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高校一年の斉藤くんは、年上の主婦と週に何度かセックスしている。やがて、彼女への気持ちが性欲だけではなくなってきたことに気づくのだが――。姑に不妊治療をせまられる女性。ぼけた祖母と二人で暮らす高校生。助産院を営みながら、女手一つで息子を育てる母親。それぞれが抱える生きることの痛みと喜びを鮮やかに写し取った連作長編。R-18文学賞大賞、山本周五郎賞W受賞作。
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Posted by ブクログ
最高だった。 久しぶりの読書。前読んだ時は冒頭から気分じゃなかったけど、2 、3日前ふと読んだときにちょうどハマって2日で読み切った。やっぱり本も映画も読むべき時期があると思うしそれがハマったときってすごい速さで読み終えるよなぁ。 まぁそれは置いといて、さよならニルバーナに引き続き窪美澄さんの作品...続きを読むは2作品目だった。 彼女の作品は、登場人物それぞれの視点から構成されるのね。すごくいい。 やはり自分は少し癖強めの湿度高めの恋愛ものにしびれる傾向にあるのかもしれない。 ななちゃんは、考えが少し自分と似ていて面白かったし、良太くんは、確かにこういう生活を送っている子はいるよなぁと思った、 辰巳くんはいろんな描写からほんとに繊細で良い子なんだなと思った。 もし自分の息子が辰巳くんだったら、どんなに素敵な息子だろうと、妄想しては涙が出た。 最近母親の気持ちが少しずつ想像できるようになって余計に。(子供いないけど) でもやっぱり、こういうのって安易に乗ってしまうと落とし穴にはまるよな。自分も流されやすいしよく変な噂されやすいから、こういうことされたときの傷はすごくわかるし、自分ももしかしたらこうなってたかもと思いながら読んでた。 辰巳くんは本当に繊細でいい子なのに、勿体無い。この意見のせいで、しばらくはずっと暗い人生になってしまうのではないかな。そして一生つきまとうんじゃないかな。濃度はわからないけど。これからの子なのに、本当に可哀想。 でもこういう子って実際にいるんじゃないかな 今この本がスッと入ってきたのは、もしかすると、主人公の辰巳くんが推しと重なったのが大きい気はする。ちょうど16歳の頃の推しと。 お母さんのターンでは推しが息子だったらどんなにいい息子だろうかと想像していた。ほんと変態だわ。ごめん。 本で泣けるってすごいよな。 女性作家好きかも。窪美澄さん、他も読んでみよう。
この作家は認めたくない人間らしさみたいなものを書くのが本当に素晴らしい。 生きていくうえで、自分に渦巻く見たくない、もしくは認めたくない感情を感じることがあるが、それを目の前で突きつけられる感じ。本書を読んで「気持ち悪い」と思うのは、鏡にうつる自分みたいなものだと思う。
没頭する本に出会いたくてSNSで勧められていた窪美澄さんを知り、この本を手にしました。 冒頭を読んだ時点ではなんだろうこれは少年期の恋愛の物語なんだろうかと、少し残念に思いながら一度閉じました。しかしまた別の日にじっくり読み進めていき、どんどんどんどん引き込まれていき、なんとまあ私は浅いんだろうと思...続きを読むいました。 恋という題材を使って、主人公のその人柄が手に取るように伝わってきて、これがもうキュンとしてしまう。そして綺麗に終わらない、人間の性のどうしようもなさ。登場人物それぞれの生きてる日々が生々しくて、その中から拾える大切なもの。時折り、ハッとするような文章にも出逢い、日記に書き留めながら一気に読みました。 最後の話を読んでる時これで終わりだと思ってなくて、それに途中で気づいて少し寂しささえ覚えました。
これはすごいデビュー作。 勿論フィクションだけど、 キャラクター達の人生が妙にリアル。 読んでてハッキリした結末では無いのに嫌ではない。 静かに訴えかけてくる感じ。 最悪な人生だとしても進むしかないと。 間違いだらけでも進むのよ。 と言われてる気がした。
20250406 どうしようもなさをそれぞれに抱えた登場人物 救いはしない。庇うわけでもない。ただ、認める。 厄介なものを体に抱えて、死ぬまで生きていかなくちゃいけない、という一人ひとりの生を、黙って見つめる。人生を讃美はしない。肯定でもない。
なるほどR-18の連作長編というのはこういうことなんだ。スピンオフを重ねるドラマのように、話が展開し、立場が変わることによってガラッと景色が変わっていく。
「魔が差す」ようなかたちであふれだす欲望や衝動。それらは性欲や嫉妬などに絡んでいた。人間だからこそのどうしようもない部分だろう。「魔が差す」とは言っても、誰かや何かに追いつめられたりしたことで見つけた逃げ道としての行為であったりはする。そしてその行為の前後、主要人物たちは苦しみに見舞われていたりする...続きを読む。そういった人物ばかりではないけれど、それぞれすべての主要人物が、それぞれに割り切れない事情を抱え苦しんでいた。そういった連作長編だった。 人は、苦しんでいるのは自分だけで、他人は深い悩みもなく楽しい日々を送っていると思いがちではないか。たとえば「隣の芝生は青い」という言葉のように。でも、少なくない人々が、それぞれ苦しんでいて、それぞれの苦しみの源となる個別の事情を抱えている。失敗をしない人生はないし、誰かの失敗を背負う人生も珍しくない。人生にとって深い打撃となる失敗は避けたいものだけれど、えてしてやってしまう過失というものはある。そういった過失が関係する連作長編だった。完璧になんて生きられない。だからこそ、深い落とし穴に落ちることもないわけではない。巻き添えをともなって深い穴に落ちることも、なんら珍しいことではない。そういった連鎖関係も、この作品で意図して構成されているところ。この世界で暮らす人々は過失それだけを切り取ってみてしまいがちだからこそ、見落としている背景が書き込まれているところに読み手は惹きつけられる。日々の死角や盲点をそれとなく気づかせてくれてもいるからだ。 読み手はそんな人間関係のしがらみや抑えきれない欲望や衝動のその後を見せられて、はたしてどう受け止めるだろうか。紙一重で選んでしまった過失や、過失への巻き込みがなければ、いたって平穏にくらせていたに違いない人たちなのだから、彼等に対してそう簡単に割り切れる気持ちは湧きおこらないのではないかと思う。そして、過失を経たあとを描くからこその「ふがいない僕は」であり、すなわち過失の後を切り捨てないがゆえにできあがった物語なのだと思う。 これは、実世界では多くの人たちが興味を失うか、直視を恐れる部分ではないか。そこを描くことで、「生きること」が見えてくる。最後の章は主人公の家である助産院を営む母親が主人公だったが、そこで描かれる産みの苦しみは再生の苦しみともリンクして感じられた。この世に誕生するときに、赤ちゃんも母親もとても大変な想いをする。再生の過程とて同じことなのかもしれない。もう一度生き直すとき、もう一度立ちあがるとき、陣痛や出産の痛みや苦しみに通じるなにかを甘んじること。それは生きるか死ぬかの瀬戸際でしか成し遂げられないと覚悟を決めることだろうと思った。 しめくくりに最後の章で少しだけ登場する漢方医・リウ先生のセリフの場面を。 __________ リウ先生が白い歯を見せて笑い、すっと息を吸うと、まるで呪文を唱えるように言った。悪い出来事もなかなか手放せないのならずっと抱えていればいいんですそうすれば、 「オセロの駒がひっくり返るように反転するときがきますよ。いつかね。あなたの息子さんが抱えているものも」リウ先生が指をぱちんと鳴らした。(p296) __________ 長い苦しみの後に赤ちゃんが生まれるように、悪い出来事による苦しみも、いつか反転するときがくる。それはきっと、産まれること。再生なのでしょう。 というところですが、おまけとしてちょっとだけ記しておきたいことがあるので、それを。 自分の子どもがそんな大層なことをしたわけでもないのに褒めて喜んで、それがほんとうに心からそうしている様子なのがわかって、「この人たち、やっぱりどこかおかしいのかもしれない」と親を思うようなのって僕もあったなぁ、とちょっとさみしく思い出したのでした。「2035年のオーガズム」の章の最後からでした。中心人物である男子高校生と恋人同士になるかならないかの関係から発展を期待している高校生の女の子が主人公の印象深かった章です。でもそこで事件というか事故というかに見舞われる男子高校生の運命に振り回されていく。家庭問題も抱えていたり。
救えるわけでもないし、救おうともしていないが、存在を肯定しているというのがこの作品の良さであると思った。ドラマティックな展開はないけれど、細くても光が見えるような5編。私はセイタカアワダチソウの空が1番好きでした。
4.2/5.0 生きてるって辛いし、かっこ悪いことだけど、生きてないと出来ないことがある、という当たり前のことを思った。
心の埋まらない何かを埋めようとする時、人は性行動に出るのだろうか。性描写の多さや詳細さから、人間が持っている虚しさに一生懸命抗おうとする姿を感じた。 独立した短編だと勝手に思っていたので主人公が変わるタイプの連作で驚いた。 最後の主人公は誰だろう?と思ったら、卓巳母だったことに少しの驚きと、親側...続きを読むの弱さや葛藤も描いて締めてくれるバランス感になんとなくホッとした。
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