伝統を継ぐ過酷な縛りで 世界的に熱烈な支持を得る 緊縛師・奈加あきらの半生と 命懸けで究極の愛を魅せる 美しき女たちの姿を 団鬼六賞作家・花房観音が描く 【「序章」より】 縛る男、ときには縛る女、そして縛られる女、縛られる男がいる。 理解できないと、目を背ける人もいるだろう。 痛みを与えて何が楽しいんだと非難する人たちも。 けれど、確実に、この広く豊かな世界には、「縄」を必要とする人たちが存在しているのだ。 なぜ、縛るのか。 なぜ、縛られるのか。 縛り、縛られた、その先にあるものは、何なのか。 緊縛師・奈加あきら。 女を縛ることを生業としている、ひとりの男。 彼はどのような人生を辿ってきたのだろう。 彼を通じて、「縄」の世界に、潜っていく。 【カラーグラビア16ページ掲載】 モデル=紫月いろは/友田真希/翡翠/あかね 【目次】 序章 第一章 生誕 第二章 アダルトの世界へ 第三章 緊縛師・男優 第四章 病 第五章 性と美 第六章 縛られたい人たち 終章 彼の岸と此の岸の狭間で あとがき

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  • なんどでも生まれる
    3.9
    1巻1,760円 (税込)
    外敵に襲われ逃げ出したところを、茂さんに助けられたチャボの桜。茂さんは、仕事も人間関係もうまくいかず調子を崩して、東京の下町の商店街でジイチャンが営む金物店の二階に居候している。ある日、茂さんを外へ連れ出してくれる相手を探しに出かけた桜は、さまざまな出会いを引き寄せることに――。本邦初! キュートでユーモラスなチャボ小説。一日一日を自分らしく生ききるための、止まり木のようなやさしい物語。
  • 二周目の恋
    3.8
    現代人気作家7人の豪華恋愛アンソロジー 恋という言葉では到底つつみきれない、たくさんの感情と人生のシーン。 第一線の現代人気作家たちの手で紡がれる、繊細で豪華なアンソロジー! 島本理生『最悪よりは平凡』 特別な名を持つ平凡な容姿の私。唯一無二の存在になるにはどうすれば。 綿谷りさ『深夜のスパチュラ』 バレンタインに手作りチョコを!壮絶な一夜の奮闘の結果は?  波木銅 『フェイクファー』 大学の手芸サークルで知った着ぐるみの魅力。数年後…… 一穂ミチ『カーマンライン』 日米で分かれて育った双子のケントとアサミが19歳で再会した。 遠田潤子『道具屋筋の旅立ち』 容姿に関して隠したい過去を持つ優美は、初めての彼氏の言いなり。 桜木志乃『無事に、行きなさい』 アイヌの人気デザイナー・ミワと、シェフの男。レストラン改装を境に二人は。 窪美澄 『海鳴り遠くに』 夫を亡くし海辺の別荘地ですごす私は、彼女に出会ってしまった。
  • 人形たちの白昼夢
    3.9
    声が出なくなってしまった私は、見知らぬ相手からの招待状に誘われ、レストランを訪れる。給仕人にうながされ料理を口にすると、さまざまな情景が浮かんできて――。(「スヴニール」)荒廃した世界。空爆から身を潜め、不思議な「声」に導かれて目を開けると、自動機械人形(オート・ドール)が現れた。豪奢で美しい、暗殺用の人形に連れられて向かった先には――。(「リューズ」)『魚神』『男ともだち』の著者が贈る、リアルと幻想が溶けあうような12のショートストーリー。
  • 濡れ深泥
    -
    1巻330円 (税込)
    人材派遣会社で事務員をしている35歳の美奈子は、夜中に帰宅するためタクシーを使った。自宅は京都の深泥池の近くのマンションだ。帰宅の最中、美奈子は運転手から深泥池で女を乗せると、客はいなくなり、後部座席が濡れているという怪談を聞かされる。その後、帰宅しようとした美奈子は昔好きだった人によく似た男性に迫られ、一夜を共にする。しかし、目覚めると男がいたはずの場所はぐっしょりと濡れていた……。
  • 猫が啼く部屋で、彼は私を抱く
    -
    1巻330円 (税込)
    隣の住人はうら若き美男子だった。最近では猫の声が聞こえると、隣のワタルさんの顔を思い浮かべて淫らな想像にふけってしまう。いつしか隣の男と関係を持つようになり、ワタルの猫となった私が見たものはーー。
  • 眠りの庭
    3.6
    1巻704円 (税込)
    女子校の臨時教員・萩原は美術準備室で見つけた少女の絵に惹かれる。それは彼の恩師の娘・小波がモデルだった。やがて萩原は、小波と父親の秘密を知ってしまう……。(「アカイツタ」) 大手家電メーカーに勤める耀は、年上の澪と同棲していた。その言動に不安を抱いた耀が彼女を尾行すると、そこには意外な人物がいた……。(「イヌガン」) 過去を背負った女と、囚われる男たち。2つの物語が繋がるとき隠された真実が浮かび上がる。
  • 眠れない夜は体を脱いで
    4.0
    自分の顔がしっくりこない男子高校生。五十過ぎに始めた合気道で若い男の子とペアを組むことになった会社員。恋人の元カノの存在に拘泥する女子大生。妻も部下もなぜ自分を不快にさせるのかと苛立つ銀行支店長。彼らは「手の画像を見せて」という不思議なネット掲示板に辿り着く……。「私」という違和感に優しく寄り添う物語。〈解説〉吉川トリコ
  • 眠れない夜は体を脱いで
    3.9
    1巻1,408円 (税込)
    手が好きなので、あなたの手を見せてください――不思議なノリで盛り上がる、深夜の掲示板。そこに集う人々は、日々積み重なっていく小さな違和感に、窮屈さを覚えていた……。静かに心を揺さぶる連作短篇集。
  • 喉の奥なら傷ついてもばれない
    値引きあり
    3.7
    1巻300円 (税込)
    どこにでもいる、ごく普通の人妻たち。共通しているのは、禁忌を犯していること。罪悪感がまったくないのは、母の愛が欲しかった私の、必然だから。恋愛小説の妙手、宮木あや子が描く六つの愛欲小説。
  • 野良女
    4.1
    恋だ! 仕事だ! 婚活だ! 彼氏いない歴2年の鑓水。年上社長と同棲中の朝日。遠距離恋愛に焦る壺井。DV男にハマる桶川。果てなき不倫に溺れる横山。彼女たちは悩めるアラサー女子「野良女」。今宵もお酒片手にあけすけなガールズトークに花咲かす。飲んで笑って、ちょっぴり泣いて――。アラサー女子のおかしくも切ない日々を軽快に描く連作小説。
  • 灰色にぬれる
    2.0
    汚れたものが“私”をうずかせる…。初の単行本『花宵道中』で、花魁の切ないほどのエロスと死を描ききった著者が、本作では現代を舞台に女の抗いがたい官能を描き出す。――優しい恋人との結婚を待ちわびる30歳間近の“私”。真面目な両親に何不自由なく育てられた私の心に、最近つきまとって離れないのは、ドヤ街のどぶ川、日雇い労働者の群れ。ある日恋人の家を訪ねるつもりが、道に迷いドヤ街をさまようことに。私の身体が濡れはじめる…。私の過去が甦る…。

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  • 萩の寺
    -
    1巻110円 (税込)
    「沢倉蒼」こと田中勉は53歳の小説家。30歳の頃に脱サラして官能小説を書き始めた。妻に愛想を尽かされ、今は独り身。2年前に京都に移住して時代小説に挑戦し、『萩の寺』を上梓した。本を売るために書店回りをしたが、SNSで有名なアイドル書店員には素っ気ない態度を取られる。肩を落とした勉に声をかけてきたのが店員の葉月沙苗だった。彼女は長い髪の毛をうしろでくくり、カーディガンとジーンズで眼鏡をかけていた。化粧は薄く、身体は太っているほどではないが肉付きはよくて、抱き心地がいいかもしれない。色気はないが、実際の行為になるとこういう女を豹変させるのが面白みがある……などと勉は勝手に分析してしまった。39歳の彼女は官能小説家・沢倉蒼のファンだった。必死に本を宣伝してくれた沙苗に惹かれた勉は、人妻と知りながら逢瀬を重ねるが……。
  • 白蝶花
    4.3
    福岡のお屋敷に奉公に出た千恵子。そこで出会った美しい令嬢の和江は、愛に飢えた寂しい日々を送っていた。孤独の中、友情とも恋とも違う感情で惹かれ合うが、第二次大戦下、戦況は刻々と悪化。女たちの運命はたやすく戦火に揺り動かされ……。人生を選ぶことも叶わず、時代と男に翻弄されてもなお咲き続ける昭和の女性たちの、誇り高き愛の物語。
  • 白蝶花
    4.0
    傾いた家のために財閥の妾となった泉美、貧しさ故に芸妓として売られた姉妹の菊代と雛代、奉公先で書生の子どもを身籠る千恵子、豪奢な屋敷で愛に飢える県知事令嬢の和江。人生を選びとることも叶わず、女は明日死ぬかも判らぬ男を想うしかなかった時代──戦前から戦後の不自由さを吸い上げ、荒野の日本で美しく野性的に生を全うした彼女たちが咲かす、ドラマティックな恋の花。
  • 果ての海(新潮文庫)
    4.0
    階段の下で息絶えた男。愛人の鶴野圭子は、全てを捨てて逃げることを決めた。出会い系で知り合った元ホストの鈴木の伝手で整形し、美貌と偽名を携え福井の芦原(あわら)温泉へ。だが仲居やコンパニオンとして働く中で厄介な人間関係に巻き込まれ、頼りの鈴木も音信不通となった。東尋坊での自死が頭をよぎるが、圭子には生きて逃げ続けなくてはならない理由があり――。女の生き様を描く傑作サスペンス。(解説・原武史)
  • 花に埋もれる
    3.7
    1巻1,760円 (税込)
    彼氏よりソファの肌触りを愛する女性。身体から出た美しい石を交わし合う恋人たち。憧れ、執着、およそ恋に似た感情が幻想を呼び起こし、世界の色さえ変容させる――イギリスの老舗文芸誌「GRANTA」に掲載された「ふるえる」から、単行本初収録となるR-18文学賞受賞作までを網羅。著者の原点にして頂点の作品集。
  • 花に眩む
    5.0
    1巻220円 (税込)
    私の肌には赤い花が咲く。彼女と出会った夜も、彼の去った朝も――。出会った次の日、しまは私のアパートに転がり込んできた。しまといると、まっすぐに求められる。しまに求められると、なにもかもを叶えてあげたくなる……。大好きな高臣さんには、しまが来てから、一週間も電話をかけていなかった。この人におやすみを言って貰わなければ眠れなかったのに。でも高臣さんの低く甘い声を聞くと、途端に、ど、と体の内側があたたかく濡れた。かきまぜられたときのあの感覚を思い出して……独特の世界観で描かれる、第9回R-18文学賞読者賞受賞作。

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  • 花びらめくり
    3.8
    1巻539円 (税込)
    「誘ってきたのは奥さんです」「私は犯されました」「妻と部下は、悦びあっていました」。不貞の現場でせめぎ合う間男、妻、夫それぞれの“真相”(「藪の中の情事」)。あなたからの贈り物は、左腕でした。私の体を知り尽くすその手は、何度でも快楽の波を呼び起こす(「片腕の恋人」)。物語に感応し溢れ出る一片、また一篇。団鬼六賞受賞作家があなたの欲望の蓋を開ける艶やかな官能短編集。
  • 花宵道中
    4.3
    どんな男に抱かれても、心が疼いたことはない。誰かに惚れる弱さなど、とっくに捨てた筈だった。あの日、あんたに逢うまでは――初めて愛した男の前で客に抱かれる朝霧、思い人を胸に初見世の夜を過ごす茜、弟へ禁忌の恋心を秘める霧里、美貌を持てあまし姉女郎に欲情する緑……儚く残酷な宿命の中で、自分の道に花咲かせ散っていった遊女たち。江戸末期の新吉原を舞台に綴られる、官能純愛絵巻。R-18文学賞受賞作。映画化!
  • ははのれんあい
    4.2
    1巻946円 (税込)
    夫とは職場の友人を通じて知り合った。口数は少ないし、ぶっきらぼうだけど、優しい。結婚して智晴(ちはる)が生まれ、慎ましいながらも幸せな3人生活が始まった。しかし生活はなかなか立ち行かない。息子を預けて働きに出た由紀子は、久しぶりの仕事で足を引っ張りながらも何とか食らいつき、家庭と両立していく。そんな矢先に発覚した、双子の次男と三男の妊娠……家族が増えてより賑やかになる一方、由紀子の前に立ち塞がる義母の死、夫との不和、そして――。「家族は時々、形を変えることがあるの。だけど、家族はずっと家族なの」。どんな形をしていても「家族」としてどれも間違ってない、ということを伝えたかったと語る直木賞作家・窪美澄が放つ、渾身の家族小説。文庫版には家族のその後を描いたスピンオフ短編「ははのけっこん」も収録。解説・白石一文
  • 春狂い
    3.7
    人を狂わすほどの美しさを内包した一人の少女。父親や男たちの欲望から逃れ女子校に入学するが、教師に襲われ学園を去る。しかし転校先でも同級生からのいじめと教師からの暴行は繰り返され――。やがて少女は安息を求め、教師の前でスカートを捲り言う。「私をあと二年、守ってください」。桜咲く園は、天国か地獄か。誰もが通り過ぎた“あの春”を生きる少女の孤独を描く、美しき青春小説。
  • 半乳捕物帳
    3.5
    半七ならぬ、“半乳”親分登場! 江戸の町はおっぱいが救う!? 性愛小説の女王が放つ、艶笑時代小説! 神田の岡っ引きの娘・お七は、昼は茶屋の看板娘、夜にはぷりぷりした乳房を衿元から覗かせ江戸の事件を追う、人呼んで「半乳親分」。同心の兵衛に頼まれ、江戸の女たちを虜にしている色坊主・丈円を追い江戸城大奥に潜入するお七だが、童貞将軍も巻き込んで事態は思いがけない展開に!?
  • はんなり刑事
    3.0
    阿野咲彦は45歳のフリーライター。ストーカーに被害届を勝手に出され、警察に取り調べられる災難に見舞われる。その時、担当した婦警の美しさが印象に残った。肌が白く切れ長の目で、好みのタイプだったなと阿野は思った。後日、祇園のバーで友人と飲んでいると、偶然、彼女と再会する。名前は雪乃。警察官であることを隠して舞妓をしていたのだ。雪乃は31歳。若草色の着物を身に着け、髪の毛を結い上げている。婦警の制服姿では華奢な印象はなかったが、着物を着ていると細身に見える。後日、取り調べのお詫びとして誘いを受けて意気投合。そのまま阿野の家に来てくれた。戸惑いながら初めて女性の着物を脱がすと、雪乃のほうから唇を合わせてくる。京言葉の彼女から激しく求められた阿野は、花の芽に吸いつく。後ろからが好きだという雪乃が自ら尻を突き出してくると、阿野はバックから責めて……。

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  • ひいなまつり
    -
    1巻110円 (税込)
    バツイチ46歳のサラリーマン・矢田は、つい先日京都営業所に転勤となった。京都で働くメンバーは五人。この中の一人、柳野原という男が厄介だった。風采の上がらないタイプで、とにかく仕事ができない。さらに矢田を苛立たせるのは、そんな彼の妻である華也子が、30代の超美人だということ。よほど夜の営みが充実しているのか。そう考えていた矢先、仕事帰りに華也子とばったり会う。彼女は矢田の瞳をじっと見つめ、いきなり手を握りしめてきた。「独りで家におるのが寒いねん――温めて――」【※本作品はブラウザビューアで閲覧すると表組みのレイアウトが崩れて表示されることがあります。予めご了承下さい。】
  • ひきなみ
    3.9
    1巻858円 (税込)
    思春期の出来事を機に真以に心を寄せる葉だったが、真以は脱獄犯の男と共に逃亡、姿を消してしまう。20年後、ネット上で真以を見つけた葉はたまらず会いに行くが――。現代を生きるすべての女性に贈る物語
  • ポルノ姫 『密やかな口づけ』より
    -
    1~6巻143円 (税込)
    “さきさかさんはあたしの足を好きだ。” 娼館に売り飛ばされ調教された少女。 吉川トリコが描く、官能ストーリー。 様々な形の愛が描かれた気鋭女性作家による官能アンソロジー『密やかな口づけ』より吉川トリコ『ポルノ姫』を収録。
  • 人妻ゆえに
    -
    1巻110円 (税込)
    50歳の藤堂武彦は久しぶりに故郷の京都にやってきた。10歳年上の兄・智彦の還暦パーティーに出るためだ。兄は父親の後を継ぎ、和装小物や手ぬぐいを手掛ける会社の社長をしている。一方、武彦は京都を離れて北海道に居着き、フリーのカメラマンをしていた。これまでずっと実家を避けてきたが、今回は兄が強引に話を決めてしまった。ホテルにチェックインすると、「お久しぶりです」と声をかけられる。現れた女は、青みがかった紫のワンピースの上に、白いカーディガンを羽織っている。かつて長かった髪は肩のところで揃えられていて、少しふっくらしたように見えるが、切れ長だけど丸い目、コンプレックスだと言っていた薄い唇は変わらない。別れた時は25歳だったから今は45歳のはずだが、若く見えた。彼女……志津子は兄嫁。かつて武彦と愛を語り合い、毎晩のように求め合った相手だった……。
  • 秘めゆり
    3.3
    「私と夫、どっちが気持ちいい?」  男と女、女と女が秘める恋 京都の手作り市で知り合った美しい女性から誘われ、深い関係を結ぶ妻。女性同士の恋にのめりこむが、彼女とは意外な繋がりが(「秘めゆり」)。15年間一途に既婚男性とつきあってきた私。とうとう別れを切り出す日がやってきて――(「雪の跡」)。万葉集から岡本かの子まで、恋の和歌を題材にとった、抒情とエロスに満ちた、性愛短編集。 「からみつくような情念は、まさに著者の真骨頂」――及川眠子(作詞家)解説より
  • 秘めゆり
    -
    1巻110円 (税込)
    西沢百合子は42歳の主婦。25歳の時に俊彦と結婚した。夫は子供を欲しがったが、30歳の時に百合子が子供のできない体だと発覚。それから距離ができて、セックスレスが続いている。しかし、百合子は男性経験が少なく、セックスが好きではなかったのでちょうどよかった。それからは趣味でアクセサリーを作るようになる。たまに手作り市で販売もしていた。ある日、手作り市で「素敵ですね」と女性から声をかけられた。ショートカットがよく似合う、切れ長の目で色の白い女だった。ノースリーブのブラウスの袖から伸びた腕はほっそりとしているのに、豊かな胸のふくらみが目立つ。人見知りの百合子だったが、彼女……7つ年下の中根桃花とは話が合った。知り合って2週間後、桃花の部屋で自然と2人は抱き合い、キスを交わす。今まで体験したことのないぐらい百合子のあそこは濡れていた。私は男の人よりも女の人のほうが好きだったんだ。そう実感した百合子は……。
  • 美人祈願
    3.7
    あの人と結ばれますように―― 祈りとエロスの物語 夫に浮気されたから、もっと美しくなりたいと美人祈願で知られる河合神社を訪れた女(「美人祈願」)。 お酒の神様・松尾大社で、酒屋の女店主と出会った男(「酔いの宮」)、仕事に恵まれるよう手を合わせる売れないタレント(「芸能神社」) ――願いを込めて京都の神社を訪れる男女の出会いと、情愛の行方を艶やかな筆致で描く、官能連作短編集。 解説/木村寿伸
  • 美人祈願
    -
    香坂純也は50歳の独身デザイナー。趣味の神社巡りをしていると、日本画から抜け出したような美人を見かた。切れ長の目は閉じられていたが、長いまつ毛は離れたところからでもわかる。色白でふくよかな頬は柔らかそうで、厚めの口紅は赤身がかったオレンジで塗られていた。うしろでまとめられている髪の毛と、うなじに張り付くおくれ毛が色っぽい。紺のストライプのワンピースのスカートが風にふわりとなびいていた。視線が合いそうになり、慌てて逸らした時に、動揺して御朱印帳を落としてしまう。彼女はそれを拾ってくれた。そうして出会ったのが42歳の人妻・三崎麻也だった。夫の浮気が原因で家を飛び出し、ひとり旅をしているのだという。もう恋愛をするなんてないと思っていた純也だったが、自然に麻也と惹かれ合う。何度も体を求め合い、激しいセックスを重ねていくが……。

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  • 美僧侶サマと淫らな修行~極楽への甘い導き~1
    5.0
    望むものを与えてさしあげるのも私のつとめなのです。さぁ、ご一緒に極楽浄土へ――付き合っていた彼氏にフられた彩音は傷心一人旅に。縁結びで有名なお寺があると同僚に勧められたからだ。ちょっとした不注意で何者かにぶつかった彩音はハッとする。こんなに美しい僧侶を見たことがない……悪いことは重なるようで、自分のヘマでホテルの予約が取れていなかったことに気付いた彩音はベンチでしょんぼり。困っているところに昼間の僧侶が!栄徳と名乗るその美僧侶は、困っている人を助けるのも御縁、と言い彩音をお寺に招く。お風呂を勧められた彩音がゆったりと疲れを癒しているとまさか!?栄徳が入ってきて彩音にマッサージを始め……
  • 不在
    3.7
    長らく疎遠だった父が、死んだ。 遺言状には「明日香を除く親族は屋敷に立ち入らないこと」という不可解な言葉。 娘の明日香は戸惑いを覚えたが、医師であった父が最期まで守っていた洋館を、兄に代わり受け継ぐことを決める。 25年ぶりに足を踏み入れた生家には、自分の知らない父の痕跡がそこかしこに残っていた。 年下の恋人・冬馬と共に家財道具の処分を始めた明日香だったが、整理が進むにつれ、漫画家の仕事がぎくしゃくし始め、さらに俳優である冬馬との間にもすれ違いが生じるようになる。 次々に現れる奇妙な遺物に翻弄される明日香の目の前に、父と自分の娘と暮らしていたという女・妃美子が現れて……。 「家族」「男女」――安心できるけれど窮屈な、名付けられた関係性の中で、人はどう生きるのか。 家族をうしない、恋人をうしない、依るべきものをなくした世界で、人はどう生きるのか。 いま、最も注目されている作家・彩瀬まるが、愛による呪縛と、愛に囚われない生き方とを探る、野心的長篇小説。 解説:村山由佳
  • 藤壺
    -
    1巻110円 (税込)
    36歳の桐原源治は独身の高校教師。女子高生に興味はなく、成熟した熟女が好きだった。そんな源治の前に好みの女性が現れる。同じく教師をしていた父の再婚相手である藤乃だった。3歳年上の彼女は色白で艶やかな肌とふっくらとした胸元が印象的。唇はぽってりと厚みがあって、切れ長の目も美しい。どうやら父の教え子らしい。彼女の顔は、写真の中でしか見たことのない幼い頃に亡くなった母とよく似ていた。源治は藤乃のことを「おかあさん」と呼ぶようになる。が、どうしても女として意識してしまう。ある日、父親が旅行に行ったため、源治は藤乃と2人きりに。一緒に酒を飲んだが、彼女の汗で濡れたうなじに目が釘付けになった。胸の谷間を見てしまい、欲情を必死に押し殺す。しかし、藤乃にはバレていた。「ずっとうちのこといやらしい目で見とったやろ?」源治の肉棒から我慢汁が出ているのを確認した藤乃が、それをずっぽりと口にくわえて……。
  • ヘイケイ日記
    3.0
    40代。溢れ出る汗、乱れる呼吸、得体のしれない苛立ち……。心身の異変を飼い慣らしながら、それでも女を生きていく。いくつになろうが女たるもの、問題色々煩悩色々。綺麗な50代をなぜ目指さないといけないのか、死ぬまでにあと何回「する」のか、グレイヘアを受け入れられるか。更年期真っ盛りの著者が怒りと笑いに満ちた日々を綴る「女の本音」エッセイ。
  • 骨を彩る
    3.9
    十年前に妻を失うも、最近心揺れる女性に出会った津村。しかし罪悪感で喪失からの一歩を踏み出せずにいた。そんな中、遺された手帳に「だれもわかってくれない」という妻の言葉を見つけ……。彼女はどんな気持ちで死んでいったのか――。わからない、取り戻せない、どうしようもない。心に「ない」を抱える人々を痛いほど繊細に描いた代表作。
  • 本をめぐる物語 一冊の扉
    3.5
    今旬の作家の「本の物語」。新たな一歩を踏み出す8編。新しい扉を開くとき、本があなたのそばにいます。執筆陣は、中田永一、宮下奈都、原田マハ、小手鞠るい、朱野帰子、沢木まひろ、小路幸也、宮木あや子。
  • 本をめぐる物語 小説よ、永遠に
    3.5
    人気シリーズ「心霊探偵八雲」の中学時代のエピソード『真夜中の図書館』、物語が禁止された国に生まれた子どもたちの冒険『青と赤の物語』など、小説が愛おしくなる8編を収録。旬の作家による本のアンソロジー。
  • ぼくは青くて透明で
    3.7
    1巻1,700円 (税込)
    高校一年の夏、ぼくは彼に恋をした。 「ぼく」(羽田海)は、血の繋がらない継母の美佐子さんと二人暮らしをしている。 ぼくが高校一年の夏に、美佐子さんの仕事の都合で引っ越しをすることになった。 前の町で美佐子さんが勤めていた印刷会社が倒産したのだ。 幼いころは父さんと母さんがいたけれど ぼくが六歳のときに母さんは家を出ていき、 その後、美佐子さんと結婚した父さんもどこかに行ってしまった。 勉強も好きじゃないし、運動も得意じゃない。 いつか美佐子さんとも離れなくちゃいけない。 そんなとき、「ぼく」は、転校先の高校で忍と出会った……。出会ってしまった。
  • ぼたん寺 上
    -
    1~3巻110円 (税込)
    香夜子は京都の長岡京市で小料理屋を営んでいる。かつて祇園のクラブで働いていた45歳の彼女は、年齢を熟した色気と媚びという武器に変える術ぐらい知っている。パトロンたちに男が喜ぶテクニックも教え込まれている。男とのセックスも好きで、男がいないと生きている気がしない。性に奔放な香夜子はこれまでの人生で何度も男を寝取ってきた。今日のお客もその1人。単身赴任で京都に来たという妻子持ちの男を誘惑し、自宅に連れ込むと、その大きな肉棒を堪能した。フェラをしながら指で輪を作って動かすと、男は泣きそうな声を上げる。後ろから突かれると、香夜子はあまりの気持ち良さに涙まで流した。しかし、男は知らない。その家に香夜子の夫・覚馬がいることを。仕事もせずに酒ばかり飲んでいる覚馬は、かつて妹の沙良から寝取った男だった……。

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  • まだ温かい鍋を抱いておやすみ
    3.9
    1巻1,540円 (税込)
    「遠くへ行きませんか」「行くー!行きましょうぞ!」スポーツ用品販売会社に勤める素子は、同じく保育園に通う子供を持つ珠理を誘って、日帰り温泉旅行に出かけることに。ずらりと食卓に並ぶのは、薬味をたっぷり添えた鰹のたたき、きのこと鮭の茶椀蒸し、栗のポタージュスープ。季節の味を堪能するうち、素子は家族を優先して「自分が食べたいもの」を忘れていたこと、母親の好物を知らないまま亡くしてしまったことに思いを巡らせ……(「ポタージュスープの海を越えて」)彼女が大好きな枝豆パンは、“初恋の彼”との思い出の品。病に倒れた父の友人が、かつて作ってくれた鶏とカブのシチュー。――“あのひと口”の記憶が紡ぐ6つの物語。
  • まつりのあと
    3.7
    妹の結婚式のため平安神宮にやって来た野島高志は、20年前に婚約破棄をした早希のことを思い浮かべた。以来、会うこともなかったが、ふと近況が気にかかり、今も京都に暮らす早希の妹・真希を訪ねる。そこで彼は思いも寄らぬ真実を知り……。(「戻り橋」)恋や情念が盛り上がった後に漂うそこはかとない寂寞感。欲望の向こう側に広がる儚い人間模様が描き込まれた連作短編集。
  • マリエ
    4.0
    1巻790円 (税込)
    幸せも不幸せも、ぜんぶ私が決める 離婚って、幸せになるための選択なんじゃない? 40歳を目前に夫から離婚を切り出されたまりえ。しかし、戸惑いながら始めたひとり暮らしは思いのほか快適で、自らを慈しむ日々は確実に彼女を変えていく。 そんなときに出会った年下の男性・由井くん。 そして、コロナ禍という非常事態の発生。想像もしなかった未来がまりえにもたらすものとは――。 直木賞作家が紡ぐ 結婚と幸福をめぐる物語 巻末に金原ひとみさんとの対談「私たちの離婚」も収録。 単行本 2023年8月 文藝春秋刊 文庫版 2025年12月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
  • ミクマリ
    -
    1巻220円 (税込)
    「ぁああああ、むらまささま、もうだめですぅ、いきますぅ」――あんずにナンパされたのは、高校に入ってすぐ、友だちに無理矢理連れて行かれたコミケで。あんずはおれよりも十二歳も年上で、結婚もしていた。以来、学校が終わると週に1、2回はこの部屋に来て、やりまくっている。「なにかのアニメのなんとかという役」のコスプレをして。あんずが書いた台本どおりに。それがあんずの条件なのだ……。男子高校生の目線で描かれる性と生の物語。第8回R-18文学賞大賞受賞作。

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  • 水やりはいつも深夜だけど
    3.8
    1巻616円 (税込)
    セレブママとしてブログを更新しながら周囲の評価に怯える主婦。仕事で子育てになかなか参加できず、妻や義理の両親から責められる夫。出産を経て変貌した妻に違和感を覚え、若い女に傾いてしまう男。父の再婚により突然やってきた義母を受け入れきれない女子高生……。思い通りにならない毎日。募る不満。言葉にできない本音。それでも前を向いて懸命に生きようとする人たちの姿を鮮烈に描いた、胸につき刺さる6つの物語。 小説で誰かを救う。そんな大それたことは言いづらい。 だけど、それに本気で挑戦している作家は確かにいるのだと、 窪美澄を読むといつもそう思う。 ――朝井リョウ(作家) 文庫化に際し、オリジナル短編、一編追加!
  • みちゆくひと
    3.7
    1巻1,881円 (税込)
    亡きあとも綴られる、書かれるはずのない母の日記。 向き合えなかった家族の物語が巻き戻っていく――。 二年前に父が他界し、先月には母もこの世を去った。 不動産会社で働く原田燈子は、天涯孤独になった。 でもずっと前から一人だったのかもしれない。 二十年以上前の不幸な出来事をきっかけに――。 不可思議な死者の日記が繋ぐ「この世」と「あの世」、そして「過ち」と「赦し」。
  • 蜜の香りのする緊縛部屋
    -
    1巻330円 (税込)
    気が付くと両足を大きく開かされ全裸ですべてをさらけ出したまま縛られていた。目隠しされているから見えない。ふいに乳首が男の舌でなめられ、丁寧に体をいたぶられる・・・。
  • 京に鬼の棲む里ありて(新潮文庫)
    3.7
    比叡山麓の八瀬に住む人々は帝を守る鬼の子孫だと自らを誇る。里の娘かやは、貴人が囲う美貌の男妾、夜叉丸の世話をするうちに彼の苦しみを知り……(「鬼の里」)。仏道に邁進する私は、煩悩に溺れる者たちに呆れて比叡山を下りた。しかし洛中の六角堂で百日参籠を始めると、蠱惑的な香りの花を手に女が私を惑わせる……(「愚禿」)。嫉妬に劣情、尽きぬ欲望。男女の生き様を炙り出す京都時代短編集。(解説・細谷正充)
  • 視られている――呪われた残業
    -
    1巻330円 (税込)
    「今日は部長の席で、しようか」下半身をつなげたまま、向かい合う。誰かに見られている気配が背後から迫ってくる。冷たい風のような・・・。「視てるわよ」ふいに聴こえた声。え?誰?
  • 紫の女
    3.8
    なぜ“誰かの女”に欲情するのだろう? 性愛小説の女王が描く、現代の『源氏物語』。「源氏物語」をモチーフに、禁断の関係におちてゆく男女の情愛の行方を艶やかな筆致で描く、粒ぞろいの官能短編集。若い部下に妻を寝取られたことを知った夫は、部下にある命令をし(「若菜」)、客を誘惑したタクシーの女性運転手には、秘められた過去が(「夕顔」)――古典に新たな命を吹き込んだ、7つの欲望の物語。
  • 紫の人
    -
    1巻110円 (税込)
    式島龍二は1年前、京都で八つ年下の幼馴染み・黒崎早紀子と再会した。彼女は母の従兄弟の娘で、昔はよく家を行き来していた関係。早紀子が小学生の時に彼女の両親が離婚し、遠くに引っ越してそれっきりになっていた。積もる話を語り合った2人。聞いたところによると、彼女は17歳の時に30歳年上の美術評論家と結婚。やりたい放題の夫は他に愛人を作り、子供がいない早紀子は15年間も不自由なカゴの中に入れられているという。あの頃少女だった早紀子が大人になり、仕草が艶っぽく、心惹かれた龍二。彼女が不憫で仕方なかった。そして1年ぶりに京都で再び会うことに。早紀子は薄い紫のワンピースのスカート姿で、ほっそりとした足が見えている。顔は相変わらず美しく、目鼻立ちが小づくりで、日本人形のようだ。30歳を過ぎている人妻なのに少女の印象があった。龍二は募った思いをぶつけ、彼女と身体を重ねてしまう。妻子を捨ててまで、龍二は早紀子を救おうとするが、彼女には淫乱な裏の顔があって……。
  • 萌えいづる
    3.7
    京おんなのエロスは業が深い――『女の庭』で話題騒然の団鬼六賞作家が贈る、現代版・愛欲の「平家物語」。京都にある平家物語ゆかりの小さな寺には、参拝客が想いを綴るノート「忘れな草」があった。悲しみを抱えて、ひとり訪れた女たちは、誰にも言えない秘密を書き残す。結婚前につきあっていた男との営みが忘れられない女(第一話 そこびえ――祇園女御塚)、年下の男とのフェティシュなセックスに溺れる女(第二話 滝口入道――滝口寺)、仲が良いはずの夫から突然離婚を切り出された女(第三話 想夫恋――清閑寺)、愛人の座を奪われ孤独に生きる女(第四話 萌えいづる――祇王寺)、子どもを亡くし離縁した夫と身体を重ねる女(第五話 忘れな草――長楽寺)……濃厚なエロスと、深い悲しみが心身に刻まれた女性たちの運命のゆくえを、古都を舞台に抒情豊かに描く、感動の官能小説。
  • 森があふれる
    3.9
    小説家の夫に題材にされ赤裸々に書かれることで奪われてきた妻の琉生は、ある日植物の種を飲んで発芽、やがて家も街ものみ込む森と化す──英訳され欧米でも話題の、夫婦の犠牲と呪いに立ち向かった傑作!
  • 森の家
    3.8
    自由のない家族関係を嫌う美里は、一回り年上の恋人と彼の息子が住む家に転がりこむ。お互いに深く干渉しない気ままな生活を楽しむ美里だったが、突然の恋人の失踪でそれは破られた。崩壊寸前の疑似家族は恢復するのか? 血の繋がりを憎むのに、それを諦めきれない三人。「家族という概念は放浪の旅に似ている。人はまるで終わりのない旅のように、いつまでも本当に安らげる自分の居場所を探していく」――千早茜
  • やすらいまつり
    4.0
    「やすらい花や――」春の京都に響く踊り子たちの掛け声、囃子(はやし)と笛の音。玉村修(たまむらおさむ)はかつて過ごした地にやって来た。決して拭(ぬぐ)えぬ罪の意識を抱えながら。残酷なほどに運命を変えた女に再会するとも知らず……(「やすらいまつり」)。京都の祭りの裏側で激しく燃えさかる欲望の炎。京女の情念と男女の愛憎を、艶やかに優美な筆致で描いた表題作含む6編の官能短編集。
  • 夕顔
    5.0
    1巻110円 (税込)
    三好明人は47歳。今日は出張で久々に京都へやってきた。仕事の予定は明日からなので今日は観光しようとタクシーに乗り込むと、運転手が女性だった。彼女の名前は日野由布子。京都弁が心地良く、元バスガイドらしく丁寧に京都を案内してくれた。華奢な身体は運転手の制服よりもバスガイドの格好のほうが似合うに違いない。丸顔で、目も鼻も小づくりの品のある顔立ち。年齢は39歳と聞いたが、私服ならもっと若く見えるかもしれない。実家で母と一緒に暮らし、小学生の娘を育てているという。彼女を気に入った明人は夕食に誘う。指定された和食屋に現れた彼女は昼間とまったく違う雰囲気だった。小さな白い花がちりばめられている青地のワンピースを着ていて、胸が思ったよりも豊かであることに気づく。昼間は束ねていた髪は下ろされていた。化粧も直してきたのだろう。塗られた口紅は赤く、肌の白さを際立てている。惹かれ合った2人は自然に夜を共にする。感じまくる由布子をシックスナインで責めると、対面座位で突きまくり、そのまま中へ……。
  • ゆびさきたどり(新潮文庫)
    3.7
    十年ぶりに再会した昔の男。年下の彼が、年を重ねた私を「変わらない」と抱き寄せる。久々の体の重みと秘部を這う舌の感触に、疼(うず)きも潤みも蘇り――(「枯れ菊」)。「ネクタイ目隠し」「ストッキングで両手拘束」親友チルがSNS に綴る“運命の彼氏”との情事にカオルは驚く。それはカオルが彼に教えた前戯であり、まだ彼との関係も続いていた(「オンナの友情」)。艶やかに溢れ出す極上欲情短編集。(解説・門賀美央子)

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