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老虎残夢
「館」×「孤島」×「特殊設定」×「百合」! 孤絶した楼閣=密室で起きた「絶対不可能殺人」 最侠のヒロインは、最愛の師の「死の謎」を解くことができるのか!? 選考委員絶賛! 第67回江戸川乱歩賞受賞作 綾辻行人「論理的に真相を解き明かしていくスタンスにはブレがなく、スリリングな謎解きの演出も◎」 京極夏彦「南宋の密室という蠱惑。武侠小説としての外連。特殊設定ミステリという挑戦。愉しい」 湖に浮かぶ孤島で、武術の達人・泰隆が遺体となって発見された。三人の武侠を招き、うち一人に「奥義」を授けるとしていた矢先のことだった。孤絶した楼閣は、特殊な武芸を身につけた彼らをもってしても侵入は不可能にみえる。泰隆の愛弟子・紫苑は、姉妹以上の絆で結ばれた恋華とともに、その謎に挑む! -
ルパンの絆
シリーズ累計45万部突破! 2度のドラマ化と映画化で記憶に刻まれた 泥棒一家、探偵家族、刑事一家の物語――劇的クライマックス! 三雲華が、Lの一族をめぐる「パンドラの箱」を開ける! 「しかしもう遅い。ここで引き返すわけにはいかなかった。おそらく全部繋がっている気がした。 杏が誘拐されたのも、和馬が殺人犯に仕立てられたのも、すべて一本の線で繋がっている。 そして、その先には、封印された私の記憶があるはずだ」――本文より 【あらすじ】 Lの一族の娘・三雲華の夫である桜庭和馬は、ホテルのバーで張り込み中、突如意識を失う。 目覚めるとスイートルームにいて、浴室には女の死体。殺人犯に仕立てられたのだ。 そのころ華に「娘を返してほしければ十億円を用意しろ」との脅迫電話が。 二つの事件が交錯し、一族の秘密が浮かぶ。シリーズ最高傑作! -
所有論
主体と存在、そして所有。著者の重ねる省察は、われわれを西欧近代的思惟が形成してきた「鉄のトライアングル」の拘束から解き放つ! 「ほかならぬこのわたし」がその身体を労して獲得したものなのだから「これはわたしのものだ」。まことにもっともな話に思われる。しかし、そこには眼には見えない飛躍があるのではないか……? ロックほか西欧近代の哲学者らによる《所有》の基礎づけの試みから始め、譲渡の可能性が譲渡不可能なものを生みだすというヘーゲルのアクロバティックな議論までを著者は綿密に検討する。そこで少なくともあきらかにできたのは、「所有権(プロパティ)」が市民一人ひとりの自由を擁護し、防禦する最終的な概念として機能しつつも、しかしその概念を過剰適用すれば逆にそうした個人の自由を損ない、破壊しもするということ。そのかぎりで「所有権」はわたしたちにとって「危うい防具」だという根源的な事実である。主体と存在、そして所有。著者の重ねる省察は、われわれを西欧近代的思惟が形成してきた「鉄のトライアングル」の拘束から解き放ち、未来における「手放す自由、分ける責任」を展望する。 -
捨てられる魚たち 「未利用魚」から生まれた奇跡の灰干し弁当ものがたり
【読んだらきっと涙する!感動の実話!】 あなたは「未利用魚」を知っていますか? これは、漁師さんたちがとった魚のうち、市場に出回らずに捨てられてしまう魚のことです。 FAO(国際連合食糧農業機関)が2020年に出した報告書によると、世界でおよそ3割もの魚が捨てられているといわれています。 捨てられる理由はさまざまですが、なかには人がおいしく食べられるのに、「見た目が悪い」「知名度が低い」「調理方法がわからない」などの理由から市場で売買するのが難しく、廃棄されてしまうケースも少なくありません。 せっかくとっても値がつかない魚は、漁師さんにとって経済的負担になるだけではなく、海の資源をムダにしているのと同じです。 本書はそうした未利用魚をつかって「桜島灰干し弁当」という人気の駅弁を生み出した料理人・梛木春幸さんの軌跡をつづった一冊です。 東京や大阪で料理人としてのキャリアを着実に築いていた梛木さんは、なぜ地元・鹿児島に戻り、未利用魚をつかった商品開発に取り組むことになったのか。 返す当てのない莫大な借金を抱え、せっかく作った料理を人々に投げ捨てられる苦難を経ながら、発売直後に大人気になり、新たな鹿児島の名物料理にまで仕上げた梛木さんの原動力とはなんだったのか……。 未利用魚の問題についてはもちろん、「働くことの意味」「日本料理の知られざる精神」なども学べるノンフィクションです。 -
うまく老いる 楽しげに90歳の壁を乗り越えるコツ
「老いの達人」が初タッグ! ヨタヘロの「老いの実況中継」を通して、読者に励ましや乗り越えるコツを伝える樋口恵子さん御年91歳。 対談相手の和田秀樹先生は、高齢者専門の精神科医として、耐える高齢者ではなく、人生を満喫する生き方や実践方法を説いて、大きな支持を受けています。 「うまく老いる」にはどうしたらいいでしょうか。 本書で、樋口さんと和田先生が、具体的に教えてくれます。 【健康面でのコツ】 ・健康寿命を延ばしたければ病気を見つけるな ・ピンピンコロリの前にヨタヘロ期があると知る ・70代と80代で「老い」への対策は変わる ・老いは「意欲の低下」から始まる ・老人性うつを早めに見つけるポイント ほか 【いい医療の見分け方】 ・いい医者かどうか見分ける5つのポイント ・80歳過ぎたら健診は受けないほうがいい ・先進国で日本だけがん死が増えているわけ ・真似したい健康長寿の長野県方式 ほか 【樋口さんと和田先生の生きるヒント】 ・高齢期は、自由に私らしく生きるチャンス ・心をご機嫌にする魔法の言葉 ・「ひとり老い」のほうが元気で長生き ・長生きをして、何をしたらいいか ・リビング・ウイルを書くと生き方が変わる ・老いを生きやすくする性格とは? ・男のおしゃべりは寿命を延ばす? ・幸齢者になる10の秘訣 ほか 老いを怖い、つらいとすごすより、高齢期を自分らしく自由に生きるチャンス到来と頭を切り替えたいものです。 60代、70代、80代と、樋口先生の赤裸々で痛快な老いの実況中継に、6000人以上の高齢者を診てきた和田先生が、心と体の両面から「幸せになる」秘訣を解説。本書は幸齢者になるための一冊なのです。 -
あめいぬ
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ポケットの中のあめだま、泣いてる子にあげようとしたら……! いちご味、ぶどう味、レモン味に、チョコレート味。あめだまでできた犬「あめいぬ」が、涙をぺろっとなめてくれたら、み~んなえがおになれるんだ。 子どもたちをえがおにしてくれる、ちいさくてかわいい犬のお話。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 -
奔流 コロナ「専門家」はなぜ消されたのか
政権と世論に翻弄され、闘った「専門家」たちは何に敗れたのか? 小学館ノンフィクション賞大賞受賞の気鋭ライターの弩級ノンフィクション 尾身茂、押谷仁、西浦茂──感染症専門家たちは、コロナ渦3年間、国家の命運を託された。だが彼らは政権に翻弄され、世論に翻弄され、やがては身を引いた。日本にとって、コロナとは何だったのか? 長期取材を経た筆者が、専門家たちの苦闘の本質を描く。なぜ、彼らは消されたのか? 衝撃のドキュメント。 -
甘々シンデレラ
「妹にケーキを食べさせたい!」その一心で超人気洋菓子店でのバイトを始めることに決めた男子大学生のみのり。しかしその店があるのはなんと“お嬢様学校の中”!? まともに目を見てしゃべれないコミュ障男子がJKパティシエ4人とともにお店を切り盛りできるのか? ケーキよりも甘~い青春ラブコメをご賞味あれ! まともに目を見てしゃべれないコミュ障大学生の季村みのり。妹にケーキを食べさせたい一心で超人気洋菓子店でバイトに応募したがそこはなんとお嬢様学校の構内にある店だった! 春宮苺、夏野もも、秋山林檎、冬月みかん、4人のJKパティシエと一緒にお店を切り盛りすることに!? -
婚約破棄されたので、極上の男を捕まえて見返してやります!(おや!? 弟の様子が……!)
「つまり姉さんは、あいつより優れた相手なら誰でもいいんだね?」 女手一つで育ててくれた母親の再婚で、ある日突然伯爵令嬢となったリネア。令嬢としての振る舞いをリネアに教えてくれたのは、義理の弟となったクラウスだった。生意気な口をききながらも親切にしてくれるクラウスにリネアは感謝し、二人は仲を深めながら成長していく。ところがある日、リネアが婚約者のダーグから手ひどく婚約破棄されてしまう。それを聞いたクラウスは血相を変えてやってきて……。 ※この作品は『不幸令嬢でしたが、ハッピーエンドを迎えました アンソロジーコミック2』収録作品と同一の内容を単話版として再編集したものとなります。 -
イコン
どこにでもいる普通の大学生・金子ナオヤが手に入れた特別な能力…… それは「誰にでも一つだけ言う事をきかせる」というもの。 圧倒的な特殊能力と引き換えに失ったのは「平凡な日常」。 その石はアヤシい組織の敷地内にあり、手に入れた瞬間からナオヤは追われる身に。 さらに、軽い気持ちで「お金をちょうだい」と頼んでみればヤクザの娘から数百万巻き上げる結果に! 身を隠す場所とてなく、逃げ込む所もない。 恋人と二人きりの逃避行が始まった! あらゆるものから逃げまくるジェットコースター・ロマン・ホラー! 金子ナオヤは普通の大学生。だが、奇妙な文献をもとに見つけ出した「石」には特別な力が宿っていた。それは、誰にでも1つ自分の言う事をきかせる事が出来るというもの。「こりゃあおもしれエ」と調子にのったとたんに、次々とトラブルに巻き込まれるナオヤと恋人のサヤ。二人はいつの間にか、アヤシい組織とヤクザと警察とに同時に追われる身となる。 -
マルチエンディング・ミステリー
密室殺人の犯人を「7つの選択肢」からセレクトする、まさに「マルチエンディング・ミステリー」 『最後のトリック』『ミステリー・アリーナ』の著者による新たな挑戦。 築30年の「大泰荘」で8人の大学生が共同生活を送っていた。 ある朝、マッチョな男性住人が鍵のかかった自室において遺体で発見される。 深夜には建物の玄関にチェーン錠がかけられるため、 たとえ鍵を持っていても中には入れない二重の「密室」で誰が彼を殺したのか? 住人の誰もが怪しく、誰にも動機が……。「7つの選択肢」から犯人を決めるのは、あなた。 読者投票の結果も収録。 文庫化に際して、『犯人選挙』を改題。 -
顔に取り憑かれた脳
デジタル時代の今、ネット上は過度に加工された顔であふれている。これはテクノロジーの急速な発展がもたらした、新たな現代病なのかもしれない――なぜ、人間は“理想の顔”に取り憑かれるのだろうか。そのカギとなる「脳の働き」に最新科学で迫る。そこから浮かび上がってきたのは、他者と自分をつなぐ上での顔の重要性と、それを支える脳の多様で複雑な機能の存在だった。 鏡に映る「自分の顔」が持つ、新たな意味にあなたは驚くかもしれない。 【本書のおもな内容】 ・脳の底に横たわる、巨大な「顔認識ネットワーク」 ・加工写真に反応する脳の部位とは ・人が覚えている顔の数は…推定5000人! ・卒業アルバムを懐かしがるのは高度な能力 ・偶然できた模様や形が「顔」に見えるふしぎ ・「つらい時ほど、笑顔」は間違い? ・赤ちゃんはサルの顔も見分けられる? ・「真の笑顔」と「偽の笑顔」 ・まるで実在する人物。人工知能がつくりだす「存在しない顔」 ・顔が果たす「通路」の役割とは 【目次】 第1章 顔を見る脳の仕組み 第2章 自分の顔と出会うとき 第3章 自分の顔に夢中になる脳 第4章 自己と他者をつなぐ顔 第5章 未来社会における顔 -
ここでは祈りが毒になる
子どもは救いであり希望。母でいることは罰。 函館にある医療刑務所分院に努める勤める金子由衣(かねこゆい)が受け持つことになったのは、不摂生の塊のような妊婦・敏江だった。お腹の我が子を心配するよりニコチンを欲する態度に驚き呆れながら、不幸な境遇から抜け出せなかった彼女の人生を思うと複雑な気持ちになるのだった。敏江は難産の末、重い障害を抱えた女児を出産する。すぐにNICUに移され懸命な治療が行われたが敏江は気に留めることもなかった。そんな敏江が数日後死亡する。リスクだらけの身体なので、何が起きてもおかしくはなく、司法検視の結果も問題はなかった。しかし、その数日後、「死にたい」が口癖の緑内障受刑者、明美が死亡した。死因が敏江と似ていることから、院内に緊張が走る。自殺なのか? 敏江の死と関係はあるのか? -
免疫「超」入門 「がん」「老化」「脳」のカギも握る、すごいシステム
パンデミックによって感染症や免疫に関する情報を目にすることが多くなり、私たちの知識も増えたように見える。ただ、そこで出てきた情報は、曖昧なものや誤った情報、感情的なものなどもあり、玉石混淆ともいえる。本書ではあらためて、ウイルスなどの病原体がどのように感染を起こし、免疫がどのように働くのか、その複雑なしくみを、基本から正しくわかりやすく解説する。 また、身体を守るための免疫が、アレルギーの原因となるなど、ときには自分に攻撃的にもなるメカニズムについて解説。免疫が低い場合についてはもちろん、過剰な場合の脅威にも触れる。後半では、さまざまな病気との関連、特にがんとの関係について、期待される免疫療法を軸に展開する。 さらに、免疫は、老化と脳にも深く関わっているという研究が進んでおり、今後の医療への応用も期待できる。認知症や脳梗塞などを、免疫という視点からひもといていく。 -
100年見つめてきました
奈良県生駒市の生駒山上遊園地の遊具「飛行塔」が話す歴史ファンタジー! 標高642メートルの生駒山から見続けた昭和4年から戦時中、令和までの、歴史童話。 飛行塔は、子どもたちを空の世界へと誘う楽しい遊具として、昭和4年に生まれました。 戦争中は、飛行塔部分をもぎとられ「金属回収」されてしまいます。明石空襲、大阪空襲を目の前で見て「戦争とは何か」を考え、 その後、高度経済成長期の変わる日本を見届け、令和の子どもたちにあたたかい声をかけます。 長い年月の間、高い山のてっぺんから、いろんなものを見てきた、 現存する最古の遊具である飛行塔のお話。 ●巻末に、年表や語句説明もあり、「戦争を伝える」ためにもぜひご覧頂きたいです。 ●発売前から書店員さん、司書さんから評判です! 「被害者」「加害者」ではなく、「第三者視点」で描かれる戦争童話は、 子どもたちに客観的に戦争について考える力を与えてくれます。 ──紀伊國屋書店横浜店 花田優子 「平和がいかに大切か。争いのない世の中がどれだけ尊いものか。稼働する最古の大型遊具が見つめた、戦前、戦中、戦後。 その歩みをユニークな手法で伝えるやさしくてせつない物語。幅広い世代に手に取って欲しいです!」 ──NetGalley先読み読者 -
ドラキュラ・シンドローム 外国を恐怖する英国ヴィクトリア朝
急成長を遂げた周辺国からの侵略恐怖、増加する貧窮移民の不安、友好国へのぬぐいがたい不信、新たな感染症の脅威……「ドラキュラ」の恐怖と魅力の源泉には、黄昏を迎えた大英帝国の外国恐怖症があった。ゴシック・ホラーの金字塔に織り込まれた、ヴィクトリア朝イギリス社会の闇を描き出す! 世界でもっとも有名な吸血鬼「ドラキュラ」。 数ある吸血鬼作品のなかでも特権的な地位を得て、現代に至るまで映像化が繰り返され、日本では吸血鬼の代名詞にもなっています。 そのドラキュラの恐怖と魅力の源泉には、19世紀末イギリス社会に蔓延する深刻な外国恐怖症がありました。 「太陽の沈まぬ帝国」、「世界の工場」と謳われた栄光は過ぎ去り、軍事・経済ともに急成長を遂げつつある周辺国からの侵略恐怖、増え続けるユダヤ人など貧窮移民への不安、搾取してきたアジアの植民地から入ってくる新たな感染症の脅威……。 落日の大英帝国に生きる人々は心の奥底で何を恐れ、そしてドラキュラは生みだされたのか。 『パンチ』などに掲載された風刺画をふんだんに使いながら、ゴシック・ホラーの金字塔から読み解く世紀末ヴィクトリア朝の社会! イントロダクション 第1章 ドラキュラの謎 第2章 ドラキュラの年は西暦何年か 帝国主義の世紀末 第3章 侵略恐怖と海峡トンネル計画の挫折 第4章 アメリカ恐怖と「栄光ある孤立」の終焉 反ユダヤ主義の世紀末 第5章 ユダヤ人恐怖と外国人法の成立 第6章 混血恐怖とホロコースト パストゥール革命の世紀末 第7章 コレラ恐怖と衛生改革 第8章 瘴気恐怖と細菌恐怖 おわりに――ヴィクトリア朝外国恐怖症の文化研究 増補 もうひとつの外国恐怖症――エミール・ゾラの〈猥褻〉小説と検閲 学術文庫版あとがき 引用史料一覧 コラム 吸血鬼の系譜/シャルコーの催眠術/一八九三年一〇月二日のピカディリ・サーカス/ダイヤモンド・ジュビリー/火星人/海峡トンネル・パニック/ベアリング銀行の投機失敗/ロスチャイルド一族の結婚/ロンドンとテムズ川の汚染……ほか -
マルクス解体 プロメテウスの夢とその先
資本主義をこえていく、新時代のグランドセオリー! 人新世から希望の未来へ向かうための理論。 英国で出版された話題書Marx in the Anthropocene(ケンブリッジ大学出版、2023年)、待望の日本語版! いまや多くの問題を引き起こしている資本主義への処方箋として、斎藤幸平はマルクスという古典からこれからの社会に必要な理論を提示してきた。本書は、マルクスの物質代謝論、エコロジー論から、プロメテウス主義の批判、未来の希望を託す脱成長コミュニズム論までを精緻に語るこれまでの研究の集大成であり、「自由」や「豊かさ」をめぐり21世紀の基盤となる新たな議論を提起する書である。 目次 第一部 マルクスの環境思想とその忘却 第一章 マルクスの物質代謝論 第二章 マルクスとエンゲルスと環境思想 第三章 ルカーチの物質代謝論と人新世の一元論批判 第二部 人新世の生産力批判 第四章 一元論と自然の非同一性 第五章 ユートピア社会主義の再来と資本の生産力 第三部 脱成長コミュニズムへ 第六章 マルクスと脱成長コミュニズム MEGAと1868年以降の大転換 第七章 脱成長コミュニズムと富の潤沢さ 【原書への賛辞】 自然科学に関するマルクスの手稿への詳細な検証を通じて斎藤幸平が私たちに想起させるのは、マルクスがなぜ自然と資本主義の関係が根本的に持続不可能と主張したのか、ということだ。本書は、忘れ去られていたマルクスを私たちのもとに復活させる。長らく顧みられることのなかったマルクスを手がかりに、斎藤は、「脱成長コミュニズム」を力強く主張する。この理論的なアプローチは、「豪奢なコミュニズム」という抽象的な概念を対象にするのではなく、むしろ〈コモン〉の幸福を対象にして「豊かさ」という概念そのものを再編成しようとしている。 ティティ・バタチャーリャ(共著書『99%のためのフェミニズム宣言』) 傑作。これこそわれわれが待っていた本だ。斎藤は、マルクスに基づいて「脱成長」と「エコ社会主義」のワクワクするような統合を成し遂げている。ここにポスト資本主義への転換の秘密が隠されている。 ジェイソン・ヒッケル(著書『資本主義の次に来る世界』) 斎藤幸平はマルクス思想を完結したシステムではなく、運動のなかにある思想としてとらえている。彼の「脱成長コミュニズム」という果敢な表明は、現代のエコロジカルなマルクス思想、すなわち「人新世のためのコミュニズム」への決定的な貢献である。 ミシェル・レヴィー(著書『エコロジー社会主義』) -
トゥデイズ
どこにでもある日常が、どうしてこんなに愛おしいんだろう。かけがえのない「今日」を描く、芥川賞・大江賞作家の最新作。 夫婦と5歳の息子が暮らす築50年の大型マンションに、今日もささやかな事件が降りかかる――。日本に「住む」すべての人へ、エールを送るマンション小説! 「しゅっ」「ぱーつ!」――5歳の息子コースケと僕たち夫婦は、今日も小さな冒険の旅に出る。子育てのため、郊外にある大規模マンション「Rグランハイツ」に引っ越してきた美春と恵示。管理組合の理事になった妻とリモートワークの夫は、築50年のマンションに集まり住む住人たちとともに、どこにでもあるけれど、かけがえのない日々を重ねていく。 -
人はどう老いるのか
老いればさまざまな面で、肉体的および機能的な劣化が進みます。目が見えにくくなり、耳が遠くなり、もの忘れがひどくなり、人の名前が出てこなくなり、指示代名詞ばかり口にするようになり、動きがノロくなって、鈍くさくなり、力がなくなり、ヨタヨタするようになります。 イヤなことばかり書きましたが、これが老いるということ、すなわち長生きということです。 にもかかわらず、長生きを求める人が多いのはなぜなのか。それは生物としての人間の本能であり、長生きをすればいいこともいっぱいあるからでしょう。 世の中にはそれを肯定する言説や情報があふれています。曰く、「八十歳からの幸福論」「すばらしき九十歳」「人生百年!」「いつまでも元気で自分らしく」「介護いらず医者いらず」等々。 そのことに私は危惧を深めます。そんな絵空事で安心していてよいのかと。 思い浮かぶのが、パスカルの言葉です。 我々は絶壁が見えないようにするため、何か目を遮るものを前方に置いた後、 安心して絶壁のほうに走っているのである。 下手に老いて苦しんでいる人は、だいたい油断している人です。浮かれた情報に乗せられ、現実を見ずに明るく気楽で前向きな言葉を信じた人たちです。 上手に老いて穏やかにすごしている人は、ある種の達観を抱いています。決していつまでも元気を目指して頑張っている人ではありません。いつまでも元気にこだわると、いずれ敗北の憂き目を見るのは明らかです。 老いれば機能が劣化する分、あくせくすることが減ります。あくせくしても仕方がないし、それで得られることもたいしたものではないとわかりますから。そういう智恵が達観に通じるように思います。 多くの高齢者に接してきて、上手に楽に老いている人、下手に苦しく老いている人を見ていると、初体験の「老い」を失敗しない方法はあるような気がします。それをみなさんといっしょに見ていきたいと思います。 第一章 老いの不思議世界 第二章 手強い認知症高齢者たち 第三章 認知症にだけはなりたくない人へ 第四章 医療幻想は不幸のもと 第五章 新しいがんの対処法 第六章 「死」を先取りして考える 第七章 甘い誘惑の罠 第八章 これからどう老いればいいのか -
9時半までのシンデレラ
わたしにとって一番大事なのは、母に怒られないようにすること。 だけど、勉強や家の手伝いを、どれだけがんばっても、ほめてなんてもらえない。 どうしたら、お母さんはわたしを愛してくれるんだろう? 常に母の顔色をうかがい、苦しい毎日を送っていた中3の莉子は、 塾の帰り、長い黒髪の美しい少女・澪に出会う。 「あたりまえを強要されるのっておかしくない?」 学校に行かず、自由に生きる澪に莉子はひかれていく。 塾が終わると、駅前の「パレット広場」で澪と落ち合い、 夜9時半までのわずかな時間を一緒に過ごすようになった。 この気持ちに名前なんてつけられない。でも今は、澪といっしょにいたい。 かけがえのない存在となっても、莉子は澪に母との葛藤を言わずにいた。 ところがある日……。 -
身体知―カラダをちゃんと使うと幸せがやってくる
男手一つで子育てした内田樹と「オニババ」論の三砂ちづるが“おじさん”“おばさん”として提言! 「いいから黙って結婚しなさい!」……なんで?――大きな価値観の変動のなかで個人が幸せになるための条件を、気鋭の学者たちがそれぞれ一人のおとなとして、家庭人として提言。結婚や出産にも流行があり、悲しい思いやつらい経験をした前の世代へのいたわりの視線をもちつつ、日本人が培ってきた身体の知恵、日本文化のもつ他者への愛情や距離の取り方についてまとめていく。結婚したり出産したり、家庭をもったりして見えてくる人生の味わいを若者たちに見失わせてはならない。 ●変なおじさん、おばさんが役に立つ ●ネガティブなオーラから逃げる武道の感受性 ●結婚の相手は結局誰でもいい ●何でオニババになっちゃうの? ●夫婦のエロス的結びつきから家庭がはじまる ※本書は2006年バジリコ株式会社から刊行された『身体知――身体が教えてくれること』を文庫化したものです。 -
「人口ゼロ」の資本論 持続不可能になった資本主義
衝撃の数理モデル「資本主義が続く限り、人口はゼロになる」 なぜ少子化対策は失敗するのか? 人口減の根本にあるメカニズムは何か? まったく新しい着眼が拓く、日本再生の道! 「人間の数が減ればどういうことになるのか、どういう打撃をこうむるのかについて、私たちは永らく無関心でいましたが、人口減はその深刻さを認識させつつあります。最近は政府でさえ「人間への投資」を主張するようになっています。しかし、日本社会の基本は全然その方向に進んでいません。実質賃金は30年近くも減少した上、2022年以降の物価上昇でさらに大きな切り下げが進行しています。政府が「少子化対策」と称しているものを確認しても、それらで人口減が解決するとはとても思えません。政府は「やってる感」を出すことにしか関心がないのでしょうか。これはこの問題が相当大きな日本の構造転換を必要とし、それに手を出せないことから来ている反応と考えざるを得ません。何より今の少子化は、人々が望んでもたらしているのではない、子供をつくろうとしてもできない状態に労働者がおかれているからこそ起きているのです」――本書「まえがき」より大意 本書のおもな内容 ・経済学は少子化問題をどのように論じているか ・「ヒトの軽視」が生んだ将来不安 ・社会格差が歴史的にも人口減の最大要因 ・非正規労働者は「好きな相手との結婚」を諦めよ!? ・結婚と出産を乗り越えても立ちふさがる高いハードル ・必ず貧困者をつくらなければ持続しないのが資本主義 ・ジェンダー差別は「生命の再生産」を阻害する ・AIに人間はつくれない ・賃金格差を広げよ!? 新自由主義が社会に根強い理由 ・途上国の発展が日本の不利益に? ・教育の無償化は人口政策 ・企業行動への国家の強制介入も必要に ・資本主義からの脱却へ 【著者略歴】 大西広 おおにし・ひろし 1956年生まれ。1980年京都大学経済学部卒業、1985年京都大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。1989年京都大学経済学博士。1985年立命館大学経済学部助教授、1991年より京都大学大学院経済学研究科助教授、同教授を歴任。2012年より慶應義塾大学経済学部教授。2022年3月31日慶應義塾大学定年退職、同年慶應義塾大学名誉教授。世界政治経済学会副会長。主著に『マルクス経済学(第3版)』(慶應義塾大学出版会)、他にマルクス経済学や中国問題に関する著書多数。 -
大人のための生物学の教科書 最新の知識を本質的に理解する
本書は、生物学の基本から最新の話題まで、網羅的に解説した入門書で、図版も多く、基本を知りたい人、学び直しをしたい人に最適なつくりになっています。 「受験をするわけではないし、中学レベルまでは理解しているけど、その先が知りたい」 「最新のニュースを理解するために基本を知りたい」 「教科書よりも堅苦しくなく、おもしろく学びたい」 という読者のニーズに応えた、画期的な一冊! 主な内容 第1章 細胞から分子レベルの生物学 細胞と生体膜-生命の基本単位/タンパク質と酵素-生命活動の実働部隊/DNA-生命活動の黒幕/光合成と窒素同化-物質循環とエネルギー循環 など 第2章 個体の継承と形成に関する生物学 遺伝と減数分裂-縦続保存を種族保存を支える原理/発生-生命最大の神秘/バイオテクノロジーの光と影 など 第3章 個体の維持に関する生物学 血液を知る-生きていることの驚異/肝腎なはなし-24時間はたらくタフな臓器/脳-最後のフロンティア など 第4章 生物の集団レベルの生物学 生物界をマクロな視点で見る/森と海を守るために-豊かな生態系を楽しむ など 第5章 生物界の時間的・空間的な広がりを考える生物学 生物分類-博物学はやはり不滅/進化-あらゆるところに見ることができる生物の歴史 -
中世ヨーロッパの色彩世界
明日、何を着ていこう――冠婚葬祭をのぞけば、服選びで色がもつ意味を気にする人はいないだろう。ところが中世ヨーロッパではそうはいかない。たとえば緑は恋を、青は誠実さを意味し、黄は忌避される色だった。中世の色は現代よりもはるかに饒舌で、絵画や文学で描かれた人々の衣服の色には、単なる色の美しさや好みを超えた、さまざまな意味が託されている。中世の人びとはどんな色に囲まれ、どんな気持ちで色を身につけていたのか、あるいは目の前の人物が纏う色から何を読みとっていたのか。 多彩な史料から複雑で精緻な色彩コードを読み解き、中世人の日々の感情生活を豊かに描き出す。あの絵画もこの伝説もいっそう深く理解できる、色が語る中世世界への招待!(カラー口絵付き。電子書籍版はオール・カラー図版) 待ちに待った初めての逢瀬。恋焦がれた女性が鮮やかな青に緑のオウムをちらしたドレス着て現れたら、相手の男性は有頂天になるだろう。なぜなら、そのドレスの意味するところは「誠実にあなたを愛します」。ところがある日、夢に現れた彼女が全身緑の衣をまとっていたら、悲嘆に暮れてしまうかもしれない。青が意味する誠実さに対し、緑は恋の色であると同時に変動の色でもある。彼女の心変わりが青を脱がせ、緑を着せたのだ――。 このように単なる色の好みや色づかいの美しさを越えて、中世の色は複雑な精神世界を織りなしている。「中世の色は饒舌であり、中世の人びとは意味もなく色をつけることはない」。たとえば黄色には負のイメージがつきまとい、縞柄は道化師や娼婦、気まぐれな運命女神のものである。権威と権力を示す赤、醜い色からやがて「悲しみの色」として大流行する黒……。 ブリューゲルやジョット、ヤン・ファン・エイクの絵画、数々の華麗な装飾写本の挿絵に、アーサー王物語をはじめとする騎士物語、貴族の家計簿や財産目録など多彩な史料から、当時の染色技術も視野にいれつつ、色彩に込められたメッセージを読み解き、色から見えてくる中世世界を描き出すのが本書である。 グリーンゲイブルスのアンはなぜ「赤毛」を嫌ったのか、ルーレットやバカラなどのカジノ台はなぜ緑のフェルトでおおわれているのか、囚人服は縞柄で、スーツにダークカラーが多いのはなぜなのか。現代社会に今なお息づく色彩に秘められた歴史に迫る!(原本:『色で読む中世ヨーロッパ』講談社選書メチエ、二〇〇六年) 【本書の内容】 序 章 色彩文明の中世 第1章 中世の色彩体系 第2章 権威と護符の赤 第3章 王から庶民までの青 第4章 自然感情と緑 第5章 忌み嫌われた黄 第6章 子どもと芸人のミ・パルティと縞 第7章 紋章とミ・パルティの政治性 第8章 色の価値の転換 終 章 中世人の心性 -
はじめての人類学
「人間の生」とは一体何なのか。今から100年前、人類学者たちはその答えを知ろうとしてフィールドワークに飛び出した。マリノフスキ、レヴィ=ストロース、ボアズ、インゴルドという4人の最重要人物から浮かび上がる、人類学者たちの足跡とは。これを読めば人類学の真髄が掴める、いままでなかった新しい入門書! -
最強の漫才 東大と吉本が本気で「お笑いの謎」に迫ってみた
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 理論派の芸人たちが語る「漫才の秘密」。 研究のプロたちが解き明かそうとする「漫才の構造」。 漫才は技術か? アートなのか? お笑いファンから芸人志望者まで必読の、新しい「漫才論」。 この1冊で、「M-1グランプリ」応援がますます楽しくなる!! 【本書の主な内容】 ◆「ベタは最強 アホは才能」――笑いの秘密を語ろう(NON STYLE 石田明) ◆芸人のSNSアカウント相関図から「売れる芸人の戦略」がわかる?(東大大学院 坂田一郎) ◆ど真ん中よりちょっと外がいい? 芸人が知らない「本当の位置と売れ方」(ゆにばーす) ◆「究極の内輪人間」だから僕は勝てた(マヂカルラブリー 野田クリスタル) ◆面白い「つかみ」で漫才の「本ネタ」はどこまで影響される?(東大大学院 植田一博) ◆漫才の「つかみ」は挨拶に似ている?(トータルテンボス) ◆「屁とお経とパンタグラフ」見えた! お笑いの原点(笑い飯 哲夫) ◆M-1の勝者をファンのビッグデータで予測できるか?(東大大学院 浅谷公威) ◆科学ではとらえきれない「魔物」がM-1には存在するのか?(オズワルド) ◆特別企画 2023年のM-1勝者をちょっと強引に予測してみた ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 -
トヨタのEV戦争
EV(電気自動車)が好きでも嫌いでも関係ない。負けられない戦いがここにある! 2023年4月、電撃的な社長交代を果たしたトヨタは、佐藤恒治新体制のもと新たなEV戦略を次々に発表している。マルチパスウェイ(全方位戦略)を維持するとしながらも、国、地域をあげた欧・米・中によるEV覇権争いに乗り遅れることはできないと、腹を括ったのだ。 「壮大なる消耗戦」の様相を呈してきたこの戦いに、トヨタはどう挑み、勝ち抜こうとしているのか? その戦略を詳細に分析するとともに、世界の自動車産業がこの先に進む、未来の姿も提示する。 日々、大胆に進む「100年に一度の変革」を、自動車産業No.1アナリスト・中西孝樹がダイナミックに、精緻に描く必見の書、緊急出版! 第1章:トヨタつまずきの本質論 第2章:CASE2.0と国内自動車産業の六重苦 第3章:世界のEV市場の現在地と未来図 第4章:トヨタのマルチパスウェイ戦略 第5章:10年に一度のサイクルで訪れるトヨタの危機 第6章:2020年に再来したトヨタ最大の危機 第7章:テスラの野望 第8章:次世代車SDVへの進化 第9章:トヨタ新体制の戦略 第10章:トヨタに求められる変革 最終章:国内自動車産業の未来 -
「山上徹也」とは何者だったのか
安倍元首相暗殺から1年、統一教会と政界、そして山上徹也容疑者の実像を追い続けた著者だから書ける事件の深層とは! 山上はなぜ接見に応じないのか/「なかったことにしたい」勢力/山上に送った四通の手紙/宗教2世との微妙な距離感/統一教会・政治家・メディアの恥ずべき関係性/狙いは本当にテロだったのか/私の責任について/山上からの「回答」/被害者と加害者 (主な内容) 序 章 風化する「統一教会問題」と「なかったことにしたい」勢力 第一章 山上徹也と安倍晋三、鈴木エイトをつなぐ「奇妙な縁」 第二章 銃撃事件後、逮捕された山上が供述した「恨み」 第三章 鑑定留置中の山上徹也に送った手紙 第四章 事件の約一週間前に山上徹也から届いていたメッセージ(前編) 第五章 山上徹也に複雑な思いを抱く「宗教2世」たち 第六章 事件の約一週間前に山上徹也から届いていたメッセージ(後編) 第七章 山上徹也が抱えていた「マグマのような憤り」の正体 第八章 山上徹也は事件前からSOSを発していた 第九章 山上徹也が見た「絶望」の正体 第十章 「統一教会の被害を食い止めた」ために罪が重くなる可能性 -
戦国日本を見た中国人 海の物語『日本一鑑』を読む
16世紀半ば、戦国時代の日本をルポルタージュした中国人がいた。その後すっかり忘れ去られていた貴重な記録『日本一鑑』には、いったい何が書かれているのか。明清時代の中国を、ユーラシアの陸と海から大きな視点でとらえた著作で高く評価される著者が、日本の戦国時代を描き直す意欲作。 1523年、戦国日本の有力者、大内氏と細川氏が日明貿易をめぐって争い、中国の港町を争乱に巻き込んだ「寧波事件」は明朝に衝撃を与えた。密貿易と倭寇への対策に悩む朝廷の命を受けて、日本の調査のために海を渡ったのが、『日本一鑑』の著者、鄭舜功である。「凶暴、野蛮な倭人」という従来の先入観にとらわれない鄭舜功の視線は日本の武士から庶民におよぶ。生活習慣や日本刀の精神性、切腹の作法、男女の人口比など多岐にわたって、凶暴なるも礼節を重んじ、秩序ある日本社会を描いている。 また、日本さらに畿内への詳細な航路の記録は、当時の日本の政治・軍事状況を映し出す。九州の東西どちらを通るのか、瀬戸内航路か太平洋航路か――。しかし、大きな成果をあげて帰国した鄭舜功には、過酷な運命が待っていたのだった。 本書によって、日本の戦国時代は、応仁の乱から関ヶ原の合戦へという「陸の物語」ではなく、実は日本からの銀の輸出と海外からの硝石・鉛の輸入を主軸とする「海の物語」であったというイメージが、新たに像を結んでくるだろう。 目次 はじめに─―忘れられた訪日ルポには何が書かれているのか 序 章 中世の日本を俯瞰する 第1章 荒ぶる渡海者 第2章 明の侠士、海を渡る 第3章 凶暴なるも秩序あり 第4章 海商と海賊たちの航路 終 章 海に終わる戦国時代 あとがき -
ハーバード生たちに学んだ 「好き」と「得意」を伸ばす子育てのルール15
★娘は塾なし家庭学習だけで地方公立からハーバード現役合格&首席卒業! ★ハーバード生たちと仕事する起業家の母が伝えたい世界で通用する子どもの育て方 ★羽鳥慎一モーニングショー(テレビ朝日系)出演で大反響! ★ひろつる式・英語学習メソッド収録 一人娘のすみれさんは、大分の公立校から塾なし・留学なしでハーバード大学に現役合格& 首席卒業。現在、オンラインの英語教室を主宰する廣津留真理さん。ABCの書き取りも文法も教えないこの英語教室では、たった週1回75分のレッスンで幼児が英検3級(中学卒業レベル)、小学生が英検2級(高校卒業レベル)に合格する例が続出しています。イエール大学や東京大学、 国立大学医学部といった難関大学に合格する教え子たちも。 グローバル化、AI化が進み、親たちが受けてきた教育の常識が通用しなくなっている今。 これからの未来に生きる子どもたちに必要なのは、テストでまんべんなく平均以上を目指すことより、「好き」と「得意」を伸ばすことです。英語指導にとどまらず、子育てに関するセミナーや、現役ハーバード生を講師陣に迎えるサマースクールSummer in JAPANを毎年主催するなど、これまで1000人以上の現役ハーバード生と関わり、のべ1万人以上の親子を見てきた廣津留さんに、子どもを伸ばす親とそうでない親は、いったい何が決定的に違うのかを教えてもらいます。限られた時間で何をしたほうがいいのか、 何をしないほうがいいのか、その取捨選択法と親たちが家庭でできることを伝えます。 すみれさんとの母娘対談と、「難しいことから先にする」ロケット噴射型のひろつる式英語学習メソッドも収録し、すみれさんが実践し、「塾なしハーバード合格」のベースとなった学習の各家庭での具体的な取り入れ方も紹介します。 -
光をえがく人
東アジアのアートが照らし出す五つの物語。その一つ一つが大切な人との繋がりを浮かび上がらせる。世界の「今」を感じさせる小説集! 【ハングルを追って】 ハングルが書き込まれたアドレス帳を拾った美大事務職の江里子は、油画科の親友に相談し、ソフィ・カルにちなんで韓国へ行ってアドレス帳の持ち主を探すことに……。 【人形師とひそかな祈り】 伝統の御所人形を作り続ける正風は子どもにも弟子にも恵まれず、そろそろ工房を畳もうと考えていた。そんな折、フィリピンからの留学生を紹介され心を開いていく……。 【香港山水】 現代水墨画家の成龍は、コレクターたちのパーティに駆り出される。そこで本土の実業家の夫人・美齢と出会い、デモ隊と警察が衝突する混乱のさなかに二人は再会し……。 【写真家】 有名な写真家だった父が、記憶をなくして海外から帰国。娘は世話をしながら、母から写真家としての父の話を聞き、生涯を辿ることになる。知らなかった真実がそこに……。 【光をえがく人】 ミャンマー料理店の店主に、自国の政治犯についての話を聞くことになった。学生のころ反政府運動に加わって投獄され、劣悪な監獄生活のなかでの奇妙な体験とは……。 -
文通小説
「あたし、もうすぐ引っ越すんだ」三月二十四日。二年生として登校した最後の日、通知表を受け取って帰っていた道の途中で、貴緒が言いだした。たいしたことじゃないけどいちおう話しとくね、くらいの、いつもとまったく変わらない調子で。--中略ーー 「文通……」わたしはばかみたいにくり返した。意味はもちろん知ってるし、なんなら現在進行形で、クラスメイトや他クラスの子としょっちゅう手紙を交換している。便箋の凝った折り方だって五種類くらい手が覚えている。ハートやうさぎ、シャツの形に折ったものを渡すと、貴緒はとくに喜んでくれたから。だけど、この先はそうじゃない。学校で手渡しするのは不可能になるんだ。始まるのは、ほんとうの〈文通〉。貴緒が遠くへ行ってしまうことの現実感が、その単語ひとつにぎゅっと詰まっていた。(本文より) 眞島めいり『みつきの雪』が入試に出題された中学・高校 (*2022年12月20日現在) ■令和3(2021)年度 関西大倉中学校 甲陽学院中学校 追手門学院中学校 実践女子学園中学校 田園調布学園中等部 聖ヨゼフ学園中学校 学習院中等科 吉祥女子中学校 大阪府立東住吉高等学校芸能文化科 佼成学園中学校 ■令和4(2022)年度 新潟大学附属新潟中学校 清風中学校 静岡県西遠女子学園中学校 目黒星美学園中学校 関東学院中学校 以上、計15校 目次 1 文通しようよ 2 平さんと能勢さん 3 会いたい 4 雨の街で 5 花の名前は 6 大学図書館 7 友達じゃない 8 約束 9 わたしだから 10夜中の電話 -
ちいかわ ことわざ100
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 イラストレーター、ナガノさんの「ちいかわ」が大人気。ストーリーで、わかりやすくことわざを解説します。これで、あなたもことわざ博士! 例えば、「類は友を呼ぶ」の意味を、なかよくあそんでいるちいかわ、ハチワレ、うさぎのイラストで解説。 大人からこどもまで楽しめる、かわいくてわかりやすい、ことわざ本です。 【もくじ】 なかよし 人間関係のことわざ フレーフレー! 応援のことわざ なるほど! 言い得て妙なことわざ 泣いちゃった・・・・・。 残念なことわざ ふむふむ! 生きる知恵のことわざ ラッキー! 幸運なことわざ 索引 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 -
DEEP LIFE 海底下生命圏 生命存在の限界はどこにあるのか
これまで生命が存在しないと思われていた「海底地下の世界」。 しかし、そこには地上を超える豊かな「生命圏」が広がっていた! 海底下の掘削調査で採取された「地質コア試料」から発見されたさまざまな微生物群。 ・微生物たちはいつからそこにいて? ・なにから栄養を摂っているのか? ・なぜ超高温・超高圧(アッチアチのカッチカチ)の世界に耐えられのか? これらの謎を追っていくと、そこには、これまで考えられていた生命観とは違った「生命システム」が見えてきます! 海底下深部からの地質コア試料から培養された古細菌(アーキア)には、御年・数千万歳を超えるものも!! 120度以上の高温、海底下2000メートルの高圧世界でも生き続ける! 食べるものがない「超貧栄養状態」を微生物たちは、どのようにサバイブしているのか!? 微生物の生命維持の限界はどこにあるのか? 地球科学はもちろん、生命の起源やその存続の謎へと迫っていくサイエンスのおもしろさを、実際に行われた「海底下生命圏科学掘削調査」の歴史とともに臨場感あふれる筆致で紹介していきます。 著者は、大学院生時代に出逢った科学誌「science」に掲載された「海底下地質サンプルからの微生物発見」の論文に衝撃を受け、その後、さまざまな科学掘削調査に参加、さらに海洋研究開発機構(JAMSTEC)が運用する地球深部探査船「ちきゅう」の調査航海を指揮しながら、極限環境に生きる微生物の調査を行っている研究者です。 海底地下の世界から「生命とは何か」という根源的な問いをもとに、「地球-生命システム」という大きな展望へと広がっていく、サイエンスのフロティアを紹介します! -
アラ還十和子
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 美容から更年期、子育ての話まで、すべてがわかるライフスタイル本! 1966年5月30日生まれ。50代も半ばを過ぎて、十和子さんは「アラ還」となった。 年齢を感じさせない美しい肌、完璧に整った顔立ち、すらりとしたボディライン。コロナ禍を経て空前の美容ブームとなっている今、十和子さんの人気と注目は、ますます高まっています。 雑誌などでは美容家として、さらには自身が開発に携わるコスメブランド、FTCの「顔」として華やかな姿を見せる一方、定期的に行っているインスタライブではすっぴんを披露し、自身のエイジングについても率直に語る。バラエティ番組ではバンジージャンプや激辛料理など、体を張った挑戦だって厭わない。 美しく上品で、ゴージャスな十和子さん。 親しみやすく、優しく、好奇心旺盛な十和子さん。 どちらの彼女も取り繕っていない「本質」。だからこそ、私たちはこんなにも、惹かれてしまうのでしょう。 「どうしてそんなに素敵なの?」「その魅力の秘密を知りたい!」という多くの皆さんからのラブコールで、『アラ還十和子』は生まれました。 この本では、彼女の美を支えるポリシーだけでなく、仕事や家族、友達への想い、生き方など、十和子さん自身の素直な言葉を通して年齢を重ねてなお、輝き続ける理由を紐解いていきます。 -
私は女になりたい
一人の男を好きになった。 自分にとって最後の恋になるだろう、という強い予感があった。 人として、女として、生きるために。 直木賞作家が描く「最後」の恋。本当の、恋愛小説。 「素直な感動に満たされた。窪さんがこんな小説を書くなんて」ーーー唯川恵「解説」より 赤澤奈美は四十七歳、美容皮膚科医。 夫と別れ、一人息子を育て、老母の面倒をみながら、仕事一筋に生きてきた。 ふとしたことから、元患者で十四歳年下の業平公平と嵐に遭ったかのように恋に落ちる。 頑なに一人で生きてみせようとしてきた奈美の世界が、色鮮やかに変わってゆく。 直木賞作家、渾身の恋愛小説。 -
今度生まれたら
※本作品は、2020年発売の単行本版『今度生まれたら』を文庫化した作品となります。重複購入にご注意ください。 70代では人生やり直せない? 人間に年齢は関係ない、なんてウソ。 人生100年はキレイごと。 「今度生まれたら、この人とは結婚しない」70歳の主婦、佐川夏江は自分がやり直しのきかない年齢になっていることにショックを受ける。人生を振り返ると、あの時別の道を選んだらどうなっていたかと思うことばかり。進学は、仕事は、結婚は。少しでも人生をやり直すため、夏江はやりたいことを始めようとあがく。 大好評の著者「高齢者小説」シリーズ。 「元気をもらいました」「自分のことのように読みました」「もっと早く読みたかった」 など読者の声多数のベストセラー! -
キリスト教は邪教です! 現代語訳『アンチクリスト』
名著、現代に復活! 世界を滅ぼす一神教の恐怖!!――世界を戦火に巻き込むキリスト教原理主義者=ブッシュ、アメリカの危険を100年前に喝破!! ●松原隆一郎氏「西洋の価値体系を徹底批判」 ●被告・キリスト教は有罪です。私はキリスト教に対して、これまで告訴人が口にしたすべての告訴のうちで、もっとも恐るべき告訴をします。どんな腐敗でも、キリスト教以上に腐っているものはないからです。キリスト教は、周囲のあらゆるものを腐らせます。あらゆる価値から無価値を、あらゆる真理からウソを、あらゆる正直さから卑怯な心をでっちあげます。それでもまだ、キリスト教会の「人道主義的」な祝福について語りたいなら、もう勝手にしろとしか言えません。キリスト教会は、人々の弱みにつけこんで、生き長らえてきました。それどころか、自分たちの組織を永遠化するために、不幸を作ってきたのです。 ●キリスト教が世界をダメにする ●仏教の素晴らしいところ ●イエスは単なるアナーキスト ●イエスとキリスト教は無関係 ●オカルト本『新約聖書』の暴言集 ●キリスト教が戦争を招く理由 ●キリスト教は女をバカにしている ●キリスト教が破壊したローマ帝国 ●十字軍は海賊 ●ルネサンスは反キリスト教運動 -
我が身を守る法律知識
この一冊で、あらゆる法的トラブルを予防できる知識が身につく! 市民、ビジネスパースン、学生、実務家、訴訟当事者・関係者必携の一冊! 法的紛争・危険を防止するためには、個別的、断片的な知識・情報も必要ですが、より重要なのは、それらの基盤になる法的なものの考え方や感覚を身につけることです。それが身についていさえすれば、個別・断片的な知識・情報を超えた範囲の事柄についても、おおむね適切に対処することができるからです。 本書は、普通の日本人が一生の間に出あう可能性のある各分野の法的紛争を網羅し、そうした紛争に巻き込まれないための予防法、そして万一トラブルが起きたときの対処法となる法律知識・情報・基本的な法律論を、わかりやすく、正確に、かつ興味深く読めるようなかたちでまとめ上げた、コンパクトながら、実用性と密度の高い一冊です。著者は、33年にわたり膨大な民事訴訟を手がけてきた元裁判官・現大学教授で、民事訴訟法の権威でもあります。 具体的には、まず、第2章で、遭遇することが最も多く、結果も重大なものとなりがちな交通事故関係につき、損害賠償の実際と過失相殺、危険性の高い行為、保険の内容、事故対応、保険会社との交渉、訴訟等の事柄を、基本的な前提知識をも確認しつつ論じます。 第3章では、民事訴訟の数が非常に多い「不動産関連紛争」一般につき、使用貸借と賃貸借、土地・建物購入、建物新築と欠陥住宅紛争、競売物件、隣人間紛争等の各側面から説きます。 第4章では、痴漢冤罪を含め、刑事事件関係全般について、若者や子どもをも含めた普通の市民が注意しておくべき事項について述べます。 第5章では、親族法の領域につき、離婚事由や手続、これに伴う各種の給付・親権者指定、夫婦間の子の奪い合い、国際結婚、不貞慰謝料等の事柄を語ります。 第6章では、近年非常に紛争の増えている相続法の領域につき、相続人と相続分、相続放棄、各種の遺言、遺産分割、遺留分侵害額請求、相続税対策の落とし穴等の事柄を、いずれも、できる限り詳しく、わかりやすく、また、正確に解説します。ことに第6章は本書の大きな目玉であり、具体的な例についてのかなり突っ込んだ記述をも含みます。相続法は近年大改正された分野の一つであり、また、読者にとっての必要性も高いと思われるからです。 第7章と第8章では、それ以外の多様な紛争・危険防止策について、前者では、雇用、投資、保証といった経済取引の、後者では、医療、日常事故、いじめ、海外旅行、高齢者をねらった犯罪といった日常生活上の紛争・危険の各観点からくくった上で、重要と思われる事項をピックアップしてゆきます。 -
精読 アレント『人間の条件』
ハンナ・アレント(1906-75年)の『人間の条件』(英語版1958年)は、「人間」とは何か、とどまるところを知らない科学と技術の進歩は人間をどう変化させるのか、といった課題を考える際に不可欠の書として多くの人によって手にされてきた。待望の新訳(講談社学術文庫)刊行に際し、その訳者を務めた第一人者が決定版となる解説書を完成。定評ある『精読 アレント『全体主義の起源』』(講談社選書メチエ)の姉妹篇。『人間の条件』全6章のエッセンス、その背景や可能性を徹底解説! 【本書の内容】 序 章 マルクスと西洋政治思想の伝統 1 古典的政治哲学の成立 2 ソクラテス 3 存在への問いとプラトン 4 近代の転換 5 自然と人間の物質代謝 第I章 観照的生活と活動的生活 1 アウグスティヌスと古代世界の没落 2 不死と永遠 第II章 公的なものと私的なもの 1 アテナイにおける古典的ポリスの成立 2 古代における公私の区分 3 社会的なるものの勃興 4 公的領域の光の喪失 5 私有財産の意味 6 公私の区分の意味 第III章 労 働 1 「労働」と「仕事」 2 「世界」と労働、仕事の位置 3 人間の生と労働の意味 4 労働と生産力 5 私有財産の源泉としての労働 6 労働の労苦からの解放は何をもたらすか 7 大衆消費社会という不幸 第IV章 仕事と制作 1 産業革命における「消費」の無限拡大 2 制作過程の変容 3 功利主義批判 4 工作人と交換市場 5 世界の永続性と芸術 第V章 行 為 1 第二の「出生」 2 行為と人間事象の脆さ 3 ギリシア人の解決としてのポリスと「権力」概念 4 ヘーゲルからマルクスへ 5 行為の代替としての制作 6 人間関係を修復する「奇蹟」としての「許し」 7 行為の「予測不能性」に対する救済としての「約束」 8 自然過程への「行為」の介入 第VI章 近代の開幕と活動力のヒエラルキーの転換 1 近代の起点 2 ガリレオによる望遠鏡の発明 3 近代数学と経験からの解放 4 デカルトの懐疑 5 デカルト的内省と共通感覚の喪失 6 観照と活動の伝統的なヒエラルキーの解体 7 制作から過程へ 8 「工作人」の敗北と功利主義の限界 9 労働と生命の勝利 10 展 望 -
どんがら トヨタエンジニアの反骨
会社のために働くな。 「絶対に売れない、儲からない」と言われた、時代に逆らう最後のスポーツカーを、命がけで造り上げた男がいる。 日本最大の自動車会社・トヨタでもがき、苦しみ、サラリーマンでありながらも夢を追い続けるエンジニアたちの、心ふるわすノンフィクション。 スポーツカー「86」「スープラ」の復活を手掛けた元トヨタチーフエンジニア・多田哲哉を主人公に、技術者やその家族の苦闘と人生の喜びを描いた「週刊現代」の人気連載「ゼットの人びと」を大幅に加筆修正。 これまで秘密のベールに包まれてきた、トヨタエンジニアの牙城「技術本館」内部で繰り広げられる人間模様、スポーツカー開発の詳細なプロセス、そしてトヨタを世界企業に押し上げた歴代チーフエンジニアたちの「仕事術」にも、綿密な取材で肉薄する。スポーツカーファンのみならず、人生と仕事に悩むすべての人へ贈る物語。 -
データ思考入門
統計や数字に強くなる! 現代人必修の「データを使いこなす力」を、GoogleやSmartNewsなどで教えるエキスパートが分かりやすく解説。 真実を見抜き、正確に伝えるための「データ思考」入門。 ◇◇◇◇◇◇◇◇ 「データ可視化」は現代人必修! 「この本では、データ可視化を効果的に行うために必要な「データ思考」とでも呼ぶべき思考法を丁寧に解説していきます。この本を読むことで、データを正しく読めるようになるのはもちろん、実際に皆さんがデータを使いこなし、効果的に情報を伝えるための「データ可視化のための考え方」を身につけることができます。数字や統計に苦手意識がある方でも、ほんとうの意味で「データに強く」なれるでしょう。」(「はじめに」より) 【本書の内容】 ・人はデータを「読む」ことはできない ・コロナの感染状況を最も的確に表現したグラフ ・ナイチンゲールが作った「データ可視化」の名作 ・みんな騙される「詐欺グラフ」の見分け方 ・年収が上がるほど血圧が高くなる? ・分かりやすいグラフに不可欠な「データの絞り方」 ・「データの軸」を見定めよ ・甲子園投手の「過剰投球」を一目で理解させるには ・「台風の進路予想図」の大いなる誤解 ……ほか 【本書の構成】 第1章 データ可視化という強力な武器 第2章 データを読み解く 第3章 データを編集する(理論編) 第4章 データを編集する(実践編) 第5章 データをデザインする 第6章 多様なデータの見せ方 第7章 データ可視化をどのように改良するか 第8章 炎上や誤解を避ける 第9章 データ可視化と報道 -
「心の病」の脳科学 なぜ生じるのか、どうすれば治るのか
【最新研究から見えてきた精神疾患のしくみと治癒への道筋】 ・うつ病の脳では炎症が起きている? ・遺伝要因と環境要因、どちらの影響が強いのか ・統合失調症の幻覚は、脳の神経回路の配線障害が原因? ・ロボットが、自閉スペクトラム症の患者を支援する ・ゲノムの中を飛び回る遺伝因子が統合失調症を引き起こす? ・認知症薬でPTSDのトラウマ記憶を消せるかもしれない ・精神疾患の根治薬の開発を実現するには ……など うつ病、自閉スペクトラム症・ADHDなどの発達障害、PTSD、統合失調症、双極性障害…… 多くの現代人を苦しめる「心の病」は、脳のちょっとした変化から生まれます。 誰にでも起こりうるこの病は、何が原因で、 どのようなメカニズムで生じるのでしょうか? さまざまな角度から精神疾患の解明に挑む研究者たちが、研究の最前線をわかりやすく解説。 そのしくみから、「治る病」にするための道筋まで。 -
同和のドン 上田藤兵衞 「人権」と「暴力」の戦後史
政界でもメディアでも知らぬ者はいない「京都のドン」が初めて語った。没落と反抗、暴力と抗争の修羅場を経て、自民党系同和団体のトップとなった上田藤兵衞は、あらゆる差別と闘ってきた。その人生は、そのまま戦後の暴力団・同和・経済事件史そのものでもある。山口組五代目と親交を結び、野中広務とタッグを組み、部落解放同盟と拮抗した上田が見たもう一つの戦後史とは何か? 発売前から業界を賑わせている本格ノンフィクション。 -
雪の日にライオンを見に行く
残留邦人の祖父を持つ、唯人(ゆいと)。父は中国で生まれ、日本で家族をつくったが、唯人がおさないころに帰国してしまった。 唯人は、何をするにも自信がなく、話すのも苦手。 大事なことを自分で伝えられず、いとこの洋(よう)ちゃんにくっついて任せてしまう。 洋ちゃんとクラスが離れた小学五年生の秋学期、クラスに転校生がやってくる。 クラスメイトがあれこれと話しかけても、転校生の生島梓(きじまあずさ)はそっけない返事ばかりして、クラスになじもうとしない。 唯人はそんな梓に親近感を覚えるようになる。 老人福祉施設を訪問してのクリスマス会、年末年始の家族のやりとり、年明けのなわとび大会…。 唯人は、中国残留邦人としておじいちゃんが抱えてきた悩みや家族への葛藤、梓が抱えている孤独を知っていくことになる――。 第24回ちゅうでん児童文学賞 大賞受賞作品。 [選考委員:斉藤洋氏、富安陽子氏、山極寿一氏] いろいろな者たちの孤独が、あるところでは重なり、他のところでは、同じ言葉ではあらわせないほど遠くへだたっている。元来、孤独ということは、そういうものなのだ。――斉藤洋 多種多様な子ども達を、「そんな子がいてもいいのです」という、小学校の先生の一言が支えます。その言葉のなんと強く、温かいこと!――富安陽子 いったい自分は何者なのか。アフリカの多くの民族が入り交じった地域でゴリラの調査をしてきた私には、その葛藤がよくわかる。――山極寿一 -
おしごとのおはなし 電車の運転士 おしいれ電車
おしいれの中に運転席をつくると、今でも運転士だったお父さんがそばにいる気がして……。感動的で、運転士の仕事がよくわかるお話。 子どもたちに人気の職業をテーマにした童話シリーズ「おしごとのおはなし」。 あこがれのお仕事や子どもに身近なお仕事を題材に、10人の豪華執筆陣が描き下ろした、小学中級向けの創作童話です。 ●シリーズ「おしごとのおはなし」の特色 ・野間児童文芸賞等多数の受賞作家やミリオンセラー作家など、現代を代表する一流童話作家の書き下ろし。 ・「物語の楽しさ」を第一に書かれた作品は、どの一冊をとっても、すぐれた童話作品として楽しむことができます。 また、シリーズを通して読むことで、さまざまな職業に触れることができ、視野が広がります。 ・実力ある画家によるイラストが入っていて、低学年から、ひとりで読めます。 ・巻末に収録したコラムページで、職業への理解が深まります。 ・朝読にもぴったりのボリュームです。 -
どうした、家康
人質から天下人へ。徳川家康のドラマチック人生! 幼少で母と生き別れ、少年時代は人質として各地を転々とした徳川家康。戦国の世を勝ち抜き、天下人として幕府を開くまでに、何度も訪れる人生の節目で、都度難しい選択を迫られた。織田家に囚われてから大坂の陣まで、歴史時代小説の精鋭十三人が趣向を凝らす、歴史改変もありの短編集。〈文庫オリジナル〉 織田家の人質となっていた少年時代 桶狭間の戦い 三河一向一揆 三方ヶ原の戦い 本能寺の変後の伊賀越え 小牧長久手の戦い 関東移封 関ヶ原の戦い 大坂夏の陣 など。 徳川家康の節目となった事績や事件をテーマに、ついに天下を手中に収めるまでの分かれ道を彼がどう切り抜けたか、史実に忠実な作品だけではなく、「あのときこうなっていたら」という歴史改変ものも含むバラエティー豊かなラインナップで、超短編を集めました。 -
香港陥落
1941年12月8日未明、日本軍はハワイオアフ島の真珠湾軍港を奇襲攻撃、太平洋戦争が始まった。さらに同日未明、当時イギリスの植民地だった香港攻略作戦を開始した日本軍は18日に香港島へ上陸、25日、イギリスは全面降伏。以降、香港は3年8ヵ月にわたって日本の統治下に置かれた―― 元ロンドン駐在の外交官・谷尾悠介、イギリスから香港へ流れ着いて通信社で働くリーランド、香港の貿易商・黄。日本軍が占領する直前のイギリス領香港で出会った国籍の異なる三人。酒と広東料理とシェイクスピアを愛する男達が、それぞれが秘密を抱えながらも奇妙な絆で結ばれていく。過酷な時代の狂風が吹き荒れる中、国家と個人はどう向き合えばいいのか。谷崎潤一郎賞・ドゥマゴ文学賞のダブル受賞作『名誉と恍惚』を凌ぐ、傑作長篇。 -
「無能はいらない」と言われたから絶縁してやった
剣、魔法、治癒、支援――それぞれの最強格の四天王に育てられた少年は「無能」と蔑まれていた。 そんなある日、四天王達の教育という名のパワハラに我慢できなくなった彼は『ブリス』と名を変え、四天王達と絶縁して冒険者になることにした。 しかしブリスは知らなかった。最弱だと思っていた自分が、常識基準では十分最強だったことに。あらゆる力が最強で万能だったことを。 彼は徐々に周囲から実力を認められていき、瞬く間に成り上がっていく。 「え? 今のってただのゴブリンじゃなかったんですか?」「ゴブリンキングですわ!」 一方、四天王達は「あの子が家出したってバレたら、魔王様に怒られてしまう!」と超絶焦っていた。 電子書籍には特典として、鬱沢色素先生書き下ろし小説&pupps先生描き下ろしイラストも収録! -
こえてくる者たち 翔の四季 冬
――わたしたちは荒唐無稽な世界に生きています。ときに無差別におそいかかってくる者もいます。世界はわからないものだらけなのです。 大阪大学大学院人文学研究科 准教授 林千宏氏、絶賛!! 『ルドルフとイッパイアッテナ』シリーズ、「おばけずかん」シリーズでおなじみ斉藤洋が贈る、「翔の四季」シリーズの第三作。少年・翔の四季を通して描かれる目に見えるものと目に見えないもの、見えるものと聞こえるものの交差点。 翔の学校にあたらしく来た鞍森杏(くらもりあん)はすこし不思議な女の子。飼っているハムスターを見せてくれるが、このハムスター・シンは、時折消えるという。 同じ時期に、「かまいたち事件」という、衣服をすれちがいざまに切り裂かれる事件が起こる。 翔は、杏とのやりとりのあいだで、「聞こえないもの」だけではなく、「見えないもの」にも思いをめぐらせる。 -
言語ゲームの練習問題
【もっとも易しいヴィトゲンシュタイン入門!】 なんで犬をイヌって呼ぶの? 地球人の数学と宇宙人の数学は似てる? 私とあなたの「痛い!」は同じ? 私たちを支配する「社会のふるまい」のルール=「言語ゲーム」。 そのヴィトゲンシュタイン哲学の核心を、36の練習問題を解きながら平易な言葉で解説! 「約束しよう。 この本は、ヴィトゲンシュタインに比べればまるでオモチャだ。小学校の算数だ。でもその問題が解けるかどうかで、自分の生き方も、ものの見方も、まるで違ってしまうという覚悟で考えよう。さもないと、ものを考えたことにはならない。 子どもは、真剣に遊ぶ。真剣に遊ばなければ、遊んだことにはならない。 おとなは、真剣に考えよう。考えることに、お金はかからない。その気になれば、誰でもできる。そして、真剣に考える大人が増えれば、この世の中はその分だけ、ちょっとましになると思う。」ーー第3章より 【本書の内容】 ・失われた文明の解読は、暗号の解読と同じ? ・言語を正しく使って、初めて人間は人間になる ・『論理哲学論考』と『哲学探究』の相違点 ・言葉の意味は、言葉では説明できない ・私を私たらしめる「固有名」と「確定記述」 ・人間は言語ゲームを抜けることができるか? ・クリプキの懐疑論と「くゎ算」という思考実験 ・規範(価値)は同時に「事実」である ……ほか 【本書の構成】 1、隕石衝突問題 2、世界の終わり 3、宇宙人を見分ける 4、言葉と意味 5、言葉と実物世界 6、固有名 7、ゲームとルール 8、数列とルール 9、偶然と自由と可能世界 10、感覚と内面 11、文の仕組み 12、嘘 13、ルール懐疑主義 14、確実性について 15、言語ゲームの応用問題 -
越境の中国史 南からみた衝突と融合の三〇〇年
香港の民主化運動への禁圧、台湾への軍事的圧力――。現在の中国が見せる、特に南部への強硬な姿勢には、どのような歴史的背景があるのだろうか。中国史のフロンティア=華南地方の周辺民族と移民活動に焦点を当て、南から中国史を見直す。 中国の歴史は従来、黄河流域に展開した古代王朝の興亡史や、騎馬遊牧民が打ち立てた大帝国など、「北から動く」ものとして捉えられてきた。しかし、清代末期、広州などの港町を窓口とした近代ヨーロッパとの出会いをきっかけに、新しい時代が始まる。洪秀全の太平天国、孫文の辛亥革命など、社会変革の大きな動きは南から起こり、中国史上初めて「南からの風が吹いた」のである。その「風」を起こしたのは、漢民族にヤオ族・チワン族やミャオ族、さらに客家など様々な人々が移動と定住を繰り返す「越境のエネルギー」だった。 世界のチャイナタウンではなぜ広東語が話され、福建省出身者が多いのか。周辺民族は、漢民族のもたらす「文明」にどのように抵抗し、あるいは同化したのか。辺境でこそ過剰になる科挙への情熱や、キリスト教や儒教と軋轢を起こす秘密結社、漢民族から日本人そして国民党と、波状的な支配を受ける台湾原住民など、中国社会の多様性と流動性を史料と現地調査から明らかにし、そこで懸命に生きてきた人々の姿を見つめる。 目次 序章 中国史のフロンティア=華南 第一章 動き出した人々――福建・広東の移民活動 第二章 越境する漢人移民――広西と台湾への入植 第三章 辺境の科挙熱――中国文明と向き合う 第四章 周辺民族の抵抗と漢文化――流入する移民と秘密結社 第五章 太平天国を生んだ村で――移民社会のリーダーたち 第六章 械闘と動乱の時代――つくり直される境界 終章 越境してやまない人々――海外移住と新たな統合 あとがき 参考文献 索引 -
影と踊る日
「おまえは出来は悪いが、うちの娘だ」 思いつめたら突き進む“跳ねっ返り”女性警察官の真情。 認知症の高齢女性を助けた青年が水死体で発見された。 鈴山澪は事件の背後に悪名高い刑事の存在を探り当てる。 不審な動きを見せる刑事は何を追っているのか? 特殊詐欺の闇を抉り出す渾身の警察小説! 心優しき青年はなぜ殺されなければならなかったのか? 新潟県警に勤務する鈴山澪は地元のテレビ番組で、特殊詐欺対策啓蒙コーナーを担当している。 共演者の麻子は、恋人を詐欺被害で亡くしていた。ある日、麻子は生放送で、未だに捕まらない 犯人への憎しみを口走って炎上する。 一方、澪の友人で、大雪の日に認知症の高齢女性を保護して表彰された青年がいなくなる。 その件に絡んで謹慎となった澪は行方を探し、富山の海岸で変わり果てた姿を目にする。 辿りついた防犯映像には地元暴力団との交際が噂される刑事の姿が……。 警察組織に背を向けて事件を追う澪は、いつしか、封印した自らの過去に踏み込んでいくことに――。 新潟を舞台にした新たなる警察小説 -
隣国に輿入れした王女付きモフモフ侍女ですが、本当の王女は私なんです ~立場と声を奪われましたが、命の危機に晒されているので傍観します~
火山国ファストゥの王と山猫獣人である母との間に生まれた王女、エルヴィール。 生まれた当時王女がいなかったため、非嫡出子ながら特例として王女の地位にあったエルヴィール――ルヴィは、ファストゥと緊張関係にある隣国ツークフォーゲルの国王、アルノルト二世に嫁ぐことになる。 しかしルヴィには悩みがあった。 ルヴィの数日後に生まれたために王女になれなかった母親違いの妹、ルビー。 数日の差を恨み、ずっと嫌がらせをしてきた彼女が、ルヴィの侍女として随行するらしいのだ。 いざ輿入れの旅の中、ルヴィの乗った馬車が襲われ、刃物で刺されてしまう。 なんとか助かったものの、声が出せなくなっている上に、ルビーが王女ということになっていた! だけど、アルノルト二世の筆頭補佐官であるアレクシスの屋敷で過ごす日々は穏やかで――! -
彼女たちのいる風景
私たち、38歳。全てが順風満帆にすすんでいる、はずだった。 出産によって「マミートラック」に追いやられてしまった凛。 シングルマザーとして、発達障害の子供を抱え貧困から抜け出せずにいる響子。 週刊誌のサブデスクまで上り詰めがらも、不妊治療がうまくいかない美華。 月一回のランチ会で愚痴をこぼすことでストレスを解消していた私たち。 いつの間にか「本当の悩み」は避けるようになっていた―。 相手を見下すことでしか自分の人生を肯定できない「私」は心が汚れているのだろうか。 「女」、「妻」、「母」。 役割を背負わされ、反発しながらも生き抜く、三者三様の戦い。 -
白い旗
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 玉砕か、降伏か、人間の尊厳を問う衝撃の問題作! 戦記ドキュメンタリー完全復刻! 「硫黄島は、その名のごとく硫黄の島であった。井戸を掘っても、硫黄臭い海水まじりの湯が出る」。昭和20年2月、米軍に包囲されながらも、日本軍は必死に戦っていたが、押し寄せる物量の前に徐々に攻略されてしまう。やがて弾薬も食料も尽き、決断の時が迫る。玉砕か、降伏か、人間の尊厳を問う衝撃の問題作。 -
量子の世界をみる方法 「スピン」とは何か
電子の「スピン」といわれたときに、皆さんはどんなイメージを持ちますか? 「地球が自転をしながら太陽のまわりを回るように、電子が自転しながら原子核のまわりを回っているようなイメージ」や「電子がコマのように回っている」「フィギュアスケートの選手のように回っている」などのイメージが頭に浮かんでいるのではないでしょうか? 実は、この答えは正しくないのです、といったら皆さんは驚くでしょうか。 「スピン」は私たちの暮らしているマクロな世界の「回転」とは異なり、なかなか感覚的に掴みにくく、それが「スピン」への理解を難しくしているのではないかと思います。 本書は、「スピン」をもっと深く、そして正しく理解してほしいという思いから、物理学者とサイエンス分野の広報関係者、そして素人!? がチームを組んで執筆しました。 この本は、多様な読者を想定したものです。物理に興味のある高校生から「スピン」をきちんと理解したい大学生。学生時代に量子力学の授業で「スピン」の話を聞いたことがあるけど、もう一度、きちんと理解したいと思っている方などなど。さまざまな人に本書をとおして「スピン」の不思議さやおもしろさ、凄さを知ってもらいたいと考えています。 「スピン」の正体とは? 量子力学の誕生からスピンの発見までの歴史的な背景。さらに「スピン」はどのように記述され、捉えればいいのか? 本書では、できるだけ具体的に理解できるように「シュテルン=ゲルラッハの実験」を紹介しながら解説していきます。 さらに、電子だけでなく、陽子、素粒子のスピンまでを取り上げ「量子」の世界をみていきましょう。 そして、2022年度のノーベル物理学賞の受賞でニュースでも話題になっている「量子もつれ」を利用する量子コンピューターや生き物の特殊な能力について、そのほかにも超電導や永久磁石など社会の様相さえ劇的に変えつつあるスピンを利用した技術最先端までをていねいに解説していきます。 本書を片手に「量子」と呼ばれる摩訶不思議な世界に飛び込み、「スピン」をめぐる冒険に出かけましょう。
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